弐瓶勉 TSUTOMU-NIHEI wiki@2ch

ストーリー(BIOMEGA)

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バイオメガ ストーリー





9JO編(第1巻)


東亜重工編(第2巻~)


BIOMEGAガイド  594さんに感謝!


 このサイトに転載させていただきましたが文章の改行などレイアウトが崩れてしまっています。594さんは雑誌掲載時のレイアウトを忠実に再現してくださっているので、そちらをご所望の方は こちら のtxtファイルを保存してご覧ください。



#1  火星の話が多い

p17
 1996年、NASAは南極で採取された火星起源の隕石から、バクテリアの痕跡を発見。火星に生命がいた事を示唆した。しかし、それが本当に生命由来か、無機的にできたか意見が分かれている。最近、隕石の痕跡そっくりの磁鉄鉱結晶を作れる事が明らかになって、生物痕跡説は劣勢だ。決着は火星探査でつけるしかないだろう。

p19
 2004年は日米欧が相次いで探査機を送り込み、マーズラッシュと言われるほどだった。しかし、「プロジェクトX」なみに何重にも重なったトラブルで日本の探査機「のぞみ」は火星軌道投入を断念。また、昨年末に火星上空まで到達した欧州宇宙機関(ESA)の着陸探査機「ビーグル2」も、火星大気圏突入後に行方不明になった。

p24
 H・G・ウェルズの「宇宙戦争」は、皆さんご存じ、火星からの侵略を描いた、SFの古典中の古典だ。1938年のハロウィーン前日にオーソン・ウェルズによってラジオ・ドラマ化され、ホンモノのパニックを引き起こしたのはあまりにも有名。しかし、実際に原作を読むと、思索的で奥が深い。思弁小説としての SFの傑作だ。

p29
 2004年1月、NASAの火星探査車スピリットが火星に着陸。初めて撮影した領域は「ワサビ地区」、中央幅数十センチの岩は「サシミ」、右の岩は「スシ」と命名された。スピリットはバグで何度か活動停止したが、必死の努力で復帰・改良され、ミッションは5ヶ月延長。現在、3キロ離れたコロンビア・ヒルに向け移動中。

p33
 地に花、人に愛、火星に水。NASAの火星探査車オポチュニティとスピリットは、火星に水の存在を確認した。現代化学は、水あるところに生命ありと説いている。火星には、独自の進化を遂げた生命体が必ずいるだろう。人類が火星に到着した時、それは病原体となるのだろうか。それとも、新しい医薬や技術に応用されるだろうか。

p36
 生命はどこにいるか。ここ十年でわかってきたのは、地球の生命のうち、地面と海底より上に存在するのは、全体の半分でしかないということだ。残りの半分は、地下10キロ程度までの地底で密かに生きている。彼らは日光も酸素も必要とせず、少しの地熱をエネルギーに、水と地球そのものを餌として、ずっと進化を続けてきたのだ。

p37
 火星テーマの映画は多い。「宇宙戦争」(1953)は、宇宙機のデザインも美しく今も古びない。「トータル・リコール」(1990)はP・K・ディック原作のシュワちゃん主演作。「マーズ・アタック!」(1997)はティム・バートンの傑作コメディだ。

p38
 火星テーマのSF小説も数多いが、無視できない傑作の一つが、キム・スタンリー・ロビンスンの「レッド・マーズ」(倉元SF文庫)だろう。選抜された 100人の科学者チームによる火星の地球化(テラフォーミング)の物語で、上巻は好みの分かれるメロドラマに終始するが、下巻の圧倒的な描写はSFの極致といえる見事さだ。

p39
 今年の火星探査を控えて、火星ものの映画が複数作られている。ブライアン・デ・パルマの「ミッション・トゥー・マーズ」(2000)は茶碗を投げたくなるが、バル・キルマー主演の「レッド・プラネット」(2000)はまあまあ。スペインの「ストランテッド」(2002)は、地味な話だがハリウッド調とは一線を画する。

p40
 「バイオメガ」の主人公が駆るバイクは、女性人格の知性を持つ。同様のコンセプトの乗り物が登場する作品に、'80年代のアメリカTV番組「ナイトライダー」があった。これに登場するスーパーカー、ナイト2000には、KITTという名の人工知能が搭載されている。KITTは自らの意思で行動し、つまらん冗談までトばすのだ。

p41
 グレッグ・ベアの「火星転移」(ハヤカワSF文庫)は、人類が火星に殖民して100年以上が過ぎた時代の物語。地球、月、小惑星の経済圏トリプルと、辺境の火星との間の確執を、超絶テクノロジーを交えて描き出す。マニアックな読者にも充分読み応えがあるが、そうでない人にも読みやすい。SFの面白さを満喫できる作品だ。

p43
 古典的なゾンビは、地中の死体が蘇る、黙示録的でのろまな存在だった。しかし、ゲーム「バイオハザード」以降、ゾンビは人工ウイルス感染症に変貌。「ドーン・オブ・ザ・デッド」「28日後」のモダン・ゾンビは、現代の慌ただしさを反映してか、死、即、ゾンビ化して、襲ってくる時も走る走る、跳ぶ跳ぶ。怖いよ~。



#2  無し



#3  クマのせいか知性化の話が。

p71
 喋る熊は、何者かによって「知性化」されたのだろうか。それは本当に可能なのか。現代科学は、その可能性を示唆している。プリンストン大学の銭卓らのドギー・マウスとノースウェスタン大学のA・ルーテンバーグらのメンサ・マウスがそれだ。遺伝子操作された両系統のマウスは、記憶力が通常より1.5倍も増強されたのだ。

p75
 ヒト、チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オランウータンはホミノイドというグループに属する。このうちヒトの特徴は何か。大きな脳? それもあるが、際だつのは肥満できることだ。ヒト以外のホミノイドは、体脂肪率が数%で太れない。一方、脳の主成分も脂肪で、乾燥重量の60%もある。ヒトの大きな脳は、脂肪蓄積でもたらされたのだ。

p76
 天才マウスは、脳内のNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)という物質の受容体の数が増える遺伝子改造が施された。この受容体はグルタミン酸と結びつくと、アラキドン酸という脂肪酸を出し、それが記憶強化に関係する。つまり、知性の強化とある種の脂肪酸=脂肪の分解物は密接なのだ。この方法で、クマも知性化できるかも。

p77
 知性を持つ動物が登場するSFといえば、デビッド・ブリンの「知性化シリーズ」(ハヤカワ文庫)は外せない。5大銀河系は、列強種族達に支配されていた。そこでは、全ての種族は上位の「主族」に「知性化」された過去を持ち、原始的な動物を知性化した「類族」を従える。新時代スペース・オペラの傑作シリーズだ。

p78
 知性化シリーズには「サン・ダイバー」「スタータイド・ライジング」「知性化戦争」と「知性化の嵐」シリーズの「変革への序章」「戦乱の大地」「星海の楽園」がある。いずれも単独でも面白いが、全体を通すとさらに奥深い謎が明らかになり感動を覚える。SFだけに許された、センス・オブ・ワンダーを味わいたいならこれだ。



#4  金本のせいかロボットの話。

p88
 戦闘ロボットは、どの程度リアルなのか。米国では、戦争で自国兵士が死なないように、兵器のロボット化を進めている。無人偵察機プレデターは、アフガニスタンやイラクで頻繁に使われ、米議会は2015年までに航空機と陸上車両の3分の1以上の無人化を求めている。2025年には、知能を持つロボット戦車も予定されている。

p94
 恐るべき戦闘力を持ったロボットというと、「ターミネーター」がまず思い浮かぶ。'84年の第一作は、低予算ながらアーノルド・シュワルツネッガーとジェームス・キャメロンを一躍有名にし、'91年の「2」ではCGによるナノテク・アンドロイドが話題を呼んだ。'03年の「3」では、パラドクスの環が生じ、三部作を見事に完結させている。



#5  クマと遺伝子の話。

p102
 クマが出てくるSFといえば、やはりポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスンのホーカ・シリーズは忘れられない。ホーカとは惑星トーカの原住民で、テディ・ベアを大きくしたような、愛嬌のある外見をした生物だ。「地球人のお荷物」「くたばれスネイクス!」「がんばれチャーリー」(ハヤカワSF文庫)がある。

p103
 ホーカたちは異文化が大好きで、夢中になると、一族郎党がこぞってその真似をする。不時着した地球人の書物を読んだ彼らは、西部劇からシャーロック・ホームズ、宇宙パトロールまでそっくりコピー。愛らしい彼らがそれを演じて繰り広げるドタバタは抱腹絶倒だ。でも、それが、ちょっぴりほろ苦い文明批評になっている。

p105
 オワンクラゲのGEP(緑色蛍光を発するタンパク)遺伝子は、遺伝子研究用に様々な動物に組み込まれている。この種の遺伝子組換え生物(Living Modified Organism:LMO)は、山野に放つと野生種と交雑しかねないので、厳重な管理が必要だ。しかし、台湾やアメリカで、光る鑑賞魚として市販する企業も登場し問題になっている。

p108
 SFでは、遺伝子をいじることで、ほとんど何でもできるように描かれる事が多い。たとえば、天才的な頭脳やスポーツ能力も、遺伝子操作で可能というイメージだ。しかし、現実はそう簡単ではない。むしろ、何ができて何ができないかは、現時点では不明というのが正直なところだ。ある改良が、別のマイナスの副作用をもたらす可能性も大きい。

p109
 遺伝子操作で脳の神経伝達物質のレセプターの数を増やし、記憶力を1,5倍にしたマウスが作られている。しかし、このマウスは通常よりも、痛みを感じやすい。仮にこれを人間に適用できたとすると、記憶力がアップする反面、痛みを感じやすく苦痛を忘れにくいので、いじけた性格に育つかもしれない。現実は単純ではないのだ。

p111
 コカイン中毒者は、快感が忘れられず克服が難しい。麻薬抗体なら快感を消せるが、薬で与えても脳に入らず効果が薄かった。しかし、マウス実験で、麻薬抗体遺伝子を組みこんだ無害なウイルスを脳に感染させると、コカインの快感が消せることが明かに。将来的には、麻薬中毒の治療には、ウイルスが用いられるかもしれない。

p112
 遺伝子組み替えで、浮気性が治療できるかもしれない。エモリー大学のミランダのグループは、性的に活発なハタネズミの雄の脳に、遺伝子組み換えされたウイルスを注入、前脳腹側部のバソプレシン・レセプターを増加させた。数日後、彼らは雌への欲望を失い、一夫一婦制に近い行動を示すようになった。こんな「治療」受けたいと思う?



#6  高さへの挑戦の話。

p124
 人類は、どこまで高い建築物を造れるだろう。現在、911テロで倒壊した世界貿易センタービルの跡地には、フリーダムタワーの建築が始まった。これは完成時に高さ541mに達して、現在最高記録の、台北国際金融センタービルの508mを抜く。これは、現時点の建築技術の限界=1600mからすると、かなり低目の建物でしかない。

p125
 生物(樹木)は、どこまで高く、そびえ立つ事ができるだろうか。カリフォルニア北部にあるフンボルト・レッド・ウッド州立公園には、樹齢が2000年を越えて、高さ112.7mに達するセコイアがある。理論的には、植物が重力に逆らってどの高さまで水を運び上げられるかが樹高を決めるが、これは130m がほぼ限界のようだ。

p128
 地雷の除去にはバイオテクノロジーが役立つかもしれない。地雷は発見が難しいが、微量の二酸化窒素ガスを出す。デンマークでは、このガスに敏感なシロイヌナズナの遺伝子を改造し、ガスを感じるとアントシアニン色素のスイッチが入るものを開発した。この種子を地雷源にまくと、地雷の場所で赤くなって教えてくれるのだ。



#7  SFのススメ

p142
 SFの深みにはまりたいなら、グレッグ・イーガンを読むべきだ。彼は21世紀SF界の最重要作家の一人といわれる。量子論の観測問題から人間原理、セル・オートマトンなど現代科学の先端と哲学の接点を、めくるめくアイデアで味付けして、読者を深い思索の渦中に案内してくれる。「宇宙消失」「順列都市」などSF者なら必読だ。

p147
 「順列都市」(ハヤカワ文庫)の舞台は、記憶や人格をコンピュータにダウンロード可能になった時代。富豪たちはコンピュータがある限り不死の”コピー” となって世界を支配している。その彼らに、宇宙に終焉を越え、永遠に存在できる方法があると提案する男が現れた。人間存在とは何か、そして時間と永遠の意味にも迫る傑作。

p148
 「宇宙消失」(倉元SF文庫)は、太陽系が丸ごと、”バブル”に閉じ込められ、星空が消失した世界が舞台。もと警官のニックは、自分で動けないはずの、先天性脳欠損症の患者の捜索という奇妙な依頼を受ける。謀略渦巻く中、彼はいつしか宇宙消失の謎に迫っていく。観測問題の深淵を、驚天動地のアイデアで料理したSFサーカスは見物だ。



#8  人体の豆知識

p156
 米国立癌研究所の研究によると、右利きの95%以上はつむじが時計回りで、左利きや両手利きの人のつむじは、左右同じ割合になるという。これは遺伝子に右とランダムの二つの型があって、右遺伝子を1個か2個持つと右利き右巻き、ランダム遺伝子2個だと、利き手もつむじも半々になるから。現在この候補遺伝子が探索されている。

p157
 人間は嗅覚が鈍いため、フェロモンのような匂い物質が、影響を及ぼすことはないと思われていた。しかし、米国モネル化学感覚研究センターの研究によると、男性のわきの下の汗の匂い成分に、女性をリラックスさせる効果があることが明らかに。この匂いは月経周期もずらすため、匂いによる妊娠コントロール薬の開発も行われている。

p158
 運動の前後にトレッチングをすれば、日常使われていない筋肉が、けいれんして痛んだり、けがをする危険が少なくなると考えられている。ところが、信頼できる比較研究や動物実験でも、これまでのところストレッチングにそのような効果を示す結果が出ていない。つまり、ストレッチングは気持ちは良いけど、効果はないらしい。

p166
 人種は様々だが、遺伝的に見ると人類には、相違点より類似点の方が多い。南カリフォルニア大学では、52の異なる文化と民族を代表する千人を越える人について400の遺伝子を比較した。その結果、全ての遺伝的変動の95%は集団内に存在し、3%だけが集団間に生じていることが明らかになった。つまり肌の色など取るに足らないことなのだ。



#9  宇宙の話。やっぱり弐瓶先生、月や火星に土地が欲しいんだろうか。

p182
 「2001年宇宙の旅」など、SFでは、長期宇宙旅行に人工冬眠が定番だが、欧州宇宙機関(ESA)では、現在これを実現する研究を行っている。注目の物質はDADLEといって、リスに注射すると夏でも冬眠を引き起こし、人の細胞の増殖を休止させる作用がある。動物実験や、冬眠するキツネザルの研究を経て、10年で目処をつけたいという。

p183
 映画「ディープインパクト」や「アルマゲドン」では、地球に衝突しようとする天体を、水爆で阻止する。しかし、現実にそれが可能という証明はない。 ESAは、ドン・キホーテ・ミッションという、小惑星に実際に宇宙船を衝突させて、軌道を変える試みを計画中だ。その開始は、早ければ、2010年から 2015年ころになる。

p185
 NASAは8月3日、水星探査機としては2度目、36年ぶりのメッセンジャーを打ち上げた。水星は地球に近いが、コストを抑えるために太陽を15周し、金星や水星の重力を利用して加速と軌道変更を行う長旅を選択し、2011年3月に水星周回軌道に入る予定。水星は太陽に近すぎ観測が難しかったが、これで多くの謎が解明されるだろう。

p186
 NASAは原子力宇宙船開発に本腰を入れている。「月と火星、さらに遠くへ」というブッシュ大統領の新宇宙戦略を受けたもの。原子力潜水艦で培った技術を応用し、宇宙の過酷な環境に耐える原子炉が開発中だ。これを探査機に乗せれば、実験機器を増やし、高燃費のイオンエンジンも使いやすい。2010年以降の木星衛星探査機へ搭載予定という。



#10  ソーラーセイルの話。

p192
 風を受けて海を走る帆船のように、太陽からの光の圧力を受けて、宇宙を航行する宇宙船をソーラー・セイルという。今年の8月9日、日本のJAXAは世界で初めて、宇宙空間で、直径10メートルのソーラー・セイルの展開実験に成功した。今後は、この帆を飛躍的に大型化させる研究を行い、将来は木星以遠まで飛ぶ宇宙ヨットを目指すという。

p193
 ソーラー・セイルが登場するSFとしては、アーサー・Cクラークの「太陽からの風」(ハヤカワSF文庫)を忘れる事はできない。この作品は、地球軌道から月までの光帆船のレースを描いた物語で、ソーラー・セイル特有の操船技術からレースの駆け引きまで、合理性に基づきながら、迫真の物語を語り尽くした傑作だ。

p194
 サンフランシスコ近郊の企業が、注文に応じてペットの猫のクローンを作る商売を始めている。費用は1匹5万ドルで、基となる猫の皮膚から取り出した遺伝子をもとにクローン胚を作り、代理母の猫に産ませる手法で、3匹のクローン猫を生み出すのに成功した。すでに5人の顧客が、愛猫のクローン発注しているという。

p195
 ナノテクノロジーで作り出される、ナノ粒子は、材料として優れている。しかし、それは人体にとって安全だろうか。これらの物質は、呼吸や皮膚から体内に吸収される。問題は、そのナノ粒子が有害かどうかだが、ナノ粒子化した物質は、そうでないものより有毒である可能性が高い。ナノ産業が、新たな公害の火種になる可能性は否定できない。



おまけ 連載時の巻末コメント

No.29
はじめまして、ニヘーです。
よろしくっす。

No.30
30分ぐらい考えたんだけど、
何も思いつきません。

No.31
最近はもう漫画ばっかりで

No.32
生ゴミ処理機を買うことに
しました。

No.33
ウチの猫がトノサマバッタ
食ってました。

No.36
暑いし色々あってもう大変
です。でも全然余裕です。

No.37/38
今年は面白い映画がいっぱ
いありますね。

No.39
今年の夏もマンガで終わっ
てしまうのでしょうね。

No.40
まだまだ暑いですが、皆さ
ん、頑張りましょう。

No.41
腹減ったなあ。

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