マクロスFRONTIERでエロパロ まとめwiki

6-355

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
354 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2009/02/27(金) 06:47:57 ID:N3O0C3zV
アルシェリ シェリル片思い
小説3巻の初めて物語り補完的(多分

  • なんだか詰め込みすぎて意味不明。
  • シェリル切ない

こんな感じですがこれ以上のものは文才が足りないので書けません。
4巻今日か明日発売なので、恥ずかしくて出せなくなる前に投下します!
誤字脱字は、校正一応頑張りましたが、あっても見逃して下さい。



355 名前:*The Heart asks for pleasure first* アルシェリ 投稿日:2009/02/27(金) 06:49:54 ID:N3O0C3zV
「アルト......あたしに勇気を頂戴。ずっと歌い続ける勇気を......」

あたしのこの願いは果たしてアルトにどう聞こえたのだろう?
滲む視界に垣間見たアルトの表情は、何かに必死に縋る様で胸に突き刺さる。
あたしがアルトに縋る様に、アルトもあたしに縋っているんだろうか?
障子の合間から洩れる明かりの下、至近距離に見えたアルトの存外長い睫毛と
唇を塞がれる暖かく柔らかい感触に睫毛が震え、そっと視界を閉ざした。

抱き潰されそうな程の強い抱擁と、深く長い接吻
溢れる唾液はどちらのものか解らず、洩れる吐息は徐々に荒くなってゆく。
頭の芯から蕩けて行きそうな程の圧倒的な恍惚感が頭を侵食してゆき
何してるの?思いながらも嬉しくて切なくて、泣き叫びたい程の歓喜が混ざり合う。
反比例する様に空虚な気持ちがあたしの中で犇めき合い、思考回路を掻き乱す。
「......シェリル」
重なり合った唇が僅かに離れ、唇が震えるのがわかる距離で名前が紡がれた。
甘く低い声に背筋はゾクリと震え、一体何と返していいか解らなくて困ってしまう。
返事をする代わりに、アルトの背中に廻した腕に力を少し込めた。
瞼を開けるのが怖い。けれどどんな感情であれ向けてくれるものは全て受け止めたい。
僅差で後者の思いが勝り、恐々と背中に廻していた腕を解き、鍛えられた厚い胸に
添えて恐々と瞼を持ち上げると目の前にあった琥珀色の瞳と視線が絡まった。

そこに居たのはいつもの穏やかな面影は無く異性としての、男のアルト
知ってる様で知らぬ一面。揺れる琥珀の瞳は様々な感情が混ざり合い潤んでいる。
不意に、不安な気持ちに駆られ押し返すが、反対に抱きしめられ首に添えられた手で
引き寄せられ離れていた唇が再度重なり、物理的距離はあっさりと消え去った。
優しさと凶暴さが混在して、優しくも息を奪う様に口腔内を蹂躙される。
ゆるゆると緩んでゆく意識の端で、浴衣の帯を解かれその間から少し硬い指先が
直接皮膚を撫で這い上がってくるのを感じ、自然と吐息が漏れた。
いつの間にか寝間の上に押し倒されている事に気が付き、心臓が跳ねる。
頭に血が上り、アルトから逃れ様と小さく身動ぐと、すんなりと解放された。

ぼんやりする瞳の焦点を合わせると、そこには、身を離したアルトが膝立ちで佇み
ジャケットととシャツを脱ぎ捨て、存外鍛えられている白い裸身を晒していた。
「あ......」
ぼんやりしていた意識も大急ぎで復活させる。
慌てていつの間にか全て開かれた浴衣の端を掴み掻き合わせた。
勇気を頂戴、等と言ったもののまさかここまでの事は予想していない。
ただ抱きしめてくれるだけで十分。なのに今現在の状況は一体どういうことだろう?
寝間の上に押し倒され肌も露わな自分を、上半身裸で切なげに見下ろしているアルト
まさかこの状態で、お医者さんごっこなどをして遊ぶ状態でも年でもあるまい。
どこからどう考えてみても、行き着く行為はただひとつ。
耳の中で騒いでいる様に心臓が五月蝿くなり、頬は火がついた様に熱い。
「ア、ルト......?」
震えそうになる声を必死に保ち、真意を確かめる様に声をかけた。
一体どうしてこんな事になったのだろう? アルトは何を考えているの?
....不確か過ぎるものの尋ねる事は憚られる。
答えはなく、変わらない表情で浴衣を掴むあたしの手の上に手を重ねられ、
どうしたらいいのか解らず戸惑っていると、手を掴んで体の脇へと導かれた。
浴衣を掴んだままの両手のお陰で、折角閉じた浴衣の前がゆるりと開かれる。
隠すものが取り払われ、素肌は空気とアルトの視線に晒された。
「......綺麗だ」
アルトの掠れた低い声が部屋に響き、どうしようもなく心臓が暴れた。
下着をちゃんと着てる。きわどい水着だってアルトの前で着たことだってあるし
アクシデントとはいえ、生で見られたことだってあった。大したことない筈
ふいに、変な下着じゃなかったわよね?と、頓珍漢な思いさえ交錯する。
恐る恐る視線を下げてみると一応お気に入りの下着だった。
変な安心感が一瞬支配したが押し倒されている現状に変化はない
先程も見られていた筈なのに、それと比べ物にならない位恥ずかしくて、
見下ろすアルトの視線から逃れる様に、瞳を閉じて首を反らした。
アルトが柄にも無く褒めるからだ。そう、アルトのおかしな感想が悪いのだ。
そう思って必死に暴れる心臓落ち着かせるのに躍起になっていると
反らしていた顔の横で衣擦れの音が聞こえ、首筋に熱い息がかかり
柔らかく、熱いものが押し付けられたのと同時に苦労は泡と成り果てた。

「んぅ......!!」
頬に、首筋やデコルテに触れるサラリとしたしなやかな髪の感覚
そして首筋を辿る熱く柔らかい感触にどうしようもなく声が漏れる。
感じたことのの無い未知の感覚が背筋を通り下腹部へと伝わった。
反抗が出来ないのを良い事にアルトの唇は、段々下へ下へと降下してくる。
鎖骨を辿り、胸の膨らみへとゆっくり、ゆっくり恐々と移動してゆく。
アルトは左胸に這わせていた唇を離し、そっと顔を傾け胸に埋めた。
「......聞こえる」
噛み締める様に呟かれた一言。何? と思ったもののすぐにその行動と
何かをかみ締める様な声色の意味がなんとなく解って泣きたくなる。
アルトの馬鹿、........あたしは傍に居る。生きてる。
あたしはアルトの声に答えることも出来ず、今にも溢れそうな涙を堪え
誤摩化す様に目の前にあった頭頂部へキスを落とした。
生きてる。あたしはまだ生きてる。そう。こんなにも必死に生きてる。
あたしに触れて、生きていると言う事を感じたいのなら感じて。
ただ誰かの温もりが欲しいだけでもいい。いくらでも感じていい。
だからそんな泣いている様な悲痛な声を出さないで。心の中で泣かないで。
浴衣から腕を抜き、胸に己を沈めるアルトの頭を柔らかく包み込む。
それをどう取ったのか、アルトは舌を這わせるのを再開させた。
「ん...っ!」
探る様にブラの中へ舌が這ってゆき、反対は手が添えられ揉みしだかれた。
邪魔に思ったのかブラはずり下げられ、その反動で胸がこぼれ落ちた。
押し出された胸の先端に、吸い寄せられるかの様に寄せられた唇
「あ...」
直接熱い舌で舐められ、吸い上げられてじんわりと痺れが生み出される。
それは下腹部へと向かって消え、また生まれては同じ場所へと消えて行く。
赤子が母親の乳を求めるのはこんな感じなのだろうか? そんな疑問を持ちつつ
吸ったり舐られる先端から甘い刺激が、漣の様にじわりじわりとあたしを襲い始める。
大体赤子はこんなに大きくはないし、こんな風に揉んだり舐ったりはしないだろう。
痺れる様な感覚に浮かされながら可笑しな事を考える自分に苦笑する。
「は...ぁ、.........ぅ、ん」
最初はくすぐったい様な感覚だったものが時間を経るにつれ徐々に甘い痺れへと
変化して行き、我慢しようとしても唇からは勝手に声が漏れてゆく。
触れられた部分から溶けて消えていきそうな位の優しく柔らかい恍惚感。
「ふ、ぁ......」
あたしの声が上擦っていくのと共に大胆になってゆく指は鳩尾、臍、と這い
下腹部へと滑り降り行き内腿に触れ、頼りないレースの下着へと伸ばされた。
ふいに触れれられたその場所から齎された刺激に背が跳ねた。
どの位舐められていたのかんだろう、胸の先端がテラテラと淫らに濡れている。
舐められていた、離れた熱い舌との温度差か触れる空気が冷たい。
淫猥なその視界の先には自分の恥部へと視線を落とすアルトが居た。
「全部見たい。見せて......シェリル」

視線を落とされている先を強く意識すると体の奥から何かが溢れる感覚が
沸き起こり、同時にそこが既に奥からの熱い雫で濡れている事実に気づく。
羞恥に染まり慌てて膝を閉じようとしたが、アルトの体に阻まれた。
仕方なく脚を上に引こうとすると、一瞬先に触れられた指の所為で力が抜ける。
「ふぁっ!」
再度、明確な意思を持って触れられた感覚に蕩かされ、力が入らない。
ジン、と鈍い刺激は一瞬にして背筋を這い上がり、脳裏を滲ませた。
「や、......アルト!」

痛いのか、痺れるのかよくわからない感覚に恐怖を感じて助けを求めた。
なのに、絡まった視線の先のアルトは何故か微笑さえ浮かべてあたしを見ていて
人が助けを求めているのにどうしてそんなに嬉しそうなんだろう。
好きにしてもいいと思うものの、意地悪をされるのはやっぱりムカツク
眉を顰めて不快に声を上げようとしたら、更に下着の間から指を差し入れられ
淫らに透明な雫を溢れさせているだろう秘唇にダイレクトに触れられた。
「ん......やぁ...ぁぅ!!」
探る様に滑る指先が先端に触れた瞬間、今までよりも鋭い刺激に背中が跳ねる。
知らない。こんなの知らない。何かに塗りつぶされそうな恐怖に震える。
腰を引き、上にずり上がろうとするも、厚い体を押し付けられ逃れられない。

「アルト...!」
怖い!やめて! 本能が訴えるまま、唇に言葉を乗せる寸での所で飲み込むものの
腕に手をかけ、力を入れてもびくともしないアルトが恐ろしいものに感じた。
一度涙腺が緩んでしてしまえば次から次へと溢れてくる涙は留まる事を知らない。
「シェリル......」
そんなあたしにアルトは顔中にキスを落としながら頬に添えた掌で、頬を撫でたり
涙をぬぐったりはするものの、下腹部に添えた指をそこから離す事は無く
ゆっくりとクリームを塗り込む様な仕草で撫でては押しつぶしたり、手を休めない。
優しく顔中に触れる唇と、じわじわと涌き上がってくる痛みと痺れが
頭の中でシンクロする様に上へ上へと押し上げられる様な感覚へと変化してゆく
「あ、アルトっ、ぁっ!」
鋭い感覚が全身を走り、お腹の奥が熱くなり全身が熱に浮かされる。
心臓が怖いくらいに五月蝿い。頬が、耳が熱くて、吐く息も熱い。何もかもが熱い。
「ぁ、あ! んぅ....ふぁ」
じんわりと痺れる感覚に囚われ、アルトが最後の砦である下着の紐に手をかけた。
それはあっさりと解かれ、力の入らない脚は折られ、恥ずかしい場所を近くで
直視されている事に気がついたものの、力が入らず抵抗という抵抗も叶わない。
はしたなく淫らに濡れている場所を見られる事に羞恥を感じる癖に、なお悪い事に
留まる事無い涙の様にトロトロと溢れ出すのを感じて更に恥ずかしくなった。

「っ、見ないで...」
広げられた脚を閉じることも出来ず、手で顔を隠す。誰にも、エステの時でさえ
直に見られた事も無ければ生活の中でも必要最低限しか触れた事もない場所
脚を折り曲げられ、そんな場所をダイレクトに見られ、羞恥心と恐怖心が混ざり合う。
「凄く綺麗だ」
一度好奇心から見た事があるが、お世辞にも綺麗だとは言い難いのではないだろうか?
そんな場所を見つめ、その上綺麗だなんて、アルトは一体どうしたのだろう?
そんなあたしの気持ちはどこ吹く風で、アルトは膝を立たせて脚を広げさせると、
体を屈めてそこを覗き込み、裂け目の上にある肉の突起に舌を這わされた。
「あ!やだ! ゃ、アルト。汚い、あ...」
快楽というよりも、羞恥から勝手に唇が震え声が上がる。
言葉は無視され、更に掬い取るように舌を這わせ奥にある場所へ指を沈められた。
「ん、!......ぁ、は、ぁ.....ふぁ、あ!」
内部を探るように、ゆっくりと長い指が侵入し、僅かな苦痛と同時に襲って来る
それを凌駕する熱い熱に浮かされ快感と痛みに溺れる。深い快楽に、眩暈がした。
くちゅくちゅと淫猥な水音が増し、部屋に広がり絶え間なく耳を侵して来る。
「すげぇ......びしょびしょ」
内側をぐるりとなぞり、差し込まれる指が増えるのを感じた。
慣れてきたのか、あたしの内部は軽い抵抗のみですんなりと受け入れる。
肉芽を舐りながら、抵抗の薄れて来た内側を縦横無尽に掻き乱される。
「ふ、......ぁ、あっ!」
増えた質量の異物が内側から止めどなく生み出される熱と重い感覚は
先程とは比べ物にない程あたしの意識を何処か遠くへ遠くへと押しやってゆく。
ぐちゅり、ぐちゅり、と淫靡な水音の重さも比例する様に増えて耳からも犯される。
あたしに聞かせる様に音を立てて肉芽を啜られ、内側のお腹側を指で攻められて
どうしようもないくらい、背筋がゾクゾクして、お腹の奥は切なくあたしに何かを訴える。
内と外からの鈍く鋭い波は高くあたしを攫って飲み込む様に襲い掛かって来た。
「ん! あ、あ、ふぁ....んぅっーーー!」
飲み込まれ、高みに一気に押し上げられ、激しく鼓動が高鳴る。
脳裏が、意識が、感覚が全てが浮かんで、小さな融合が、体の中で大きく爆ぜた。

体中の毛穴が開き、汗がじんわりと滲み出るのを感じ、痺れて、感覚がおぼつかない。
じんわり痺れ熱い自分のそこなのに、 似た様に何か熱いものが触れるのを感じて
瞼を持ち上げのろのろと視点をあわせると、そこにはアルトの昂りが押し付けられていた。
「ぁ...」
初めて見る天を仰ぐ様に屹ちあがった男性に、思わず息を飲んだ。
いつの間に全部脱いだのだろうか?ズボンも下着も取り払った一糸纏わぬアルト。
ギリシャ彫刻の様に全体的に優美で繊細な造りのアルトなのに天を仰いでいるそこだけは
異質で、ロダンの彫刻の様に生々しいく、男らしく猛々しい。
ーーーナニアレ。 あんなの入れるの?......入るわけないじゃない。
あまりの衝撃にそこから視線を離せないでいると、切なそうな声が聞こえた。
「......挿れたい。挿れていいか?」
猛るそこからのろのろと目を離し視線を上げると、アルトの形のよい眉根は寄せられ
切れ長の形に嵌められた琥珀の様な瞳が切なそうに潤んで煌めいていた。
この表情を見て断れる女は居るのだろうか?
見たものの衝撃はすっかり消え失せ、気が付く前に無意識に首を縦にこくり、と動かしていた。
あ、しまった、と我に返ったものの、時既に遅く、熱く屹立したものが宛がわれ
ゆっくりゆっくりと押し込まれてゆく。裂けて壊れてしまうかも。と心配したが
あれ、案外大丈夫? と安心したのは最初だけだった。少し先に進まれると
そこからは嘘の様に痛みが意識を支配をし始めた。抉じ開けて侵入される様な感覚。

「......!」
焼かれてしまいそう。引き裂かれ、熱した杭を差し込まれたような激痛。
ゆっくりと押し入ってくるそれが更に痛みをじわじわと伝えてくる。
悲鳴を堪え呻きも噛み殺したのは、意地なのか、痛すぎて声が出ないのか判別がつかない。
「っ、大丈夫......か?」
そっと窺う様に聞いてくるアルトの声は優しさに溢れ、痛みを訴える事は躊躇わた。
「熱い、熱いわ。凄く......熱い」
実際、突き刺さってるアルトのそれは猛って熱く、ただそう喘いだ。
繋がりあう場所から全て焼き尽くし、破壊されてしまいそう。
「シェリルの中も熱い。濡れて......凄くキツいけど柔らかい」
アルトの艶やかな掠れた喘ぎを聞いて、これ以上の幸せは無いと感じた。
我儘にも、寧ろ今この熱い熱と感覚に浮かされながら、終末が来て欲しいとさえ思う。 
仮にも愛している人とひとつになれたのだ。
歓喜、羞恥、寂寥。 色々な想いが入り乱れ言葉に出来ない感情が爆ぜる。
全部覚えて居たいけれど全部忘れたい。相反する想いが溢れて止まらない。
これから待っているだろう運命。脳裏に描いた幸せで虚しい幻も全て。
何も分からなくなるまで貪って。この刹那以外、アルト以外何も必要ない。
強烈な痛みの中で、感じる至福の幸せ。


ーーー愛してる!!


愛してる、愛してる、愛してる。そう、痛みさえもこんなにも愛おしい。
心も、あたしの体を形成する細胞の一欠片全てから止めどなく溢れてくる想い
泣き叫びたくなる程切なく強い想いは意識を攫って行く。
「あ......ついわ、...アルト。とっても、これ以上無いって程ーーー」
愛している、と自然と唇から溢れかけた言葉を慌ててすり替える、
シーツを掴んでいた指先を押しかかってくるアルトの首へと絡ませた。

ああ、なんて幸せなんだろう。そう思うと痛みさえも和らいで行く。
体の底から愛おしさが溢れ、胸が締め付けられ、甘く切なく震える。
「っ、ぁ。シェリルっ! 力、抜け」
急に息を呑んだアルトの躯が震えて、目の上に喉が無防備に晒される。
「アルト?......痛かった?」
何かを堪える様に苦しそうな表情を浮かべるアルトの表情を見ると胸が苦しい。
「ち、違う! その、なんだ。......そんなに締め付けられると、持た......ない」
少し拗ねた様にぶっきらぼうに何か訴えるアルトだが、イマイチよく解らない。
指先であたしの頬を撫でながらアルトが目を細めて視線を寄越してくる。
その表情はやはり何処か苦しそうで、切なく胸を締め付けた。
「 ....やっぱり痛いの?」
「 そうじゃない! .....気持ちよすぎて困ってるんだっ!」
やっつけの様に言われ、体を揺すられると鈍い痛みと共に体の最奥にアルトを感じた。
「っ...!」
多分自身でさえも触れた事の無い、触れる事は無いだろう場所へアルトが触れている。
心は触れ合えずとも、今、思わぬ形でだがアルトとの深い場所で触れっている。
抉られた痛みと喜びに今さらながら改めて気づき、涙が溢れて止まらない。
「っ、悪い。 シェリル、我慢出来ない!」
そう言うとアルトは涙が溢れる目尻にキスを落としながらもゆっくりと腰を揺すり始めた。
じわじわと広がる鈍い痛みに息が詰まり、空気を求め喘ぐ。
慣らす様にゆっくりと、緩急を付けつつも段々加速して行く動きは、ほぼ痛みに分類される。
だけれども滲む視界に移り込むアルトの艶っぽい表情や煌めく汗、
形の良い造形を眺めていると愛おしさが溢れ、苦しい中でも温かな気持ちに浸る事が出来た。
「っ、シェリル、凄い! 駄目だ! 出るっ!」
苦しそうに呟いたアルトが震え、アルトが、この温もりが離れるのが嫌で脚を絡ませ引き止めた。
驚いた様な顔をしたアルトだが、すぐ切なげな表情を浮かべ睫毛を伏せた。
「っ!」
アルトが熱い吐息を吐くのと同時に胎内で何か熱いものが爆ぜた感覚がじんわりと広がる。
「......ぁっ!」
無意識に瞑った瞼の裏で、宇宙が誕生した様な強烈なイメージが浮かんだ。
ああ、そうか、本来この行為は命を育む為にあるもの。
愛を形成する前の本能的な行為であり、何よりも神聖なものである事に気が付いた。
爆ぜた後、アルトが更に奥へと踏み入ってくる様な動きをしたのを感じて体が震えた。
内側を抉じ開けられる様な圧迫感は少し収まったがそれでもまだ内部にアルトを感じる。
その後、胸へと倒れこんでくるのを受け止め、痛みと共に感じた充足感を味わう。
「っ......、はぁっ。 馬鹿、離さないからナカに出しちまっただろ」
荒い息遣いのアルトが上半身を浮かせ、しまった、という様な表情を浮かべた。
普通なら気にするべきであろう事だろう。
スキンを着けないでする行為には妊娠というリスクが付き纏う。
もし、今の行為で子供が出来ていたら? 考え出すと苦しくなった。
ーーーどちらにせよ残された時間はもう殆ど無い。
「っ、シェリル、そろそろ抜かないとまた......」
気遣ってはくれるが心の奥の気持ちまでアルトに吐露した訳でもない。
こちらの考えなど伝わる筈もなく、胎内に残ったままのアルトはまた勢いを戻してきている。
本能なのか、アルトのまっすぐな気性なのかわからない現象に思わず苦笑する。
もうこれっきりかもしれないのだ、どうせならアルトを存分に感じたい。
「いいの。まだ離れたくない」

「ーーーっ! だけど、体......」
アルトは手を伸ばし、額へと手を宛てて熱が無いか確かめている。
元々熱っぽかったのかもしれないが、きっと行為の所為もあり熱いだろう。
触れられたアルトの手も熱く、幸いそれ以上言い咎められはしなかった。
「大丈夫......。 もう少し、この感覚を感じたいの」
自分とは違うサラリとした綺麗な髪に触れ、頬に張り付いた髪を撫で付けた。
肘を立て、半身を起こして赤面しているアルトの唇に己の唇を重ねる。
支えられる様に背中に廻された手を利用してアルトへ抱きついた。
起き上がったのはいいが自らの体の重みが加わり更に深く抉られる。
「は、ぁっ......」
痛覚だけではない感覚が産まれ背筋から這い上がってきた。
弾みでアルトの髪を縛っていた紐の端が指に絡み解かれた。
滝の様に豊かな髪が滑り落ち、シェリルの指を擽った。
「....解いちゃった。綺麗ねアルトの髪。サラサラして気持ちいい」
ふにゃふにゃと柔らかい自分の髪は梳かすのを忘れるとすぐに絡まる。
だけどアルトの髪はまっすぐでサラサラと流れる様で羨ましい限りだ。
「お前だって......ふわふわだし綺麗な色だろ」
「え?」
小さな声で呟くものだから、聞き取るのが難しかったが聞こえた。
めったに聞けないアルトの素直な賛辞が嬉しくて聞こえないフリをする。
「......何でもない」
相変わらず二度と同じ奇跡は起きなかったけれども。
目の前にある秀麗な容貌を見つめてると頬が赤くなる。
綺麗な顔をしてるのはわかっていたけれどズルイだろう。
滑らかな象牙の様な肌は、うっすらと髭が伸びてきているもののスベスベで
涼やかな目元を縁取るのは長い睫で独特の色気を醸し出している。
流石、稀代の女形と謳われた過去の持ち主である。
自分の容貌とはまた違った美に軽い嫉妬心を起こし、体重を掛け押し倒した
月明かりの下、先程と違って自分がアルトを押し倒しているという倒錯的な視覚に
ゾクゾクと体の底から何かが湧き上がってくるのを感じた。
「シェリル?」
困惑の表情を浮かべるアルトにうっすらと微笑みを返した。
押し倒したアルトの乳首を自分がされた様に摘み、唇へと含んで転がした。
アルトの薄い唇からは熱い吐息が漏れ、嬉しさが込み上げて来る。
「......男でも、感じるんだ」
戸惑いながらも、己の腰を浮かしては降ろす行為をゆっくりと始めた。

何度か繰り返していると途中引っ掛りを覚え、腰を引くと気だるい心地よさが産まれる。
「ん、ぁ」
痛みとは違った感覚に戸惑いを覚えながらも、そのまま抜き差しを繰り返した。
そ、っと繋がった部分を見てみると自分のものと、アルトが吐き出したであろうものが
交じり合い、ちゅぷちゅぷと泡立って淫猥に繋がった部分を濡らしている。
「あぅ!」
思わず動きを止めると不意に腰を掴まれ下から突き上げられた。
「シェリル。 ここ、気持ちいい?」
先程とは一転、アルトは口角を上げ、嬉しそうにこちらを伺っていた。
「あ、....ぁ!」
痛みではなく何か熱い感覚に シェリルは喉を反らした。
「いいよ、シェリル。 すっげー絡み付いてくる」
アルトの切なそうな気持ちよさそげな低い声が聞こえる。
先程までは痛みしか無かった感覚が今ではアルトに揺さぶられても
痛みだけではなく、確実に快感という感覚に浮かされていた。
「あ、......アルトっ」
押し広げられ突き上げるその熱さに浮かされ、思わず逃げ出したくなる。
「凄い締め付け。気持ちいい、シェリル?」
アルトは貪欲にも奥を、あたしが反応した場所を執拗に責めて立ててくる。
「あ、...っぁ! ふぁ、んっ!」
激しかった痛みは嘘の様に快感に代わり熱に溺れる。
いつの間にか、アルトを求める様に腰を揺らしてる自分には気づかなかった。
アルトは手をあたしの胸へと這わせ、先端を刺激する。
下から与えられる重い快感と胸に与えられる優しげな刺激しか頭に入ってこない。
いつの間にか躯は押し戻され、アルトの胸の下に押し戻されて居た。
先程と違うのは、痛みではなく快感に浮かされ、視界がアルトのサラサラとした
髪の檻に閉じ込められている事。だけれどもそれさえも頭の隅に追いやられ
擦れ合う肉と肉の音に、鈍い水音、お互いの荒い息遣いが今のあたしの全て。
「シェリルッ、俺、もう!」
うわ言の様にアルトが熱い吐息を零す。
「あ、なんか、へ、んっ! 落ちるっ」
最初に浮かされた感覚より深く重い倦怠感に飲み込まれる
何かが駆け上がってくる様な感覚に躯が震えて、怖くてアルトに抱きついた。
「っ、大丈夫、そのまま感じてっ」
押し開かれた脚を肩の方へ持ち上げられ、アルトがあたしを貫く深さと速度は増し
ギリギリまで引き抜かれたものを一気に奥まで突き挿された。
「っ、く...ぅ、ふぁ、あっ、あ! だめーー-!」
「く、っ」
再度、躯の奥で灼熱が爆ぜるのを感じ、躯が何も無い空間へと投げ出される感覚を味わった。
先程までの小さなものではなく、比べ物にならない程大きな爆発が胎内で起きた感覚
そのあまりの衝撃に一瞬息が詰まり、その後に盛大に悲鳴を上げかけたが一瞬前、
あたしの唇をアルトのそれが塞ぎ、動物の様なくぐもった声だけが洩れた。
その後の事は真っ白な世界に飲み込まれて覚えていない。



「......まるで桜の精、だな」
目が覚めて何か考え事をしていたアルトと何度か会話をし、その胸の中に潜り込んだ。
ただ潜り込んだだけなのにアルトは何を思ったか、あたしの背中に腕を廻し抱き寄せた。
思わぬ展開に心臓が再び暴れ出そうとするものの、耳の傍で脈打つアルトの心臓の音と
肌を通して伝わる温もりに再びうとうととし出した頃、ぽそりと呟かれた一言。

それがどんな花なのか、本物を見た事は無い。ただ淡い桃色の小さな花が沢山咲くらしい。
アルトが演じていたものを調べた時に見た。あの美しいお姫様も桜姫だった。
慎ましやかであるものの、華やかに咲き、そして気高く美しく散って行く花。
何を思ってアルトがあたしをその花の精に例えたのか解らない。
だけれどもそう遠くないあたしの散り際は美しいものであるといいし、そうありたい。
込み上げてくる涙を飲み込み、少しでもアルトを感じたくて体を擦り寄せた。
最後まで気高く美しい姿を覚えていて欲しいから、明日から頑張るから....



だからせめて今だけ愛おしいあなたの隣で眠らせてーーー。



++ f i n ++

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