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第零話『甘い悪魔の囁き』

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匿名ユーザー

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特別な事、変わった事
それは即ち、普通とは違う事
そういうものに憧れる人は少なくないと思う
天然な人がモテるのもそうだし、自分から不思議ちゃんを装う人までいるらしい
それは人々が特殊なものに惹かれる性質があるという事の裏付けでもあり、
本来の自分を潰してでもそう見せたいという価値の高さを示す結論でもある
実際私も、そういうものに憧れたのだろう
女であるにも関わらず、子供の頃は良く特撮ヒーロー番組を見ていた
何が面白くて見ていたかと言うと、変身して派手に戦うシーンより、
“自分は変身して超人的な能力を使える特殊な人間”なのに“普段は普通の人間として正体を隠している”という点に興奮していたのだ
変わり者アピールをしたがる人が多い中でワザワザ隠さなければいけないという事は、当時の私に何か強烈な印象を植え付け、
そして、いつしか私は自分が特殊である事より、根本的に特殊な人を探す方に興味を向け始めた

そうして見つけたのが、水銀燈先生だ

ある程度の個性的な人はどこにでもいる、作られた特殊性は論外
そんな中で見つけた、根本的に特殊な人
私は強い憧れを感じた
一言では表せないけど、強いて言うなら“変質的な完璧性”
本来なら相対すべき2つの事柄が、見事に調和しているのだ
そこから好意が芽生え、恋愛の対象になるのは早かった
とにかく気に入られたいと思って、何度も近付こうと挑戦したが距離は縮まらず、
私は、思い切ってインパクトのある告白をしようと試みた

「せんせ……ハッピーバレンタイン……♪」
「………」

それが中2のバレンタインである


第零話『甘い悪魔の囁き』



普通のチョコレートを渡しても意味が無い
何故なら、先生は他の女生徒からも腐るほど貰っているからだ
だったら印象に残るものを、印象に残るシチュエーションで渡したい
そこで思い付いたのは、自分自身をチョコでデコレーションする事だった

「…チョコレート…?」
「はい!…せんせ…食べて下さいますか…?」

胸にホワイトチョコやストロベリーチョコで書いた
“I LOVE 水銀燈”の文字
水銀燈という字が難しくて、しかも鏡を見ながらだったので少々形は崩れたが、大きな失敗はしていないハズ
乳房、乳首にも独特の装飾を施し、お腹や横腹はハートで埋め尽くす
人肌で溶けるため、放課後に作業しなければならず、時間は厳しかったけど、まぁ上出来だろう
服も脱ぐのが面倒な制服より体操服を選べるのも、放課後の特権だ
一般的な人ならまずドン引きするであろうこの行為
だけど先生は

「ぷっ…くく…あはははははははっ!」

爆笑した

「最高…最高よ…きらきー…!…はぁ…はぁ……ふふふ…」

お腹を抱えるほど笑い、落ち着いたかと思えばまた笑う
どうやら私の演出は気に入っていただけたらしい
先生は同性愛者
推測はできたけど確信は無かったから、一種の賭けだったのだが
それはどうやら、大当たりだったようだ

「ふぅ……で、その真意は何かしら?」
「……先生に…思いを届けたくて…」
「それは本命という事?」
「はい、もちろんです!」
「ふぅん…それは随分、思い切った告白ねぇ」
「…………」

こんな事をする以上、勢いに全てを任せた方がいい
隠さず恥ずかしがらず、思いを打ち明けよう

「先生の事…一目見た時から…ずっと、ずっと……あっ…!」

だけど、言い終えるより早く唇に指を当てられる
そのまま手を背に回し、抱き寄せられた

「告白に答えるよりも先にチョコを召し上がるのが…普通よねぇ?」
「っ…えっ?」
「今のあなたはチョコなんだから…少し黙ってなさい」
「ふぁっ!?っ…ぁっ…!」

鎖骨付近の、チョコがかかっていない場所に舌をつけ、繊細な舌使いで胸に下りていく
暖かく、くすぐったいその感触は、チョコを通して私に伝わり、
冬の外気で敏感になっている肌は、より一層過敏に反応した

「まだ少ししか舐めていないわよぉ?…ちょっと感じ過ぎじゃない?」
「ですが…先生の…んっ…ぁ…!」

過剰な甘声は先生を悦ばせるため…ではあるのだけど、こちらの弱い部分を的確に見抜いて責められては次第に演技ではなくなっていく
それにしても告白からすぐに私を襲う判断――やはり先生は変わり者だ
それを望んでいたのは、私の方なのだけど

「っ…!…はぅっ…!」
「チョコレートがそんなに喋って…食べて欲しくないのぉ?」
「た…食べて…欲しいです…せんせ…私を…食べてください…」
「言われなくても完食するつもりだけど…んっ…」
「んぅっ!…ゃっ…そこは…」
「ここがどうかしたぁ?」
「っ…何でも…ないです…」

一際自己主張の強い突起を刺激されると、感じた事のない快楽に身が震える
先生も当然それをわかっているようで、
強弱をつけて弄りながら、いつの間にか私は壁際に追いやられていた

「可愛い…♪」
「んんっ…!?」

そしてこれも突然のキス
チョコレートで甘くなった舌が、今度は私の口内に侵入する
憧れた人の口付けに、頭から湯気が出そうだ

「いい顔をするじゃない…いやらしい子ねぇ…」
「先生だから…ですよ…」

初めてのキス
私はどうやら、唇が離れた後も物欲しそうな顔をしていたらしい
興奮して欲望が先行してしまいそうになるのを、理性で抑えるのに必死だった

「…ここは学校の部室…いつ誰が来るかわからないから…ここまでにしとこうかと思ったけど…」
「………?」
「そういう顔をされると、最後まで味わいたくなるわねぇ」
「先生の…お好きなように…」

その言葉でニヤリと笑って、下の体操服に手をかけた時だった

「…失礼します…忘れ物をしてしまって…」
「―――!」

ガラっとドアの開く音
いや、その前に足音を聞いて気付いたのか、先生は捲り上げていた私の体操服を咄嗟に戻した

「…どうしたのぉ?」
「忘れ物をしてしまって…」
「アナタが忘れ物なんて珍しいわねぇ…」
「そうですか?僕もたまには忘れますよ。あれ?雪華綺晶もいたの?」
「…はい…少々先生に相談がありまして…」
「へぇ…それも珍しいね…邪魔しちゃ悪いから、僕はこれで失礼します。先生さようなら」
「はい、さよならぁ~」

ほんの数十秒の事…
蒼星石が忘れ物を取りに来て、出て行っただけの事…
なのに、先程までと先生の様子が違う
邪魔されて冷めた…という顔ではなく――

「きらきー…今日はもう帰りなさい…」
「…えっ…?」
「わかったでしょう?今、Hまでしてたら…確実に隠せなかったわよ…」

それはわかっている
けどここで帰ったら、まだ答えを聞いていない
せっかくここまでしたのに…収穫がないのと同じになる

「先生…でも…!」
「きらきー…答えの事だけど…」
「…!」
「愛する事はできるけど…恋人にはなれないわね」
「えっ…!?」

耳元でそう囁いた先生は、僅かに動揺していた



 本編

  • とてもエロっぽい話でした。 -- 雪姫 (2012-01-22 22:41:02)
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