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718名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/25(火) 00:21:12.68 ID:u9K/b9T+0
私は長澤涼子、いつも隣の家のねぼすけを起こしにいくのが日課だ。
「まったく、新しい学園生活だというのに、また勝也と同じ学校か…。でもまぁ知り合いが居ないより全然いいな」
今日は4月になったのに少し肌寒い。
「勝也にホットココア入れてもらうか、勝也の入れるのは甘すぎずちょうどいいからな」

隣の家だからどんなにゆっくり歩いても30秒もあれば着く。私はおもむろにベルを鳴らす。
「はい」
(おっ、今日は1回で出たか…さすがに入学式だからな)
「お~い、来てやったぞ起きろ!」
「まだ、俺は食事中でパジャマ姿なのだが・・・」
(そうか、今日は食事を作ってやる必要はないようだな。しかし寒い)
「外はまだ寒い。家の中に入れろ」

私がそう言うとオートロックの鍵が開かれ、リビングに向かった。
(しかし、勝也の部屋は1人暮らしのくせには綺麗だな。またエロ本のガサ入れするか、あれで結構質高い奴女子にも売れるし)

「まったく、新しい学園生活だというのに、また勝也と同じ学校か…。でもまぁ知り合いが居ないより全然いいな」
(でも、勝也と同じ学校なの長いな~。腐れ縁だな)
「勝也にホットココア入れてもらうか、勝也の入れるのは甘すぎずちょうどいいからな」

私は勝也が入れてくれたホットココアを飲みながら尋ねた。
「今日から新しい学園だが、準備は済んだのか?」
「あぁ、飯食ったら着替えたいのだが…」
「いいぞ、勝也の部屋まで見に行くことはないから!」
(といいつつ覗いてやろうかな~)

勝也は一旦自分の部屋に戻ったようだ。私は音を立てずに部屋に近づいてみた…。


54名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/25(火) 23:14:45.60 ID:/5U2C+xu0
【涼子view】
「へぇ~男の制服は詰襟なんだ。また、勝也ったら髪がボサボサじゃない。
もう学園初日位ビッシとすりゃいいのに」
私は勝也のドアの隙間から着替えの様子を覗きながら考えていた。

(あっ、やば勝也がこっち来るじゃない。早逃げないと)
勝也は着替えを終えたようでドアに向かってきた。
私はリビングに戻ろうとしたが一足行動が遅かった。

『Ban!』
ドアにぶつかって倒れた私に勝也が気付いたようだ。

「あっ、大丈夫!?ごめんね」
(いや、本当は覗いていた私が全面的に悪いのだけど…)
「だ、大丈夫よ!もう痛いわね。昼飯奢りなさいよ!」

私は頭を抑えつつリビングに戻った。
その後ろから私を心配しながら勝也が付いてきた。


403名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/27(木) 01:58:07.24 ID:qjW+Beai0
【涼子view】
「まじ大丈夫か?」
(私のことかなり心配しているみたい…)
水で絞ったタオルを勝也から受け取りつつ言ってみた
「大丈夫よ!これからドアを開けるときは気をつけるのよ」
「う、うん」
(ホントは覗きをしてた私が悪いのにねw)

ふと時計をみると、そろそろ神邑学園にいかないと遅刻しそうな時刻だと気付いた。
「あの~そろそろ学園行かないと入学式から遅刻という神になると思うのですが…」
勝也の呟きを聞きつつ、私はいつものリクエストをした。
「じゃあ勝也、自転車で行くよ」

「はいはい、じゃ神邑学園に行くよ」
2人はドアから暖かい空気を受けながら自転車に飛び乗った。

「もうちょっと、速く行けないの!」
私は勝也の背中に胸を少し押し当てつつ命令した。
(また頬っぺた赤くなってる。まだまだお子ちゃまね)
「ゴメン!急ぐからさ~」

時々風に舞ってくる桜の花びらが心地よかった。


616 名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/27(木) 12:24:46.29 ID:5pUzewcj0
【涼子view】

やがて自転車は学園から徒歩3分程度の所で停まった。
時計を確認すると十分に間に合う時間である。

「あの~、そろそろ降りない?何も入学式から噂になる必要はないかと…」
勝也が私に尋ねてきた。確かに入学式当日から噂になる必要はない。
それじゃなくても勝也は父親がドイツに海外赴任し母親もそれについていったので、1人暮らしをしていた。
勝也の為にも無用なトラブルは避けるべきだと、私の脳は判断した。

「わかったわよ。じゃあ勝也先に行きなさい」
勝也は私の言葉に頷いて、再び自転車に乗り学園に向かった。

「さて、わたしも行きますか・・・」
私も学園に向けて歩を進めた。
「あれ~涼ちゃんじゃない!?私よ私覚えている?」
私に声を掛けてくる少女がいる。

振り返ると塾で一緒だった渚ちゃんがいた。
「涼ちゃんも神邑だったんだ!これから宜しくね!」
「良かった。私も知り合いがあまり神邑に来てないみたいだから渚ちゃんがいると心強いよ!」

私たちはこれからの学園生活に夢を馳せて門をくぐった。


687 名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/27(木) 14:34:11.13 ID:5pUzewcj0
【涼子view】

渚ちゃんと校門をくぐると何本も桜の樹が立っており、ゆらゆらと花びらが私たちを歓迎するかのように舞っていた。
「こんな学園に来てよかった…」
私の隣で渚ちゃんがうっとりと桜を見つめている。
渚ちゃんはたまに夢の国に行っちゃう時があり、これが天然系と呼ばれる所以だろう。
「渚ちゃん掲示板を見に行くよ」
「は、はい。待ってよ涼ちゃん~」

クラス分け掲示板の前に来た私たちはそれぞれ自分の名前を探しにいった。
「長澤、長澤・・・1-Cか。ついでに勝也も調べっ・・・って同じクラスか」
同じ頃渚ちゃんもクラスがわかったようである。
「渚ちゃんは?1-Bです」
たしかに1-Bには如月渚と書いてある。
「涼ちゃんは何組?」
「私は1-C、そうか渚ちゃんと一緒じゃないのか残念だな」
「うん。私も…」

私の目の前に本当に残念そうにチワワみたいにうるうるした瞳を向ける少女がいる。
その瞳にはうっすらと涙を浮かべていた。
「渚ちゃん。えっ~と帰りは一緒に帰ってあげるから、ネ」
私は目の前に居る娘を必死になだめながら1-Cに向かった。


718 名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/27(木) 15:07:41.44 ID:5pUzewcj0
【共通view】

1-Cでは新たなクラスメート達が既にざわざわしていた。
とりあえず各自、黒板に書かれている席次表に従って、席についているようである。

学園内に始業のベルが鳴ると前方の入り口から1人が入ってきた。どうやら1-Cの担任のようである。

「おはようございます。1-Cを担当する神崎由希です。1年間宜しくね。
それじゃあ入学式あるから体育館までいきます。私についてきてください」

皆、神崎先生の後をぞろぞろついていった。

572名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/04/29(土) 01:54:19.05 ID:BXRT0VlC0
【涼子view】

体育館に着きパイプ椅子に座っていると勝也がその隣の男の子と話しているのが視界に入った。
(何話しているんだろう?)

少し耳を立ててみると、どうやら私の話のようだ。
(私の悪口とか言っているんじゃないでしょうね)
しっかり聞きたかったが、式典が始まったようで、マイク音声に勝也達の声はかき消された。



888名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/04/29(土) 23:23:53.51 ID:IB7M0e6D0
520>>572の続き

【共通view】

式典が始まり、学園長挨拶となった。壇上に上がった初老の男はマイクも要らないほどの大声で話をはじめた。

「神邑学園入学おめでとう。私が学園長の藤堂源治郎である。我が学園は自己責任の元で勉学に励めたまえ。でも学園生の本分は勉学だけにあらず!
友情・恋愛・遊び、何に関しても法律に触れない範囲で、120%全力投球で頑張りたまえ!それが神邑クオリティだ!」
どうせ、普通の挨拶しかしないんだろうと思っていた学園生たちは皆驚いた。

「うちの学園は学歴社会で勝てる人材を育てる気は全く無い!学園生には自分の意思で格差社会を生き抜くための力と絆を見に付けて欲しい!以上」
源治郎学園長の話に皆、惹かれていった。
源治郎学園長は白髪だが、背筋は最近の日本人に見えないほどシャキっとしており、顎鬚を蓄えた初老の漢であった。

「神邑学園の学園長である藤堂源治郎の言葉を胸に学園生活を謳歌してください」
司会である教頭が締めて、式典自体は非常に短い時間で終わった。


324名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/01(月) 20:39:10.95 ID:ahRvbG1V0
【涼子view】

「そうか・・・。友情に恋愛に全力投球か・・・」
(私が全力投球する人って誰なんだろうな?勝也!?無い無い!!)
私は源治郎学園長の言葉を心の中で繰り返していた。

326名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/01(月) 20:40:51.08 ID:ahRvbG1V0
【共通view】

「学園長、入学式のコメント良かったですよ!」
教頭が学園長におべっかではなく本心から学園長に話していた。

「うむ。わしが神邑学園を設立したときに考えていたことだからな。今の世の中は『勝ち組負け組』とかよく言うが、
経済的に恵まれても心が充たされてないと人生を謳歌出来ないはずだ。
だから学園生には友情・恋愛・遊びなど、なんでも必死にやって欲しい。
学問で得られた知識を使う機会は社会に出たら少ないが、色んな経験は人を数倍の力を出せる源だからな」

源治郎学園長はそう言うと自慢の顎鬚を触りながら学園長室の中へ消えていった。


353名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/01(月) 21:42:32.92 ID:ahRvbG1V0
【涼子view】

教室に戻ると女の子は学園長の言葉に驚いていた。
『恋愛推奨!』
『ねぇ~百合はいいのかな?』
『最高の学園!』

私もビックリした。そうすると気になる言葉が耳に入ってきた。

『ねぇねぇ、廊下側から2列目の前から2番目に座っている子なんか可愛いよね』
『うん、なんか母性本能がくすぐられる感じするよね~』
(2列目の2番目・・・。えっ、勝也の事!?母性本能くすぐる?マジ?)

そんな時、その話をしていた娘に話しかけられた。
「あれ貴方、今朝あの彼の自転車に乗って来なかった?」

私は少し躊躇しながら答えた。
「う、うん。一応そうだけど」
「もしかして彼女になってる?」

私は全力で否定した。
「違うよ~勝也は幼馴染なだけ、たまたま通う学園が一緒だっただけ」
「そうなんだ~怪しいなぁ~。まっいいや、私の名前は南条院のどか。あなたは?」
私たちは連絡先を交換して勝也の話題で盛り上がった。


396名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/01(月) 23:19:52.42 ID:ahRvbG1V0
【共通view】

神崎先生が教室に入ってきて終礼を始めた。
「それじゃあ明日からは授業よ、あと5月にみんなの親睦を深める為に『愛・地球博』にいきます。
1泊2日の旅行になりますので頑張って下さいね~」
いきなり発表された親睦旅行に皆驚いた。
その時、1人の男子学園生が挙手し質問をした。

「神崎先生、ちなみに宿泊先のホテルの部屋は1人部屋ですか?」
「ふふふ、おませな子ね。一応男子は男子、女子は女子で2人で1部屋」

「ただし、当日は神邑学園1年でホテルは貸切だし、私たち教師は夕食で飲み会ですので見回る事はありません。と答えておきます」

この衝撃発言にクラスの学園生は…。
『えぇ~』
『キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!! 』
など様々な反応を示した。

「じゃ、今日はこれでおしまい」
神崎先生の挨拶で嵐の終礼はおわった。


461名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/02(火) 00:39:38.17 ID:/qeQ87jK0
【涼子view】

校庭に出ると信じられない数の団体が勧誘を行っていた。

『是非、野球部でマネージャーを』
『やっぱ恋愛必勝テクニックは料理!料理研究部』
『好きなあいつの情報はお任せ!個人情報捜索部』
『伝説の樹で告白しませんか?神邑恋のメモリアル』
多くの団体が声高に叫びながらビラ配りなどを行っていた。

「涼ちゃん!」
不意に後ろからお尻を触られたかと思うと渚であった。

「もうなにするのH!」
「えへへ///」

渚は笑うと涼子の隣に並んで話し始めた。
「ねぇ、来月の万博までに彼氏見つかりそう?」
私は思わず噴出しそうになりつつ渚に返した。
「どうなんだろう?渚ちゃんこそどうなの?」
「う~ん、私も分からない。でも明日から色々リサーチしてみるつもり」
「そうか…」

2人の足は自然と駐輪所に向かっていた。



51名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/03(水) 20:28:35 0
【涼子 view】

私と如月渚は駐輪所に足を進めていた。すると渚が私に尋ねてきた。
「ねぇねぇ、そういえば朝、誰かの自転車に乗ってなかった?」
「えっ!?も、もしかして見てたの?」
私は動揺を隠せずに答えていた。

「えへへ」
渚は笑いながら私の顔を見つめてきた。
(まさか、見られているとは思わなかった。不覚だ)

「う~ん、マジで。幼馴染みで隣の家で同じ学校なだけ。・・・クラスも同じになったけど」
私は苦笑いしながら説明をしたが、渚はニヤニヤしながら私に追い討ちをかけてきた。
「へぇ~、アニメとかだったら100%フラグ立っているみたいな状況だね」
「とりあえず現時点ではフラグは立ってないと思うよ」

しかし、渚は私に更に問いかけた。
「でも、それって本音なのかな?いくら隣の家で同じ学校でも一緒に登校。
それも男の子の自転車に乗って登校するなんて普通しないと思うよ」

私は暫く絶句し、ゆっくりと私の言葉で話した。
「・・・そうなのかな、自分でも今は分からない」

私は自分の言葉に驚きながら困惑していた。



75名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/05(金) 00:16:22 0
【涼子view】

私は勝也の存在を考えていた。
『勝也・・・幼馴染みで隣に住んでいて、気兼ねなく話せる男…か。どうなんだろ』
解けない方程式を前に心は動揺していた。

「あれ、どうした?隣の娘は?」
そんなとき勝也が駐輪所に来て私に声を掛けてきた。
(ま、まさかさっきの話を聞いていないよね)

「あれ、勝也。えっとこの娘は…」
私が動揺を隠しながら渚を紹介しようとしたら渚が勝也に自己紹介を始めた。
「私は如月渚です。涼ちゃんとは塾時代のお友達で、クラスは1-Bになりました。これから宜しく。で貴方が勝也君なんだ、へぇ~」
渚は勝也の全身を舐めまわすように見てから私のほうを向いて聴こえるか聴こえないかの声で呟いた。
「ごうかく・・・」

私は渚が何を伝えたいか、なんとなく分かってしまった。
「もう~何言ってるの」
私が返すと渚は再度小さな声で囁いた。
「いや、涼ちゃんの彼氏の最有力候補として…」
私は何とも返す言葉が見つからず、ぽやっとしている勝也の顔を見ながら苦笑していた。

「で、帰りはどうする?乗っていきますか?」
勝也はいつもの口調で私に尋ねてきた。
「それじゃあ、早くして。あっ、渚ちゃん明日またね」
私は勝也に鞄とたくさんのビラを渡しながら、渚に挨拶した。
「うん、じゃ涼ちゃんまた明日!さよなら~」
勝也はビラと2人分の鞄をかごに入れると私を乗せて校門から自転車を発進させた。

「この2人は面白いネタになるかも。ニヒヒ」
渚は二人の自転車が小さくなるのを見ながらニヤニヤしていた。


82名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/06(土) 01:05:24 0
【涼子view】

私は勝也の自転車の後ろに乗りながら考えていた。
(自分にとって勝也はどんな存在なんだろう。LikeではあるがLoveでは間違いなくない。
でも話しをするとき自分の素の部分を曝け出しているのも勝也の前くらいか…)
私は自分の動揺を勝也に悟られないように質問を投げかけた。

「今日の終礼ビックリしなかった?」
「あぁ、愛・地球博に行く親睦旅行だろ。粋な学園だよな」
「それだけじゃなくて…。ほら宿泊先の…」

私は自分でも分かった。勝也が誰と泊まりたいのか、もちろん今は自分の感情が本当はどうなのか分からない。でも正直知りたいと思った。
「あ~あ、どうしようかなw明日から戦いになるんだろうな。涼子さんはもう誰かにアタックされたの?」

私は何人かから視線を感じたが、実際アタックされていないので、否定することにした。そして南条院の話題も触れて勝也を探ってみることにした。
「ないない。でも勝也が気になるって娘がいたよ。誰かは教えないけどね!」

そういうと勝也は不満そうな顔しながらも笑っていた。

その後は大した話もしなかった。そう、私があの時の話題を避けていたからだ。