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553名前: 529投稿日: 2006/04/18(火) 21:55:22.21 ID:b7gTns5D0
JST(日本標準時) 0940時 2006/04/14

「そして、マスコミの反応は?」
「一部メディアは記事に載せているが大して注目はされていません」
「そうか・・・。NASAは?」
「危険性はないとの公表を・・・。しかしあくまでも表向きの話です」
「・・・つまり、脅威としているのは事実であり、国の混乱を防ぐ措置として情報操作を行うと?」
「はい。おっしゃる通りです。しかし、申しました通り情報の操作にも限度があります。しかし、私どもはこちらに関しては専門外なので・・・。」
緑色のスーツの男が話しに詰まり、ようやく出番が回ってきたかのように次に一人の男が話を始める
「我々はその期限を1週間と見ております、その間に混乱を防ぐ為等に必要な法整備、及びアメリカへの協力体制を・・・。」
「しかしだね、混乱に対する法整備が・・・。戒厳令などと言うとまたうるさくなるぞ」
また、緑の男が話し始める
「ええ。しかし、混乱が発生しては協力どころではございません。衝突までの間に国家が火消しに走る事になります。例のオプション、これは我々が現時点で考え得る最良の方法です。」
「・・・実際の死人は出すな。それが条件だ。統幕議長・・・いや、今は統幕長か。」
「ご英断感謝します、首相」



556名前: 529投稿日: 2006/04/18(火) 21:59:07.26 ID:b7gTns5D0
JST 1130時 2006/04/17

「──先日の爆弾テロ、依然として続くゲリラの潜伏において今朝緊急閣議が開かれ、
国家非常事態宣言に関する要項を有事法制関連法に──・・・政府はあくまでも非常事態宣言において
自衛隊は治安維持のみに係り、戒厳令とは別とする認識を示しておりますが・・・」
朝、俺は遅く目が覚めた。つけっぱなしのテレビと蛍光灯が昨夜にそのまま寝てしまった事を物語っている。
本当なら今日から学校があったのだが、急な休みになった。
その理由についてテレビがずっと似たような事に関して報道している。
自衛官の親父は昨日は休みだというのに電話に慌てて飛び出していった。
母は昔に他界したため、家で一人だった。
俺は官舎に住んでいるので、他の家も似たようなものでみんな飛び出していった。

何でも、テロが起こり多数のゲリラが警察と戦闘を起こし散らばったと言うのだ。


558名前: 529投稿日: 2006/04/18(火) 22:01:25.34 ID:b7gTns5D0
体を起こしたところで電話が鳴る。きっと親父だ。
とりあえず、寝ぼけてぐうたらになっているのを知られると怒りそうなので気をつけて電話に出る。
「おお弘之、俺だ俺。俺俺。飯は食べたか?そうか。なるべく外へは出るんじゃないぞ
 ・・・とは言っても殆どどこも開いてないだろうし、職質も食らうぞ。
学校が再開したら大丈夫だろうけどな。ところで、もう冷蔵庫の中身無いだろ」
母が死んでからはいちいち毎日買い物に出かけず、親父と一緒に日曜に買い出しに行くのが日曜の日課だった。
「うん、買い物でかけようとしたら親父出て行っちゃったじゃん」
「悪いな、でも駐屯地のPX(売店)来てもいいが野菜とかはないからなぁ・・・ちょっと待って」
俺はいやな予感がした。
「おい、親父・・・別にいいよ」
「いやぁ、よかったなぁ!佐々木君が是非うちで食べてくれとさ!!」
「ちょwwwwwwwwwwwwwおまwwwwwwwwwwwwwwwwwwww。別にいいよ、親父のくれたパック飯あるし」
「ばかも~ん、この甲斐性無し!それに、そんなもん自衛隊に入ったら腐るほど食える!」
「勝手に決めるな!俺は自衛隊に入るかなんて考えてねえよ!とりあえず、PX行く!迎えに来いよ!」
強引に切ってソファから身を起こし服を着る。
財布を持って靴を履き扉を開ける。すると・・・。
「・・・・・・。」
──ピンポ~ン
「おい」
──ピンポ~ン
「押さなくていいっつうの」
ドアを開けるとインターホンの前に一人の女の子。いわゆる佐々木さんの娘こと由利江だ。
「お、おはようヒロ君」
「おはよう」俺はぶっきらぼうに答える。

[>>550少しヒロインの名前変えた、スマソ]


562名前: 529投稿日: 2006/04/18(火) 22:09:34.62 ID:b7gTns5D0
「で、私の家でお昼ご飯食べてもいいわよ」
「なんだそりゃ」俺は呆れる。
「だ~か~ら!おじさんがッ!ヒロ君にッ!ご飯食べさせてねッ・・・て頼まれたんだもの」
「別にお前が作る訳じゃないだろ。それに、親父がくれたパック飯あるからいいし。」
俺は外に出てドアを閉めて鍵をかける。
「ッ!なによ!別にヒロ君なんかと私は食べたくなんかないのよ!」
「あっそ。俺もそう思うんだよ、じゃあな!」
俺は官舎の出口へと向かう。
「ちょっと!どこに行くの!!」
「PX。親父が門で待ってる」
「私も行くッ!」

[>>559wwwwwwwwww 乙]


579名前: 529投稿日: 2006/04/18(火) 22:32:24.28 ID:b7gTns5D0
ワシントンDC 

「大統領、日本のチームが加わりました。エドワーズ空軍基地において直ぐに開発に加わりました」
「そうか・・・。依然として衝突は確実なのか?」
「NASAはかなりの高い確率で衝突が起こると予測しております」
「・・・。例の巨大シェルターは?」
「残念ながら5月25日にはとても間に合いません。」
「万策窮す、か・・・」
「しかし、各国の連携は次第にとれつつあります。それに伴いメディアが何か感づいたと思われます」
「この時期の急なイラク、アフガンからの撤退はやはり逆効果だったか?」
「致し方ありません。まずは国内の安全です」
「無事この人類最大の危機を乗り越えても合衆国は中東地域での力の保持は難しくなる、
どっちに転んでも地獄だよ。」



610名前: 529投稿日: 2006/04/18(火) 22:59:17.74 ID:b7gTns5D0
日本

「おう、弘之!こっちだ」
門につくとボディーアーマーも着込んだ完全装備の親父がヘルメットを脱ぎ俺たちを呼ぶ。
「こんにちは、おじさん」
俺の後ろから由利江が親父に挨拶をする。
「おおおお!ユリちゃんか。おっとお邪魔だったかな?おじさんは失礼するよ。」
いきなり鼻の下が延びて顔がゆるむ親父。立ち去ろうとしつつ俺に近づき耳打ちする。
「わかってるな」
親父は由利江から見えないように水筒ポーチのポケットから何かのパックを取り出し俺のポケットにねじ込む。
「俺も佐々木君もOK、公認だ。決めてこい」
親父は立ち去るように高機動車に乗って消えた。
ポケットを探ると・・・。何だかカラフルなゴムが入ったパックが一つ・・・。
「DQN親父め」
「ヒロ君、早く行くわよ。」
「お前、俺と一緒に来たの駐屯地の中に入るためだろ。先行けよ」
手で「シッシッ」とやる。


1450時

結局隣の佐々木家で昼飯を頂き、家に帰ってくる。
丁度バイトの給料が出たものの、外出が出来ないので暇が残るのみ。
俺は仕方なくネットで暇をつぶす事にした。

萌えるテロリスト 7人目(66)
妹がゲリラになりました(981)
隕石が落ちてきますよ(21)
30分で1000行ったらテロリストにイタ電(1001)



650名前: 529投稿日: 2006/04/19(水) 00:13:39.92 ID:i0koHTQJ0
次出来たよ

同時刻、駐屯地

私は息子と別れた後すぐに連隊長の元へと向かっていた。
いずれ都心に配備された際に関する何らかのミーティングだと思っていたが様子は違った。

「そういうわけ桐生君には明日すぐに習志野に戻ってもらう」
「しかし、何故今更?それに私は特戦群から外された人間ですよ?」
「しかし、君が優秀なのは誰もが認めている。君が殴った当時の上官、山崎3佐と言ったね」
「ええ、彼が何か?」私は連隊長の前ながらも少しいやな顔をする。
「原隊復帰。今日中に28普連(28普通科連隊、函館)にとんぼ返りだ」
「彼が何か?」
「何もしないよ。しかし、隊員達の評判は元から良くなかった。慎重を要する今は
規律よりも不安定な要素を排除する方が先決だ。それに今回の状況は至上もっとも最悪だ。」
「ええ、沢山の箇所で発生した爆弾テロ、そしてゲリラが都心に限らず各都市で行動。
最悪というのがぴったりです。」
本当に忌々しい。情報本部は何をやっているのかと腹が立つ。
「ああ。最悪だ。しかし、事実は君が思い描く最悪よりも重い。」
「連隊長、それは」
質問を連隊長は指で制する。そしてゆっくりと立ち上がり私に穏やかに話しかける



652名前: 529投稿日: 2006/04/19(水) 00:14:33.98 ID:i0koHTQJ0
質問を連隊長は指で制する。そしてゆっくりと立ち上がり私に穏やかに話しかける
「誰もいないから連隊長などと堅く呼ばないでくれ。『和田陸将補』と言うのも無しだ。」
「・・・はい。お義父さん」義父は連隊長としての顔つきではなかった。
「桐生君、弘之は連れて行くのか?」
「いいえ、それが何か?」
「賢明な判断だ。練馬においていった方がよい。責任持って私が面倒を見る」
「お義父さん?賢明とは一体どういう・・・」
「それ以上は言えんよ。とりあえず、孫を持つ爺の感情には勝てないから『有楽町線』とだけ私は呟くよ」
「ーッ!!まさか、核テロ!?」私はとっさに理解した。
一種の都市伝説とされているが、有楽町線は実際に一部が核シェルターとなっている。
もちろん極秘であり、非常時の緊急展開用に一部施設が練馬駐屯地の地下まで延長されている。
「・・・。まだその方が良かったかもしれんのう。これ以上はまだ話せない。さてと、桐生3等陸佐。」
義父は背筋を伸ばし、「連隊長の顔」に戻る。私も背筋を伸ばす。
「ただいまを持って2等陸佐となり、明日からの習志野での任に備えよ」
「桐生2佐、明日よりの習志野での任に備えます」
テッパチ(鉄帽,ヘルメットの事)をかぶり、挙手の敬礼。
「よろしい、行ってよし」

[元々、軍事っぽい小説を書こうとしていた物だからみんなの口にあわんかもしれんなぁ・・・]
[とりあえず、堪忍ね。>>1氏のには足下にも及ばんかも・・・。                   ]
[それと、平然と萌えキャラを作ってしまう>>1氏や>>78氏,そこに痺れる憧れるぅ!       ]



8名前: 529  とりあえず続き投稿日: 2006/04/20(木) 01:40:13.50 ID:AoRM/dDX0
JST 1708時 2006/04/17

官舎

国旗降下のラッパが風に乗って聞こえてきたかと思うと、すぐに親父が家まで戻ってくる。
「どうしたんだよ?待機解除?」
「その方がよかったよ」
制服姿の親父はいろいろと荷物を抱えていた。肩をよく見ると、いつもと違っていた。
「あれ、桜増えた?」肩の階級章の桜印が一つ増えていた。
「ああ、異例の早さ。この緊急時で優秀な人材が欲しくなったようだ。ほれ、おみやげだ」
上着を脱いだ親父が袋を渡す。中を開けると・・・缶メシやパックメシ。
「よく言うよ・・・・・それにこんなもんお土産で持ってくるなよ・・・。」といいつつも素直に受け取る俺。
「でだ、父さんは出張が決まったよ」
「どこに?」
「習志野。向こう1ヶ月程家を空けるかもしれん」
習志野?昔いたところか。・・・って空挺かよ
「また急だね。いつから?」
「明日。急ぎだからヘリが駐屯地に迎えに来る」
「まぁ、家の中は任せてよ。ちゃんと勉強もヤリマス」
「だがね、弘之君のその言葉は信用ならん。そこでだ、佐々木君が面倒を見てくれるそうだ」
「ちょっと待てよ、それに佐々木さん今も駐屯地で待機中でしょ」
「父さんは佐々木1尉の事を言っているわけでは無いでござる」
この親父の笑い、いやな予感がする。
「奥さんとユリちゃんが見てくれるそうだ」
「orz。佐々木のおばさんならいいけど、由利江もかよ」
「不満そうだな、俺が若い頃なら喜んで状況を開始してしまう」
「どんな状況だよ」



9名前: 529投稿日: 2006/04/20(木) 01:40:52.01 ID:AoRM/dDX0
「まぁいい、それよりも大事な話だ」親父の口調が少し変わる。
「あ、ああ」
「何かあったら佐々木君が面倒を見てくれるが、危険な時はすぐ爺ちゃんも頼るんだぞ。いいな」
「何でまた?」
「俺の職業を考えろ。質問はしないでくれ」
「・・・わ、わかった」
ものすごく真剣な親父の顔。ただならぬ物を感じた。

次の日、駐屯地から起床ラッパが聞こえるよりも早く親父は家を出て行った。
何故かもう会えないような気がした・・・。



454 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/21(金) 06:10:23.63 ID:FIYyAlx20
EST(アメリカ東部標準時) 1724時 2006/04/17
KSC(ケネディ宇宙センター) 発射パッド39B/スペースシャトル・アトランティス(STS-150)

アメリカ、東海岸のケネディ宇宙センター。ここで、今まさに一つのシャトルが発射しようとしている。
「10…」
発射10秒前にさしかかり、大きな音がしてエンジンノズルの下方から火花が吹き出す。
「9…8…7、メインエンジンスタート」
発射6.6秒前にメインエンジンが始動する。そして、シャトルが外部タンク側に少し傾く。
「…5…4…3…2…1」
発射直前、シャトルがまた垂直に戻る。
「ブーストイグニッション、アンドリフトオフ!」
シャトルを固定していたボルトが爆薬で吹き飛ばされて、掴まれるものを失ったシャトルは力強く天へと吸い込まれて行く。
約一ヶ月前に隕石の衝突を予見したNASA。それから急遽作成された今回のSTS-150ミッションは予定されていた
ISS(国際宇宙センター)の建設ミッションを押しのけて決定された。
向かう先は同じISS。しかし、今回は一部技術に軍事からの転用を行っているため非公開のミッションとするとの
理由をつけて隕石衝突対策用の機材の建設を行う事となった。
そして今、人類の滅亡をもたらす隕石に対して人類の反抗が始まった。



471 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/21(金) 07:20:51.58 ID:FIYyAlx20
18秒後、シャトル「アトランティス」はロールをして背面姿勢での飛行を始める。
「──Roger that Atlantis.Atlantis start Roll(了解アトランティス。アトランティスはロールを開始)」
ヒューストンからの交信が聞こえる。ものすごいGが掛かっているのに船長はきちんと交信を行う。
改めて凄いと思ったが、自分にもきちんとした訓練期間があれば本当はここまで辛くはないだろう。
「Go and throttle up(推力上昇)」
クソ、まるで初めてファントムに乗らされてコンバット・マニューバ(戦闘機動)を
体験させられたときの様子まんまじゃないか!なめられてたまるか・・・。
「──I see good OMS systs.And Performance Normanial(OMSシステムの作動は良好。そして効率は正常)」
ISS行きの命令が下ったとき、隕石に対する恐怖とともに宇宙へ行く事が出来るという事に喜んだ。
しかし、俺は今明らかに今恐怖を抱いている。
そりゃ、宇宙へいく事が出来るなんて願ってもいないすばらしい事だ。
「Performance Norminal,good OMS systs.(効率正常、OMS作動良好了解)」
多くの人間が志望しても狭き門をくぐるのはほんの一握りのエリートのはず。
「──2 Engine MoronAFB(エンジン一基故障の際はモロン空軍基地へ帰還せよ)」
それに今回は人類の滅亡を救うための大切なフライトだ。
「2 Engine Moron(2エンジン、モロン了解)」
だからこそ、今回は短い間しか訓練させられなかった俺が行くべきでは無かったのではないか?
装置を熟知しているからと言って俺を行かせるよりも、彼らに装置について熟知させる方が手っ取り早い筈だ。
「──Atlantis,You're Negative Return.(アトランティス、KSCへの帰還は以降不能)」
ネガティブ・リターン・・・来た。これでもう引き返す事は出来ない。
願わくば装置が壊れていない事を祈るのみ・・・。いかん、少し漏らしてしまった。
「WILCO,Negative Return.(帰還不能了解)」
隕石が来たらどっちにしろ死ぬ。
結果が早くなるか遅くなるかの違いしかない。もう腹を括るしかないな・・・。


776名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/21(金) 23:44:09.46 ID:YI7O7hrM0
「──Atlantis,press to ATO Single Engine OPS-3.
(アトランティス、モードをATOにしてエンジン二基故障の際はOPS-3を実行)」
「ATO Single Engine OPS-3.(ATO、シングルエンジンOPS3了解)」

オレンジスーツ(船内宇宙服、現用はACESシステム)の中に冷却装置の下着を着込んでいるのに、
汗が噴き出てくる。地上で心電図をモニタしているやつは笑っているにちげぇねぇ。
「──Atlantis,Press to MECO. (アトランティス、メインエンジンカットオフモードに)」

どうやら予備軌道に乗ったようだ。左を向くとジェシー飛行士がバイザー越しに笑いかけてくる。
「──Single Engine MoronAFB 104.(シングルエンジン状態の際はモロン空軍基地へ104を行って帰還せよ)」

モロンAFB・・・スペインの米軍と共同使用の空軍基地だ。
本当はTAL(大西洋横断をして行う中止、ランチ後約2分以内まで)を行っての緊急帰還先が
昼間であることが打ち上げ窓(打ち上げ可能な時間幅)の条件だ。
しかし、今のスペインは大体2325時…真夜中だ。よっぽど急ぎたかったのだろう。
「Single Engine Moron 104.(了解。シングルエンジン、104でモロンだ)」



777名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/21(金) 23:44:28.90 ID:YI7O7hrM0
「サブロー少佐(3佐)」前の席の船長を見ながら左のジェシーが話しかけてくる。
「怖がるのは恥ずかしくないわ。私もおっかなかったもの」
何てこった、ベテランはお見通しだ。
「ちゃんとした訓練を積んで無いからだよ」
Gに押されながらもふてぶてしく応じる。
「漏らした?」
バイザー越しでよく分からないがジェシーは明らかに笑っている。
「うる・・・さい」
「私も初めての時は漏らしたわ」
少し笑う。自分も少しつられて笑い幾分か気が楽になる。
まだ2分と少ししか経っていないはずなのにかなりの時間が過ぎた気がする。

「──Atlantis we see nominal MECO. OMS-1 not requiredand you are Go for the Plus X.
(アトランティス、メインエンジンカット正常だ。OMS-1は不必要、X軸プラスへの方向転換を行え)」
「Rog,Go for the Plus X.(了解、X軸プラスへ姿勢変更)」

ここまで来ればもう大丈夫なはず。
前の方の窓からだんだんと明るみが消えて大気圏外へと近づいているのが分かる。
とりあえず、仕事の第一段階は突破だ。そう思うとだんだんと気持ちが落ち着いてきた・・・。


372名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/23(日) 20:47:52.13 ID:nmLz0Gwa0
同刻(JST 0815時 2006/04/18)
市ヶ谷 防衛庁内 中央指揮所

「統幕長、統幕長」
統幕長は寝ていた。彼の40時間ぶりの睡眠はなかなか彼を話そうとしなかった。
それでも、ぼんやりと目を開ける。
「どうした・・・」
「統幕長、堤3佐の搭乗した例のシャトルが打ち上げに成功した模様です」
「堤3佐、確か空自の?」
「ええ、そうです。そして、昨日アメリカに到着した核融合弾頭開発のチームは早速プロジェクトに取りかかる

との事です」
「彗星の事を発表する前に事が漏れたら政権は傾くよ。すまない、水をくれ」
青いパッケージの胃薬を取り出し、水を渡されたらおもむろに飲み始める。
それも用量の3倍。もし事態が済んだらとりあえずやるべき事は病院へ行く事だと統幕長はため息をつく。
「早くても来週には原料のヘリウム3を一定量調達すべく世界中の原子炉が躍起になっています」
「そうか。それにしても、NASAはなぜもっと早く気がつかなかったのかね?彗星ならばもっと早くに衝突を予知

できたはずだ」
「いろいろ推測されておりますが、コンピューターのバグによって早期に警報が出なかったと言うのが有力視さ

れていますが、詳細は闇の中でしょう」
「まぁ、仕方ない。それと、事実の公表まで一週間になった。特戦群は大丈夫か?」
「はい、再編が完了し7日後にはベストな状態になると思われます」


519 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/24(月) 07:25:42.35 ID:aGEfIz6a0
JST 0730時 2006/04/20
練馬駐屯地付近の官舎

おおー、空が明るんで来た。
ネットゲームをプレイしているといつの間にか朝になっていた。
これだからゲーム「戦場2」はやめられない。
「寝るか」
親父が長期の出張で習志野駐屯地へ行って早や3日。
うるさい幼馴染みも学校の無い日々を満喫しているようで、親父の電話の前だけはシャキっとしておけば何の問題もない。
親父はテロだどうので忙しいが、息子の俺はどこ吹く風。
親父も手当が付いて給料増えるし、俺は学校休みだし、まさにテロ様々だな。
ベッドには入らず、ソファーに寝る。
目の前にはピザの出前の箱。この状況下でもピザ屋は配達してくれる。
太ると言いつつも一番食べたのは配達に気がついてやってきた由利江だった。
そんな事を思い出しつつ次第にまどろんでいった・・・筈だった。
目の前には由利江が居た。
「おお~?」
「まったく、情けない声出さないでよね」
「ど~した~?」
「もしかして、ヒロ君」
「後にしてくれ、俺は寝る」
「あのねぇ、今日から学校よ」



520 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/24(月) 07:26:19.66 ID:aGEfIz6a0
学校、いやな単語が耳に入る。
「いいよいいよ、どーせ人いねえよ。そんな事より寝ようぜ。ほれ、布団入れよ」
「・・・・・・。もしかして、行く気無い?」
「をーいえー」
ああ、由利江怒ってる。急に黙り込んじゃった。
「はぁー。どうしてかな。せっかく自分奮い起こしてめんどくさいの我慢してやってきたのに」
「まぁ、そう怒るな。結局お前さんも面倒なんだろ」
「まぁね。さっき聞いたけど学校行く人あまりいないみたい。邪魔するね」
すると、おもむろに布団の中に潜り込んでくる。
「!?ちょっとまて!冗談だ、本当に入ってくるんじゃねぇ、このタコ!」
「いいじゃないの、減るモンじゃないわよ」
インターホンが鳴る。
そして、ドアの開く音。
「え?」
一体誰だ?失礼な。もしかして親父?まさか。
すると入り込んできたのは迷彩服を着たままの佐々木のおじさん。
父親の同僚で叩き上げの1尉。スキンヘッドで、眼力だけで動物を殺せそうなおっかないオヤジ。
泣く子も黙るレンジャー資格保有者で、レンジャーの教官をやっている。
そして今、俺のおかれている状況は教官の娘と同じ布団に。
「と、隣に居るとカァさんに聞いてきたんだが・・・・・・。」流石にびっくりしている。


521 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/24(月) 07:27:13.72 ID:aGEfIz6a0
「あ、パパ」由利江、お前の神経の太さには驚くよ。俺はもう駄目かもしんねぇ。
「弘之君」
「は、はいっ!」声が裏返る。
「由利江を・・・、お願いします」
そう残し、部屋から出て行く。
「ちょ、ちょっと!違う!」
突然何を言い出すんだこの人は!?
「おい!カァさん、今日はオードブルを頼もう!吉田屋さんに注文しておくれ!」
「あらあら、あなた。帰ってきたと思ったらいきなりなんですか・・・えぇっ!それはおめでたいわねぇ。」
隣から声が聞こえてくる。
「もう、パパったらせっかちなんだから」
「お前、俺の事好きなのか?」
おもむろに尋ねてみる。
「ちょっと!誤解しないでよ、からかったくらいで調子に乗らないでっ!」
ゴン!
裏拳を決められた。


522 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/24(月) 07:27:29.42 ID:aGEfIz6a0
数分後

眠気も吹き飛んでしまった。
まぁ、徹夜も一日くらいなら大丈夫だろう。
そんなわけで今は隣の佐々木家で朝食を頂いている。
「でも、何故いきなり戻ってきたんですか?」迷彩服のまま朝から牛丼を食べる佐々木さんに尋ねる
「それがだねぇ、これからしばらく帰れなくなりそうでね。例の法案が通って国家非常事態宣言が
出されたから俺たちも装甲車で町中に繰り出す事になったんだよ」
「つまり、その準備という名目でお帰りになったと」
「そういう事だ!さすがは将来の娘の婿だ!今からとうさんと呼んでくれて構わないぞ、がっはっは!」
「もう、パパったら」
由利江もまんざらでは無い様子。勘弁してくれよ。
「あなた、お時間大丈夫?」
「おお、いかんいかん。そろそろ行くよ。カァさんの牛丼はやはり朝が一番だな!」
いや、朝から牛丼食うのあなたくらいだよ。レンジャー資格って伊達じゃないな・・・。


523 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/24(月) 07:28:21.21 ID:aGEfIz6a0
そして、部屋に戻る。
一番うるさく言いそうな佐々木のおじさんでも今日学校を休む事に何も言わなかった。
とりあえず、全校集会のある土曜だけは行くように言われ慌ただしく去っていった。
「弘之君」
鍵を開け、部屋に入ろうとしたとき、声をかけられる。
声をかけたのは行ったはずの佐々木のおじさんだった。
「あ、おじさん。忘れ物ですか?」
「いや、違うんだ」
おじさんは何か箱を持っている。
「これを君に渡すよう連隊長・・・君のおじいさんから言われてね」
鍵付きの頑丈そうな箱だ。
「ああ、わざわざ済みません。一体何が・・・」
「ここでは開けないでくれ、これが鍵」鍵を手渡される。
どうやらおじさんは中身を知っている様子だった。
「弘之君。どうやら事態は私や君が知っているのよりも深刻らしい」
「それは親父が習志野に行ったのとやっぱり関係が?」
「らしいよ。幸い、君は君自身が思うよりも聡明だ。何かあったときは、由利江や皆をお願いします」
気を付けの姿勢を取り、45度のお辞儀をされる。自衛隊でも一番くらいの高い敬礼だ。
「わ、分かりました」
「いやでも事実を知る日が来ると思う。そうなったとき日本は極度の混乱に陥ると思う。私に何かあったとき、
頼りにしているよ」
そう言い残すと、佐々木のおじさんは急いで駐屯地の方へと走っていった。


524 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/24(月) 07:28:53.29 ID:aGEfIz6a0

部屋に入り、テーブルに箱を置き鍵を開けておもむろに開く。
「・・・」
中には拳銃が入っていた。見た事がある。
自衛隊の制式9mm拳銃P220。そして予備の弾倉が2本
スライドを少し引いて見ると実弾の装填された弾倉が覗く。
昔、グアムで銃の撃ち方を親父に少し仕込まれたから撃つ事は出来る。
だが、実銃が日本で、しかもすぐ手元にあるという事実は少し恐ろしかった。
「一体、俺の知らないところで何が起きようとしているんだ?」
しばらく、足の震えが止まらなかった。


835 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/05/27(土) 23:38:59 0
JST 1230時 2006/04/20
陸上自衛隊 習志野駐屯地

「そろそろ知りたいだろうと思ってな」
古巣に舞い戻って早や2日が経った。
昔の仲間とはすぐにまた馴染むことが出来、訓練で次第に勘を取り戻してきた。
「来た時から知りたかったですよ」
目の前には山田陸将補。特戦群のいわば、ボスだ。
そして、こいつがとんでもない狸オヤジで何を考えているかよく分からない。
「いやね、隕石が地球にぶつかるそうなんだよ」
「は?」
あまりにも場違いな言葉が聞こえてきた。
「隕石だよ、隕石。ほら、よく映画で・・・」陸将補は空を指さす。
「ふざけるのもいい加減にして下さい。この後、ご存じのように閉所戦闘の訓練が隣の演習場であるので失礼します」
「もーぉ、桐生君。そういう風にせっかちなのもいかんよ。それにこれが本当のことなんだから仕方がないでしょう」
「・・・。どのくらいの大きさの?」
「クソでかいそうだよ、地球上の生物は滅亡するらしい」陸将補はあっさりと言い放った。
「冗談じゃない!!なぜそんな物が!?それに群長、何故あなたはそんなに平気でいられるのですか?」
見ていて恐ろしさすら感じられるほど陸将補は平然としていて、いくら部下でも、人前で鼻くそをほじっている。
「いやね、ぶつかった時のことを想像しても始まらんだろう、何せ何もかも無くなってしまうんだから」
「しかしですね、対策はしていないのですか?国は一体何をやっているんだ」恐怖よりも先に怒りがこみ上げてくる。
なるほど、連隊長が言っていたのはこの事だったのか・・・。
「まさか、とっくに行動を起こしているよ。だから、国家非常事態宣言を出すための法整備が済んだだろう」
「・・・あのテロ事件は偽装」
「そうだ。死傷者ゼロのクリーンなテロだ。そして、町中では空挺の連中と警察達が空砲で戦争ごっこだ。
そしてだね、あまり余った核弾頭を処分する良いチャンスだと米ロ両国は見ているはずだよ。
あれだけの量があれば軌道修正なんて容易だよ。破壊だってかなうだろうさ。そういうわけで急ピッチでロケットを制作中らしい。」


836 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/05/27(土) 23:42:19 0
「しかし、それならば自分がここに呼び戻された理由が分かりません」
陸将補はいすに深く腰掛け、足を机の上に投げ出した。
「そう、そこ!流石に鋭い。今日は歓迎会を開いてやろう!つまりだね、日本国は隕石事案を1番の脅威としては見ていないんだよ」
「とおっしゃると?」
「なるほど、地球規模で見れば隕石の問題は重大かもしれん。しかし、幕僚は国内の争乱状態をより強く懸念している。
国がぼろぼろになったらせっかく隕石を破壊してもひどい被害を被るからな。そうなっては破壊した隕石の破片が衝突して
災害が発生しても対応できん」
「なるほど。つまりは争乱の芽を刈り取るのが我々の・・・」
「そう、仕事だ。この件は特戦群の関係者は殆どが知っているが、先100年は明らかにならないであろう重要な事項だ。
生涯の守秘義務は遵守するように。分かったね」
「分かりました」
「よろしい。訓練に行っておいで。それとね、君たちは関係ないが全自衛隊で薬莢の回収義務が無くなったとの通達だ、覚えといてね。」


912 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/06/02(金) 20:41:59 0
JST 0910時 2006/04/25
「やっぱり退屈だ・・・」
久々の学校。
家にいるのが日常になりつつあり、退屈になってきたのでようやく学校に来る気になった。
それでも、授業は退屈だ。
なのに、半分ほどは学校に来ていることに驚いた。
隣家の由利江はどうせ今日も俺は休みだろうと思っていたらしく、遅刻して今頃学校へやって来た。
「プレステやろうと思ってたのに、何学校いってんのさ!だから今日プレステとバトルフィールド貸してね」
授業中にこっそり教室に侵入して来るなり、訳の分からない論理を展開したので仕返しをする。
「おお!由利江君!いつのまに俺の隣にいるんだい?」大きな声で前の教師にも聞こえるように話しかける。
「ちょ!あんた!」
「佐々木!この様な状況でも来るなら来るで遅刻しないように来い!ちょっと来い!」
      • そのまま由利江は教師に拉致されていった。
あいつも役に立つな。

暇が出来たので、隣の腐れ縁の友に話しかける。
「なぁ、大門。お前が学校に来ているのにびっくりしたよ」
「うん?俺はテロ以来学校来るの初めてだぜ。家にいるのも退屈になってさぁ」
「お前もか・・・」
「それとな、いろいろと話に花を咲かせたいしな」
「ほっほー。何か話題でも?」
「う~ん、とは言っても特に話題もないなぁ・・・。そうだ!隕石が落ちてくるらしいぜ」
「ほー。人類絶滅か」
「おうよ!だから早いとこ1発やって、溜めたゲームクリアしねえと!」
「相変わらず下品だな・・・お!由利江が帰ってきた」由利江は俺の方を向くと、中指を立てている。
そこでまた授業は再開した・・・。