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712名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/24(月) 23:54:21.20 ID:PL3nW3lh0
2005年4月1日  

『ピンポーン~』
うちのベルが鳴らされたようだ。まだパジャマ姿の俺はとりあえずインターホンを手に取った。
「はい」
「お~い、来てやったぞ起きろ!」
隣の家に住んでいる幼なじみの長澤涼子だ。

「まだ、俺は食事中でパジャマ姿なんだが・・・」
「外はまだ寒い。家の中に入れろ」
涼子の命令は常に絶対だ。

「おはよう」
「うむ。おはよう勝也、ホットココア持ってきて」
俺は大村勝也、涼子とは小学校の頃からの幼なじみだ。

「今日から新しい学園だが、準備は済んだのか?」
涼子はいつもこんな口調だ。
「あぁ、飯食ったら着替えたいのだが…」
「いいぞ、勝也の部屋まで見に行くことはないから!」
涼子は美味しそうに俺の入れたホットココアを飲みながら笑っていた。
そして涼子のセーラー服は彼女のショートの黒髪を引き立てるようだった。


53名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/25(火) 23:13:36.49 ID:/5U2C+xu0
【勝也view】

俺は自分の部屋に入り、新しい制服に着替え始めた。
「なんで、今の時代に詰襟制服なんだ。あぁ首が閉まる」
昔の学校のような制服を着る。俺は別に美男子ではない。まぁ中肉中背といったところだろう。
髪は少し長めのスポーツカット、いつも通り。完成。

別に鏡を見るようなナルシストじゃないが、歯磨きのついでに洗面台で髪も整えようとドアを開けると…。
『Ban!』
ドアに何かぶつかったようだ。


402名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/27(木) 01:57:10.40 ID:qjW+Beai0
【勝也view】
俺は倒れている涼子に気付いた。
「あっ、大丈夫!?ごめんね」
「だ、大丈夫よ!昼飯奢りなさいよ!」

俺は涼子の後を付いてリビングに戻った。
「まじ大丈夫か?」
とりあえず水で絞ったタオルを渡しながら涼子に尋ねた。
「大丈夫よ!これからドアを開けるときは気をつけるのよ」
「う、うん」

涼子も痛みが引いたようで、時間も迫ってきたので新しい学園に登校しなくてはと思った。
「あの~そろそろ学園行かないと入学式から遅刻という神になると思うのですが…」
「じゃあ勝也、自転車で行くよ」
(自転車でいくよこれは、俺が自転車を漕ぎ涼子が後ろに乗るということか)

「はいはい、じゃ神邑学園に行くよ」
2人はドアから暖かい空気を受けながら自転車に飛び乗った


615 名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/27(木) 12:20:34.96 ID:5pUzewcj0
【勝也view】

俺が自転車に乗り、その後ろから追い被さるように涼子が密着してきた。
「もうちょっと、速く行けないの!」
涼子からの檄が飛んでくる。
しかし、俺は毎度の事といいつつ涼子の胸が背中に感じるので運転に集中できない。
(だからなんで、涼子は俺の背中に胸を押し付けてくるんだ)
「ゴメン!急ぐからさ~」

桜の花びらを受けながら神邑学園のそばまでついた。
時間的にはとりあえず問題ない。

「あの~、そろそろ降りない?何も入学式から噂になる必要はないかと…」
一緒に登校だったら、『幼なじみ』とか『来る方向が同じ』とかで噂を薄めることは可能だが、
自転車でそれも涼子が俺の背中に胸を押し付けた状況でとかいったら、学園で俺が出会いの機会は皆無になることは必死である。

「わかったわよ。じゃあ勝也先に行きなさい」
俺はこれからの学園生活での新たな出会いを胸に抱き、神邑学園の門をくぐった。


685 名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/27(木) 14:32:50.70 ID:5pUzewcj0
【勝也view】

自転車を駐輪所に停めて俺はクラス分け発表の掲示板の前に向かった。
「えっ~と、大村、大村っと…1-Cか」
1年はどうやらAからF組までの6クラスのようだ。

「ついでに涼子も確認…、同じクラスか」
俺は張り出してある地図を確認して1-Cに向かった。


718 名前: 東葛広報局長 ◆7/2vjVH3To 投稿日: 2006/04/27(木) 15:07:41.44 ID:5pUzewcj0
【共通view】

1-Cでは新たなクラスメート達が既にざわざわしていた。
とりあえず各自、黒板に書かれている席次表に従って、席についているようである。

学園内に始業のベルが鳴ると前方の入り口から1人が入ってきた。どうやら1-Cの担任のようである。

「おはようございます。1-Cを担当する神崎由希です。1年間宜しくね。
それじゃあ入学式あるから体育館までいきます。私についてきてください」

皆、神崎先生の後をぞろぞろついていった。

570名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/04/29(土) 01:53:15.30 ID:BXRT0VlC0
【勝也view】

体育館に着くと、多くのパイプ椅子が並んでいた。
「1-Cはここのブロックだよ。さっさと座ってね~」
そう言いつつ神崎先生は教師席へ向かっていった。

とりあえず、目に付いた席に座り入学式が始まるのを待っていると隣に座った人から声を掛けられた。
「今日学園に来る時女の子と自転車二人乗りしてなかったか?」
見られていた。という動揺を隠しつつ尋ねた。

「えっ、どういうこと?」
「多分、うちのクラスの女の子だと思うのだけど、恋人?」
俺は全力で否定した。

「彼女は幼なじみ、隣の家なだけ」
そういうと彼は、ぼそっと言った。
「幼なじみか・・・。最終兵器だな!俺の名前は上田春樹。お前は?」
俺は自分の名前を教え、連絡先などを交換していた。
どうやら式典が始まったようだ。

888名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/04/29(土) 23:23:53.51 ID:IB7M0e6D0
520>>572の続き

【共通view】

式典が始まり、学園長挨拶となった。壇上に上がった初老の男はマイクも要らないほどの大声で話をはじめた。

「神邑学園入学おめでとう。私が学園長の藤堂源治郎である。我が学園は自己責任の元で勉学に励めたまえ。でも学園生の本分は勉学だけにあらず!
友情・恋愛・遊び、何に関しても法律に触れない範囲で、120%全力投球で頑張りたまえ!それが神邑クオリティだ!」
どうせ、普通の挨拶しかしないんだろうと思っていた学園生たちは皆驚いた。

「うちの学園は学歴社会で勝てる人材を育てる気は全く無い!学園生には自分の意思で格差社会を生き抜くための力と絆を見に付けて欲しい!以上」
源治郎学園長の話に皆、惹かれていった。
源治郎学園長は白髪だが、背筋は最近の日本人に見えないほどシャキっとしており、顎鬚を蓄えた初老の漢であった。

「神邑学園の学園長である藤堂源治郎の言葉を胸に学園生活を謳歌してください」
司会である教頭が締めて、式典自体は非常に短い時間で終わった。


325名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/01(月) 20:39:49.38 ID:ahRvbG1V0
【勝也view】

「友情・恋愛・遊び、何に関しても、120%全力投球で頑張りたまえ!か…」
俺は源治郎学園長の言葉を自分に問いかけていた。

勝也はこれまで平凡に生きてきた。
神邑学園を受験したのも自宅から自転車で10分程度で近いから、
他の人と少し違っているのは両親が海外赴任で1人暮らしをしている程度であった。

「恋愛か…そうだよな、昔の友人とか、結構彼女居る奴多いもんな~」
俺は源治郎学園長の言葉を心の中で繰り返していた。



326名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/01(月) 20:40:51.08 ID:ahRvbG1V0
【共通view】

「学園長、入学式のコメント良かったですよ!」
教頭が学園長におべっかではなく本心から学園長に話していた。

「うむ。わしが神邑学園を設立したときに考えていたことだからな。今の世の中は『勝ち組負け組』とかよく言うが、
経済的に恵まれても心が充たされてないと人生を謳歌出来ないはずだ。
だから学園生には友情・恋愛・遊びなど、なんでも必死にやって欲しい。
学問で得られた知識を使う機会は社会に出たら少ないが、色んな経験は人を数倍の力を出せる源だからな」

源治郎学園長はそう言うと自慢の顎鬚を触りながら学園長室の中へ消えていった。


352名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/01(月) 21:41:29.81 ID:ahRvbG1V0
【勝也view】

教室に戻ると男達は皆、学園長の言葉に興奮していた。

『学園長は神だ!』
『源治郎GJ!!!!!!』
『学園長公認で恋愛!それも全力で!!日本は変わった!感動した!』

俺も学園長からこんな言葉が聞くことになるとは予想だにしてなかったので、驚いていた。
「俺達、最高な学園に入学できたようだな」
横から春樹に声を掛けられた。

「あぁそうだな」
「で、お前は誰にアタックするんだ?やっぱ幼馴染か?」
「まだこの学園にどんな娘がいるか分からないからな~」

キャーキャー騒いでいる女の子達を見ながら俺は呟いた。


396名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/01(月) 23:19:52.42 ID:ahRvbG1V0
【共通view】

神崎先生が教室に入ってきて終礼を始めた。
「それじゃあ明日からは授業よ、あと5月にみんなの親睦を深める為に『愛・地球博』にいきます。
1泊2日の旅行になりますので頑張って下さいね~」
いきなり発表された親睦旅行に皆驚いた。
その時、1人の男子学園生が挙手し質問をした。

「神崎先生、ちなみに宿泊先のホテルの部屋は1人部屋ですか?」
「ふふふ、おませな子ね。一応男子は男子、女子は女子で2人で1部屋」

「ただし、当日は神邑学園1年でホテルは貸切だし、私たち教師は夕食で飲み会ですので見回る事はありません。と答えておきます」

この衝撃発言にクラスの学園生は…。
『えぇ~』
『キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!! 』
など様々な反応を示した。

「じゃ、今日はこれでおしまい」
神崎先生の挨拶で嵐の終礼はおわった。


460名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/02(火) 00:34:03.84 ID:/qeQ87jK0
【勝也view】

驚愕の発表後、学園生は教室を後にしたが、校庭は大変なことになっていた。

『やっぱ漢はスポーツ!だから陸上部』
『もっと経済に触れ合おう!今こそ株投資倶楽部』
『我らに残された時間はもう1年少し 天文研究会』
『神邑で抜群の恋の成就率86%を誇る。神邑恋愛研究部』

色んな団体が校庭でビラ配りをしていた。例えば料理系の団体であったら試食を出し、軍事系団体だったら実弾試射所まであった。
これも神邑学園の源治郎学長の考えで全て通っているようだ。

俺も手に抱えきれない程のビラを抱えながら駐輪所に向かうと俺の自転車のそばで話している2つの影が見えた。


50名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/03(水) 20:26:16 0
【勝也view】

抱えきれないほどのビラを持って駐輪所に向かうと2つの人影が見えた。
(片方は涼子か。でもう1人は…誰だ?)
俺が見たこと無い可愛い娘が涼子と話している。

『ねぇねぇ、そういえば朝、誰かの自転車に乗ってなかった?』
『えっ!?も、もしかして見てたの?』
『えへへ』
どうやら彼女は朝、俺と涼子が一緒に自転車に乗っていたのを見ていたようだ。

『う~ん、マジで。幼馴染みで隣の家で同じ学校なだけ。・・・クラスも同じになったけど』
『へぇ~、アニメとかだったら100%フラグ立っているみたいな状況だね』
『とりあえず現時点ではフラグは立ってないと思うよ』

涼子の回答を聞きながら俺も呟いていた。
「そりゃそうだ。ここで涼子を選んだらこの最高の学園を楽しめない気がする」

そのとき、彼女が涼子に更に問いかけた。
『でも、それって本音なのかな?いくら隣の家で同じ学校でも一緒に登校。
それも男の子の自転車に乗って登校するなんて普通しないと思うよ』
暫くの沈黙のあと涼子は彼女に話した。
『・・・そうなのかな、自分でも今は分からない』

俺の心の中を涼子の言葉がエンドレスで流れていた。


74名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/04(木) 23:58:21 0
【勝也view】

俺は自転車で帰るため意を決して、自転車にそして2人に向かって一歩また一歩と歩を進めた。
「あれ、どうした?隣の娘は?」
あくまでも自然を装って俺は涼子に声を掛けた。

「あれ、勝也。えっとこの娘は…」
涼子が紹介する前にその娘は俺に自己紹介してきた。

「私は如月渚です。涼ちゃんとは塾時代のお友達で、クラスは1-Bになりました。
これから宜しく。で貴方が勝也君なんだ、へぇ~」
そういうと渚は俺を吟味するように見つめてきた。

「(ボソッと)・・・」
俺にはよく聴こえなかったが、何か呟いたようだ。それに反応した涼子が渚の肩を軽く叩いていた。
「もう~何言ってんの」
「いや、涼ちゃんの…」
また渚の言葉は聞き取れなかったが、涼子は俺の顔を見ながら苦笑いしている。

「で、帰りはどうする?乗っていきますか?」
俺はいつもの口調で涼子に尋ねた。
「それじゃあ、早くして。あっ、渚ちゃん明日またね」
「うん、じゃ涼ちゃんまた明日!さよなら~」

俺はビラと2人分の鞄をかごに入れると涼子を後ろに乗せて校門から自転車を発進させた。


81名前: 東葛広報局長 ◆kl95d1ggq6 投稿日: 2006/05/06(土) 01:04:21 0
【勝也view】

俺は涼子を背中で感じながら考えていた。
(やっぱ、さっきのセリフ気になるけど…。でも聞くべきじゃないよな、盗み聞きしていた事もばれるし…)

「今日の終礼ビックリしなかった?」
不意に涼子が俺に話しかけてきた。

「あぁ、愛・地球博に行く親睦旅行だろ。粋な学園だよな」
「それだけじゃなくて…。ほら宿泊先の…」
涼子は実質上誰と同じ部屋で過ごしても良いということを言いたいのだろう。

「あ~あ、どうしようかなw明日から戦いになるんだろうな。涼子さんはもう誰かにアタックされたの?」
「ないない。でも勝也が気になるって娘がいたよ。誰かは教えないけどね!」
俺は自分を気になる娘がいると聞いて驚いた。

その後俺達はたわいも無い話をしながら帰った。

そうあの話には触れずに。