84pの小説 遊義皇第十二話(旧)


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正念党、本格始動!
レアハンター組織、制々正念党の七人衆(七票多人式決定衆会の略)は数ヶ月前に4名の欠員が出ていたが、
グールズの人員を吸収し、アドバンテージ保持の『追走者』、超重量級ロック使い『不動不死』、ピアスの男『四界の王』を補充するも、
やはり『超融合』に続いて抜けた主要メンバーが多く、絶頂時に比べて新規加入メンバーは多いが総合戦力は80%といった所、
その為、『超融合』の再加党の為にかなりの手段を用いている。
以上、情報サイト『マウスコミューン』より抜粋。

(作者視点)
   「ふぅん、その場凌ぎの防御に〔アルティメット・インセクト〕ね、ま、悪くは無いんじゃない?」
   「プレイングに不自然さが目立つが今のコンボは悪くない、効果での対抗もし難いしな。」
   「クロックさんのデッキは高いステータスを持つカードに対しての防御カードが多くないですし…これは難しいですね。」
やはりデュエリストだけあって例外無く本気でテレビに喰らい付き、観戦している幹部衆のホーティック第とウォンビック、副官のトガ、
この興奮がデュエルディスク『明』の最大の利点と言えるかもしれない。
   「失礼、無線が入りました。」
音もバイブレーションの気配も無く耳(が有ると思しきピアス)に無線機(が有ると思われる手の平)を押し当てるエビエス。
   「こちらエービーエス(ボソボソボソボソ)わかりました、感謝します(ヒソヒソヒソ)当然です、そのまま続行してください、
    えー、お三方、私の友人が猩々鬼を発見しました、幹部衆からの出撃をお願いします。」
それを訊き、揃って眉を潜める3人。
   「二封気はオセロとかいう村に居ると飛行機の中で聞いたが?」
   「既に脱出していたようです、現在は電車で移動中です。」
エビエスは特別な情報筋にコネクションを持っているらしく、
その早耳は万が一、敵となった時を考えれば警戒の対象として多くの正念党員に感じられているほどである。
   「と言う訳でウォンビックさんとトガさん、二封気氏の撃破・連れ戻しに向かってくれますか?」
   「なんであたしやブラックマイン様が、あんた達のXXXXXな仲間を連れ戻しに向かわなきゃならないのよ?」
トガの聞くに堪えない放言に、ゆっくりと立ち上がるホーティック。
   「俺の事ならいくら侮辱しても良い、聞き流せる、
    だが、私は仲間を侮辱する行為だけは聞きゥッべ!」
トガのハイキックは、ゆっくりと立ち上がり、振り向いたホーティックの顔面に何の抵抗もなく突き刺さった。
   「弱っ。」
※幹部衆殴り合いランキング、1位・シャモン、2位・エビエス、3位・ウォンビック、4位・神次郎、5位・クロック、6位・ホーティック
※幹部衆基礎体力ランキング、1位・ウォンビック、2位・神次郎、3位・エビエス、4位・クロック、5位・シャモン、6位・ホーティック
※幹部衆頭脳指数ランキング、1位・ホーティック、2位・エビエス、3位・クロック、4位・シャモン、5位・ウォンビック、6位・神次郎
   「おティーのデリバリサービ…って、ホーティック第3幹部のHPがレッドカラァアアア!
    H3のみんなぁー! へるーぷ!」
タイミングを見計らったように入ってくる不自然すぎる筋肉マッチョ。
   「…これが貴方達の二封気さんを連れ戻しに行く理由です、
    第3幹部は部下達に人気が有りますからね、問答無用に蹴り倒したとなると冗談無しに殺されますよ。」
トガはウォンビックに助けを求めるような視線を送るが『悪いのはお前だ』とばかりに無視するウォンビック。
……まあ口頭で喧嘩を売ったのもトガで、先に蹴ったのもトガだしなぁ……。
   「さあ!早く二封気の連れ戻しに向かいますよ、ブラックマイン様!」
   「……俺は日本語が喋れんからな、途中の通訳を頼むぞ。」
   「ま…任せて下さい、ブラックマイン様! あたし、頑張ります!」
さっきまでビビっていた子供がもう笑ってる。
   「それじゃあ僕たちの相手も頑張ってもらおうか!」
   「死んでもらうからネ。」
   「ホーティックちゃんを苛めるなら…お嬢ちゃん、死んでもらうよ?」
   「拙僧の刃で冥土極楽に招待してくれるはァッ!」
   「…。」
   「わぁたぁしぃも、こぉろすぅ。」
   「ワタシタチ、3H部隊のネームに掛けてキルユー!」
完全に蛇足だが説明させて貰うと3H部隊とは、元は神次郎配下のグールズ第3編隊の略だったが、
隊長の次郎が性格上、隊長同士の隊員ドラフトに参加せずにハズレの色物ばかり集まった為、変態・貧弱・暇人と言う当て字をされた部隊。
(正念党に鞍替えした時に副隊長の爬露巳式を初めとする全員の希望でホーティック第3幹部の下に移動。)
   「……こいつらが落ち着いた頃にちゃんと謝りに来るんだぞ、トガ。」
言いながらトガを小脇に抱え、壁をぶち破って出て行くウォンビック……お前もあとで謝れよ? 壁の修理する人に。


(クロック視点)


第5ターン、クロックのドローフェイズ直前。
刃咲 ライフ7900 手札1 場・アルティメット・インセクトLV7 伏せ1・発動中・黒きハイエルフの森
クロック ライフ8000 手札5 場・異次元の生還者 伏せ1 発動中・マクロコスモス


アルティメット・インセクト LV7 風属性 昆虫族 レベル7 ATK2600 DEF1200
「アルティメット・インセクト LV5」の効果で特殊召喚した場合、
このカードが自分フィールド上に存在する限り、全ての相手モンスターの攻撃力・守備力は700ポイントダウンする。

黒きハイエルフの森 フィールド魔法
フィールド上に存在する昆虫族モンスターの攻撃力・守備力が300ポイントアップする。
昆虫族モンスターが破壊された時、そのカードのコントローラーのライフを1000ポイント回復する。(オリカ)

異次元の生還者 闇属性 戦士族 レベル4 ATK1800 DEF200
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードがゲームから除外された場合、
このカードはエンドフェイズ時にフィールド上に特殊召喚される。

マクロコスモス 永続罠
自分の手札またはデッキから「原始太陽ヘリオス」1体を特殊召喚する事ができる。
また、このカードがフィールド上に存在する限り、墓地へ送られるカードは墓地へは行かずゲームから除外される。


   「刃咲くん! ずるいよ、刃咲くんだけでデュエルするなんて!」
   「デュエル中には別の話題はしないのがマナーよ、福助。」
蕎祐は「てめぇが二封気とデュエルしたいって言ったからデュエルしてるんだろうが!」とでも言いたそうだが、耐えている。
ここで言えば俺との賭けの条件を満たせなくなる、つまり言ったら二封気の情報は手に入らない…頑張ってるな、蕎祐。
   「……勝ったあとに説明するから、ちょっと待ってろよ、
    さあ、クロック、これでやっとサマ抜きの正面対決だ、カードを引け!」
普通のイカサマ師は複数の技を状況に合わせて使いこなし、成果を挙げるものだが、
俺に限っては手札入れ替えを最高の域まで極める為に他の技は知識だけでほとんど練習していない。(つまり使われた時に看破はできるが使えはしない)
よって、俺は天性の引き運のみの不安極まりない勝負を強いられている……これはこれで面白いが。
   「あぁー、こういう勝負も暫らくぶりだな(手札6)、俺は〔紅蓮魔獣 ダ・イーザ〕を召喚する。」

紅蓮魔獣 ダ・イーザ 炎属性 悪魔族 レベル3 ATK? DEF?
このカードの攻撃力と守備力は、ゲームから除外されている自分のカードの数×400ポイントになる。

紅蓮魔獣 ダ・イーザ攻撃力?→攻撃力3200 守備力?→3200
   「俺も負けられないんでな、全力で行くぜ!  守備表示の〔生還者〕を攻撃表示に変更し、
    バトルフェイズ突入! 〔ダ・イーザ〕で〔究極虫〕への攻撃、スペースサンダー!」
   「させるかぁッ!〔和睦の使者〕ァ!」

和睦の使者 通常罠
発動ターンだけ相手モンスターからの全て戦闘ダメージを0にする。

2つの巨体が激突する数秒前に、使者による停戦条約が可決し、撃ちかけていたエネルギー砲を収めるグレンダイザー。
   「あぁー、リバースカードを1枚伏せて終了だ。(手札4・伏せ2・発動中1)」
   「俺のドローフェイズ(手札2)! 〔アルティメット・インセクト〕で〔異次元の生還者〕を攻撃だ! 究極害病砲LV7!」
〔アルティメット・インセクト LV7〕(攻撃力3000)VS(攻撃力1800)〔異次元の生還者〕→生還者除外、クロックLP8000→LP6800。
さっきのターンで攻撃表示に変更したのが響いたか…だが次のターンに〔生還者〕は戻り、基本戦力としてのダメージは無いので問題はない。
   「…しばらくぶりに見るね、アレ。」
   「うん、いつもなら効果条件を満たす頃には決着付いちゃうもんね。」
……え?
   「この瞬間、〔アルティメット・インセクト LV7〕を生贄に捧げ、来い!〔アルティメット・インセクトLV9〕!」
えええええ!?
アルティメット・インセクト LV7・黒きハイエルフの森→除外。
融合デッキ→アルティメット・インセクト LV9、特殊召喚。

アルティメット・インセクト LV9 風属性 昆虫族 レベル9 ATK3400 DEF2100
「アルティメット・インセクト LV7」+「表側表示で自分フィールドに存在している魔法カード」
アルティメット・インセクト LV7が戦闘でモンスターを破壊した時、上記の融合素材をゲームから除外する事でのみ特殊召喚できる。
(融合の魔法カードは必要とせず、アルティメット・インセクトLV7が召喚・反転召喚・特殊召喚されたターンや他の方法では召喚できない。)
またこのカードは魔法カードの効果を受けず、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は半分として計算される。(オリカ)

   「〔アルティメット・インセクト LV7〕はフィールド残留・戦闘で敵撃破という2種類の経験地を稼ぎ、
    魔法カードを1枚捕食する事で魔力を補充する事で更なる巨大化・猛毒・新たなる能力を身に付ける!
    さらに〔LV9〕は他のレベルモンスターが有するレベルアップへのタイムラグも無く、
    条件を満たした瞬間に召喚され、即座に攻撃が可能! 究極害病砲LV9!」
〔アルティメット・インセクト LV9〕(攻撃力3400)VS(攻撃力1800)〔紅蓮魔獣 ダ・イーザ〕→ダ・イーザ、破壊・ゲームから除外、クロックLP6200→LP4600

俺の〔ダ・イーザ〕はエネルギー砲の力押しのみで〔アルティメット・インセクト〕の力押しのみで粉砕された。
   「バカな…〔黒きハイエルフの森〕を失った〔究極昆虫〕では〔ダ・イーザ〕を倒せないハズだ…。」
いや違う、今のソリッドビジョンはインセクトが強くなったというより、ダイザーが弱くなった、と言う表現だった。
   「究極昆虫族は生まれた直後(LV1)は強力な魔法耐性の皮膚を持つが、成長によって魔法体性の装甲から脱皮して魔法耐性を失い、
    幼虫(LV3)→半成体(LV5)→成虫(LV7)への攻撃力アップが行なわれるが……この変態には続きが存在する。」
   「つまり、魔法を食って魔法体性皮膚が再生して、毒鱗粉も強化されて〔ダ・イーザ〕の攻撃力は半減してた、ってことか。」
   「ま、これ以上はレベルアップしねーから安心しとけ、手札を両方セットしてエンド!(手札0・伏せ2)」
   「この瞬間、〔生還者〕が守備表示でフィールドに戻る…、
    俺のターンで(手札5)……モンスターを裏守備で召喚、ターンエンド。(手札4)」
俺が伏せ出したのは〔異次元の偵察機〕、このカードと〔生還者〕でディステニードローまで耐えるか、とりあえず。

異次元の偵察機 闇属性 機械族 レベル2 ATK800 DEF1200
このカードがゲームから除外された場合、
そのターンのエンドフェイズ時にこのカードを自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する。

   「ドロー(手札1)……いよっしゃ! 〔ランスタッグ〕を攻撃表示!」

ランスタッグ 風属性 昆虫族 レベル3 ATK1550 DEF820
守備表示モンスターを攻撃した時にその守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。
このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合、フィールド上のモンスターを全て攻撃表示に変更する。(オリカ)

   「伏せ状態の〔働き蜂への報酬〕を発動し、〔ランスタッグ〕で〔生還者〕へ…攻撃!」

働き蜂の報酬 永続罠
自分フィールド上のモンスターが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与える度に、自分はカードを1枚ドローする。(オリカ)

一見するとカブトムシに見える、一本角のクワガタがフィールドを疾走し、俺の生還者を貫き、そのまま俺の腕を深々と刺した。
〔ランスタッグ〕(攻撃力1550)VS(守備力200)〔異次元の生還者〕→生還者除外、クロックLP4600→クロックLP3250
刃咲手札0→手札1(働き蜂への報酬の効果)
   「貫通持ち!?」
   「更に! こいつは相手にダメージを与えた時に他のモンスターの防御体制もぶっ壊す! ランスタッグハンマー!」
ランスタッグは角に刺したままの生還者を地面に叩きつけ、その衝撃によって裏守備表示の偵察機はメンコのように空中に弾き飛ばされた。
   「行け! 〔アルティメット・インセクト〕ォ!」
空中でバタバタする〔偵察機〕は、何の抵抗もできずにアルティメットインセクトに抱き砕かれた!
〔アルティメット・インセクト LV9〕(攻撃力3400)VS(攻撃力400)〔異次元の偵察機〕→偵察機除外、クロックLP3250→クロックLP250
刃咲手札1→手札2
   「将棋で言うところ……王手、ってやつだね。」
   「確かにね、次のクロックのターンで〔ランスタッグ〕を除去できなければ貫通効果で押し切り、
    でもクロックのモンスターは〔アルティメット・インセクト〕の効果で攻撃力現象、倒せたとしても返しのターンの〔インセクト〕の攻撃で終わるわね。」
冷静なツッコミをありがとう、現実逃避しきれなかったよ。
   「あぁー……マズイ、この状況で生き残れるカードは残りデッキが22枚の内たった4枚…来るわけねぇ…。」
   「それぐらいの確立ならエンドしてやるから引いてみせろよ。(手札2・伏せ1・発動中1)」
異次元から戻る〔生還者〕と〔偵察機〕に余裕が戻ったのか、あざけりには及ばないが見下した視線で微笑む蕎祐……うあ、ムカつく!
   「そんな確立のカードを余裕で引けるならイカサマなんてしねぇよ!………だが引くぞ、絶対引くぞ、うりゃ!(手札5)」
   「挙動が一々ダメ大人のクロックさん、4枚の内の1枚かドロー強化系は引けましたかー?」
刃咲の馬鹿に仕切った一言を聞きながら、俺は凍り付いていた。
   「あぁー、忘れてた…逆転して勝てるカードが有ったんじゃねぇか。」
   「…んだと?」
   「俺は〔生還者〕と〔偵察機〕を生贄に捧げ、手札から〔最古装甲 GOバリアー〕を通常召喚する!」

最古装甲 GOバリアー(さいこあーまーごおばりあー) 闇属性 悪魔族 レベル8 ATK? DEF0
このカードの攻撃力は(自分の除外されたカード枚数-自分の墓地枚数)×2000の数値となる。
またこのカードが表側表示でフィールドに存在する限り、このカードはレベル5以上のモンスターにしか攻撃できず、
コントロールを変更する効果を無効にする。(オリカ)

   「…なんだ?外見は 〔ダ・イーザ〕や〔ガーゼット〕に似てるみたいだけどよ…?」
   「あぁー、良い視点だ、こいつもその2体と同じ様に特殊な攻撃力判定を持っててな、
    今みたいに俺の墓地が無く、かつ除外されてるカードが多い今みたいなタイミング限定での活躍だが……その2体を超えるぞ。」
最古装甲 GOバリアー 攻撃力?→攻撃力20000→攻撃力10000(アルティメット・インセクト LV9の効果で半減。)
   「〔アルティメット・インセクト〕の毒鱗粉で攻撃力を下げてもまだこれだけのパワーが!?」
   「基本的にデュエルモンスターズは制約が重ければ重いほど強力な効果も許される………、
    デッキ全てを費やすのは勿論、出せても攻撃対象が著しく制限され、上級を送り付ける戦術も最後の一文のせいでできねぇ、
    元来ファンデッカー専用カードだが…今なら使えるぜ、最古ナックルで〔アルティメットインセクト〕へ攻撃。」
歴史や赴きは全く感じさせずに特攻する最古装甲、そのパワーの前では究極の名を持とうとも、たんなる羽虫だ。
〔最古装甲 GOバリアー〕(攻撃力10000)VS(攻撃力3400)〔アルティメット・インセクト LV9〕、アルティメット・インセクト破壊、刃咲LP7900→LP1300
   「算数もできないのかよ? その攻撃力じゃ俺のライフを0にする事はできねぇ!」
   「あぁー、戦闘だけがこのカードゲームじゃねぇだろ? トラップカード発動、〔D.D.ダイナマイト〕!」

D.D.ダイナマイト 通常罠
相手の除外されたカードの数×300ポイントダメージを相手に与える。

   「なんだと……!?」
   「あぁー、蕎祐、お前は覚えてないだろうが、お前の除外されたカードは全部で10枚、よって3000ポイントのダメージを受けてもらうぜ?」
除外ゾーンという身近な地点から広がった爆発によって、蕎祐のLPは完全に吹き飛ばされた。
刃咲LP1300→LP0

12話のサブタイトルの答え、「安直だが正解」


   「す…すげぇ、ライフポイントを一気に削りきった…!?」
   「あれは一度手合わせしてもらいたいねぇ、朝ご飯食べた後で。」
ギャラリーのぼやきを完全に無視し、俺は俯いた蕎祐に足早に近付き、語りかける。
   「賭けは俺の勝ちだ、約束は守れよ?」
   「……ああ、約束は守る、ところでクロック、カセットテープを買う気は無いか?」
   「あぁー?」
そのまま蕎祐はポケットから延長コードで何本か中継したイヤホンを『耳に付けろ』というジェスチャーを含めて俺に渡す。
耳に入れた瞬間に流れ出す、聞き覚えの有る2つの声。

   『あぁー、それでも俺は自分の頭を殴ってでも喋らなかったんだぞ、言えねぇよ。』
   『…それなら賭けデュエルしようぜ、俺が勝ったらあんたが知ってる限りの二封気の情報を教える、
    あんたが勝ったら俺は福助に『クロック・ジュフが二封気の情報を知っている』って事を言わない。』
   『あぁー? 別に言われたところで俺は困らんぞ?』

   「……どういうことだ?」
   「俺は約束どおり例の情報を公言はしない、だけど『偶然』録音したカセットを友達に聞かせない約束はしてないよな?」
……んだああああああああ!
   「お前、デュエルをしておいて、こんな詐欺紛いのことを……デュエリストの誇りは無いのか!?」
   「テキストやルールの穴を突き、屁理屈を云うのがデュエリストだろうが!
    お前みたいなのが悪徳業者のカモリストに乗るんだ、大人なら契約内容はちゃんと確認しろ、
    ……俺もいくらなんでもこんな屁理屈で全部教えろとは言わない、情報のヒントだけでカセットを売ってやる。」
ギャラリーを衆めたのもこの為か? こういう不当な状況でも「力尽くでカセットを奪い取る」手段を使えなくさせる為に?
   「また論点のボカシだな、負けておいて一本100円しないカセット1本で懐柔しようとしてる、お前みたいに悪知恵の働く奴が………。」
   「皆さーん、実はですねー、このクロック・ジュフ23歳、カッコ独身はー!」
ああああああ! 反論や思考の暇すら与える気がねえええええ! クーリングオフみたいに猶予期間をおおおお!
   「分かった! 分かった! セカンドハンターだ! あいつに関する情報はレアハンターかこれしかない!」
   「……セカンドハンター?」
始めて見た蕎祐の子供らしい間の抜けた表情、これが維持してたらなぁ…。
   「星5以上のプロライセンスを持つ奴がやる職業の1つでな、星5以上に為るとKCのデータバンクに所持レアと名前が登録される、
    それを有る程度の上位レアハンターはハッキングして見たりしてるんだが…それを逆に利用して相手のカードを巻き上げる商売だ!」
基本的にレアハンターもアンティを賭けるし、上位レアハンターに為ると偽造カードではなく本物を投入してる場合も多いので、返り討ちにして奪い取ったカードを売って生計を立てている連中だ。
   「…だからハンターを狩る第二のハンター……セカンドハンター、ってわけか。」
   「あいつはレアハンターにも知り合いが多いから、レアハンターと戦って情報を聞き出せばあいつの情報を入手できる可能性は高い!」
   「凄い! そんな仕事が有るんですね!」
その声にビクつく俺、大声は出したが俺も刃咲も『二封気』とか喋ってないよな? 大丈夫だよな? セーフだよな?
   「決めた! 僕はセカンドハンターに為る!」
   「……もう1つくらいオマケしろ、あれくらいなら教えられなくともこうなってた確率は高い。」
   「あぁー、大阪だ、大阪の松猪 四郎ってのに会いに行け、そうすればセカンドハンターに為りやすくなる。」
   「…連絡先もオマケしろ。」
   「助姫さんが知ってる筈だ、渡せ。」
蕎祐が今までの流れからは考えられないほど簡単に渡したテープを私、俺はそれを蕎祐の目の前で二つにへし折った。
   「何の話? 今の?」
   「言えない話だからな、気にしないでくれ。」
   「さあ! 次は俺だ! 若造にはまだ負けん!」
   「いいえ! 僕です!」
……朝飯も食わずに異常に元気な面々、オイオイ……。

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