藤條 恵子
この春、娘が大学生となって、家から巣立って行きました。
この春、娘が大学生となって、家から巣立って行きました。
親子として18年、1人目の子どもということもあって、親は悪戦苦闘もしましたが、
成長とともに明るく語り合う同士のように(親がそう思っていただけかもしれませんが)
過ごしていました。「18になったら、家を出て行きなさいよ」と口では言っていたものの、
実際に子が家から出ていくということを想像できずにいました。
成長とともに明るく語り合う同士のように(親がそう思っていただけかもしれませんが)
過ごしていました。「18になったら、家を出て行きなさいよ」と口では言っていたものの、
実際に子が家から出ていくということを想像できずにいました。
子は自分で行き先を決め、親は「あら、そう」と初めは軽く言っていたけれど、日が
立つにつれ「本当にそんなに遠くへ行くつもり?」と言ってみたりしていました。
でも子は何の迷いもないかのように、一直線に前を向いて進んで行きました。まるで
運命の糸に引っ張られるかのように。これがこの子の道なのだろう、と思えました。
親は、「親子がずっといっしょに暮らすわけではなく、子には子の道がある」という
あたりまえのことを再認識しなければなりませんでした。
立つにつれ「本当にそんなに遠くへ行くつもり?」と言ってみたりしていました。
でも子は何の迷いもないかのように、一直線に前を向いて進んで行きました。まるで
運命の糸に引っ張られるかのように。これがこの子の道なのだろう、と思えました。
親は、「親子がずっといっしょに暮らすわけではなく、子には子の道がある」という
あたりまえのことを再認識しなければなりませんでした。
内心少しオロオロしている親を勇気づけてくれたのが、子どものまっすぐな気持ち
でした。自分でやっていこう、自分の足で歩いていこうとしている姿を見るは、とても
うれしいものです。自分らしく、自分のしようと思うことをすることができる、これが
育ったということだと思いました。一人前に立派に仕上がったなとは思いません。まだ
まだ身につけさせなければならないことがたくさんあったようにも思います。でも、
18年間、充分に家で過ごし新しい世界へ飛び立つ気持ちが生まれ、そしてその準備が
できたと思えました。まさに鳥のヒナが育って、巣立ち、飛び立っていく様子と同じだ
と思いました。
でした。自分でやっていこう、自分の足で歩いていこうとしている姿を見るは、とても
うれしいものです。自分らしく、自分のしようと思うことをすることができる、これが
育ったということだと思いました。一人前に立派に仕上がったなとは思いません。まだ
まだ身につけさせなければならないことがたくさんあったようにも思います。でも、
18年間、充分に家で過ごし新しい世界へ飛び立つ気持ちが生まれ、そしてその準備が
できたと思えました。まさに鳥のヒナが育って、巣立ち、飛び立っていく様子と同じだ
と思いました。
子どもが家から離れてからしばらくは連絡もよく来ていたのですが、最近では、時々に
なりました。親は毎日無事でいることを確認して安心したいと思っていたのですが、
子は、毎日連絡する必要はないだろうと言って来ました。新しい生活に慣れ、自分で
やっていく自信がついたのでしょう。新しい生活に気持ちがしっかり向いているので
しょう。親の方も気持ちをきりかえて、日常の細々したことや、なにか事故にでも巻き
込まれていないだろうかなどと必要以上の心配をしたりせず、無事でいることを信じて
いようと思いました。ただ無事でいることを願っていようと思いました。かつては、
すっかり大人になってしまった子どもの心配をいつまでもする親の話を笑っていたので
すが、今はその気持ちが実感できます。生きている間はずっと、子の無事を祈るの
だろうと思います。体験して初めて、気持ちの1つ1つが本当に分かるのだと思いました。
なりました。親は毎日無事でいることを確認して安心したいと思っていたのですが、
子は、毎日連絡する必要はないだろうと言って来ました。新しい生活に慣れ、自分で
やっていく自信がついたのでしょう。新しい生活に気持ちがしっかり向いているので
しょう。親の方も気持ちをきりかえて、日常の細々したことや、なにか事故にでも巻き
込まれていないだろうかなどと必要以上の心配をしたりせず、無事でいることを信じて
いようと思いました。ただ無事でいることを願っていようと思いました。かつては、
すっかり大人になってしまった子どもの心配をいつまでもする親の話を笑っていたので
すが、今はその気持ちが実感できます。生きている間はずっと、子の無事を祈るの
だろうと思います。体験して初めて、気持ちの1つ1つが本当に分かるのだと思いました。
子育て中は、あんな風に育って欲しい、あんなことができるようになって欲しい、早く
大きくなってくれればいいと、欲張りなことばかり、先のことばかり、思っていたように思い
ます。でも、親は、子が外の世界へ飛び立つ力を、身に付けるまでのほんの一時期を預
かっていただけで、子育ての為に日常を忙殺されながらも、夢のように楽しい時間を
もらっていたのだと思いました。
大きくなってくれればいいと、欲張りなことばかり、先のことばかり、思っていたように思い
ます。でも、親は、子が外の世界へ飛び立つ力を、身に付けるまでのほんの一時期を預
かっていただけで、子育ての為に日常を忙殺されながらも、夢のように楽しい時間を
もらっていたのだと思いました。