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着床


着床とは受精卵が子宮内膜に沈下・埋没する現象をいい、発生6~7日に生じます。前項で取り上げたとおり、この時期受精卵は胞胚期となっています。受精卵は栄養胚葉から分泌される蛋白分解酵素によってまず自分の周囲を囲む透明帯を分解します。その後、胎芽胚葉を下にした状態で子宮内膜の上皮細胞に接触します。

受精卵は子宮内膜の緻密層(子宮内膜の構造は機能層〔緻密層と海面層〕と基底層の3層構造です)に入り込みます。進入口は再生した内膜組織によって覆われます。こうして着床が完了します。

もう少し細かく見ていきましょう。着床については受精卵の側からはもちろんですが、着床される側である子宮内膜側からも考えていく必要があります。着床には子宮内膜も積極的に関与しています。

まず受精卵と子宮内膜の接着時には双方からインテグリンなどの接着分子が発現しています。また着床時には栄養胚葉から蛋白分解酵素が分泌されますが、子宮内膜はその活性化を促します。そして着床した受精卵に水分と栄養を補給すべく、子宮内膜は分泌期になっています。子宮内膜を分泌期にするためにはエストロゲンとプロゲステロンの作用が不可欠ですが、これは妊娠黄体から分泌されています。

ここで妊娠黄体について考えてみます。黄体とは排卵後に卵胞壁に残った顆粒膜細胞および夾膜細胞が増殖し形成されるものですが、妊娠しなければ14日で退行変性します。妊娠すると黄体は退行変性を免れ、エストロゲンとプロゲステロンを分泌します。この分泌は妊娠10週頃胎盤が形成されるまで続きます。胎盤形成後はそのホルモン分泌の役目を胎盤に引継ぎ、急速に退行して白体になります。

話が少しそれました。今度は着床前後の受精卵の変化を考えてみましょう。胞胚が胎芽胚葉と栄養胚葉に分かれることは前項で説明したとおりですが、着床進行中のこの時期から、栄養胚葉は次第に多層化し、子宮内膜に根付いて原始絨毛膜を形成します。そして着床が完了する頃になるとこの原始絨毛膜は2種類の細胞に分化します。1つは細胞性栄養膜細胞で従来から存在していた単核の細胞でラングハンス細胞とも呼ばれます。もう1つは大型の多核の細胞で合胞体栄養膜細胞と呼ばれます。この2種類の細胞は胎盤形成に重要な働きをします。名前を覚えておきましょう。

以上、着床について述べましたが、実際には着床できずにそのまま流れてしまう受精卵のほうが多いと推測されています。体外受精や胚移植における着床率は約20%と低いものになっています。

Q.着床について誤っているものはどれか、2つ選べ
a.着床は桑実胚期に起きる
b.子宮内膜は緻密層・海面層・基底層よりなる
c.妊娠黄体は子宮内膜を分泌期にする作用を持つ
s.着床後、原始絨毛膜は細胞性栄養膜細胞と合胞体栄養膜細胞になる
e.妊娠黄体は妊娠後期まで機能する

A. a,e

妊娠の維持