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朝も明け、昼に差し掛かるわけでもない中間の時
普段であれば、学校で午前の授業を受けている、この時間
その授業の中でも彼女の得意な科目は自他ともに体育だと認めるものだった。
よく神楽や智と勝負したことを思い出す。何故かいつも勝ってしまうが、それでも楽しかった。
だが、その彼女、榊でもこの島では少し走るだけで息切れを起こす。
それほどまでに、榊の精神は参っていた。
先ほど出会った男の人も、最初は親切にしてきたが、それも勘違いだとわかった。
もし、最初から油断して彼を近づけていたら今の自分はいなかったかもしれない。
そう思うとぞっとするしかない。
しかし、それよりも恐ろしいことは、この同じ島に彼女の級友達もいるということだ。
先ほどの自分の立場に級友達がいればほぼ間違いなく、彼を信用していたに違いない。
そして、その結末も………。
その思考の結末が脳内に浮かび出てくるが、首を振り無理やりかき消す。

「私は守る、みんなを」

誰もいない中、一人呟き、また走り始める榊
その榊を見つめるものは、この島の惨劇に興味のない草木達と、顎の下に付いている首輪という名の楔だけであった。




その榊を追う男、銛之塚崇
榊を見失いつつ、探す彼も、彼女と同じように級友を一番に考えていた。だが、彼の思考は榊とは一線違うもの
全てを守るつもりは一切ない。彼が守るのは銛之塚崇以外の全てのもの。

ハルヒと同じクラスのホスト部マネージャー? 宝積寺れんげは必ず守る
いつもクールで、先輩である銛之塚にも弱さを見せない鳳鏡夜は必ず守る
ホスト部を立ち上げた男、正にホスト部の顔と言えるキングこと須王環は必ず守る
中身は一人の女の子だというのに、心の芯は男にも負けない愛しき後輩、藤岡ハルヒは必ず守る
――――桜蘭高校ホスト部は必ず守る!!

光邦、光、馨も全員の生存を望んでいるはずだ。
全てを日常に帰し、桜蘭高校ホスト部は以前と何も変わらない状況で在らなければならない。
だが、このプログラムで生存を望むということは殺し合いをしなければならない。
ホスト部メンバーは全員が人を殺せるような性格をしていない。恐らく、殺し合いに乗ることはないだろう。
環と会った時もそうだった。それで逆に安心もしたが、より決意を固めることになった。
可愛い後輩達の手を汚したくない。その想いが体中を駆け巡る。
とにかく日常に帰るためには、誰にも人殺しという汚名をきせるわけにはいかない。
自分以外は全て守る、その為には……島にいる他校、全ての生徒は俺が殺すしかない。
光邦に怒鳴られようが、ホスト部全員に愛想付かされようが
血塗られた手を持つのは自分一人で十分、全ての罪を一人で背負い、全員を無事に日常へ帰す。

それは、唯一の三年生だから……自分が一番身体能力が高いから……
……違う……全てに優先されるのは桜蘭高校ホスト部だから

銛之塚崇、無言の決意は誰の目にも写らない。
―――彼の決意を知るものは、彼以外いない。



【E-7 道/一日目 午前】

【銛之塚崇@桜蘭高校ホスト部】
【状態】:健康
【装備】:ピースメーカー(弾数5/6)
【所持品】支給品一式、ランダム支給品0~2
【思考・行動】
基本:積極的マーダー
1:優勝して帰還する。仲間の手は汚させない、そして必ず守る
2:殿の欲しがっている携帯の入手。榊が見当たらないなら諦めてそのまま海沿いに灯台方面へ向かう





銛之塚の決意を知るはずもない榊は、まだ走り続けていた。
体は休憩をしろと指示を出してくるが、止まっていられない。
後ろからの脅威と仲間の危険を考えると、体の悲鳴よりも精神の方が悲鳴をあげている。
速く逃げないと、速く仲間達を探さないと
その想いだけが駆け巡る。その想いのおかげか、ここでほんの少しの奇跡が起きる。
榊は自分がどこを走り抜けているか判断する余裕がないが、場所はD-7
無意識のうちに、整備された道を走っている、そして、このエリアには道が二つある。
一つは榊が走りぬけているエリア南側の道
もう一つは、エリア北側の道………その道は、とある人物が駆け抜けている道

その二つの道が最大限に近くなった所で、榊の眼に人影が映る。
道と道の間には腰近くまでの長さの草木が邪魔をしているが、間違いなく榊は人影をみた。

「あれは」

あまりの嬉しさに思わず、声が出る。
数時間も求め続けたその姿は間違いなく、同じ高校の制服を着た少女
お互いが反対方向へ走っていた為、もう背中しか見えないが見間違うはずがない。
遠すぎて大雑把な見た目しか分からない、それでも身長の低いちよであるはずがなく
また、走るスピードからしても、神楽か智しかありえなかった。
嬉しさのあまり、立ち止まっていたことに気づき、急いで草木を掻き分けてエリア北の道へ出る。
大声を出して、向こうの足を止めたかったが、追ってくる存在がいる可能性が高いため、迂闊に声は出せない。

「必ず、追いつく」

再び、呟いてスタートする榊、やることは只一つ
周囲に聞こえずに、相手一人だけに聞こえる声が出せる距離まで近づくこと
だが、他にも制限があることに榊は気づいていた。
一つは、追ってきている可能性のある男二人どちらかに、自分と前を走る人物が発見されないこと
これは基本大丈夫だと榊は考える。神楽か智を発見したのは本当に偶然
今まで走ってきた道で北側の道が見えたことはない。ということは、最低でもこの地点まで来ないと北側の道は見えてこない。
そして、もう一つ、こちらの方が厄介だった。それは距離制限
前を走る級友は、榊が金髪の男、環と出会った場所の方向へと向かっている。
このまま、この道を進めば間違いなくあの現場に戻ることになるだろう。
それは、それだけは阻止しなければならない。
二人組でだまし討ちをしてきた連中だ、どんな姑息な手を考えているのか検討も付かない。
もしかすると、あそこで獲物を待ち構える戦法なのかも知れない
もしかすると、二手に分かれて、片方は追い、片方はさっきの場所で待機しているかもしれない。
とにかく、再びあの現場に戻るのはマズイ。

あそこに着くまでに前の神楽か智……いや、もう間違いなく神楽だ。
走り始めて、少し経つが全く追いつけていない。こっちの疲労が溜まっているとはいえ、こちらは全力で走っている。
それでも追いつけない、それだけで分かる。
榊と同等の走りができるのは、同じ学校女生徒全員の中で只、一人……神楽のみ
学校では、よく神楽に走りの挑戦を受けたりしたが、勝っても負けても楽しかった。
しかし、今は勝ち負けの話ではすまない。神楽の為にも自分の為にも必ず追いつかなければならない。
疲れもある、足もいつもの様に上がらない。それでも、脅威はあの男二人だけじゃない。
どこに他校の生徒が潜んでいるか分からないこの現状、少しでも早く合流する必要がある。その想いが榊に決断をさせる。

「あとで取りに来る」

そう言い、デイバックを草むらに投げ込む。グロック17だけは手に持ち、重い荷物全てを体から離す。
かなり、危険な行為だと榊自身も思ったが、神楽に追いついて戻ってくれば解決する。
今、一番怖いことは追いつけないこと。もし戻ってくれない事態になっても、神楽のデイバックがあれば地図や食料はなんとかなる。
とにかく追いつく、それだけが今の一番。
そのおかげか、目に見えて神楽に追いついていくのが分かる。
が、それでもまだ距離は遠い。追いつくのと神楽が環のいた地点にたどり着くこと、そのどちらが先になるかはまだ分からない。

榊、銛之塚崇、神楽……学生達の足はまだ止まらない



【D-7 エリア内北側の道/一日目 午前】



【榊@あずまんが大王】
【状態】:軽度の人間不信 、長時間の走りにより疲労
【装備】:グロック17(17/17)
【所持品】:
【思考・行動】
基本方針:マーダーキラー
1:一刻も早く神楽に追いつく
2:神楽と接触したら荷物を取りに戻る
3:環と銛は危険と判断




【D-7 エリア内北側の道/一日目 午前】



【神楽@あずまんが大王】
【状態】:健康
【装備】:S&W M10(6/6)
【所持品】:支給品一式 ランダム支給品0~2
 予備弾30
【思考・行動】
基本方針:みんなと一緒に生き残り、優勝する
1:銃声がした方へ行ってみる。人がいれば殺す……つもり
2:仲間を探したいが殺し合いに乗った事をどう説明しよう?


 [備考]
榊の支給品一式、トランシーバーはデイバックにまとめて入っており
D-7の草むらに落ちています。




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