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 ―――男は夢をみていた。
 男の目の前に広がる、幾多もの画面。
 画面の数は数え切れない、それこそ、夜空に舞う星のように無限に近い数だけある。

 クラスメイトのカップルを見つけて助ける画面
 思い出のバードコールに導かれ謎の天然少女と出会う画面
 ハリウッド劇のようにカーチェイスを繰り広げる画面
 謎の仮面と壮絶な戦いを行っている画面
 喋ったこともない関西弁で銃を構える画面
 ショットガンで女子二人を殺害する画面
 見た事もない船でタバコを吸う画面

 どれもこれもどこかで経験した気がする。
 その、幾多もの画面には共通点があった。
 同じ男が中心に写っていること
 そして、どの画面に映る結末もその男の死で終わること


 男の死で結末を迎えると、その画面は電源を消したかのように真っ暗になる
 無限にも思えた画面が一つ、また一つと黒に覆われていく。
 そして最後には漆黒の世界だけが残る。
 観ているだけの男には何もできない。
 男が死んだ後も物語は当然続いていく。
 それが希望に向かうのか、絶望に向かうのか、それともそれ以外のものに向かうのか男が知ることはない。
 そう、男が続きをみることはできない。
 ―――――それが『死』というもの





  □■ □■ □■ □■ □■



 男、川田章吾がプログラムに参加するのは二回目だった。
 今、二つの足で地面に立っているということは一度目のプログラムで優勝している。
 喜んで優勝したわけではない。人には言えない経験を何重にも重ねた。
 当然、今回も喜んで参加したわけではない。


 川田は目が覚めると同時に首輪を触った。川田が首輪を触るのにはわけがある。
 自分が嵌めている首輪が『ガダルカナル』か確かめるためだ。
 『ガダルカナル』なら川田章吾は――――外せる
 川田自身がそのことを他人に話すことはないだろう……。
 当然理由も話すことはない。この首輪には間違いなく盗聴器が仕込んであるのを知っているからだ。

(……チッ、触っただけだとわからねぇ。実際、自分の目で確かめねえと駄目だ。
 欲を言えば首輪の内側も見たいな。今回チーム戦になったことで首輪自体が変更された可能性がありやがる)

 首輪の内側を見るには一つしか方法はない。
 川田もそれは重々承知していた。そう、死体から首輪を奪いとるしかない。
 それ自体は簡単なことだ。しかし簡単と呼べるのは中盤以降のこと、序盤に探すのは困難極まりない。
 死体の数が少ないからには仕方ない、川田の思考は至って冷静であった。
 政府にカウンターパンチを当ててやりたい気持ちはおおいにある。
 それでも今、一番の最優先事項は死体の増えるであろう中盤以降まで何がなんでも生き延びること
 自分だけの命じゃない他人の命にも関わってくる。首輪が解除できるということはそういうことだ。
 意地でも生き残る。それだけが川田の頭脳を支配している。
 どこからか声が聞こえている気もするが手始めに支給品を確かめることにした。

 デイバックから出てきたものは
 鍋のふた
 コンドーム
 たばこ
 の三つだった。

「くそったれ!! まあタバコがあることだけは喜んでやるよ」

 文句をつけつつもタバコを口に含めるが……

「………火がねえじゃねえか!!!!」

 イラつきだけが溜まっていく。
 それでも川田は最低限の冷静さは保っていた。
 かすかに声のする方向とは逆に進む。
 声が普通の声なら組めるかどうか確認しにいくが、どうも怪しい……
 怒鳴り声などが混ざっている気がする。
 前回の経験上、関わらないほうが正しいと判断しての行動だった。

 川田は歩く、自分の、島の生徒の首輪を外すために、中盤まで生き残るために
 ―――そして、腐った政府にカウンターパンチを当てるために



【I-6/民家周辺草むら/1日目-朝】



【川田章吾@バトル・ロワイアル】
 [状態]: 健康
 [装備]:
 [道具]:デイバッグ、支給品一式 タバコ コンドーム一箱 鍋のふた
 [思考]
  基本:首輪を外して島からの脱出
  1:中盤まで何としても生き残る
  2:首輪の内側を確認する
  3:火を探す


[備考]
 川田の知識で首輪は外せます。






 どこからか金属バットが飛んできた。
 ――――ドカッ
 会心の一撃!! 川田は598のダメージをうけた。
 川田は倒れ込んでしまった。




 □■ □■ □■ □■ □■ □■ □■




 沖木島、氷川村
 日は完全に照っていた。
 先ほどまで村の中央付近で争いが起こっていたことなど、微塵も感じさせないほど村は静かだった。


 その氷川村のはずれ、草むらに倒れ込んでから二時間、ようやく無精ひげの男が目を覚ます。
 男は知らないだろう、自分が倒れる原因となったバットが先ほどまで氷川村の中央付近で争っていた
 周防美琴のものだということを……。

 加藤乙女を殺害に至った血塗られた金属バット
 周防美琴が伊藤真司を襲った金属バット
 …………そして、伊藤真司が投げ捨てた金属バット

 プログラムが行われているこの沖木島
 この地にて金属バットは三度、話を創っていく。

「………ここはどこだ?」

 ―――――また一つ、画面にスイッチが入る







【I-6/民家周辺草むら/1日目-午前】



【川田章吾@バトル・ロワイアル】
 [状態]: 後頭部に強い打撲 記憶喪失
 [装備]:
 [道具]:デイバッグ、支給品一式 タバコ コンドーム一箱 鍋のふた
 [思考]
  基本:記憶喪失
  1:ここはどこだ?



[備考]

 川田章吾に直撃した金属バットは伊藤真司、周防美琴SS 漢の眼
 で伊藤が放り投げた金属バットです。


 どこまで記憶をなくしているかは次の書き手さんに任せます。
 ただ、最低でも首輪の解除方法、首輪についている盗聴器の存在について は記憶をなくしています。



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