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 千葉 紀梨乃は朝暗い中、草を掻き分けつつ慎重に進んでいた。
 支給されたデイバックを肩にかけ
 右手には、そのデイバックの中にあった
 小型のオートマチックピストル(ワルサーPKK)を握り締めていた。
 キリノにとって、銃は初めて見るものであり、触ることも初めてだった。
 初めてであったが、政府側からの配慮によるものなのか
 その銃には添付のマニュアルが付いてあり
 様々な解説が書かれていた為
 マニュアルを読みながら弾丸を装填するのに
 さほど時間は掛からなかった。
 自動小銃の為に撃鉄を起こす必要もないと知り、何とか自分でも使えるこ とをキリノは理解した。

 拳銃の感触が現実からの逃避を許さないことも――

 キリノは同じ高校、室江高校の剣道部部員達のことを思う。
 全員が自分達の信念を守る為に行動する姿が見えてくる。
 タマちゃんはきっと正義の味方として、こんな馬鹿げた殺し合いなんかに乗るはずはない。
 そして、それは部員全員に言えることでもある。

(みんな――信じてる――)

 ――そんなふうに考えながら、キリノは琴ヶ崎灯台へ向かっていた。
 開始時に周りを見渡して一番最初に目についたのが琴ヶ崎灯台であり
 島の端ということもあって逆方向へ向かうと
 琴ヶ崎灯台へ向かう機会が無くなり、もし琴ヶ崎灯台に仲間になってくれそうな人物や室江高校の生徒がいたら
 取り返しがつかない。
 そう考えると琴ヶ崎灯台へ向かうしかなかった。



 どれだけ時間が経過しただろうか
 実際には1時間もかかっていないだろうが
 殺し合いの舞台という強烈なストレスと周囲への警戒をしながらの進行ということで
 体感的には3時間以上に感じていた。

 着いてみると、琴ヶ崎灯台は遠くで見たよりもでかく思わず圧倒された。
 それでもワルサーPPKを構えつつ、キリノは灯台の中へと入っていく。

 慎重に足を進めるが
 キリノは途中で強烈な悪臭を鼻に感じた。

 さらに、異臭を嗅ぐと同時に灯台の奥から、まるで獣の呻き声のようなも のが聞こえてきた。

ううぅぅ・・・・・・おおぉぉ・・・・・・

 その重低音の声と、あまりの悪臭にキリノは鼻を左手で押さえつつ、声の 方向へと向かう。
 声のする所へ近づくにつれ、悪臭はきつく、声は大きくなっていく。
 鼻を必死に押さえながらキリノは一歩ずつ近寄っていき
 ようやく、悪臭の元と思われる部屋の前へやってきた。
 そして、キリノはその部屋の前に立ち――――――




――――――ノックした。

 コンコン

 小さく二回ドアをノックすると

 コンコン

 と音がする。

「悪いな。使用中だ」
 更に低い声で返事が返ってくる。
 そう、ここはトイレだった。
「嫌、別に使いたいわけじゃなくて――」
 ドアを挟んでいる為
 お互いの顔は見えないが、それでも愛想笑いをしながら返すキリノ
「じゃあ、なんの用だ?――ううぅぅぅ――――」

――ギュルギュル

 腹の音なのだろうか下品な音が聞こえてくる。
 それにも構わず会話を続ける。

「率直に聞きます!あなたはこの殺し合いに乗るつもりですか!」
「乗らねえよ!!!」
 即座に返事が返ってきた。

「良かった、私は室江高校二年 千葉 紀梨乃です。あなたは?」
――ギュル
 未だ聞こえてくる。

「俺は、鈴蘭高校三年 坊屋春道だ」



 このプログラムが開催されなかったら、ほぼ出会う事がなかったであろう 二人
 一人は剣道部部長
 一人は不良高校鈴蘭の頭

 共通点は金髪と
 自分が人の上に立つような器ではないと思っていること

 それはおいて、二人がトイレから離れるのはいつのことになるのだろうか――――



【I-10/琴ヶ崎灯台/1日目-早朝】





【千葉紀梨乃 @BAMBOO BLADE】
 [状態]: 健康
 [装備]: ワルサーPPK
 [道具]:デイバッグ、支給品一式、ランダムアイテム残り一つ(本人は確認済み)
 [思考]
  基本:殺し合いはしない。
  1:坊屋春道の下痢が収まるのを待つ
  2:室江高校のみんなを探す
  3:手を鼻から離さない

【坊屋春道@クローズ】
 [状態]: 過度の下痢
 [装備]:
 [道具]:デイバッグ、支給品一式、ランダムアイテム
 [思考]
  基本:下痢を治す
  1:昨日の牛乳か?
  2:一昨日の牛乳か?
  3:紙は・・・ある!

[その他]
坊屋春道は水が流れないことを知りません。



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