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「……誰もいないか」

鳳鏡夜は桐島ヒロミに止めを刺した後、逃げていった宝積寺れんげを追って神塚山の頂上へとやって来た。
しかし、頂上に人の気配は無く、展望台になっている場所から辺りを見渡しても、
そこから人影を見つけることは出来なかった。

「ここまでは一本道だったはずだが、どこかで道を外れたか?
それとも、彼女の足が予想以上に速かったか……どちらにせよ厄介だな」

鏡夜がヒロミを殺した場所から山の頂上まではほとんど一本道だったが、
頂上から麓へ向かう道は複数ある。
れんげがどの道を使ったのか分からない上に、道を外れて逃げている可能性も考えると、これ以上の追跡は困難に思えた。
第一回目の放送が流れたのは、鏡夜がれんげの保護を諦めかけた、そんな時だった。

『――皆さん、こんにちは』

(ん、放送か?……一応、聞いておくか)

今回、鏡夜は仲間のため、ルールに従う形でこのプログラムの優勝を目指そうとしている。
そして、どんなゲームでも情報を持たぬ者は、情報を豊富に持つ者に対して不利になる。
もし、放送を聞き逃してしまうと、それだけ不利になってしまうのだ。
そんな風に考え、鏡夜はデイバッグの中から筆記用具を取り出すと放送内容を書き留めていった。

「………………ふぅ」

そして、放送を聞き終えると、鏡夜は大きくため息をついた。
聞いているだけで胸くそ悪くなる坂持の声もため息の原因の一つだが、
最も大きな理由は、桜蘭高校からも藤岡ハルヒという死者が出ていたことだ。

(ハルヒか……予想はしていたが)

正直、鏡夜は桜蘭高校からの参加者の顔ぶれを確認したときから、こうなる気はしていた。
あの天然系は、殺し合いに積極的な者と遭遇てしまったら最後、ほとんど何も出来ずに殺されてしまうだろう。
そう、予想はしていたことだった。
しかし、だからと言って何も感じないわけではない。

(何だろうな、この気分は?)

知り合いの庶民が一人死んだだけ。
そう自分に言い聞かせ、気持ちを落ち着けようとする鏡夜だったが、言いようの無い喪失感は拭えなかった。
ハルヒがホスト部の一員になって既に半年以上。
その間にハルヒはホスト部にとっても、鏡夜にとっても無くてはならない存在となっていたのだ。

(クソッ!!)

鏡夜は、制御できない自分の感情にイラつきながら筆記用具を乱暴にデイバッグへ戻した。

(む?)

そしてデイバッグを閉じようとしたところで、鏡夜はデイバッグの中で何かが光っていることに気がついた。
光っているのは、先ほどヒロミのデイバッグから抜き取った携帯ゲーム機のような電子機器だ。

気分転換になるかと思い、鏡夜はその機械をデイバッグの中から取り出すと画面を確認した。
そこには、血塗れでニヤニヤとした笑いを浮かべたキャラクターが表示されていた。
余計に気分が悪くなりそうだったが、鏡夜はそのキャラクターをあまり見ないようにしながら、
同時に表示されている字幕を読み進めていった。

『オイッス!俺だ!東亜くんだ!新しい情報が追加されたぜ!』
(情報か、何だ?)

鏡夜がAボタンを押すと、血塗れのキャラクターは引っ込み、いくつかの項目が表示されている画面に切り替わった。
どうやらメニュー画面らしい。

「ふむ」

そして、表示されている項目の中で「地図」という項目の横に「新」という文字が輝いていた。
新しい情報とは、どうやらこれのようだ。
それを見た鏡夜は、その機械(東亜くん…で良いのだろうか?)の十字キーを操作し、
画面上のカーソルを「地図」の項目に合わせると、Aボタンを押した。
すると画面の表示が切り替わり、鏡夜達が今いる沖木島の地図が表示された。
D-06だけが暗く表示されている以外は、支給品にあった縦横10マスずつに区切られている沖木島の地図と同じものだ。
地図の上にはタブらしい表示があり、今は単に「地図」とだけ表示されたタブが選択されている。
そして、そのタブの横には「12:00」というタブがあり、その横に「新」の文字が輝いている。
鏡夜は、迷わず「12:00」のタブを選択しAボタンを押した。

「…ほう、これは」

そうして表示されたのは、やはり地図だった。
地図自体は、先ほどまで表示されていたものと何も変わらない。
しかし、明らかに先ほどまでとは違うところが二つ。
まず、先ほどの放送で禁止エリアとされていたE-09、J-06、H-03の部分の表示が
赤くなっており、それぞれに13:00、15:00、17:00の文字が重なっている。
この機械を持っていれば、もし放送を聞き逃しても禁止エリアは一目瞭然というわけだ。
そして最大の違いは、地図上におよそ40個の光点が存在することだ。
もっとも、この光点が何なのかを説明する表示はどこにもない。
しかし光点の数と配置を見れば、この光点が何を示しているのか、鏡夜にはすぐに分かった。

(この山の頂上にある点が俺、こっちのF-6にある点がさっきの不良か)

そう、これらの点は参加者の位置、正確に言えば首輪の中に組み込まれているのであろう発信機の位置を示しているのだ。

(となると、こっちは……)

そう考えると気になるのが、今、自分のいる位置から最も近いところにある3つの光点だ。
おそらく、ひとつはれんげで間違いないだろう。
光点の数を信じるなら、れんげは他の誰か二人と合流し、今は三人で逃げていることになる。
鏡夜がすぐに追いかけても追いつかなかったことを考えると、おそらく合流はスムーズに行われたのだろう。
だとすると、合流した二人の内どちらか一人、あるいは両方がホスト部のメンバーである可能性が高いように思える。

(よし、すぐに追いかけるか!)

この地図に表示されている光点が動く気配の無いところを見ると、
どうやらこの地図はタブの表示通り、12:00時点での静止画のようだ。
時間が経つほど、この情報は古くなり役に立たなくなっていく。
この情報を有効に活用するためには、すぐに行動を起こすべきだと判断した鏡夜は、
改めて自分の位置と、れんげと思われる光点の位置を確認すると、れんげの追跡を再開した。

【F-5/神塚山頂上/1日目 日中】

【鳳鏡夜@桜蘭高校ホスト部】
 [状態]: 健康
 [装備]: 超剣戦隊ブレードブレイバー レッドブレイバーセット衣装(仮面、鎧、竹刀の三点)@BAMBOO BLADE
     イングラムM10サブマシンガン(残弾不明) 、東亜くん
 [道具]:デイバッグ、支給品一式(水と食料だけニ人分あります) 
 [思考]
  基本:自分と仲間は生き残る。手段、過程は問わない。
  1:れんげを追う、仲間を探す
  2:仲間以外との接触は状況により判断する、しかし利用できる庶民は利用する。
  3:他校の生徒を殺せる時には殺しておく
  4:ハルヒ…………


 [備考]
東亜くんについて

現実世界と同等程度の技術です。
人工知能ではないため、問いかけ等には答えません。
追加されていくのは基本的に情報です。
1日目12:00時点での首輪の位置情報が追加されました。
地図上に点が表示されるだけなので、首輪の持ち主の名前や生死はわかりません。
その他は次の書き手さんにおまかせします。