JFK暗殺事件 製作中

映画「JFK」の嘘

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映画『JFK』の嘘

オリバーストーン監督が1991年に製作した映画『JFK』は、暗殺はCIAによる陰謀説を唱える、ニューオリンズの地方検事ジム・ギャリソンを主人公にした問題作でした。 この映画は、いくつかの陰謀説の書籍をミックスして脚本を構成していますが、残念な事にウォーレン報告並みに不確かな情報と、誇張・拡大解釈が繰り返されており、多くの批判に晒されました。 


1.変えられたパレードルート

映画では、ジムギャリソンが11月19日のダラス・モーニング・ニュース誌に掲載されたパレードルートを示して、当日と異なる事を指摘し、直前に組織的な陰謀により、パレードルートがテキサス教科書倉庫ビルの近くを通るように変更された事を仄めかしています。 しかし、これは単なる地図の転記ミスが原因である事が判明しています。 その証拠として、同じ新聞の別ページには、パレードルートの文章による説明で、ヒューストン通りから、エルム通りに曲がる事が明確に記載されています。 さらに同日付けのダラス・ヘラルド誌にも、ヒューストン通りからエルム通りに曲がる当日のルートが掲載されています。


2.消えた「てんかん」患者

映画では、デイリープラザで、てんかん発作を起こした患者が現れ、救急車で運ばれるものの病院に着くと彼は名乗らずに消えたと、ジム・ギャリソンは主張します。 これは、偽のてんかん患者が周囲の警官の注意を惹くためであると説明しています。  しかし、実際には、この患者は事件翌年の1964年5月26日にFBIにより、特定されています。 名前はジェリー・ベルクナップ、彼は子供の頃から、てんかん発作に悩まされており、その日の救急車の搬送代金として$12.50の領収書も提示しました。  彼は救急車でパークランド病院に運び込まれましたが、発作がすぐに収まったため、休んでいたところ、狙撃された大統領が運び込まれ、病院は大混乱になり、医者に診察を受けるどころでは無くなったと証言しました。

3.コナリー知事のカウボーイ・ハット

ザプルーダフィルムを上映するシーンで、ジム・ギャリソンは、コナリー知事が銃撃されたタイミングを説明するのに、「手首を銃弾が打ち砕いたのなら、カウボーイ・ハットを持つ事はできない。」、だからまだ銃弾が当たっていないと説明する。 しかし、コナリー知事の妻、ネリーコナリーが、テキサス・マンスリー誌のインタビューに答えた際に、コナリー知事は病院に急行する際も、ずーっとカウボーイハットを手に持ったままだったと証言しています。

4.51人の目撃者

ジム・ギャリソンは法廷で「51人の目撃者がグラシノールから銃撃があったと証言した」と人数を挙げていましたが、51人もの証言は実際の裏づけが無い数字です。(この数字は1965年3月に発行されたMinorityofOneという雑誌に掲載された記事がベースになっていますが、記事中にも、根拠となる人名のリストは有りません) その後の陰謀説に基づくJoshaThompsonの書籍では31人になり、さらに下院の調査委員会で確認された数字は20人でした。

5.オズワルドは射撃は下手?

映画ではオズワルドは射撃が下手だったとの事になっていますが、実際には違います。 オズワルドは海兵隊在籍中の1956年にM1ガーランドライフルを用いた速射(rapid-fire)で50点満点中の48点と、49点を記録して、一級射撃手sharpshooterのランクを与えられています。これは海兵隊員としては、中の上クラス。 一般のアメリカ人の中では間違いなく上クラスとなります。

6.ダラス市警は発見されたライフルが当日発射されたかどうかの検査をしなかった?

ライフル等の銃砲が、最近発射されたかどうかを検証できる鑑識の検査方法は当時も現在も存在しません。

7.オズワルドの供述調書

ジムギャリソンが劇中で、「オズワルドは12時間も拘束されたのに、供述調書が存在しない。」と陰謀を匂わせる台詞がありますが、実際には、逮捕された週末のダラス市警における供述は、ウォーレン報告書の付録XIに収録されています。

8.テキサス劇場での逮捕

オズワルドがテキサス劇場(映画館)で逮捕されるシーンで、数十名の警官が殺到したと、あたかも逮捕があらかじめ予定されていたかのような印象を観客に与えています。 当時は、近所で発生した警官射殺事件で現場周辺の警察官は殺気立っており、別の通報では近所の図書館に、数十名の警官が殺到して大騒ぎになっています。

9.見知らぬ作業員

映画内で、テキサス教科書倉庫ビルは当日は改装中で、見知らぬ作業員が数多く出入りしていたと説明していますが、実際には6名の教科書倉庫の従業員だけで構成されており、見知らぬ人物がビル内に出入りはしていませんでした。

10.デイリープラザのオズワルドとジャック・ルビー

ジュリア・マーサーは、パレード当日の朝、渋滞するデイリープラザでグラシノールの道路脇に止まっていたグリーンのピックアップトラックから、ライフルのような物を下ろす男を目撃した。 後に、写真で確認したところ、運転手はジャックルビー、ライフルを下ろしていた男はオズワルドであったと警察にて証言した。 との有名な話を映画では映像化しています。 しかし、このトラックはダラス市警により地元の建設会社の物で故障で停車していたもので、後部から工具箱を出して修理していた事が判明しています。 また、この間、3名のダラス市警の警察官が立ち会っていた事も分かっています。

11.ニュージーランドの新聞

映画では、1963年11月23日のニュージーランドの新聞の朝刊に、オズワルドの経歴が載ったのは、CIAによる事前の情報提供があったと、匂わせるシーンを挿入しています。 すなわち米国時間の午後3時、ニュージーランド時間の23日午前10時に発表があったので、時間差から言えば、朝刊に掲載されるのは不可能なのです。 ところが、これは映画製作側の意図的なトリックで、1963年当時、ニュージーランドでは”朝刊”は発行されていませんでした。 通常、ニュージーランドでは、新聞は午後1時から2時に当日の日付の新聞が発行されるのです。 米国大統領暗殺という前代未聞の大事件に、通常オーストラリア経由で来るニュースをニュージーランド直通に切り替え、23日付けの新聞に間に合わせたと、当時の担当者は語っています。

続く

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