― 思い出 ―
子供たち2人がまだ小さかった頃、私たち親子はよく歩きました。
下の子が、年長さんになった頃からは、山歩きもするようになりました。
登山口まで車で30分、歩いて往復3時間ほどの隣町の山は、身近な山です。
何度目だったか、その山へ行った時のことです。
下の子が、年長さんになった頃からは、山歩きもするようになりました。
登山口まで車で30分、歩いて往復3時間ほどの隣町の山は、身近な山です。
何度目だったか、その山へ行った時のことです。
その日は、とてもいいお天気で、楽しい時間を過ごし山を降りていると、下の方に家や
田んぼや道路がミニチュアのように見えてきました。雲のかたまりが、いくつか、私たち
より下で、ぷかっと浮いて動いていきます。その中の大きい雲のかたまりの下の方が、灰色になってずーっと下まで・・・・・「あー あの雲、雨降らせてるー!」
雲から雨が落ちるのは、絵本ではよくあるけれど、実際に見るのはなんとも不思議な気分。みんなでじーっと見ていました。
すると、私たちの所にパラッ、パラッと、雨が・・・・「えっ まさか、ここにも?」
パラパラがどんどん増えていきます。私は、慌ててリュックからレジャーシートを取り出して、お昼にはお尻の下に敷いていたのを、こんどは頭の上に! ザー!!! バケツを
ひっくり返した様なドシャぶり。4人でくっついて、しゃがんで。子供を真ん中にして、
親がレジャーシートを引っ張るように持って、片方の腕も足も、半分ぬれているけど仕方
が無い。足元を雨が小さな川になって流れていく。 後ろの方から足音が。 横を走って
通っていく足だけが見えた。シートを少し上げて見ると、さっき遅い時間に登って行った
山に慣れた感じの青年が駆け下りて行きました・・・・。
田んぼや道路がミニチュアのように見えてきました。雲のかたまりが、いくつか、私たち
より下で、ぷかっと浮いて動いていきます。その中の大きい雲のかたまりの下の方が、灰色になってずーっと下まで・・・・・「あー あの雲、雨降らせてるー!」
雲から雨が落ちるのは、絵本ではよくあるけれど、実際に見るのはなんとも不思議な気分。みんなでじーっと見ていました。
すると、私たちの所にパラッ、パラッと、雨が・・・・「えっ まさか、ここにも?」
パラパラがどんどん増えていきます。私は、慌ててリュックからレジャーシートを取り出して、お昼にはお尻の下に敷いていたのを、こんどは頭の上に! ザー!!! バケツを
ひっくり返した様なドシャぶり。4人でくっついて、しゃがんで。子供を真ん中にして、
親がレジャーシートを引っ張るように持って、片方の腕も足も、半分ぬれているけど仕方
が無い。足元を雨が小さな川になって流れていく。 後ろの方から足音が。 横を走って
通っていく足だけが見えた。シートを少し上げて見ると、さっき遅い時間に登って行った
山に慣れた感じの青年が駆け下りて行きました・・・・。
このまま雨が止まなかったらどうしようと、一瞬不安な気持ちになったけれど、きっと
大丈夫と思い直して。 あーそれにしても、この雨。 こんなすごい雨を体で受け止めた
ことがない。雨は少し温かいような、なんだか生き生きしているような気がしました。
私はとても幸せな気持ちになりました。 今、私たちは山の自然に体ごとふれあっている、つつまれていると思いました。
しばらくして、雨は少し小降りになったので、シートをかぶったまま移動を始めました。
やがて、雨はすっかり上がり、シートも、たたんで、私たち親子は元気よく(なんだか雨
が降る前より元気になって)もどってきました。
登山口まで来た時、さっきの駆け下りて行った青年がブォンと車のエンジンをかけて帰っ
て行きました。・・・・・「あっ 私たちが無事に降りてくるのを、待っててくれたんだ。」
大丈夫と思い直して。 あーそれにしても、この雨。 こんなすごい雨を体で受け止めた
ことがない。雨は少し温かいような、なんだか生き生きしているような気がしました。
私はとても幸せな気持ちになりました。 今、私たちは山の自然に体ごとふれあっている、つつまれていると思いました。
しばらくして、雨は少し小降りになったので、シートをかぶったまま移動を始めました。
やがて、雨はすっかり上がり、シートも、たたんで、私たち親子は元気よく(なんだか雨
が降る前より元気になって)もどってきました。
登山口まで来た時、さっきの駆け下りて行った青年がブォンと車のエンジンをかけて帰っ
て行きました。・・・・・「あっ 私たちが無事に降りてくるのを、待っててくれたんだ。」
子供たちが小さかった頃の、幸せな思い出です。
藤條恵子
藤條恵子