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アイラ島
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アイラ島 Isle of Islay
最終更新2007-02-06
アイラに行って写真をいっぱい撮ってきたのですが、まだ整理しきれていません。写真はもうちょっと待ってて下さい。(2006.2)
contents
- アイラ ─ウイスキーの聖地─
- 地理,経済,文化
- 寒くないが晴れることがない島、その生活
- ピートの湿原と、水
- 8つの蒸留所と1つのモルティング工場
- 旅行のときの情報源
アイラ ─ウイスキーの聖地─
地理
アイラ島
出典:はてなダイアリー
(地図はwikipediaより)
Isle of Islay、スコットランドの西端にある島。面積は約605平方km、島の人口は4000人程度。ブレンデッド・スコッチ・ウイスキーのほとんどがアイラ島産のウイスキーを原酒の一つとして加えており、アイラ島はモルト・ウイスキーの聖地といわれる。アードベッグ、カリラ、ボウモア、ラフロイグ、ブルイックラディ、ブナハーブン、ラガヴーリン、ポート・エレン(現在はウイスキーの製造を行っていない)の蒸留所がある。アイラ島のウイスキーはピート香が強くスモーキーな味わいのものが多い。
淡路島くらい?
面積では淡路島とほぼ同じ。人口は4000人。ほぼ同じ面積のシンガポールは人口300万人、神戸市は150万人、淡路島は16万人。と言えば人口の少なさが分かっていただけるでしょうか。人口密度で言えば、淡路島に例えるより、海水浴シーズンの琵琶湖水面に近いかもしれない。そしてどこまで行っても平ら。せいぜい丘があるだけだ。
使えるところが少ない島
島は大きく見ると、入り江をはさんで二つの丘陵部で構成されていて、その境となる谷筋と、入り江の内側に、すなわち外洋に接していないところに幹線道路と集落があり、入り江の最も奥にあるボウモアの町あたりが島の中心となってそれらをつないでいる。また、島を外周する道路はない。外洋と反対側である島の南東面に少しあるだけだ。つまり、使えるところが少ない島、というわけだ。
経済
人間の所作
しかし不思議なことに、手つかずの自然といえる場所はほとんどない。島のどこに行っても人間の所作が感じられる。これは、それだけ自然が厳しいと考えるべきだろう。どんなところにも羊がいる。野生ではなく、もちろん放牧だ。そう考えると、民家の近くと一部の植林を除いて樹木が殆どないのも、もともとそうだったのかどうかは怪しい。彼らと同じ起源を持つ人々はアイスランドに入植して、島を丸裸にしている。ただし、アイスランドで深刻な問題となった土壌浸食は私の見た範囲ではあまり見られず、そこかしこに何がしかの植物は生えているし、時折、ピートの厚い土壌が顔を見せている。
若者は都会へ
若者はボウモアの高校を卒業すると一旦島を出ることが多く、帰ってきて定住するかどうかは半々と言ったところだそうだ。ここ2、3年で人口が2割ほど減っている。
産業らしきものは
ウイスキー作りは島の重要な産業であるし、島民のアイデンティティーでもあるのだが、大資本の傘下に入り、近代化を成し遂げた蒸留所の中には、わずか数名でコントロールできるところもあり、雇用創出には繋がっていない。それ以外の産業と言えば、酪農と観光くらいだろうか。我々がウイスキーの島と考えているこの島は、スコットランド人にとっては手軽な避暑地であり、バードウォッチャーにとっては結構楽しめる島であるようだ。
文化
ヴァイキングの末裔
アイラという島を理解するためには、その位置と歴史を知るのが近道だ。
ヘブリデス諸島
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヘブリデス諸島 (Hebrides) は、スコットランド西方の大西洋上に浮かぶ500以上の島々の総称。
- アウターヘブリデス諸島 主にノース・ユイスト島、サウス・ユイスト島、ハリス島、スカイ島、バラ島からなる。
- インナーヘブリデス諸島 主にマル島、アイオナ島、アイラ島、ジュラ島などからなる。
ヘブリデス諸島全体をウエスタンアイルスと呼ぶこともあるが、行政的にはアウターヘブリデスを指す。スコットランド本土に近いインナーヘブリデスは行政的にハイランド地域に区分される。島々の多くは無人島で、有人の島では漁業や羊飼い、ウールの生産が行われている。
563年にアイルランドの聖コルンバがアイオナ修道院を設立し、スコットランドや北部イングランド布教の拠点となった。 しかし、8世紀にはヴァイキングに占領されて、ノルウェーの属領となり、13世紀にノルウェーからスコットランド王国に割譲された。
寒くないが晴れることがない島、その生活
イングランドから見ればそもそも田舎であるスコットランドのさらにはずれ。
位置的に極寒を想像するかもしれないが、それはまるで拍子抜けで、日本の方が寒いくらいだ。海水浴場もあって、夏には泳げるそうだ(ただし、ちょっとひんやり気味だそうだ)。
意外と暖かい潮のせいで、いつも雲が空を覆っている。晴れることのない日常。
イングランドやスコットランドがどうなったって、アイラはいつまでもアイラ。豊かとは言えない資源と、不安定な天気のもと、知恵を出し合って何とか生活をやりくりしていく。終わりはない。
気のいい人たち
人にすれ違ったら、手を挙げて「Hi」と挨拶するのが島の流儀だ。例えそれが、地平線まで真っ直ぐ続く道を100km/h以上で走っている時であっても。蒸留所を通りかかった時に、建物の扉が開いていたら、見学ツアーのスケジュールなんて確認しなくていい。見たければ入ればいい。そして、人にあったら「Hi、見てもいい?」それで上手くいくはずだ。
ピートの湿原と、水
アイラ島のいたるところに生えているヒースという植物やコケなどが、長年の間に堆積して、ピートと呼ばれる泥炭となる。ピートはアイラ島にしかないものではなく、スコットランド本島にもあるし、例えば北海道にもある。
樹木が殆どないこの島の島民にとって、ピートは長年の間、唯一の燃料だった。従って、麦芽の乾燥工程で燃料にピートを使うことは当然だった。ピートは燃やすと独特の薬臭い匂いを発する。しかし、よく感じ取ってみると、その香りはやはり植物のそれである、というのは思い込みだろうか。
現在は重油も熱源に使うので、むしろピート独特の匂いを付加するために、量を調整して使っている。ピートの湿原から湧き出る泉。そこから流れ出す水が、やがてウイスキーとなる。ピートの香りを十分に吸収した水は、褐色だ。
アイラ島においても、ピートを全く焚かない蒸留所もあるが、すべての始まりである水は、やはりアイラの水なのだ。
8つの蒸留所と1つのモルティング工場
各蒸留所とモルトウイスキーの紹介(準備中)
- アードベッグ Ardbeg
- ラフロイグ Laghloaig
- ラガブーリン Lagavulin
- カリラ Caolila
- ブナハーブン Bunnahabhain
- ブルイックラディ BruichLaddich
- キルホーマン Kilchoman
- ボウモア Bowmore
- ポートエレン PortEllen
新しい兆し
アイラはいつまでもアイラ─彼等は今まで貨幣経済の浸食を幾度かいくぐってきたのだろう。
しかしことモルトウイスキーに関して言えば、これが何回目なのかは分からないけれど、とにかく今、彼等は正念場を迎えていると言っていいだろう。
ディアジオという大資本が経営するポートエレン、カリラ、ラガヴーリン。安定した大量生産を続けるラフロイグ。日本のウイスキーメーカーがフロアモルティングを支えるボウモア。全てをシングルモルトとして出荷し(ブレンド会社に売らない)、樽によるフィニッシュの第一人者であるグレンモーレンジが買い取って操業を再開したアードベッグでは、その先駆者のノウハウが注がれた樽が出荷を待っている(追記:最近大資本(モエヘネシー?)傘下になったらしい)。数年前に島全体が操業再開を祝ったブルイックラディは、手作業にこだわり、ボトラーとしても丁寧な仕事をすることを通じて、自らの立ち位置を見つけつつある。自社ブランドの新しいブレンデッドウイスキーに活路を見出そうとしているブナハーブン。そして、できたばかりの小さな小さな蒸留所、キルホーマン。実は百花撩乱、なのである。
旅行のときの情報源
アイラ 一般情報
The Lslay Directory http://www.islay.co.uk/web/
Isle of Islay LINKS http://www.armin-grewe.com/islay/islay-links.htm
Islay.com http://www.islay.com/
Isle of Islay LINKS http://www.armin-grewe.com/islay/islay-links.htm
Islay.com http://www.islay.com/
蒸留所
ラガブーリン http://www.discovering-distilleries.com/lagavulin
アードベッグ http://www.ardbeg.com.
ラフロイグ http://www.laphroaig.com
ポートエレン http://www.malts.com
ボウモア http://www.bowmore.com
カリラ http://www.discovering-distilleries.com/caolila
ブナハーブン http://www.blackbottle.com
ブルックラディ http://www.bruichladdich.com
ジュラ http://www.isleofjura.com/
アードベッグ http://www.ardbeg.com.
ラフロイグ http://www.laphroaig.com
ポートエレン http://www.malts.com
ボウモア http://www.bowmore.com
カリラ http://www.discovering-distilleries.com/caolila
ブナハーブン http://www.blackbottle.com
ブルックラディ http://www.bruichladdich.com
ジュラ http://www.isleofjura.com/
ホテル、飲食店、ショッピング
Bowmore Hotel http://www.bowmorehotel.co.uk/
Lochside Hotel http://www.lochsidehotel.co.uk/
The Harbour Inn Hotel http://www.harbour-inn.com/
Lochside Hotel http://www.lochsidehotel.co.uk/
The Harbour Inn Hotel http://www.harbour-inn.com/
体験記
準備
例えばこんなのは(2006.2.24 arata)
項目 | ポイント | コメント |
ピート | ■■■■□ | ○ppm。ピートというよりヨードに近い。 |
潮 | ■■□□□ | かなり塩味があり、骨格を作っているが、ピートのパンチに隠れている。 |
樽 | ■□□□□ | 古くなったら取り替える、というアバウトな運営。 |
麦 | ■■■□□ | 中庸。 |
手仕事 | ■■■■■ | 家内制手工業と言えましょう。島の蒸留所の中では最大の雇用を生んでいる。 |
フィニッシュ | ■■■□□ | ドライな潮の香り。品のある賑わい。 |
2006.2.9 arata
- 味と製法は分けて考えるのが自然
- マッピングはお客さんのためのガイドと位置づけると、最終的な味わい(つまり結果)でやるのがいいと思う。
- 他の項目は統一的に記述はするとかでいいのでは。(こじんまり★☆☆☆☆大資本、新樽★★★☆☆古樽とか)
- しかしながら味わいのマッピングとなると、アイラだけでは済まない予感。
- ちなみに、葉巻では味わいを無理矢理二次元でマッピングして、ものの良さはそれとは別の次元で評価してる。→http://happy.ap.teacup.com/smoke_blog/
目次としては
- 各蒸留所についての基礎情報(サイトアドレス、住所と電話、操業時期についての特記、写真*、ビジターの受け入れ態勢、資本関係など)
- 製法上の特徴と、味わいの基本的な傾向(この辺がkyoさんの問題提起かな?)
- ボトリング別の味わい解説
- おすすめシチュエーションとマリアージュ
てな感じでしょうか?2.あたりを如何に人間的に書くかってとこがkyoさんの重視してることですよね。1.2.あたり、kyoさんに訪問記的に書いていただくといいかななんて思ってます。
しかし、二人でやると面白いな。
- 参考文献「伽藍とバザール」http://cruel.org/freeware/cathedral.html
kyoからの問題提起
アイラ島モルトのポジショニングをまとめる軸を作りませんか?
- ピーティーさ(PPMで評価する?)
- 樽へのこだわり(何回使うか)
- 伝統を大切にしているか、進化しているか。
とか。
ふふん、だ。
先に書き込んでやったっちー。
先に書き込んでやったっちー。