Malt?
グレンモーレンジ
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malt
グレンモーレンジ Glenmorangie
場所で言えば確かに北ハイランドではあるが、僕の気持ちの中ではスペイサイドに分類されている。蒸留所の位置としてももうちょっとでスペイサイドに入りそうなところにある。(しかしながらこれを書いている途中で違う印象も見つけることができた。詳しくはオフィシャル10年熟成の項を参照していただきたい。)
クセがなく親しみやすい味わい。実は頑固なのではあるが。
- 硬水
- 今や珍しい独立資本。アードベッグを買収し再生させた。
- 全量をオフィシャルでシングルモルトとして出荷?
- グレンモーレンジに神話は必要ない。
Glenmorangie 10y 40%
これを書く段になって初めて気づいたのだが、ポット(蒸留釜)の首が長いせいか雑味がない。でも科学の味ではない。親しみやすいのに、味わって飲めば相当味わい深くも感じられるモルトだと思う。シングルモルトとしてはものすごく手に入りやすいものだけど、これが今の1.5倍くらいの値段だったらもっと神秘的な評価が一般的になるくらいの酒だと思う。
雑味のなさからくる透明感、風味全体としての一体感。そう思えば、アードベッグの最終的な所有者になったのもよく分かる。何でもなさそうなものをつくる企みの深さ、それを支える伝統の集積。なるほど、続けることは変わっていくことだったんだろうな。
オフィシャル10年熟成はやさしいが芯はある。うっすらと柑橘系の印象が残る。
シングルモルトはグレンリベットぐらいしか知らない、という人が次のモルトとして選ぶのにもいい。
Glenmorangie Sherry Wood Finish 43%
通常の熟成のあと、シェリー酒の樽で数年間寝かせた(フィニッシュした)もの。このシリーズではいずれもワイン系のお酒でフィニッシュしていて他にはポートワインや、マディラ酒の樽でフィニッシュしたものがあるんだけど、そもそもスペイサイドなんかだと初めからシェリーの樽しか使わないなんてところもあるくらいで、シリーズ中、最も素直なのはこれだと思う。
各種のフィニッシュを一般的にしたのはこのシリーズ。単なる変わり種としてではなく普通に美味しく飲めるし、供給が安定しているところにも確信が伺える。