Malt?
アードベッグ
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malt
アードベッグ Ardbeg
最終更新2007-06-22
シャープ、これこそピートの味 |
概説
アードベッグというモルトを説明するのに、本来なら味わいとか何とかから入ればいいんだけど、この蒸留所の場合は操業停止期間を挟んで経営者が変わっているという点で連続してない所があるので説明しにくい、というかその辺りの事情から説明したほうが説明しやすいのでそうさせてもらいます。
比較的小さな蒸留所
世帯が小さいために中々経営が安定せず、操業と停止を繰り返していたようです。シングルモルトブーム初期の頃は例えばこんな意見もあるように品質を維持するのも辛くなっていたようです。サッチャリズム経済の中、80年代に操業を停止。在庫の販売だけを続けます。
1997年にグレンモーレンジの傘下に入り、フロアモルティング部門以外が、操業を再開。
クラシックなアイラモルト
いずれにしても比較的小さな蒸留所であることに間違いはなく、アイラの特徴であるピートの香りがストレートに出るクラシックな味わいのアイラモルトと言えます。
これから
その後資本関係も色々あったようですが操業は続き、また新経営者がテコ入れをしたようで、アードベッグらしさであるピートをきつめに炊くようになっているみたいです。
ボトリング別解説
定番
Ardbeg Ten (10年)
以前は10年ものと17年物が普通に手に入りましたが、操業停止の影響で原酒が底を尽き、17年ものはカタログから落ちています。10年物は何とか持ちこたえて、今出回っているのは操業再開直後に蒸留したものだと思われます。
ノンチルフィルター。
参考上代: £27.49
Ardbeg Ugadal(ウーガダール)
17年ものが出回らなくなるのと交代で現れたボトリング。オフィシャルの説明ではシェリー樽熟成の原酒とバーボン樽熟成の原酒を使用とありますが、操業停止前から残っていた原酒を新しい原酒とまぜてなんとかそれなりのものを作ったというのが定説。なかなか上手に出来てます。私見ですが、「精妙なるアードベッグのミラクルが生み出した」感が足りないのが惜しい。でも美味しいですよ。
参考上代: £38.99
limited release
何でLimitedReleaseかというと、この蒸留所がどうしても世帯が小さいもんだから長い間創業が止まってたり、再開しても一悶着あったりしてたもんだから、在庫の樽は古ーいのと新しいのだけで中抜けになってた訳です。
再出発したArdbegがいちから手がけた新しいアードベッグと言えましょう。まもなく10年ものとなりますが、その過程で若いままリアルタイムで発売してきてるシリーズ。変わり種として飲むには面白いシリーズです。
Ardbeg Very Young
法律上の最小年限である4年そこそこで出たと思います。熟成したウイスキーというよりは荒っぽい麦焼酎・泥炭エキス入りという感じで、私はグラス1杯で早々に退散しました。
「ベリーヤングって知ってる?」「飲んだよー、どこで見つけた?」って感じで少量のリリースでした。
参考上代: £29.99
Ardbeg Still Young
いまちょうど沢山出回ってるのがこれ。飲んだことはありませんが、例えばイタリア市場では8年もの辺りが好まれたりする為か(そりゃグラッパだって飲んじゃうんだもんね)前回よりは大量に流通してます。
参考上代: £29.99
Ardbeg Almost There
その名が示すとおり、「もうちょっとで」10年ものということですね。ただし、本当の10年ものというのは10年「以上」熟成した原酒を使うということですから、まだ「Ten」とは名乗らないということでしょう。
参考上代: £29.99
新定番
Airigh Nam Beist(発売待ち)
Almost Thereがもうちょっとなわけですから、これが登場する時にラインナップを整理すると思われます。
参考上代: £44.99
- 追記
- 1990年蒸留のものは出荷されているようです。バーボン樽で16年間熟成。AIRIGH NAM BEIST” はアードベッグ蒸留所の仕込み水として使われている湖の名前だそうです。16,000円前後。うーん飲みたい。
レアアイテム
Ardbeg 17年
美しい酒でした。私がもっとも敬愛したウイスキーのひとつでしたが、既に述べた事情によって二度と手に入らない酒となりました。あったとしても当時からは信じられない値段でしょう。