Malt?
用語集
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malt
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まだまだ作りかけですが、徐々に充実させて行きます。
リンク wikipedia「スコッチ・ウイスキー」
リンク wikipedia「スコッチ・ウイスキー」
最終更新2007-03-23
樽(カスク)
大きさによる分類
- バレル(石油と一緒)、バット、ホグスヘッド
由来による分類
- バーボン樽、シェリー樽がメイン。新樽を使うのはバーボンだけ。ワイン樽は隠し味的に各種ワイン(マディラやポートも含む)の樽が試されてる。
材質による分類
- 基本的には全部オーク(樫とか楢)。ヨーロッパ人の心の故郷は草原らしく、どうも森を守るのは上手くない。そういうわけでヨーロッパ産のは少なくなって行ってると思う。フレンチオークフィニッシュなんて云う地味なフィニッシュがあったりする。
ラベルや値札に表記される主な仕様など
カスク、カスクストレングス
ウイスキーのアルコール濃度は蒸留時では65%程度で、場合によっては若干の調整の後、殆どの場合はそのままの濃度で樽に貯蔵される。
シェリー樽、バーボン樽、○○フィニッシュ
これは読んで字の如しで、寝かせるのに使った樽が、シェリー酒を造った後のものかバーボンを造った後のものかの意。
イギリス人が潤沢に消費していたシェリーの樽を使うのがもともとであったが、スペインが樽での出荷を止めたこと、シェリーの消費量が減ったことなどからバーボン樽の利用が始まったというのが定説。マッカラン蒸留所は、シェリーのメーカーにわざわざ無料で新樽を貸与してまでシェリー樽にこだわっていたが、ある日突然、バーボン樽の10年ものが出て賛否両論となった。そのくらいシェリー樽は貴重になりつつある。
イギリス人が潤沢に消費していたシェリーの樽を使うのがもともとであったが、スペインが樽での出荷を止めたこと、シェリーの消費量が減ったことなどからバーボン樽の利用が始まったというのが定説。マッカラン蒸留所は、シェリーのメーカーにわざわざ無料で新樽を貸与してまでシェリー樽にこだわっていたが、ある日突然、バーボン樽の10年ものが出て賛否両論となった。そのくらいシェリー樽は貴重になりつつある。
シェリー樽で寝かせたものは香ばしいコクがある。酒本来の味よりシェリー樽の風味が勝る場合もあるほど。でも美味いもんは美味いんだからそれでいいじゃないかと言われれば返す言葉は無い。
一方バーボン樽のものはあっさりしていて癖が無い。蒸留所の個性がストレートに出る。
一方バーボン樽のものはあっさりしていて癖が無い。蒸留所の個性がストレートに出る。
○○フィニッシュというのは、例えば殆どの期間は手に入りやすいバーボン樽で寝かせておいて、出荷前の数年程度を違う樽(シェリー、ポート、マディラ、○○ワイン、フレンチオークの新樽、などなど)で寝かせて風味付けを狙ったもの。
年数
樽で寝かせた年数。混合した樽のなかで最も保存期間が短いもので表記する。逆に、10年ものと書いてあるからと言って、10年ものしか入っていないとは限らない。15年ものも混ざっているかもしれないし、殆ど全部11年ものという場合もあるかもしれない。
蒸留した年を表記してある場合も、良く探せば「bottled in 2003」とか瓶詰めした年も書いてある。
一般的に、年数が短いものほど荒々しく、私の感覚では10年から12年でようやくウイスキーらしくなる(でも8年ものとかも好き)。18年とか20年とかになると、特にシェリー樽の場合、ウイスキーなのか、シェリーと木のエキスをアルコールに溶かし出したものなのか判然としない様な味になる。とにかくすごい香りである。そうでないこともある。
一方、例えばアードベッグ・ウーガダールは年数表記がないが、これは混ぜている原酒の年数があまりに離れ離れなために年数表記が馴染まない、とにかく飲んでみてくれ、というもの。また例えばボウモアはマリナー、ダーケストを初め、年数表記のない製品をいくつも常備しているが、本来は、自分達が辿り着いた唯一つの味一本に絞るのが筋だと思う。ウイスキー好きは目先を変えるよりは、大好きなあるウイスキーを愛飲するものだ。
チルフィルター、ノンチルフィルター
チルはチルドのチルで、凍らせるの意。低温時に析出する不純物(に見えてしまうもの)を予め低温下で析出させ、濾過して取り除く。これは一般的な方法なので、いちいちラベルには表記されない。
一方ノンチルフィルターは無濾過。表記する場合が多いが、敢えて表記しない場合もある。その場合は白いものがウヨウヨ漂っていると気持ち悪いので濃い緑色のボトルに入れる事になる。楽市オリジナルのボウモア、ハイランドパーク、ローズバンク(!)は無濾過で激安が売りであるが、透明のボトルだとやっぱり買うのに躊躇する。
オフィシャル、ボトラーズ
オフィシャルは、ある蒸留所が自ら販売している製品、或いはその蒸留所を所有する企業が販売している製品。いずれも瓶詰め作業そのものは外注することもあるが、品質や味わいは自ら決定している。云はば蔵出し。
ボトラーズは、自らは蒸留しない企業が、ある蒸留所に依頼して製作する製品。貯蔵まですべて蒸留所に依頼する場合と、樽詰めが出来た段階で買い取って自らの倉庫で貯蔵する場合とがある。この場合、年数が経てば経つほど蔵元とは風味が違ってくるし、最終的に濃度調整する際に用いる水も蔵元のものとは違うものになる(最近はどちらも蒸留水が多いが)。
また、各工程に於いて様々な仕様をボトラーが指定する場合と、ブレンド業者と同様に樽詰めが終わったものを製品として買い付ける場合とがある。
なお、蔵元がシングルモルトとして販売しようとする場合、流行に合わせようとしたり、売れている他社製品を真似ようとしたりするモチベーションがあるが、ボトラーが一連のシリーズの中である蒸留所のモルトを販売する場合は良くも悪くも他のモルトと違っていた方が意味があるという事には留意しておいて良い。つまり、ボトラーズの方がオフィシャルよりオフィシャルっぽいという事が実際にあり得る。一方ボトラーとして余りに有名になった場合は全体としてそのボトラーの味の傾向というものを追求することになる。
主なボトラー
本来の意味は「瓶詰め業者」。多くの蒸留所は自分たちのモルトを、ブレンド業者に樽で売るのがあたりまえで、当然ながら瓶詰め設備は持ってこなかった。
ボトラーでしか手に入らないシングルモルトも多かった。
ボトラーでしか手に入らないシングルモルトも多かった。
ゴードン&マクファイル Gordon & Macphail(略す場合はGM)
シングルモルトを世に知らしめた最大の功労者。各蒸留所が、ブレンド業者にあたりまえのように樽でおろしていた時代からシングルモルトをボトリングして販売してきたのがここ。買った樽を寝かせるための倉庫を自社でも持ち、在庫量はオフィシャルと比べても無視できない量と思われる。
シグナトリー
まろやかに仕上げるのが特徴。最近は小ぶりなボトルを可愛い木箱に入れるのに御執心。
ケイデンヘッド
西ハイランドのスプリングバンクのボトリング設備を使用。ノンチルフィルター、カスクストレングスが売り。
マーレイマクデイビッド
アイラ島のブルイックラディのボトリング設備を使用。存在意義がいまいちハッキリしない(ブルイックラディのお母さんごめん)。アイラ島の誇りをかけて成長して行って欲しい。まだ出荷されていない新蒸留所キルホーマンのボトラーズ第一号はここであって欲しい。
ウイスキーガロア Whisky Galore
あまり出回らないが、面白い仕事をする、という印象がある。エレガント。ただし安くは無いので、道楽でしか買えない。
ウィルソン&モーガン Wilson & Morgan
それぞれの蒸留所のいいところを素直に開花させるのが上手く、私曰く、オフィシャルよりオフィシャルっぽい。もっと認知されていいボトラー。イチオシ。最近になって価格が上昇。他のマイナーなボトラーズと同程度となった。と同時に流通業者の買い付けモチベーションが下がり、流通量が激減している。実に惜しい。
モルト、グレーン、ブレンデッドウイスキー
モルト
モルト(麦芽:発芽した麦)を発酵させたものを大きなポットで通常2回ないし3回蒸留し、樽で寝かせたもの。「ビールを蒸留したらウイスキー」のイメージに近いものはこれ。言ってみれば、樽で寝かせた麦焼酎(これはこれで実際にあったりしますが)。
グレーン
モルト(麦芽:発芽した麦)の他、いろんな(安い)穀類を発酵させたものを、連続式蒸留機という巨大なアルコール分離器で蒸留し、樽で寝かせたもの。言ってみれば、樽で寝かせた醸造用アルコール、あるいはウォッカ。
ブレンデッドウイスキー
モルトとグレーンをブレンドしたもの。通常はブレンドした後さらに樽で寝かせる。なお、モルト同士を混ぜるときはブレンドと言わずヴァッテイングと言い、出来たものはヴァッテドモルトと言う。
シングルモルトより飲みやすく、品質も安定しているため、スコッチウイスキーの多くはブレンデッドウイスキーとして消費される。日本でも同様。
例えば、バランタイン、ジョニーウォーカー、オールドパー、フェイマスグラウス、カティサークなどの有名どころ、あるいは1本1,000円前後のスコッチはほとんどこれ。日本ではサントリー角、オールド、ローヤル、響など。
モルト詳細
シングルモルト
単一の蒸留所のモルトのみをヴァッテイングしたウイスキー。
巨大な蒸留所の場合は、単一蒸留所といえどもかなりの幅がでることになります。寝かせる年数でも然り。従って同じ名前で色んなボトルが出ます。ただし、端からボトルに詰めるのではなくて、複数の樽の味を見て、上手くヴァッテイングすることで、味を安定させています。
通常、「ブレンドじゃなくてモルトを」というと、このシングルモルトのことを指しますが、神経質な人や厳密主義の人には「シングルモルトですね」と聞き返されます。こういった場合は「シングルモルトスコッチウイスキーです」と答えるといいでしょう。しらっと「ええ、日本のもので」とか、マニアックなところで「シングルでもブレンドでもないものを」なんてのもあり得ますが、本気じゃない時は言わないように。
「モルト」だけでは乱暴だし、「シングルモルト」では気取ってるように聞こえるのがつらいところ。一時期メーカーが「ピュアモルト」ってのを普及させようとしましたが、今ひとつあか抜けずにフェードアウト。うーん。お出しする方としては「シングルモルト」と言われた方が丁寧で嬉しい。
シングルカスク
単一の樽(カスク)からボトリングしたウイスキー。通常は水で薄めず、カスクストレングス。当然ながら、出来のいい樽だけを選んで飲み頃にボトリングされる(と期待したい)。ラベルにヴィンテージ(蒸留した年)が入ってるからと言ってシングルカスクとは限りません(これはワインも一緒)。
ピュアモルト
特に定義がなく、ブレンデッドじゃないですよ、ピュアですよ、というイメージで使われる。多くの場合中身はシングルモルトではなく、複数の蒸留所のモルトを使った(あるいは使うかもしれない)ウイスキー、すなわちヴァッテドモルトウイスキーと思われます。
販売者が、シングルモルトとかヴァッテドモルトというと仰々しいし(区別する事自体も仰々しい)、そもそもヴァッテドの場合はわざわざ言う事でもないと考えた場合、どちらもピュアモルトと称することになります。これはこれで一つの見識であります。
ヴァッテドモルト
モルトだけで(グレーンなしで)ブレンド(ヴァット)したもの。バランタインやフェイマスグラウスなど、ブレンデッドウイスキーのシリーズで出ることがあります。
GM,GMCC
GM
ボトラーである「ゴードン&マクファイル」の略称
GMCC
ゴードン&マクファイルのコニサーズチョイスというシリーズの略称。ちょっと美味しいめのやつが格好いいパッケージに入ってて、つい欲しくなる。
親会社によるボトリング(一応、オフィシャル)
花と動物シリーズ
各地域を代表するモルトをその地方の花と動物をあしらったラベルでボトリング
レアモルトシリーズ
入手が難しくなってきたやつをカスクストレングスでボトリング。強気の価格設定故にいつまでも売れ残っているのをよく見る。