Malt?
北ハイランド
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malt
北ハイランド
ブローラ Brora、クライネリッシュ clynelish
ブローラ蒸留所は閉鎖されて10年?以上が経つ。隣にクリネリッシュ蒸留所ができてしばらくは併用されていたが、しばらくして閉鎖された。
私が初めて飲んだハイランドモルトはグレンモーレンジだった可能性が高い。しかし、初めて感銘を受けたのは間違いなくブローラだ。よく美味しいワインを飲ませてくれた元バーテンダーの友人が大事に置いてあったものを飲ませてくれた。
明らかな塩っぽさ、潮の香り、いつまでも続くシャープな余韻。ウイスキーってこんなに旨いのがあるんだと感動した。
GMCC(→用語集)のヴィンテージが入った25年ものだった。
それ以来、僕はその味を求め続けた。バーに入って座るなり「潮の香りがするものを」。今になって思えばDQNスレスレの客だったに違いない。もちろん、ブローラがあったら飲んだ。GMレアモルトのものがよく出回っている。本を読んだら読んだで「塩味がするモルト」とあれば買ってきて飲んだ。当然クリネリッシュもオフィシャルのものは飲んだ。
あの潮の風味は得られなっかった。僕はウイスキー飲みになっていた。
そしてある日、行きつけのバーで飲んだインディペンデントボトラー(→用語集)のクリネリッシュがあの味を出していた。バーボン樽(→用語集)で熟成させることで微妙な潮の風味が保たれていた。シェリー樽(→用語集)の方が価値のあるものとして扱われがちだが、こんな味が出せるんだからバーボン樽も悪くない。
私は今でもハイランドモルトに潮のイメージを期待している。
グレンモーレンジ Glenmorangie
場所で言えば確かに北ハイランドではあるが、僕の気持ちの中ではスペイサイドに分類されている。蒸留所の位置としてももうちょっとでスペイサイドに入りそうなところにある。(しかしながらこれを書いている途中で違う印象も見つけることができた。詳しくはオフィシャル10年熟成の項を参照していただきたい。)
クセがなく親しみやすい味わい。実は頑固なのではあるが。
- 硬水
- 今や珍しい独立資本。アードベッグを買収し再生させた。
- 全量をオフィシャルでシングルモルトとして出荷?
- グレンモーレンジに神話は必要ない。
Glenmorangie 10y 40%
これを書く段になって初めて気づいたのだが、ポット(蒸留釜)の首が長いせいか雑味がない。でも科学の味ではない。親しみやすいのに、味わって飲めば相当味わい深くも感じられるモルトだと思う。シングルモルトとしてはものすごく手に入りやすいものだけど、これが今の1.5倍くらいの値段だったらもっと神秘的な評価が一般的になるくらいの酒だと思う。
雑味のなさからくる透明感、風味全体としての一体感。そう思えば、アードベッグの最終的な所有者になったのもよく分かる。何でもなさそうなものをつくる企みの深さ、それを支える伝統の集積。なるほど、続けることは変わっていくことだったんだろうな。
オフィシャル10年熟成はやさしいが芯はある。うっすらと柑橘系の印象が残る。
シングルモルトはグレンリベットぐらいしか知らない、という人が次のモルトとして選ぶのにもいい。
Glenmorangie Sherry Wood Finish 43%
通常の熟成のあと、シェリー酒の樽で数年間寝かせた(フィニッシュした)もの。このシリーズではいずれもワイン系のお酒でフィニッシュしていて他にはポートワインや、マディラ酒の樽でフィニッシュしたものがあるんだけど、そもそもスペイサイドなんかだと初めからシェリーの樽しか使わないなんてところもあるくらいで、シリーズ中、最も素直なのはこれだと思う。
各種のフィニッシュを一般的にしたのはこのシリーズ。単なる変わり種としてではなく普通に美味しく飲めるし、供給が安定しているところにも確信が伺える。