山猫は空腹だった。
というのも「楽に美味しくいただこう」とあれこれ注文をつけているうちに、獲物であるハンター二人を逃がしてしまったからだ。
だから次の獲物が縄張りに踏み込んだ時は「手間をかけてじっくり味わおう」と決めたのだ。
山猫の魔法は、その大きな体を丸めてレストランに、その二枚舌を広げてウェイトレスに、どろんと煙を立てて変身させた。
ウェイトレスが黒い木目の扉を開けて、中から看板を運び出す。
そこにはこう書かれていた。


 注文の無い料理店
若い娘が山道を歩いていた。
歳の頃は十七、八といったところか。
長い黒髪には落ち葉がかかり、ハイヒールの踵は折れて履き潰されていた。
彼女が山裾の散策に出てからもう三時間が経過しており、道に迷って今に至るまで歩き通しである。
秋の陽は短く、そろそろ暗くなり始めた風景に不安を煽られる。
こんな事なら別荘でじっとしていた方が良かっただろうか。
娘は後悔していた。

不意に、木々の向こうから娘の頬に光が射した。
向こうに何かある、そう思って草を払いながら林を抜けると、古風な館を見つける事ができた。
上品な造りがライトアップされ、かえってどこか不気味な雰囲気もある建物の扉には、不可解な看板が掛けられていた。
「注文の無い料理店……変な名前だけど、レストランなのかしら?
 とにかく、これで迎えを呼んでもらえる。」
地獄に仏とばかりに娘はその疲れた体で重い扉を押し開いた。

扉の向こうは小部屋になっており、正面に待合のためと思しきソファが、左右にはさらに扉が設けられていた。
娘の侵入に気付いたのか、茶色いショートヘアの少女が右の扉からヌッと顔を出す。
一瞬合ったその目がギラついたように見えたが、次の瞬間パッと営業スマイルを作って娘の前に躍り出た。
「いらっしゃいませお客様、さあさあこちらへどうぞ。」
少女が身に纏っているのは黒を基調とした給仕服で、台詞からしてもウェイトレスらしい事がわかる。
散策のつもりだった娘は当然財布など持ってきてはいないので、慌てて両手を振って客ではないと説明した。
「待って、お金は持ってないの。
 道に迷って帰れないから、迎えを呼んでもらえないかしら。」
ウェイトレスは一瞬苦々しげな表情を作ったが、すぐに元の顔を作って娘の両手を握った。
娘はウェイトレスの変化に不審を覚えたが、その後の甘い話に心を掴まれてしまう。
「それはお困りでしょう、すぐに手配いたします。
 しかしお客様はお疲れの様子、お金の事は気になさらず、お料理を楽しんでいってください。」
「まあ、ありがとう。
 実はお腹が空いて仕方なかったのよ。」
そのまま娘の手を引いて左の扉を開くウェイトレスの目は、やはり一瞬だけギラリと光を帯びた。
次の部屋はまたしても小部屋だった。
てっきりテーブルの並ぶ広間に出るものかと思っていた娘は少々面食らった。
「さあお客様、お洋服を脱がせてさしあげます。」
「やだ、何を言い出すの?」
「お客様のお洋服はすっかり汚れてボロボロです。
 そのまま食べるわけにもいきませんし、それにこの後エステのサービスがございます。」
ウェイトレスに言われて自分の服装を確かめると、草木に引っ掛けたのか、スカートが太腿のあたりで千切れていた。
こんなはしたない格好で席についたら笑い者になってしまう。
「本当だわ、気が付かなかった。
 それに、さっきからずっとこの格好だったのね、恥ずかしい。
 自分で脱ぐわ。」
「いえいえ、当店は注文の無い料理店です、全てワタクシにお任せください。」
そう言うと娘が止める間も無く、スルスルと手を滑らせて次々ボタンを外していく。
途中、敏感な部分に触れられたりして声を上げそうになったが、なんとか堪えてされるがままになっていた。
まず上着、次にスカート、そしてブラウスを脱がされて、ウェイトレスは下着にまで指をかける。
「ま、待って、そこまで脱がなきゃいけないの?」
「はい、全裸になっていただきます。」
きっぱりと言い切ってウェイトレスは娘の下着を足元まで下げてしまった。
露わになった娘の白く艶やかな肌は、背中にまで伸びた黒髪や薄い陰毛とのコントラストでさらに輝いて見える。
ウェイトレスは丁度自分の顔の高さにある娘の秘裂に鼻を寄せて、くんくんと匂いを嗅いだ。
「綺麗な体ですね、スタイルも良いし。
 うーん、おまんこも清潔にしているようで安心です。」
「やだ、もう……。」
女同士とはいえあまりにも破廉恥な行為に、娘は赤面せずにはいられなかった。
しかしウェイトレスはさして気にする様子も無く、再び娘の手を引いて先へ進もうとする。
全裸で廊下を歩かされるのかと思い、娘は抗議せずにはいられなかった。
「ねえ、ガウンか何か着せてもらえないの?」
「大丈夫、扉の向こうはすぐ次の部屋になっております。」
ウェイトレスがドアノブを捻ると、湯煙で周りが見えなくなった。
湯煙の中、娘は手を引かれるままに歩くしかなかった。
何しろ周りが見えないし、全裸のまま男性定員や他の客に出くわしたらと思うと、自分では動けなかったのだ。
「エステの前に、お客様をお風呂に入れてさしあげます。」
 ここまでの道のりは険しかったでしょう、手足が汚れていますし、汗もそのまま乾かすといけません。」
「じゃあ、さっきの部屋は脱衣所ね。
 そう言ってくれれば何も驚かなかったのに。」
穴があれば入りたい気分の娘にとって、湯を張った風呂ならば尚更ありがたかった。
風呂場なら全裸で当然、そう思って湯煙を払いウェイトレスに目をやると、彼女も全裸だった。
「さあさあ、ワタクシがお背中をお流ししますよ。」
「あっ、やっ……んっ、くすぐったい!」
ウェイトレスは全身にクリームを塗りたくって、娘にその体を摺り寄せてくる。
ソープ嬢さながらの卑猥さだが、娘は快感が上回ってろくに抵抗する事もできなかった。
ふらつく足取りを誘導されて腰掛けた先は所謂スケベ椅子だったが、その異常な形にも気が付かない。
「うわあ、お客様ったらとても良い舌触り……いいえ、とても良い肌触りですよ。」
「くふっ……ううんっ……。」
ウェイトレスの手の動きは背中だけに留まらず、娘の豊かな乳房を包み込むようにして揉みほぐした。
娘の腕は逆にウェイトレスの僅かな胸の谷間に納められ、娘の太腿の上をウェイトレスの秘裂が前後する。
全身でくちゅくちゅと音がする度クリームの泡が広がっていった。
ややあってウェイトレスは体位を変えると、娘の顔を胸で洗うようにして視線を塞ぎ、下半身を元の姿に戻した。
「はあ……はあ……あん、やだ、石鹸が口に入るじゃない。
 あら、苦い味がしないのね、それに目にも染みないわ。」
「口に入れられないものなんて使えません、お腹を壊してしまいます。
 このクリームは天然成分100%ですから安心してください、おまんこの奥まで洗えますよ。」
「きゃああっ!?
 ひっ、あああああん!!」
スケベ椅子の溝を通って、山猫の舌が娘の秘裂を擦り上げ、膣口に先端を差し込んで穿り返した。
細長い舌先は処女膜を破る事も無く、柔襞の内部を蹂躙して子宮口を何度もくすぐった。
山猫の舌は娘の恥垢を余さず舐め取り、溢れ出た愛液を啜りとって、またウェイトレスの両脚に姿を変える。
その間、あまりの快楽に娘は何も考えられなくなり、全身をビクビク痙攣させるばかりだった。
「美味しいです、うう、我慢できなくなりそう。
 次のお部屋で味付けしてさしあげます、早く先へ進みましょう。」
ウェイトレスが強引に手を引くと、娘は意識を朦朧とさせたまま、ふらふらの足取りで歩き始めた。
次の扉を開けると、そこには銀の調理台を思わせるような寝台が一つ用意されていた。
いつの間にか服を着ていたウェイトレスは、定例の台詞を述べながら娘を誘導する。
対して裸のままの娘は、秘裂から広がる火照りに苛まれつつも、濡れた肌を冷やされて僅かに思考を取り戻した。
「お客様にエステをしてさしあげます。
 ささ、こちらに寝そべってくださいな。」
「はあ……はあ……んっ、エステ……なの?
 そういえばさっき何か変な事を言ってなかったかしら……頭が真っ白でよく覚えていないわ。」
「まあ、そろそろ良いでしょう、エステの内容をご説明します。
 まずお客様の体をこちらの紐で引き締めます。」
「ひんっ!?」
ウェイトレスはいつの間にか取り出した麻の紐を躍らせて、瞬く間に娘を縛り上げてしまった。
娘の全身は小さな菱形に締め付けられ、股間には秘裂を押し出し割り開くように結び目の付いた三本の縄が通っている。
両腕は背後に回され、両脚は限界まで広げられて体の側面に固定された。
「次に塩、黒コショウ、ローズマリーをお客様のお肌によく刷り込みます。」
「や、やあああん!」
娘の全身がウェイトレスの手に撫で回され、すぐに塩の結晶できらきらと輝き、所々に黒と緑が点在するようになる。
ウェイトレスの細い指は無遠慮にも秘裂に入り込み、敏感な粘膜の奥底にまで刺激物を馴染ませた。
膣を切り刻まれるような痛みで跳ね上がりそうになるが、緊縛された体は捩れるだけで、麻縄が食い込み苦痛を増した。
「ひゃああっ、やあっ……はぐうっ、あああん!」
「続いてニンニクを差し込みます。
 お客様、一つ噛み潰してくださいませ。」
「あ、何を、はひ、ふほはほ。」
「おっと、ワタクシとしたことがお客様に注文をつけてしまう所でした。
 顎を動かしてさしあげます。」
「あぐうううっ、ふう、ふう……、はひゃっ。」
娘の口に一欠片の生ニンニクを放り込むと、ウェイトレスは宣言通り頭と顎を鷲掴みにして無理矢理噛み砕かせる。
ややもせず激しい辛味に襲われて、せめて呼気で紛らわせようと息巻く中、娘の膣にもう一欠片がちゅぽんと納まった。
その他、両脇、胸の谷間、折り曲げられた脚の付け根にもニンニクが挟まれ、臍の上にも言い訳がましく一つ乗せられた。
「さてさて、こちらの鉄板に香味野菜の玉葱、人参、セロリが敷き詰めてあります。
 お客様にはこちらに移っていただき、170℃一時間のサウナエステで仕上げとなっております。」
「はひ、は……?
 ひゃふががじゅう……、あ、や、ひんじゃう……!」
狼狽える娘をウェイトレスはひょいと持ち上げ、野菜の上に移して次の部屋の扉を開ける。
中からは風呂場のような、しかしそれ以上の高温のスチームが噴出し、赤くごうごうと燃える内部が照らし出された。
「ご安心ください、お客様には特別大サービスで"とりあえず二時間ぐらい死なない魔法"をかけてさしあげます。
 ご自分がしっとりと焼きあがっていく様子から、ワタクシに食べられて消化される所まで、じっくりお楽しみください。」
「や、やら、やらあああああああああ!!!」
ウェイトレスに笑顔で手を振られ、やっと娘の瞳に涙が浮かんだが、それがこぼれる前にオーブンのドアは閉じられた。
オーブンの向こう側の部屋にはもはや何の隠し立ても無く、壁の一面がそのまま巨大な山猫の顔になっていた。
時が経ち、山猫の口の中からウェイトレスが這い出すと、分厚いミトンを装着してオーブンのドアを開ける。
熱気と共に広がった香ばしく焼ける肉の匂いは、山猫の鼻をくすぐって期待を高めた。
「うう、うぐううう……」
「うわあ、こんがりと美味しそうに焼き上がりましたね。
 お料理は楽しんでいただけましたか?
 それではいよいよお待ちかねのお食事ですよ。」
「ゴアアアアア!!」
「う、うー……。」
山猫が息を吹きかけて、湯気を立てていた娘の肉から一気に粗熱を取った。
ウェイトレスはまるで猫の爪のような鉤型の刃物を使って、娘を縛る麻紐を解いていく。
解放された秘裂からはトロトロと肉汁が溢れ出し、くっきりと残された網の目は今尚その卑猥なポーズを引き立てていた。
こげ茶色になった娘の肌は決して瑞々しさを失わず、その旨味をぎゅっと体内に閉じ込めていることだろう。
ローストビーフのように薄切りにすればその中心はまだ赤みを帯びているはずで、肉の芯には生身の感覚まで残っている。
それどころか魔法の力によって、煮えてしまった瞳の視覚や神経が死んでいる皮膚の触覚もあった。
「う、うあ、うう……。」
「お寒いようですね、まあ体温を維持できなくなれば当然の事です。
 ワタクシの口の中は温かいですよ?
 そうそう、紹介するのを忘れていましたね、この立派な毛並みの山猫が当レストランの店長にしてワタクシの本体です。
 今のワタクシはお客様を口の中まで運ぶ舌だったんですよ。」
ウェイトレスは風呂場とは対照的に、今度は見せ付けるようにしてその上半身下半身とも元の二枚舌に戻してみせた。
しかしすぐにまたウェイトレスに変わって、はっとした様子で娘を見やると、意外な言葉をこぼした。
「すっかり忘れていました、このままお客様を食べるわけにはいきません。」
「う、うぐ、あ……?」
「……グレービーソースを作らなければ!
 大丈夫です、お客様の肉汁に赤ワインとコンソメを加えればすぐですので!」
「ぐう……!?
 うああああっ……!」
ほんの一瞬、助かるのではないかという希望を抱かされた娘は、再び新鮮でより強烈な絶望を味わわされた。
もう殆ど発声できない娘の叫びを聞いてウェイトレスは一層嬉々とした様子になり、娘の全身にコンソメを振り掛ける。
続いて赤ワインの瓶を手に取ると、娘の顔を覗き込んで笑みを浮かべた。
「お客様、食前酒を飲ませてさしあげます。」
「うっ、うぐううう!!!」
ウェイトレスは赤ワインの瓶を娘の股間に運び、その注ぎ口を肉汁溢れる娘の膣口に接吻させるように押し付けた。
先程は体の外から風で冷やされ、今度は胎内から赤ワインに冷やされ、娘の体温はさらに下がっていた。
しかしアルコールに粘膜を蹂躙されたためか、体の芯には体温とはまた別の淫靡な熱が灯される。
「う、ううん、うあ……!」
「おや、お客様、こんな時だというのに感じていらっしゃるんですか?
 ではソースも用意したことですし、次の部屋へまいりましょう。
 今の状態ならきっと楽しんでいただけますよ。」
「ゴアア……。」
「うう……!
 う、ああ、う……んっ……!」
ゆっくりと山猫の口が開いていき、ウェイトレスはその足先からだんだんと元の二枚舌に戻っていく。
娘が目の前に広がる深い深い穴に戦慄している間、ウェイトレスの最後の口上が伝えられる。
「お客様、本日は当店に起こしくださりありがとうございました。
 ワタクシの案内は……本当は次もお相手しますけど、お話するのはこれが最後です、名残惜しいですね。
 それでは……。」
首だけになったウェイトレスは、その胴体だった二枚舌の分かれ目を鉄板の淵にひっかけて、娘を上から見下ろした。
「お客様。
 お客様をを食べてさしあげます。」
「あうー!!!」
ウェイトレスが顔まで舌に戻ると同時に、娘は精一杯の悲鳴を上げながら、香味野菜ごと山猫の口に滑り落ちていった。
若くて美しい娘を生きたままローストビーフにして口いっぱいに頬張る、これ以上の贅沢など無いぞと山猫は唸った。
さっきまで娘を案内していた二枚舌は本性を現して、口の中で娘の体を蹂躙している。
そこから伝わってくる味覚はジューシーで香ばしくて、それで十分たまらなかったがまだ本番を控えていた。
娘の体に牙を突きたて、引き千切り、咀嚼すれば、肉の繊維の歯ごたえや内臓の濃厚な味わいが待っているのだ。
ああ、手間をかけた分だけ格別なのだ、と山猫は自らの選択に感動し、暫し涙を流した。
おかげで娘はまだ五体満足でいた。
既に火が通っている娘の体は、鑢のような山猫の舌に舐められて簡単に表面を削ぎ取られてしまう。
全身で激痛を味わいながら、しかし秘裂や乳房をほぐされる度に、もはや誰にも聞こえない喘ぎ声を上げていた。
「……!
 ……!!」
しかしそれも永遠には続かず、ついに山猫が本格的に娘を味わおうと顎を動かし始めた。
既に舌の上で二転三転していた娘は、綺麗に赤剥けになった臀部や秘裂、腰のあたりから歯牙にかけられた。
ざくりざくりと鋭い痛みが何度か肉を貫いて、次の瞬間一気に噛み切られた。
「……ー!?」
もう動く筋肉もさほど残っていないが、それでも娘はその激痛に爪先まで仰け反った。
半ば程で切断された娘の膣からはグレービーソースが溢れ出し、処女膜の付いた肉塊に絡んで何度も咀嚼される。
陰唇はぴりぴりと真っ二つに裂け、尻の肉と共にその柔らかさを山猫に主張する。
ごりごりと骨の砕ける音は目の利かない暗闇の中においても、娘に自分が食べられている事実を一層強く突き付けた。
最も秘めやかだった部分がゴクリと飲み込まれて、山猫はまた娘を舌の上で転がし始めた。
焼き固まり、先程まで秘裂を開いて晒す助けになっていた、娘のスラッとした脚がどうやら次の目標らしい。
半ば千切れかけていたそれは、右と左で一回ずつぶつりという音を立てるだけで、娘の胴体から離れていった。
両脚は人間の体の中でも筋肉が多い部分だから、山猫は存分に食感を堪能できそうだった。
グチャグチャと随分長い時間をかけながら、肉片が粉微塵になるまで何度も何度も噛み潰していた。
両脚のおかげで平たくなっていた娘のシルエットも棒のようになり、今度は横にされて背中の腕を狙われた。
ゴキリという音が耳のすぐ後ろで響き、娘の脳裏に自分の頭が噛み潰される情景が浮かんだ。
死ねば楽になる、それまで耐えれば良いという慰めを得て、娘は僅かな快楽に浸ろうと山猫の上顎に乳房を押し付けた。
突然口の中の娘が活きを取り戻して山猫は驚いたが、先程自分がかけた魔法のせいだと思い出し、再び感動した。
嬉しくなった山猫は舌先で娘の切断面を愛撫し、その内部を犯し貫こうと子宮口を抉じ開け始めた。
娘は自分の女の部分が蹂躙されている事を悟ったものの、受けたショックは被虐的な性感を高めるための燃料に変わる。
「……っ!
 ……っ、ー!!」
子宮ごと体をぐいぐいと押しやられ、娘の頭頂部が山猫の前歯の裏にぶつかって硬い音を立てる。
山猫は固定よろしく娘の額を甘噛みすると、一気に舌を突き出して子宮を貫き、内臓を絡め取って無理矢理引き抜いた。
ズルッという感触と共に、壮絶な吐き気と途方も無い喪失感、自分が空っぽになる瞬間を感じた。
ああ、私は食べられてしまったんだ、というもはや過去形の認識を娘は持った。
喉越しの良い内臓がツルツル飲み込まれると、続いてギリギリと娘の額に山猫の前歯が食い込み始める。
子宮はおろか肺も心臓も残っていないが、それでも魔法の力かこうして意識が保たれている。
だが脳を破壊されてしまえば思考する事も無いだろう、これで死ねる、娘はそう思った。
すっかり空洞になってしまった胴体でも背筋は痙攣を続け、せめて絶頂の中で果てたいと乳房を振り乱した。
山猫の上顎にちっちっと娘の乳首が擦れ、山猫はそれを楽みながら顎に力を込めていく。
ややあって、ぐしゃっという音と共に娘の頭蓋骨が砕け散り、その直後に娘は究極の快楽を感じた。
山猫の舌は満足そうにグラインドし、余韻のために口に残しておこうと娘の乳房に巻きつき千切り取ろうとする。
その瞬間、頭の中が真っ白だった娘は確かに激痛を感じて意識を覚醒させられた。
娘は戦慄し、たった今も達してから脳を失ったのではなく、脳を失って達したのだと気付かされた。
山猫がかけた魔法は、脳も神経も関係無しに細胞が一粒でもあれば命と苦痛を繋いでしまう、忌わしいものだった。
そんな自分をよりによって酸の海へ落とすために蠢く舌が、さっき自分を導き入れ料理したウェイトレスだと思い出す。
「……!!
 ……ーーっ!!!」
自分の存在を唯一最後に、山猫に喉越しとして確認されながら、脳裏にあの声が甦って娘は泣いた。
「次の部屋へ行きましょう、お客様をじわじわと消化してさしあげます。」

「お客様、ついでにワタクシがオチをつけてさしあげます。」
山猫はしばらく頬の裏でミルキーなグミを転がしていたが、娘と一緒に食べた玉葱で貧血を起こして崖に落ちて死んだ。
「ほら、落ちるオチなんですよ。
 あ、待って、帰らないで、お料理を楽しんでってくださいよお。」

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最終更新:2008年05月18日 15:36