響きblog
おいまつ健康サポートセンター
最終更新:
hibiki
-
view
糖尿病-おいまつ健康サポートセンターのサルコピー
なぜ、いま、糖尿病なの?(糖尿病とは)
新聞やテレビで糖尿病の解説記事をみることが本当に多いと思います。そうなんです、日本ではいま、糖尿病がどんどん増えています。なぜでしょう?
糖尿病は遺伝する体質があっておこる、といわれています。いまになって日本人の体質(遺伝子)が変わったとでもいうのでしょうか?
日本人は縄文時代から米を作って貝を取って生きてきました。農耕の民です。植物性のものをたくさん食べるので腸も長めです。少ないカロリーを上手に使って暮らしてきたのでエネルギーを節約して使うための仕組み(節約遺伝子または倹約遺伝子)がよく発達したのだろうといわれています。
いっぽう欧米人は狩の民です。動物性の蛋白と脂肪を摂り、獣を追ってエネルギーのもと(食物)を手にいれます。だから日本人よりも腸も短いようだし、一時に大量の食物を食べてもたくさんのインスリンが湧き出して、エネルギーの流れを調節します。
日本が最近の30年でどう変わったか?マックのハンバーガーは子供たちの大好きな昼食です。コーラは大きなペットボトルで大安売りです。牛乳も200mlのビンでなく1リットルのパックです。寿司もビフテキもバナナもチョコレートもご馳走ではなく、毎日のありふれた食べ物になってしまいました。
そうなんです、うさぎ型の体をもつ日本人が、ライオン型の体の欧米人の食べ物を食べるようになったのです。そのために隠れていた“インスリンの出が減りやすい”日本人の体質がもろにあらわれるようになったのがいまの日本の“糖尿病大流行”の原因だ、と考えられています。伝統的な日本の食生活で守られていた健康が急激な食生活の欧米化についていけずに破綻したのです。
いまのままいくと日本では2030年くらいまで糖尿病は増え続けるだろう、という推測があります。日々の暮らしを見直して、日本人の体質に無理のない暮らしを考えてみたいものだ、と思います。
糖尿病は遺伝する体質があっておこる、といわれています。いまになって日本人の体質(遺伝子)が変わったとでもいうのでしょうか?
日本人は縄文時代から米を作って貝を取って生きてきました。農耕の民です。植物性のものをたくさん食べるので腸も長めです。少ないカロリーを上手に使って暮らしてきたのでエネルギーを節約して使うための仕組み(節約遺伝子または倹約遺伝子)がよく発達したのだろうといわれています。
いっぽう欧米人は狩の民です。動物性の蛋白と脂肪を摂り、獣を追ってエネルギーのもと(食物)を手にいれます。だから日本人よりも腸も短いようだし、一時に大量の食物を食べてもたくさんのインスリンが湧き出して、エネルギーの流れを調節します。
日本が最近の30年でどう変わったか?マックのハンバーガーは子供たちの大好きな昼食です。コーラは大きなペットボトルで大安売りです。牛乳も200mlのビンでなく1リットルのパックです。寿司もビフテキもバナナもチョコレートもご馳走ではなく、毎日のありふれた食べ物になってしまいました。
そうなんです、うさぎ型の体をもつ日本人が、ライオン型の体の欧米人の食べ物を食べるようになったのです。そのために隠れていた“インスリンの出が減りやすい”日本人の体質がもろにあらわれるようになったのがいまの日本の“糖尿病大流行”の原因だ、と考えられています。伝統的な日本の食生活で守られていた健康が急激な食生活の欧米化についていけずに破綻したのです。
いまのままいくと日本では2030年くらいまで糖尿病は増え続けるだろう、という推測があります。日々の暮らしを見直して、日本人の体質に無理のない暮らしを考えてみたいものだ、と思います。
“インスリンが足りない”という糖尿病の起こりかたの意味をもう一度考えてみます。
ものが足りなくなるのには二つのことがあるといえます。つまり、作られる量が少ないことと、必要な量が多くなることです。インスリンは体の中でたくさんつくられているのにそれ以上にインスリンの必要量が増えて足りなくなる糖尿病があります(この場合をインスリン抵抗性が強いといいます)。それに対してインスリンが少ししかつくられないために糖尿病になることもあります(インスリン欠乏とよびます)。
とても太った欧米の糖尿病はインスリン抵抗性の強い人が多いのに対して、小柄で欧米人ほど太れない日本人の糖尿病はインスリン欠乏の度合いが大きいようです。
ものが足りなくなるのには二つのことがあるといえます。つまり、作られる量が少ないことと、必要な量が多くなることです。インスリンは体の中でたくさんつくられているのにそれ以上にインスリンの必要量が増えて足りなくなる糖尿病があります(この場合をインスリン抵抗性が強いといいます)。それに対してインスリンが少ししかつくられないために糖尿病になることもあります(インスリン欠乏とよびます)。
とても太った欧米の糖尿病はインスリン抵抗性の強い人が多いのに対して、小柄で欧米人ほど太れない日本人の糖尿病はインスリン欠乏の度合いが大きいようです。
インスリンってどういうものか、ちょっと考えてみます。
インスリンは胃袋の後ろにある膵臓にあるランゲルハンス島と名づけられた細胞でつくられています。食べた食物が消化され小腸から吸収されて血糖が上がるとこのランゲルハンス島のβ細胞に信号が送られます。この信号に応じてインスリンがβ細胞から血の中に出てくるのですが、ふだんインスリンはごくちょろちょろと流れていて、何か食べて血糖が上がると急速に大量のインスリンが血の中に湧き出す、 という2種類の出方をしています。これはβ細胞がインスリンを作ってはため込んでいてふだんちょろちょろ、ここぞという時どかっとだす力をもっている、ということです。日本人の糖尿病の多くは、このちょろちょろはだせるのですが、どかっと出す勢いが悪くなってきて糖尿病がはじまる、といわれています。
糖尿病が悪い状態(血糖は空腹時で60から100mg/dl、食後で200mg/dlを超えないのが正常ですがいつも200mg/dlを超すような時)が続くとβ細胞は疲れてきて、だんだんインスリンをつくる力を落としてきます。こうして糖尿病自体が適切な治療をしないことで、さらに重度の糖尿病に進展していくことになります。
インスリンは胃袋の後ろにある膵臓にあるランゲルハンス島と名づけられた細胞でつくられています。食べた食物が消化され小腸から吸収されて血糖が上がるとこのランゲルハンス島のβ細胞に信号が送られます。この信号に応じてインスリンがβ細胞から血の中に出てくるのですが、ふだんインスリンはごくちょろちょろと流れていて、何か食べて血糖が上がると急速に大量のインスリンが血の中に湧き出す、 という2種類の出方をしています。これはβ細胞がインスリンを作ってはため込んでいてふだんちょろちょろ、ここぞという時どかっとだす力をもっている、ということです。日本人の糖尿病の多くは、このちょろちょろはだせるのですが、どかっと出す勢いが悪くなってきて糖尿病がはじまる、といわれています。
糖尿病が悪い状態(血糖は空腹時で60から100mg/dl、食後で200mg/dlを超えないのが正常ですがいつも200mg/dlを超すような時)が続くとβ細胞は疲れてきて、だんだんインスリンをつくる力を落としてきます。こうして糖尿病自体が適切な治療をしないことで、さらに重度の糖尿病に進展していくことになります。
糖尿病とどうしてわかるの?
糖尿病になってインスリンが足りなくなるとまず食後の血糖があがってきます。次いで朝の食事前の血糖(空腹時血糖)も上がってきます。空腹時で126mg/dl以上、随時の血糖で200mg/dl以上あるとまず糖尿病かな?ということになります。
食物を取ると消化し吸収して血糖は次第に上がってきますが、上がった血糖が刺激となって膵臓からインスリンが血の中に湧き出し、肝臓や筋肉にあるぶどう糖の入り口を開いて血中の糖分を流し込み、血糖を下げます。インスリンが足りない、 と血糖が上がりますが同時に肝臓や筋肉にはせっかく取ったエネルギーが入っていかない(糖の利用障害)ということも起こっているのです。
こうしてあがってきた血糖が170から180mg/dlを超すと腎臓で尿に溢れ出してこぼれてきます。これが尿糖です。
糖尿病すなわちおしっこに糖のでる病気、という気がしますが、実は尿の中の糖分というのはインスリンが足りないために上がった血糖がこぼれだしたもの、というだけのことですから、空腹時に150mg/dlとしっかり血糖が上がっていても尿糖が出ていないこともあります。 尿糖は糖尿病の症状のごく一部分で本質的な症状ではありません 。
糖尿病で起こる症状をふたつに分けて考えてみます。
ひとつはインスリン不足のために起こってくる高血糖の直接の症状です。もうひとつは長い間高血糖にさらされているため、体の中のいろんなところが糖分に浸された結果起きてくる症状(合併症)です。
食物を取ると消化し吸収して血糖は次第に上がってきますが、上がった血糖が刺激となって膵臓からインスリンが血の中に湧き出し、肝臓や筋肉にあるぶどう糖の入り口を開いて血中の糖分を流し込み、血糖を下げます。インスリンが足りない、 と血糖が上がりますが同時に肝臓や筋肉にはせっかく取ったエネルギーが入っていかない(糖の利用障害)ということも起こっているのです。
こうしてあがってきた血糖が170から180mg/dlを超すと腎臓で尿に溢れ出してこぼれてきます。これが尿糖です。
糖尿病すなわちおしっこに糖のでる病気、という気がしますが、実は尿の中の糖分というのはインスリンが足りないために上がった血糖がこぼれだしたもの、というだけのことですから、空腹時に150mg/dlとしっかり血糖が上がっていても尿糖が出ていないこともあります。 尿糖は糖尿病の症状のごく一部分で本質的な症状ではありません 。
糖尿病で起こる症状をふたつに分けて考えてみます。
ひとつはインスリン不足のために起こってくる高血糖の直接の症状です。もうひとつは長い間高血糖にさらされているため、体の中のいろんなところが糖分に浸された結果起きてくる症状(合併症)です。
高血糖の症状
のどが乾く(口が乾くのではなく水分を飲みたいという渇き)、ともかくよく水分を取る、尿の回数、量が増える(夜間は特に目立つので気付きやすいと思います)、食欲があるのに痩せていく(癌を心配して来られる方もいます)、体がだるい、疲れ やすい、
合併症の症状
眼が見えにくい、視力が落ちた、手足のしびれ(手より足に強く左右対称がふつう)、体がかゆい(特に陰部のかゆみ)、排尿障害、勃起不全、下肢の浮腫、などがあげられます。
糖尿病の診断は高血糖の症状があって実際の血糖が正常よりも高ければそれでついてしまいます。もし血糖が高くなくて糖尿病が疑わしい時に糖負荷試験というのをします。
これは75gのぶどう糖を飲んで30分、60分、120分と、血糖の上がりかたをみる検査です。通常血糖を取る時、尿糖のチェックと血中のインスリン濃度の測定も同時に行います。負荷前で126mg/dl,120分で200mg/dlを超えていたら糖尿病型と診断します。
同時に測ったインスリンの出方をみて、インスリンの出の悪い糖尿病(インスリン欠乏型)か、インスリンのよくでている糖尿病(インスリン抵抗性)か、とか、インスリンのでるタイミングの遅れなどを判定、治療方針に役立てます。
糖負荷試験は糖尿病の人が普段制限している糖分を一時に多量にとって反応をみる、という検査です。すでに血糖が200mg/dlを超えて高い方にする必要はありません。また、前日は普通に食事をしておかないと翌朝の検査で異常な反応が出やすくなります。
検査には2時間あまりかかりますが、検査中は飲食せずに静かにすごしてください。
これは75gのぶどう糖を飲んで30分、60分、120分と、血糖の上がりかたをみる検査です。通常血糖を取る時、尿糖のチェックと血中のインスリン濃度の測定も同時に行います。負荷前で126mg/dl,120分で200mg/dlを超えていたら糖尿病型と診断します。
同時に測ったインスリンの出方をみて、インスリンの出の悪い糖尿病(インスリン欠乏型)か、インスリンのよくでている糖尿病(インスリン抵抗性)か、とか、インスリンのでるタイミングの遅れなどを判定、治療方針に役立てます。
糖負荷試験は糖尿病の人が普段制限している糖分を一時に多量にとって反応をみる、という検査です。すでに血糖が200mg/dlを超えて高い方にする必要はありません。また、前日は普通に食事をしておかないと翌朝の検査で異常な反応が出やすくなります。
検査には2時間あまりかかりますが、検査中は飲食せずに静かにすごしてください。
眼の検査
たとえ血糖が正常でなにも症状がなくても、眼科で眼底検査を受けて、糖尿病網膜症が悪いですよ、といわれたら、間違いなく相当年季いりの糖尿病である、といえます。
糖尿病の合併症の代表である糖尿病網膜症は、眼底の血管の変化をいいます。眼底は いつでも繰り返し、危険なく検査のできる場所です。ここにその人ひとりひとりの糖尿病の経歴が刻み込まれている、と考えればわかりやすいか、と思います。
糖尿病はじっくり悪くなっていくと、まったく自覚症状なくすぎます。その過去の時間の高血糖が体に及ぼした影響を記録しているのが糖尿病網膜症です。
ですから糖尿病といわれたら、必ず眼科を受診して、自分の気づかない過去に糖尿病がなかったかどうか、眼底検査を受けておく、というのはとても大切なことです。
糖尿病の合併症の代表である糖尿病網膜症は、眼底の血管の変化をいいます。眼底は いつでも繰り返し、危険なく検査のできる場所です。ここにその人ひとりひとりの糖尿病の経歴が刻み込まれている、と考えればわかりやすいか、と思います。
糖尿病はじっくり悪くなっていくと、まったく自覚症状なくすぎます。その過去の時間の高血糖が体に及ぼした影響を記録しているのが糖尿病網膜症です。
ですから糖尿病といわれたら、必ず眼科を受診して、自分の気づかない過去に糖尿病がなかったかどうか、眼底検査を受けておく、というのはとても大切なことです。
糖尿病だと何がおきるの?
糖尿病になってインスリンが足りなくなると血糖が上がります。口渇、多飲、多尿、体重減少、全身倦怠、といった自覚症状は糖尿病の悪化がゆっくりだと本当に感じないようです。特に痛くも苦しくもない糖尿病がなぜ、それほどに怖がられるのでしょうか?
●急性合併症
糖尿病になると本人には症状がなくても体にはいろんなことが起きてきます。
インスリンが足りなくて血糖が上がること自体から直接起こってくる特別な状況を急性合併症とよびます。
急性合併症には、(1)糖尿病性ケトアシドーシスと(2)非ケトン性高浸透圧性昏睡と呼ばれるものとがあります。どちらも放置すると意識をなくして命に関わる事態になります。
糖尿病になると本人には症状がなくても体にはいろんなことが起きてきます。
インスリンが足りなくて血糖が上がること自体から直接起こってくる特別な状況を急性合併症とよびます。
急性合併症には、(1)糖尿病性ケトアシドーシスと(2)非ケトン性高浸透圧性昏睡と呼ばれるものとがあります。どちらも放置すると意識をなくして命に関わる事態になります。
(1)糖尿病性ケトアシドーシス
これはインスリンがつくれなくて糖尿病になった1型糖尿病の方に起こりやすい急性合併症です。インスリンがとことん足りないと、人はぶどう糖をエネルギー源として利用できずに脂肪を燃やしてエネルギーを出します。 ぶどう糖はエネルギーを出すと水と二酸化炭素になってしまいますが、脂肪はケトンというかすを残します、このケトンが血に溶けると血液が酸性になって体に害を及ぼします。
多くは1型糖尿病の人で、体調を崩してインスリンが思うように打てない時に体がだるくなって、ぼんやりしてきたり、人が変わったような言動をとる時は要注意です。
すぐにかかりつけの医師に相談してください。点滴で水分を補充しながらインスリンをしっかりきかせると、初期なら比較的簡単になおります。
これはインスリンがつくれなくて糖尿病になった1型糖尿病の方に起こりやすい急性合併症です。インスリンがとことん足りないと、人はぶどう糖をエネルギー源として利用できずに脂肪を燃やしてエネルギーを出します。 ぶどう糖はエネルギーを出すと水と二酸化炭素になってしまいますが、脂肪はケトンというかすを残します、このケトンが血に溶けると血液が酸性になって体に害を及ぼします。
多くは1型糖尿病の人で、体調を崩してインスリンが思うように打てない時に体がだるくなって、ぼんやりしてきたり、人が変わったような言動をとる時は要注意です。
すぐにかかりつけの医師に相談してください。点滴で水分を補充しながらインスリンをしっかりきかせると、初期なら比較的簡単になおります。
(2)非ケトン性高浸透圧性昏睡
これは(1)と違って比較的高齢の長い糖尿病の経過のある方によく起こります。やはり体調を崩して血糖がどんどん上がってしまって、脱水になり、腎臓の働きが落ちて、血液が濃縮してしまったために意識が落ちてきます。
高齢で腎臓が少し弱ってきた糖尿病の方が熱をだして食欲がないとき、いつもに比べてやけに喉が渇いた、と訴えて,ぐったりしてきたら、要注意です。すぐに医師に相談してください。点滴で水分をしっかり補充しながら、熱の原因を調べて、徹底的に治す必要があります。
これは(1)と違って比較的高齢の長い糖尿病の経過のある方によく起こります。やはり体調を崩して血糖がどんどん上がってしまって、脱水になり、腎臓の働きが落ちて、血液が濃縮してしまったために意識が落ちてきます。
高齢で腎臓が少し弱ってきた糖尿病の方が熱をだして食欲がないとき、いつもに比べてやけに喉が渇いた、と訴えて,ぐったりしてきたら、要注意です。すぐに医師に相談してください。点滴で水分をしっかり補充しながら、熱の原因を調べて、徹底的に治す必要があります。
●慢性合併症
症状のない糖尿病でも長い年月がたつと体中に変化が起きてくることがあります。5年10年20年という歳月で起きてくる状態を慢性合併症とよびます。
慢性合併症には大きくわけてふたつあります。ひとつは糖尿病にしか起こらない、といわれている細い血管が詰まっていく状態(細小血管症)と、もうひとつは比較的太い血管の詰まり(動脈硬化)です。
細小血管症には網膜症(眼)と腎症と神経障害があります。
血糖の高さ加減(コントロール状態)と糖尿病になってからの時間と遺伝体質(眼とか腎臓とかの合併症がおきやすい糖尿病とおきにくい糖尿病とがある)の3つの要素ですすみます。
糖尿病網膜症は眼底の網膜(スクリーンにあたる)の血管が詰まってきてそのために眼底出血を起こすことから始まります。最初は少々出血していても自然に吸収されて視力には影響を及ぼしません。大きな出血をおこしたり、血管が詰まってしまうと新生血管ができて薄い網膜の中から硝子体とよぶ眼の球の方へ病気が広がってきます。
するとちょっとした衝撃(せき込みやいきみ)で大出血が起こり眼がいっぺんに見えなくなります。
この10年ほどで糖尿病網膜症の治療はとても進歩しました。内科と眼科の定期的なチェックを受けて、必要な治療をしていれば失明することはほとんど防ぐことができます。つまりここぞ、という時、光凝固や硝子体手術、という眼科の治療を受けることで、最悪の事態は防げるのです。(それでも年間3000人の人が糖尿病から視力をなくしています)
網膜症を防ぐのは血糖のコントロールです。でも自分ではわからない間にあがっていることもあります。眼はよく見えていても糖尿病といわれたら必ず年1回は眼科で眼底検査をうけましょう。
糖尿病腎症は腎臓の糸球体とよぶ血管の塊をつくる細い血管が詰まってくる病気です。まず尿に蛋白が出るようになります。次第に蛋白の量が増えて足が浮いたり、顔が腫れたりがひどくなって胸に水が溜まることもあります。腫れがひどくならないで、腎臓の働きが落ちて尿毒症になっていく場合もあります。日本では毎年10,000人を超す人が糖尿病から人工腎臓による治療を受けるようになっていっています。
糖尿病の人の尿検査は糖が出ているか、よりも蛋白は大丈夫か、というチェックの方が重要です。
腎臓病の進行を止めるには糖尿病のコントロールと血圧のコントロールが同じくらい大切です。食事療法も悪化を防ぐためにはとても重要ですが難しいのは、腎臓の負担にならない食事(低蛋白食)は一見、糖尿病食とは反対に見える食事療法だ、ということです。
糖尿病の病歴が長く、すでに尿に蛋白がしっかり出ている時は、どんな食事がいいのか、栄養士さんにしっかり聞いてください。糖尿病が悪い時はインスリンで改善させることができますが、腎臓が悪くなったら人工腎臓が必要になります。ここは腎臓をしっかり守って、もし血糖があがるようならインスリンをうちましょう。
糖尿病神経障害は糖尿病の初期から多彩な症状を起こします。
ふつう足の先のしびれから気になり始め、ひどくなると手にもでてきます。左右対称が普通です。夜にじんじんする人もいます。痛みに鈍くなって靴擦れや水虫から潰瘍をつくることもあるので、しびれがでてきたら足先はよくみて大切にしてください。
自律神経障害もいろいろに出てきます。汗をよくかく、逆に汗をかかない、たちくらみ、下痢などいろいろ起こります。男性の勃起不全は有名ですが、糖尿病といわれたショックから、という心理的なものもあるので、ひとりで悩まないで相談してください。
長くほっておいた糖尿病の治療を始めてちょうどよくなってきた頃、神経障害の痛みが強くなることがよくあります。特にアルコールを飲む方で強いように思います。この痛みは高い血糖に慣れていた神経が新しい状況に適応できずに起こしてくるようです。じっくり数ヶ月我慢の子で過ごしてください。必ず落ち着いてきます。 痛みのために治療を辞めてしまうと一時、痛みはなくなりますが、結局よくなりません。ひとつ山を超す、そんな気持ちで治療を続けることが必要と思います。
症状のない糖尿病でも長い年月がたつと体中に変化が起きてくることがあります。5年10年20年という歳月で起きてくる状態を慢性合併症とよびます。
慢性合併症には大きくわけてふたつあります。ひとつは糖尿病にしか起こらない、といわれている細い血管が詰まっていく状態(細小血管症)と、もうひとつは比較的太い血管の詰まり(動脈硬化)です。
細小血管症には網膜症(眼)と腎症と神経障害があります。
血糖の高さ加減(コントロール状態)と糖尿病になってからの時間と遺伝体質(眼とか腎臓とかの合併症がおきやすい糖尿病とおきにくい糖尿病とがある)の3つの要素ですすみます。
糖尿病網膜症は眼底の網膜(スクリーンにあたる)の血管が詰まってきてそのために眼底出血を起こすことから始まります。最初は少々出血していても自然に吸収されて視力には影響を及ぼしません。大きな出血をおこしたり、血管が詰まってしまうと新生血管ができて薄い網膜の中から硝子体とよぶ眼の球の方へ病気が広がってきます。
するとちょっとした衝撃(せき込みやいきみ)で大出血が起こり眼がいっぺんに見えなくなります。
この10年ほどで糖尿病網膜症の治療はとても進歩しました。内科と眼科の定期的なチェックを受けて、必要な治療をしていれば失明することはほとんど防ぐことができます。つまりここぞ、という時、光凝固や硝子体手術、という眼科の治療を受けることで、最悪の事態は防げるのです。(それでも年間3000人の人が糖尿病から視力をなくしています)
網膜症を防ぐのは血糖のコントロールです。でも自分ではわからない間にあがっていることもあります。眼はよく見えていても糖尿病といわれたら必ず年1回は眼科で眼底検査をうけましょう。
糖尿病腎症は腎臓の糸球体とよぶ血管の塊をつくる細い血管が詰まってくる病気です。まず尿に蛋白が出るようになります。次第に蛋白の量が増えて足が浮いたり、顔が腫れたりがひどくなって胸に水が溜まることもあります。腫れがひどくならないで、腎臓の働きが落ちて尿毒症になっていく場合もあります。日本では毎年10,000人を超す人が糖尿病から人工腎臓による治療を受けるようになっていっています。
糖尿病の人の尿検査は糖が出ているか、よりも蛋白は大丈夫か、というチェックの方が重要です。
腎臓病の進行を止めるには糖尿病のコントロールと血圧のコントロールが同じくらい大切です。食事療法も悪化を防ぐためにはとても重要ですが難しいのは、腎臓の負担にならない食事(低蛋白食)は一見、糖尿病食とは反対に見える食事療法だ、ということです。
糖尿病の病歴が長く、すでに尿に蛋白がしっかり出ている時は、どんな食事がいいのか、栄養士さんにしっかり聞いてください。糖尿病が悪い時はインスリンで改善させることができますが、腎臓が悪くなったら人工腎臓が必要になります。ここは腎臓をしっかり守って、もし血糖があがるようならインスリンをうちましょう。
糖尿病神経障害は糖尿病の初期から多彩な症状を起こします。
ふつう足の先のしびれから気になり始め、ひどくなると手にもでてきます。左右対称が普通です。夜にじんじんする人もいます。痛みに鈍くなって靴擦れや水虫から潰瘍をつくることもあるので、しびれがでてきたら足先はよくみて大切にしてください。
自律神経障害もいろいろに出てきます。汗をよくかく、逆に汗をかかない、たちくらみ、下痢などいろいろ起こります。男性の勃起不全は有名ですが、糖尿病といわれたショックから、という心理的なものもあるので、ひとりで悩まないで相談してください。
長くほっておいた糖尿病の治療を始めてちょうどよくなってきた頃、神経障害の痛みが強くなることがよくあります。特にアルコールを飲む方で強いように思います。この痛みは高い血糖に慣れていた神経が新しい状況に適応できずに起こしてくるようです。じっくり数ヶ月我慢の子で過ごしてください。必ず落ち着いてきます。 痛みのために治療を辞めてしまうと一時、痛みはなくなりますが、結局よくなりません。ひとつ山を超す、そんな気持ちで治療を続けることが必要と思います。
●動脈硬化(大血管障害)
動脈硬化は誰でも起こしますが、糖尿病があると早く進むようです。細小血管症は様々の障害を引き起こして糖尿病の方の生活の質を落としますが、大血管障害は脳梗塞、心筋梗塞、足の壊疽の原因となり、直接死因と結びついています。
糖尿病のある方の動脈硬化は糖尿病の程度とは一致せずに進みます。血糖が高いことそのものよりも、糖尿病があることに加えて、高血圧、高脂血症、肥満、喫煙などたくさんの因子と重なることでどんどん悪化するようです。糖尿病があったら、禁煙はもちろんですが、血圧管理、脂質管理にも積極的に取り組んで、元気な体つくりをめざしましょう。
糖尿病の合併症としての動脈硬化性疾患の特徴は症状が軽いということでしょうか。小さな発作を何回も繰り返す方や、胸痛のない心筋梗塞など有名です。ちょっとおかしいとおもったら早めに検査を受けて、早期治療に結びつけましょう。
動脈硬化は誰でも起こしますが、糖尿病があると早く進むようです。細小血管症は様々の障害を引き起こして糖尿病の方の生活の質を落としますが、大血管障害は脳梗塞、心筋梗塞、足の壊疽の原因となり、直接死因と結びついています。
糖尿病のある方の動脈硬化は糖尿病の程度とは一致せずに進みます。血糖が高いことそのものよりも、糖尿病があることに加えて、高血圧、高脂血症、肥満、喫煙などたくさんの因子と重なることでどんどん悪化するようです。糖尿病があったら、禁煙はもちろんですが、血圧管理、脂質管理にも積極的に取り組んで、元気な体つくりをめざしましょう。
糖尿病の合併症としての動脈硬化性疾患の特徴は症状が軽いということでしょうか。小さな発作を何回も繰り返す方や、胸痛のない心筋梗塞など有名です。ちょっとおかしいとおもったら早めに検査を受けて、早期治療に結びつけましょう。
●その他に
糖尿病があると尿にも汗にも糖がでています。ばい菌にはとてもよい環境です。だから尿路感染や皮膚の感染症(白癬など)が多くなります。結核に代表される慢性の感染症も糖尿病では増えます。
ばね指のような腱鞘炎も糖尿病があると長びいたり繰り返したりが多いようです。
糖尿病は体中にいろんな影響がでます。糖尿病があってほかに病気が起こってくると血糖もさらに上がりやすくなって、どんどん悪循環になっていきます。糖尿病のある方は体に変わったことがあったら遠慮せずに主治医の相談して早めの解決をしてください。
糖尿病があると尿にも汗にも糖がでています。ばい菌にはとてもよい環境です。だから尿路感染や皮膚の感染症(白癬など)が多くなります。結核に代表される慢性の感染症も糖尿病では増えます。
ばね指のような腱鞘炎も糖尿病があると長びいたり繰り返したりが多いようです。
糖尿病は体中にいろんな影響がでます。糖尿病があってほかに病気が起こってくると血糖もさらに上がりやすくなって、どんどん悪循環になっていきます。糖尿病のある方は体に変わったことがあったら遠慮せずに主治医の相談して早めの解決をしてください。
糖尿病と食べ物
「おいしく召し上がってますか?」「はあ、おいしすぎて、もうちょっと食欲がなかったらええのに」
こんな会話が診察室では毎日繰り返されています。
あなたはいかがですか?
食欲旺盛でなんでもおいしく食べられるからこそ、糖尿病の食事療法がうまくいく、って、いま、ここで頭を切り替えてください。
糖尿病は決して食べ過ぎだけで起こる異常ではありません。
糖尿病はインスリンが足りないためにせっかく食べた食物がエネルギーとしてうまく利用できずに、血糖が上昇してしまう異常です。ということは、自分のインスリンの出方になるべく無理がかからないように食べましょう、ということであって食べてはいけないのではありません。
糖尿病の方がしてはいけないのは「食べだめ」です。たくさん食べるとインスリンが大量に必要となり、インスリンがさらに足りなくなり、利用できないエネルギーが血糖をあげ、 尿糖となって体からこぼれていきます。食べ過ぎたからと次の食事を抜くと、インスリンが足りない糖尿病の人はエネルギーをため込んでいないので、すぐにエネルギーの欠乏をきたします。
現代人の16時間あまりを起きて過ごす暮らしの中ではやはり3食をほぼ均等に食べるリズムが理想的です。
「腹八分で医者いらず」です。糖尿病の食事療法の基本は 今日使うエネルギー分を今日食べる(3食で)ことです。生きるためのエネルギー(基礎代謝)と活動(および運動)で使うエネルギーが今日食べてよいエネルギーだ、と思ってください。
このエネルギーの概算は 軽作業の人で標準体重1kgあたり25キロカロリーがめやすです。これに労働や運動で使うエネルギーをたして考えてみてください。60kgの男性が早足歩き(1分間80m)で約20分歩いて80キロカロリーを使います。
これはごはん50gのカロリーに相当します。
実際の日常生活で細かくカロリー計算を必要とする糖尿病の方はそれほど多くはありません。3食をきっちり摂ること、毎食に主食(ごはん、パン、麺等)、主菜(蛋白質のもの)、副菜(野菜類)があることが基本です。
こつは主食の量、蛋白質の量をだいたいきめておくこと、あとは野菜、きのこ、海草を工夫しておなかいっぱいたべること、です。食事で満腹感を得ることは、間食をしないために大切です。もうひとこと付け加えるなら、カラフルな彩りのいい食事は栄養バランスもいいので、糖尿病にもいい食事です。
気がつかずにいつのまにか食べて(飲んで)しまう食べ物が糖尿病には一番こわいです。ジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、ピーナッツ、おかき、菓子パン、くだもの、…
おやつも決して食べてはいけないものではありません。時間を決めてお皿にのせて楽しくたべましょう。自分のおやつの取り方が自分の血糖コントロールにどうなのか、は一度主治医にお聞きください。
糖尿病のある人こそ、料理やおやつ作りに凝ってみてください。こんな工夫をしたら、糖尿病を悪くせずに楽しんでたべられますよ、という経験をみんなで交流したいものです。
アルコールは糖尿病の男性の多くの方が悩んでおられることではないかと思います。
膵臓、肝臓の病気がない方は飲んでもいい、と考えています。
ただし、飲酒で食事内容があまり変わらない飲みかたです。つまりおつまみで食べ物が増えたり、逆に飲むことで食べない、という飲み方は落第です。 いつもの夕食をおいしく食べて気分を変える食前酒としてのアルコール(ビール500ml、日本酒なら7杓くらいまで)なら大丈夫です。飲みだしたらそれでは止まらない、という方はふだんは遠慮しておく方が無事かもしれません。
おなかいっぱい食べても大丈夫な糖尿病食の試食会を兼ねた糖尿病教室を開催しています。興味のある方は糖尿病教室へお越しください。
こんな会話が診察室では毎日繰り返されています。
あなたはいかがですか?
食欲旺盛でなんでもおいしく食べられるからこそ、糖尿病の食事療法がうまくいく、って、いま、ここで頭を切り替えてください。
糖尿病は決して食べ過ぎだけで起こる異常ではありません。
糖尿病はインスリンが足りないためにせっかく食べた食物がエネルギーとしてうまく利用できずに、血糖が上昇してしまう異常です。ということは、自分のインスリンの出方になるべく無理がかからないように食べましょう、ということであって食べてはいけないのではありません。
糖尿病の方がしてはいけないのは「食べだめ」です。たくさん食べるとインスリンが大量に必要となり、インスリンがさらに足りなくなり、利用できないエネルギーが血糖をあげ、 尿糖となって体からこぼれていきます。食べ過ぎたからと次の食事を抜くと、インスリンが足りない糖尿病の人はエネルギーをため込んでいないので、すぐにエネルギーの欠乏をきたします。
現代人の16時間あまりを起きて過ごす暮らしの中ではやはり3食をほぼ均等に食べるリズムが理想的です。
「腹八分で医者いらず」です。糖尿病の食事療法の基本は 今日使うエネルギー分を今日食べる(3食で)ことです。生きるためのエネルギー(基礎代謝)と活動(および運動)で使うエネルギーが今日食べてよいエネルギーだ、と思ってください。
このエネルギーの概算は 軽作業の人で標準体重1kgあたり25キロカロリーがめやすです。これに労働や運動で使うエネルギーをたして考えてみてください。60kgの男性が早足歩き(1分間80m)で約20分歩いて80キロカロリーを使います。
これはごはん50gのカロリーに相当します。
実際の日常生活で細かくカロリー計算を必要とする糖尿病の方はそれほど多くはありません。3食をきっちり摂ること、毎食に主食(ごはん、パン、麺等)、主菜(蛋白質のもの)、副菜(野菜類)があることが基本です。
こつは主食の量、蛋白質の量をだいたいきめておくこと、あとは野菜、きのこ、海草を工夫しておなかいっぱいたべること、です。食事で満腹感を得ることは、間食をしないために大切です。もうひとこと付け加えるなら、カラフルな彩りのいい食事は栄養バランスもいいので、糖尿病にもいい食事です。
気がつかずにいつのまにか食べて(飲んで)しまう食べ物が糖尿病には一番こわいです。ジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、ピーナッツ、おかき、菓子パン、くだもの、…
おやつも決して食べてはいけないものではありません。時間を決めてお皿にのせて楽しくたべましょう。自分のおやつの取り方が自分の血糖コントロールにどうなのか、は一度主治医にお聞きください。
糖尿病のある人こそ、料理やおやつ作りに凝ってみてください。こんな工夫をしたら、糖尿病を悪くせずに楽しんでたべられますよ、という経験をみんなで交流したいものです。
アルコールは糖尿病の男性の多くの方が悩んでおられることではないかと思います。
膵臓、肝臓の病気がない方は飲んでもいい、と考えています。
ただし、飲酒で食事内容があまり変わらない飲みかたです。つまりおつまみで食べ物が増えたり、逆に飲むことで食べない、という飲み方は落第です。 いつもの夕食をおいしく食べて気分を変える食前酒としてのアルコール(ビール500ml、日本酒なら7杓くらいまで)なら大丈夫です。飲みだしたらそれでは止まらない、という方はふだんは遠慮しておく方が無事かもしれません。
おなかいっぱい食べても大丈夫な糖尿病食の試食会を兼ねた糖尿病教室を開催しています。興味のある方は糖尿病教室へお越しください。
糖尿病に睡眠と休養が大切なわけ
「寝るのは何時ですか?」
新しい患者さんにはまずお伺いします。
「日付が変わるまでに寝てくださいね」
いつ、どのように眠るか?このことって血糖にはずいぶん影響があります。
人はもともと昼行性の生き物です。灯かりがないと活動できず、暗い時間は休んでいた筈です。何千年という歴史時代、いやついこの間まで、 夜灯かりをともして活動することは特別なことでした。遠慮なくいつまでも灯かりの中で暮らしているいまという時代、人は随分不自然に生きている、と思いませんか。
人の体は12時から3時にぐっすりと眠ることで、朝の5時に一番血糖を下げた状態、つまり原点にもどり、5時を過ぎるとお陽さまがあがるにつれて、何も食べなくても血糖は上がってきます。 だから夜よく寝ておかないと原点調整ができないまま、次の日を始めてしまい、高め調整の一日になり易いと考えます。
12時を過ぎると変にハイになって、かえって寝つけなかったり、やけにおしゃべりになったり、無性にいろんなことが浮かんできませんか?
本来よく寝るべき時間に起きているため、神経が過敏になっているといえます。こんな時間にした仕事はよくはかどったつもりでも、実際はそれほど進んでいないものです。(受験勉強を思い出してください)
たくさん仕事を抱えていて夜なべをしたい時はむしろ10時に寝て5時に起きましょう。朝の時間がうまく使える人になりたいものですね。
絶対絶命の今夜の仕事、とか、久しぶりの家族との一夜、なんて特別の日はいいですよ、でも習慣で午前様になるのはやめましょう。
新しい患者さんにはまずお伺いします。
「日付が変わるまでに寝てくださいね」
いつ、どのように眠るか?このことって血糖にはずいぶん影響があります。
人はもともと昼行性の生き物です。灯かりがないと活動できず、暗い時間は休んでいた筈です。何千年という歴史時代、いやついこの間まで、 夜灯かりをともして活動することは特別なことでした。遠慮なくいつまでも灯かりの中で暮らしているいまという時代、人は随分不自然に生きている、と思いませんか。
人の体は12時から3時にぐっすりと眠ることで、朝の5時に一番血糖を下げた状態、つまり原点にもどり、5時を過ぎるとお陽さまがあがるにつれて、何も食べなくても血糖は上がってきます。 だから夜よく寝ておかないと原点調整ができないまま、次の日を始めてしまい、高め調整の一日になり易いと考えます。
12時を過ぎると変にハイになって、かえって寝つけなかったり、やけにおしゃべりになったり、無性にいろんなことが浮かんできませんか?
本来よく寝るべき時間に起きているため、神経が過敏になっているといえます。こんな時間にした仕事はよくはかどったつもりでも、実際はそれほど進んでいないものです。(受験勉強を思い出してください)
たくさん仕事を抱えていて夜なべをしたい時はむしろ10時に寝て5時に起きましょう。朝の時間がうまく使える人になりたいものですね。
絶対絶命の今夜の仕事、とか、久しぶりの家族との一夜、なんて特別の日はいいですよ、でも習慣で午前様になるのはやめましょう。
一晩寝足りない、とか、今日は疲れている、くらいなら人は大丈夫です。
でも、睡眠不足が続いたり、疲れが溜まってくると、せっかく運動しても血糖はうまく下がりません。動く活力や物事をする集中力そのものも落ちてきますよね。
糖尿病の血糖を下げること、は長い生活の中で継続していく課題です。今日一日よくても明日への見通しがなくては困ります。
継続する療養に、過労は敵です。
おいしく食べる、心地よく運動する、そのふたつが血糖を下げます。
睡眠不足の重い体では効果的な運動はできません。毎日の運動で体中に疲れが溜まっている日は軽いストレッチですましておいた方が効果的です。過労を押して運動する ことは怪我のもとです。
糖尿病の運動療法に取り組む人の中にやり過ぎで足を傷める人が随分いるといわれています。やり過ぎの害、過ぎたるは及ばざるが如しです。
くどいですが糖尿病の療養は継続です。続かないような無理は何より禁物、自分の体と心の疲れをキャッチするように、ちゃんとアンテナをたてて、疲れ過ぎない糖尿病のある暮らしかた、工夫してください。
休養をとること、と怠けること、とは違います。堂々と休養をとりましょう。
でも、睡眠不足が続いたり、疲れが溜まってくると、せっかく運動しても血糖はうまく下がりません。動く活力や物事をする集中力そのものも落ちてきますよね。
糖尿病の血糖を下げること、は長い生活の中で継続していく課題です。今日一日よくても明日への見通しがなくては困ります。
継続する療養に、過労は敵です。
おいしく食べる、心地よく運動する、そのふたつが血糖を下げます。
睡眠不足の重い体では効果的な運動はできません。毎日の運動で体中に疲れが溜まっている日は軽いストレッチですましておいた方が効果的です。過労を押して運動する ことは怪我のもとです。
糖尿病の運動療法に取り組む人の中にやり過ぎで足を傷める人が随分いるといわれています。やり過ぎの害、過ぎたるは及ばざるが如しです。
くどいですが糖尿病の療養は継続です。続かないような無理は何より禁物、自分の体と心の疲れをキャッチするように、ちゃんとアンテナをたてて、疲れ過ぎない糖尿病のある暮らしかた、工夫してください。
休養をとること、と怠けること、とは違います。堂々と休養をとりましょう。
糖尿病をよくする運動のしかた
糖尿病、といえば食事と運動、そんな分かりきったことを、とお思いではないですか?でもちょっと待ってください。けっこう難しいんですよ、運動でなぜ糖尿病がよくなるか?は。
体を動かすとエネルギーを使うので、血糖は下がります。食後30分頃からの血糖の上昇をおさえるには、まず体を動かすこと、これはいえます。でも運動したから、と、エネルギーのあるものを飲み食いすると逆効果です。 (体重60kgの人がショートケーキ1個(100g)のエネルギー量(350キロカロリー)を消費するには分速60mで約110分の歩行が必要です) ウオーキング、エアロビクス、ジョギング、水泳などの有酸素運動(息を止めずに少し汗ばむ強さで続けられる運動)の持続はさらに有効です。約20分で体内のブドウ糖がエネルギー源として使われ、その後から脂肪がエネルギー源として使われ出すので脂肪を落として体をひきしめ肥満からの糖尿病の改善に役立ちます。
さらにダンベル体操などの無酸素運動(息をつめて瞬間的にエネルギーを使う運動)も消費エネルギーは少ないのですが、筋肉量を増やして、体の基礎代謝を増やすことで、インスリンの効きやすい体つくりに役立ちます。
さらにダンベル体操などの無酸素運動(息をつめて瞬間的にエネルギーを使う運動)も消費エネルギーは少ないのですが、筋肉量を増やして、体の基礎代謝を増やすことで、インスリンの効きやすい体つくりに役立ちます。
体を動かして今の血糖を下げること
30分以上動き込むことで代謝をよくして体を引き締めること
筋肉量を増やして糖尿病に強い体に作り変えること
30分以上動き込むことで代謝をよくして体を引き締めること
筋肉量を増やして糖尿病に強い体に作り変えること
どんな運動をなにを目的に取り組んでいるのか、考えながらしてみましょう。
さて実際にどこから始めますか?
運動をする時の注意があります。
一つめ 1型糖尿病は運動療法で糖尿病のコントロールは改善しません。1型はインスリンの不足だけです。インスリン治療が大切ですので、インスリンをうっての運動は低血糖に注意が必要です。1型の運動療法の意味は私が運動をして体を鍛えておかないと、年と共につらくなってくるのと同じです。楽しみと体つくりのために低血糖に注意しながら運動をしてください。
二つめ 2型糖尿病は運動によってインスリン抵抗性が改善して大きく改善する人がたくさんいます。でも合併症がある時は気をつけてください。
糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病診療障害、心臓病、足の血管閉塞…
糖尿病の病気が長い方はご自分の運動療法のやり方について必ず主治医にご相談ください。それぞれの体にあわせた運動療法があります。
三つめ 体調の悪い時は無理をしないことです。糖尿病の運動療法は長く継続しないと意味がありません。運動を始めて本当に効果がでるにはまず3ヶ月と思ってください。ということは3ヶ月は続く運動が必要です。食事が腹八分なら運動も八分か六分でいいから、継続できること。しっかり3日頑張れたら、一日休養、というペースで週に4から5回を目標にしましょう。
一つめ 1型糖尿病は運動療法で糖尿病のコントロールは改善しません。1型はインスリンの不足だけです。インスリン治療が大切ですので、インスリンをうっての運動は低血糖に注意が必要です。1型の運動療法の意味は私が運動をして体を鍛えておかないと、年と共につらくなってくるのと同じです。楽しみと体つくりのために低血糖に注意しながら運動をしてください。
二つめ 2型糖尿病は運動によってインスリン抵抗性が改善して大きく改善する人がたくさんいます。でも合併症がある時は気をつけてください。
糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病診療障害、心臓病、足の血管閉塞…
糖尿病の病気が長い方はご自分の運動療法のやり方について必ず主治医にご相談ください。それぞれの体にあわせた運動療法があります。
三つめ 体調の悪い時は無理をしないことです。糖尿病の運動療法は長く継続しないと意味がありません。運動を始めて本当に効果がでるにはまず3ヶ月と思ってください。ということは3ヶ月は続く運動が必要です。食事が腹八分なら運動も八分か六分でいいから、継続できること。しっかり3日頑張れたら、一日休養、というペースで週に4から5回を目標にしましょう。
運動療法が続く方の秘訣をうかがうと
仲間がいる
楽しい
習慣になってしまってやらないと気持ちがわるい
などの声が返ってきます。
仲間がいる
楽しい
習慣になってしまってやらないと気持ちがわるい
などの声が返ってきます。
自分の体調のあわせて選べる運動メニューをいくつかもつのもいいかと思います。
膝や腰の痛いかたにお勧めはプールやスポーツジムにいくことです。
忙しい方には通勤の道筋の利用がいいでしょうね。
膝や腰の痛いかたにお勧めはプールやスポーツジムにいくことです。
忙しい方には通勤の道筋の利用がいいでしょうね。
意志が弱くて続かないから、と思っているあなたへ
運動が続かないのは決して意志が弱いからではありません。
それは“作戦ミス”です。まずなんとか自分を乗せる運動メニューを考えてください、それも3日坊主でいいんです。気軽になにか始めてみること、そこからすべてはじまるのです。
無理せず、楽しく、気長に、いい汗かきましょう。
運動が続かないのは決して意志が弱いからではありません。
それは“作戦ミス”です。まずなんとか自分を乗せる運動メニューを考えてください、それも3日坊主でいいんです。気軽になにか始めてみること、そこからすべてはじまるのです。
無理せず、楽しく、気長に、いい汗かきましょう。
インスリンについて
糖尿病はインスリンが足りないために起こってくる病気です。ですから、インスリンの節約が追いつかないで、また、のみ薬がうまく効かずにインスリンの出がよくならなかったら、インスリンの注射が必要となります。
インスリン治療には「インスリンの絶対適応」と呼ばれる状態があります。これは何がなんでもインスリンをうたないといけない状態のことで、1型糖尿病とよばれる膵臓のインスリンをつくる細胞がほぼ消失した状態の時をさしますが、他にも、糖尿病の女性が妊娠した時、元気なあかちゃんを産むためにはインスリン治療が必要です。
また、大きな手術や感染症などで重篤な病気の時はインスリンが必要となります。
また、大きな手術や感染症などで重篤な病気の時はインスリンが必要となります。
「インスリンの絶対適応」に対してインスリンをうたなくても生命には関わらないのだけれど、のみ薬ではどうにも血糖がコントロールできないためにインスリン治療をする時、「インスリンの相対適応」といいます。
日本人には2型糖尿病が多いため、日本で実際にインスリンをうっている人の多くが2型糖尿病の相対適応の人です。
日本人には2型糖尿病が多いため、日本で実際にインスリンをうっている人の多くが2型糖尿病の相対適応の人です。
インスリンはとてもよく効くがインスリンをうたないと生命の危機となる1型糖尿病と、若干インスリンの効きが悪く、血糖を下げるためにインスリンをしている2型糖尿病とは、同じインスリン治療でも、意味合いもやり方もやや異なります。
自分の糖尿病と隣の人の糖尿病との差違を考えながら、糖尿病の話をしてください。
自分の糖尿病と隣の人の糖尿病との差違を考えながら、糖尿病の話をしてください。
インスリンが膵臓から血中に出てくる様式には空腹時の血糖の上がりを押さえるための基礎分泌と食後の急激な上昇をおさえるための追加分泌という2つのパターンがあります。
インスリン治療の原則はこの2つのパターンをどう再現するか、ということにつきます。
基礎分泌は現在中間型とよばれている濁ったインスリンで代用されます。一日1ないし2回の中間型インスリンで24時間をカバーするわけですが、この中間型インスリンはいつも同じ強さで効く、というよりは少し効き方に山があるため、うつタイミングや量の調節が難しいことも多いようです。
2003年暮れにほぼ24時間をカバーすると考えられる持続型インスリンが発売されました。(このインスリンは長い時間効きますが透明です) このインスリンが期待どおりの効果をみせれば、1型糖尿病の方のコントロールは随分楽になると予想されています。
一方の追加分泌とよばれるインスリンは食事30分前に透明な即効型インスリンをうつことで対応されてきました。これは人のインスリンと全く同じ構造のものなのですが、膵臓から湧き出て肝臓にいく血管に直接流れ込む自然のインスリンと違って、注射されたインスリンは同じ物質でも皮下に注射されるため、吸収され、全身をめぐってから肝臓に流れこみ効果が出るまでに約30分の時間を要するためです。数年前から、超即効型とよばれる皮下に注射しても膵臓から湧き出たインスリンと同じ速さできくように科学的にデザインされたインスリンが出てきて使われだしました。このインスリンを使うと、食事の直前や場合によっては直後に打ってもすぐに血糖を下げる効果があります。
インスリン治療の原則はこの2つのパターンをどう再現するか、ということにつきます。
基礎分泌は現在中間型とよばれている濁ったインスリンで代用されます。一日1ないし2回の中間型インスリンで24時間をカバーするわけですが、この中間型インスリンはいつも同じ強さで効く、というよりは少し効き方に山があるため、うつタイミングや量の調節が難しいことも多いようです。
2003年暮れにほぼ24時間をカバーすると考えられる持続型インスリンが発売されました。(このインスリンは長い時間効きますが透明です) このインスリンが期待どおりの効果をみせれば、1型糖尿病の方のコントロールは随分楽になると予想されています。
一方の追加分泌とよばれるインスリンは食事30分前に透明な即効型インスリンをうつことで対応されてきました。これは人のインスリンと全く同じ構造のものなのですが、膵臓から湧き出て肝臓にいく血管に直接流れ込む自然のインスリンと違って、注射されたインスリンは同じ物質でも皮下に注射されるため、吸収され、全身をめぐってから肝臓に流れこみ効果が出るまでに約30分の時間を要するためです。数年前から、超即効型とよばれる皮下に注射しても膵臓から湧き出たインスリンと同じ速さできくように科学的にデザインされたインスリンが出てきて使われだしました。このインスリンを使うと、食事の直前や場合によっては直後に打ってもすぐに血糖を下げる効果があります。
おもにこの濁ったインスリンと透明なインスリンをうまくつかいこなすことで、自分の体内で不足したインスリンを補充していくのがインスリン療法です。
血糖は簡易測定器を用いて短時間で誰でもいつでもどこでも測ることができます。この血糖自己測定というシステムを使うことで、どんな時、どれだけのインスリンをうてば、自分の血糖はどうなるか、ということを掴ことができます。
インスリン注射と血糖自己測定、お金も時間も手間もかかりますが、それだけの効果は必ず上がるといえます。
血糖は簡易測定器を用いて短時間で誰でもいつでもどこでも測ることができます。この血糖自己測定というシステムを使うことで、どんな時、どれだけのインスリンをうてば、自分の血糖はどうなるか、ということを掴ことができます。
インスリン注射と血糖自己測定、お金も時間も手間もかかりますが、それだけの効果は必ず上がるといえます。
糖尿病のコントロールがいまいち、と悩む時は、なるだけ安定した生活時間の暮らしをしながら、丁寧に血糖を測ってはインスリンをうつ時をしばらく続けると見違えるほど落ち着いてくると思います。
インスリンをこわがらずにあなたの武器にしてください。