分かっちゃいるけど全力で良い人じゃないと言われるとヘコむ。
うなだれてる俺にaramは更に言う。
「そうではないのです。」
あんまりだ。
「Sithisは知っていますね。暗殺者の神や時にはDaedraなどと呼ばれますが、彼もgivensでした」
なんだって!?
「彼は元々DarkBrotherhoodの前身となった暗殺集団のリーダーでした。
ある日奇跡の継承を受けgivensの奇跡により不可視の常時効果の指輪というアーティファクトを造り使用し暗殺を繰り返した上で彼の妻を名目上の首領に頂いたDarkBrotherhoodを設立しました。」
「他にも高額の報酬で奇跡を起こし贅沢の限りを尽くした者や、国家転覆を狙い反乱軍を組織した者もいます。
私のように奇跡を手にしながらほとんど活用してこなかった者も多くいます。
過去には1度、生まれたての子供に奇跡が継承されましたが1年もたたずその者は死亡し一度も奇跡を発露させないまま次代へ継承されています。
奇跡を手に入れるものは善人である。悪人は奇跡を手に入れられない。それらはどちらも間違いです。
givensだから奇跡を手に入れるのではありません。軌跡を手に入れたからgivensなのです。」
えーと、つまりはgivensとやらになるには善悪とか関係なく、なった後も何をやっても構わないってことか?
「ええ、その通りです。」
「givensの中には『givensの行為それこそが善である』と考えた者もありました。Sithisと呼ばれた者もその一人です。
しかし私はその考えに与しません。善とは神の行いによらず、神の教えによらず、善であるから善であるという事なのだと思います。」
「ううむ。分かるような分からないような・・・。」
「私の答えは私のもの。あなたはあなたの答えを探せば良いのです。」
「だとしたら奇跡とやらが使えるだけで俺は俺で何も変わらないということか?」
やや悲しい顔をしてaramは答えた。
「はい、半分はその通りです。しかし全く別人になってしまうとも言えます。」
aramの言葉はわかりやすくて難解だった。