故郷のSkyrimを飛び出したのはもう十数年前のこと。
その頃俺とお袋はSkyrimの田舎貴族の所有地で細々と小作農をしてた。

その年は雪深いSkyrimが例年にも増して骨まで凍りつくような寒波に襲われた。

「体だけは丈夫だ」と常々言ってたお袋がたちの悪い風邪をこじらせちまった。
貧乏農夫だった俺にお袋を医者に見せる金なんてあるわけがねぇ。
何とかお袋を助けてやってくれと主人に頼んでみたものの, たかが使用人に大枚はたいて医者に見せるような出来たやつのわけもない。

結局お袋は10日も苦しんだ挙句あっさりと死んじまった。

お袋を弔ってしばらくしてふと思い返してみれば、元々主人に恩があるわけでも借金があるわけでもなく、そこで農夫のまま尽くす義理も無いんじゃないかと思いついたわけだ。

思いついたらもう居ても立ってもいられねぇのが俺よ。
お袋の墓を懇意にしてた隣のばあさんに頼んでそのまま出奔てわけだ。

元々AlgonianはSkyrimみたいなクソ寒いとこで暮らすように出来てねぇ。
行くなら暖かいとこがいいと南に向かって、たどり着いたのがBrumaの街。
何て暖かい街なんだと思ったね。それぐらいあの年の寒波は酷かった。
今はあんな寒いとこ真っ平御免だけどな。


文無し職なし特技なしの俺はそれこそ乞食一直線みたいなもんだったが、なけなしの金でBarで飲んでた時に意気投合した魔術師に頼み込んで透明化の魔法を教えてもらった。
Cameleon 5%の今から考えたらほんの奇術程度の魔法だったが暗がりでコソ泥するぐらいの役には立った。


どういうわけか俺には幻術*1に才能があったようで1年もたった頃には40%ぐらいの透明化ができるようになってたから、それを元手にBruma近郊の洞窟や砦の跡に住み着いてるBanditのお宝をこっそり掠め取るような冒険者の風上にも置けない事やってた。

そこで得た小銭を貯めては防具や武器を揃え、酒場で仲良くなった冒険者に剣術を習ったりしていっぱしの冒険者っぽくなったのはSkyrimを出て3年もたった頃か。

Bruma周辺のBanditがどういうわけかすっかり不況になっちまって、それを掠め取る俺の商売も上がったりって事でSkingradにやってきたのはまだ残暑も残る夏の終わりの頃だ。

何でSkingradって?
もう忘れちまったな。

道すがら寄った洞窟の宝箱から氷結が30ポイントもエンチャントされた杖を掠め取って懐が暖かくなってた俺は奮発してSkingradのWest Waeld Innに部屋を取った。
宿のBarでしこたま酒を飲んで卒倒するようにベットで寝ていた夜更け。



あいつに会ったんだ。
そいつはgiven aramと名乗った。

最終更新:2008年04月05日 22:07

*1 Illusion