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嘘つきビール (H19.9.2)


 「スーパードライ」といふビールがある。「辛口」だと宣傳してゐる。しかし、ビールに辛口とか甘口とかがあるのか。
 日本酒は澱粉を糖化しながら醗酵させてをり、糖分が多少殘つてゐるかもしれないので、「甘口」といふのも分る。ビールは先ず糖化してから醗酵させるが、糖分が殘つた状態で醗酵を止めるといふことは考へられない。

 また、醗酵技術を改良して醗酵度を高めたなどと言つてゐる樣である。しかし、「ドライ」なビールといふのは元々ある言葉で、アサヒビールの發明ではない。ビールは、普通、大麦の澱粉が、一部、二糖類まで分解されず、そのため醗酵しないで殘つてゐる(いはゆるデキストリン)。酵母は二糖類以下でないとアルコールに出來ないのである。そしてこれがビールの味になってゐる。その味が少いのがドライなビールである。
 米、コーンなど、大麦以外の原料を使へばビールはドライになる。或は、酵素を使つてデキストリンを糖化すればドライなビールが出來る。これは、ビールの世界では常識であり、目新しいことではない。
 ドライなビールは味が輕く飲みやすい。汗をかいた後にぐつと飲むのに向いてゐる。夏向きにドライなビールを造つたりする。これも常識である。

 ビール會社は當然この樣なことは知つてゐる筈である。しかし、「ドライ」と言つても何を言つてゐるのか分らないであらうといふ親心から、ご親切にも、「辛口」と言替へてくれたのであらう。
 しかし、ビールに辛口といふ用語はなく、どうみても嘘である。かつ、日本酒の場合を聯想して、他のビールは「甘口」なのかと誤解することを期待してゐる。甘口といふ言葉は一切使つてゐないが。そして、普通、甘口といふのはうまくない、或は、通は飲まない、といふふうに思はれてゐることはいふまでもなからう。


 「一番搾り」といふビールもある。しかし、ビール造りで「搾る」といふ工程があるのか。日本酒の場合は、醗酵が終つたもろみを袋に入れて搾つてゐる樣である。日本人であれば「搾る」といふ言葉を何となく知つてゐるから、それを利用していい加減なことを言つて騙してゐるのではないか。
 大麦を發芽させた麥芽を糖化し、醗酵させてビールは造られるが、搾るといふ處理は思ひつかない。しひていへば、糖化した後、麥粒の皮を除く工程がある。しかし別に搾つてゐる譯ではなく、一種の濾過である。その後、皮に付着して多少殘つてゐる糖分をお湯で洗ひ流すことをしてゐる(spargingと稱する)。これをしないといふことを言ひたいのかもしれぬ。

 「一番搾り」のメーカーのホームページを見たら、「ビールの教室」に次のように書いてあつた(http://www.kirin.co.jp/about/kyoshits/beer/internet/)。
  * 麥芽を糖化した後、「濾過」する。濾過のとき、「自然に流れでてくる麥汁が一番搾り麥汁です」。「一番搾り製法とは...だから『一番搾り』は、澁みの少い、麥芽の上質なうまみを十分引きだした、まろやかな味覺。『澄きつたコク』なのです。」
  * 次工程で、「麥の殼にお湯をかけてエキス分を回収します」。「これが二番搾りです」。

 やはり濾過のことを搾ると強引に言替へてゐる樣である。「辛口」と同樣、日本酒の用語を無理矢理用いて、聞いた人が非常にいいのだらうと誤解することを期待してゐる。

 そして一番搾りがなぜいいかは、いろいろ言つてゐるが、具體的には「澁みの少い」といふことだけである。その理由は書いてないが、spargingで「二番搾り」を回収するとき、湯の温度が糖化のときより高いせゐかどうか知らぬが、殼から澁みが出ると言はれてゐる樣である。といふことで、「澁みが少い」といふのは、程度はともかく、嘘ではなささうである。しかし、ビールが澁くてまずいといふ話は聞いたことがないが、果してどれ位意味があるのだらうか。

 いずれにしても、日本酒の用語である「辛口」や「搾り」を勝手に用いて、聞いた人が、日本酒との聯想から、いかにも味がいいのだらうと誤解することを期待してゐる、ずる賢いやり方であると思ふ。

サッポロビールの英語 (H20.7.23)


 サッポロビールの缶に英語らしきものが書いてあるのを見たら、ひとつの文章に and が五六個出てきて、構造がよく分らなかつた。まともな英語ではないのでないか。
 その上の方には、 Born 1887 とあつた。in が拔けてゐるのではないか。

 一事が萬事で、何かにつけていい加減なのだらうか。他のビールも、「日本人の英語」によるとをかしな英語を書いてゐたさうであるが。

 サッポロビールがサントリーに抜かれたといふ記事を最近見たが、別に關係はないか。