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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

イースの大いなる種族
Great Race of Yith
人類以前に繁栄した「旧支配者」の一種族。

イース(Yith)と呼ばれる滅亡しつつある銀河の彼方から六億年前の地球に到来した、実体を持たない精神寄生体。時間の秘密を極めた唯一の種族であるとされる。

以下の情報は、自らが彼らによる精神寄生を経験したミスカトニック大学ナサニエル・ウィンゲイト・ピースリー教授が学会誌「アフリカ心理学協会紀要」に寄稿した記録によるところが大きい。

投影による精神交換

別の生命体と精神を交換する能力をもち、それを種族の生命保存と知識の収集に活用している。精神を投影できる範囲は非常に広範で、時空を超えて別の銀河系や何億年もの未来や過去へ投影することもできる。

大いなる種族に寄生されているその生物本来の精神は、はるか未来または過去に位置する大いなる種族の体に閉じ込められ軟禁状態に置かれながら、研究対象として情報・知識の提供を求められる。 意外なことに、彼らが外界の知識を記録する情報媒体は巻物である。

一連の調査が終わると彼らは再び精神を転移して元に戻す。その際に被寄生者の持っている大いなる種族の下での記憶は抹消されるが、まれに記憶が断片的に残ったり、夢に現れたりすることがある。

また、大いなる種族の知識を信奉する集団や異端宗派が、その知識と引き換えに彼らの活動を支援することもある。

大いなる種族は通常、一つの種族全員の肉体を乗っ取って生活しているが、その種族全体に対して避けられない破滅が降りかかると、自らの種族全体の精神を他の場所や時代に棲む知的種族の精神と交換し、その肉体へと移ることによって種族の破滅を逃れる。

六億年前にオーストラリア大陸に繁栄していた巨大な円錘体生物(下記)と精神を交換して地球に来訪、当時の先住種族であった「盲目のもの」(flying polyp)を駆逐して、地下へ封じ込めることに成功し、地球の支配者になった。

やがて未来から得た知識により、盲目のものたちが再び地上へ侵攻することを知った彼らは、現人類の次に栄えることになる「強壮な甲虫類」の肉体に転移し、盲目のものから逃亡する。

その後、地球の終焉が近づくと更に、水星の球根上植物に宿ることになるという。

外見

精神寄生体である「大いなる種族」の本来の姿は不明であるが、彼等が初出したハワード・フィリップス・ラヴクラフトの『時間からの影』(超時間の影、The Shadow out of the Time)に取り上げられている、六億年前から一万年前までの地球で彼らが使っていた肉体について説明する。

胴部は、高さ約3m、底部の直径約3mの、虹色の鱗に覆われた円錐体である。その底部は弾力性のある灰白色物質で縁取られており、ある種の軟体動物のように這って移動するのに用いられる。

円錐形の頂部から伸縮自在の太い円筒状器官が四本生え、二本は先端にハサミを備え、重量物の運搬および擦りあわせての会話に使われる。一本は先端に赤いラッパ型の摂取口が四つあり、最後の一本には頭部がついている。

頭部は黄色っぽい歪な球体で、円周上に大きな眼が三つ並び、上部からは花に似た聴覚器官を備える灰白色の細い肉茎が四本、下部からは細かい作業に使われる緑色がかった触手が八本、垂れ下がっている。

彼らは半ば植物的な生命体で、水中で成長する胞子で単為生殖を行う。

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