クトゥル-神話はアメリカのハワ-ド・フィリップス・ラヴクラフトと彼の友人となる作家たちの作品を元に発展していった。最初はホラーであったが、後にホラーやSFの枠を超え文学上の一つのジャンルに成長を遂げ、文学史上、特異な位置を占めている。
今では文学のみならずコミック、映画、ゲームと多岐に渡り、半ば文化上の一ジャンルと化しつつある。

作品に対してはアマチュアリズムと遊び心の精神が強く、「クトゥル-神話」とはまるで無関係だった筈の先人たちの作品を巻き込んで「クトゥル-神話」化したり、独自の思想を追求したりといった書き手の妥協を許さない姿勢が見られる。

タイトルにもなっている「クトゥル-」とは太古の昔に地球に飛来し、一時は地球を支配し神扱いされてもいた巨大な生物(ぶっちゃけ宇宙怪獣)の名前で、他にもさまざまな生物が作品群に登場している。
これらの生物については、「ネクロノミコン」や「エイボンの書」といった作中に紹介される架空の書物群で言及されている。
舞台としてはラヴクラフトがしばしば作中で使用した架空の街アーカムを始めとして作家たちにより幾つもの架空の街や世界が設定され紹介されている。

クトゥル-神話の最大の特徴はシェアード・ワールドと異なり、世界観の共有を必要としない事にある。
ハワ-ド・フィリップス・ラヴクラフトの仕事の一つに、他人の作品の添削、リライト、ゴ-ストライティングなどがあったが、その際、彼はクトゥル-やネクロノミコンなどの単語を作中にちりばめた。時にはその作品の中身とは、まるで無関係な場合もあった。ラヴクラフトにとっては唯の遊びだったのだろうが、結果、クトゥル-、ネクロノミコン、アーカム等の記号と化した単語を導入するだけでコメディだろうが純文学だろうが、その作品はクトゥル-神話になってしまい、この事がクトゥル-神話を広げる結果となった。

現在、クトゥル-神話は、ゲームシナリオと小説とコミックがメインだが、小説に関しては、大部分が自費出版(同人誌、個人誌)かサイト等によるネットでの発表で、それらをアンソロジストたちが採取して出版社から出すか、書き手が実績のある作家だった場合、作品集に収録されて出版される。

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最終更新:2009年08月09日 21:16