弐瓶勉 TSUTOMU-NIHEI wiki@2ch

BLAME! AND SO ON

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だれでも歓迎! 編集
&aname(blame!_and_so_on)
*BLAME! AND SO ON 弐瓶勉画集
-2003年10月23日 第1刷発行
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=M1aK1sbtmbI)

**コラボレーション
***X-MEN Wolverine Snikt! &aname(Wolverine)
>以前、フランスのアングレームでコミック関係のイベントがあったとき、講談社の漫画家としてコンベンションに参加した。そこで仲良くなったアメリカ人の編集者が、後にマーヴェル・コミックスに入社し、一緒にペーパーバックの仕事をしないかと誘ってくれた。マーヴェルのキャラなら何でも良いという話なので、昔から好きだった「X-MEN」のウルヴァリンを描かせてもらうことにした。契約は一冊22ページで全5巻。カバーに使うイラスト以外は、マーヴェルのカラーリストに仕上げてもらったが、色彩感覚なんかも日本とは微妙に違っていて大いに勉強になった。ストーリーも含め制約は何もなかったが、唯一、ウルヴァリンが葉巻を吸うシーンだけは止めてほしいと言われた。パーパーバックは子供の読者も多いし、喫煙をタブー視する今のアメリカでは犯罪的行為のようだ。
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=yHFrzk8TRp0)
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=zI_JdLjkKos&NR)

***HELLBOY

***EVANGELION

***MATRIX

**MEGALOMANIA
「[[スタジオ・ボイス>http://ja.wikipedia.org/wiki/STUDIO_VOICE]]」連載
&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm11872288)


**BLAME!

***「BLAME!」設定
>連載時における、著者と編集担当者による「BLAME!」についてのSF上の設定と検討内容を、ほぼ原文のまま収録しました。
****BLAME!
>果てしなく巨大な階層都市の中を、探索者・霧亥が何千フロアも放浪する。求める物は「感染前」の「ネット端末遺伝子」。手にするのは無敵の銃「重力子放射線射出装置」。
****霧亥?・第0項
>かなり長い年月、この世界の中を「ネット端末遺伝子を求めてさまよう男。極度に丈夫で戦闘能力は高い。身体にデバイス・インプット用のコネクターがある事から一種のサイボーグであるのは確実。上位セーフガードのサナカンによって「修復」されてからは、視覚の中に映る文字を解読できるようになり、そこから様々な情報を入手している。
****ネット端末遺伝子?・第0仮説
>霧亥の探している物。かなり昔に「感染」されて変異している。それが見つかれば「ネットスフィア」と接続出来る。統治局の代理構成体の言葉によれば、それによって、世界のカオス状態が変えられる。東亜重工内にいた、セウの遺伝子にはそれがあった、と信じられている。
****重力子放射線射出装置・第0仮説
>霧亥の持つ銃。直撃すれば耐えられる物のない無敵の武器。固体の弾丸ではなく、エネルギーか場のような物が射出されている。威力の調節が出来、また、連射も出来る。長い事、霧亥の持つ物が唯一と思われていたが、上位セーフガードの一部もこれを使用する事が後に明らかになった。
****珪素生物
>自ら、サイボーグ化を推し進め、強化した体を追求した犯罪者集団が、ついに種族化した。世界のカオスを維持するために、ネット端末遺伝子の汚染を広げる勢力。「珪素生物」と名乗っている。男女の別があり、胎児から育つ。彼らは、AIによる「論理矛盾」の危険を避ける。知能や記憶をデータとして入れると、役に立たない物しかできない。時には狂ってしまう。やはり知育が必要なのだ。で、機械化した子供を育てることになる。霧亥とは敵対関係にある。セーフガードとも敵対し、独自の超強力な武力も持つ。
****生電社
>廃棄階層と呼ばれる、統治局(セーフガードも含む)も珪素生物も無視している階層世界の都市・科学者集団。事実上、都市を統治し、住民を支配していた。シボはここで「主任科学者」をしていたが、社主・頭取と対立。閉じ込められていたところを、霧亥の助力で脱出、権力掌握に成功し、霧亥の探索に協力する。
****超構造体・1
>階層世界全体を、幾つかに区切っている超堅牢な壁のような存在。霧亥の重力子放射線射出装置以外では貫通不可能だった障壁。セーフガードの活動とも関係があり、近づくほどセーフガードは活性化する傾向がある。内部には階層世界の環境を維持する「システム」が容易されている。「建設者」によって創造される。
****セーフガード・1
>正規の端末遺伝子を持たない人間が、ネットスフィアに接続しようとすると自動的に発動する存在。ネットスフィアの支配レベル・統治局でも、その機能に干渉したり、停止させたりできない。あえて例えれば、ウイルス・チェッカーのようなものか?
****世界・1
>一個の超巨大なビルども、すべての建物が連結された果てしなく巨大な都市ともいえる場所。統治局の支配レベルによれば「無作為に成長している」。その果てしない成長が、せかいを混乱させている。停止させるには端末遺伝子をみつけなければならない。[統治局]端末遺伝子でアクセスできる「ネットスフィア」の支配レベル。この世界全体のOSのようなもの?といっても、ネットスフィア以外のネットワーク空間=「BLAME!」世界全部?にアクセスは出来ているよだが、どうも管理はしていない(出来ない)ようなので、あくまで「ネットスフィア」のOSなのかもしれない。すると、世界のOSはその基盤に別にある事になる。それが「システム」と呼ばれる物なのだろうか?下層階層では、セーフガードや、無意味に都市を再構築する「建設者」と同一視されている。霧亥たちの探索に世界再建の希望を見いだし、協力しようとしている?

****統治局
>端末遺伝子にアクセスできる「ネットスフィア」の支配レベル。
****建設者
>建物を作り変える存在。一種の機械で、個性(意識)は(普通は)ない。その動きが活発な場所は「成長区域」と呼ばれる。都市を無作為に拡大させている。その主要構成体にネットスフィアのハードウェアが内臓させている。せかいを混乱に導く主な原因と、「統治局」はいっている。

****世界・2/ネットワーク
>「BLAME!]世界は、電子ネットワークが常時、完璧に配備網羅された世界である。流行りの言葉で言えば、完全ユウビキタス・ワールドといえる。しかも、このネットワーク上で稼慟しているコンーピューターの性能は、近似的には処理速度・無限大、記憶容量・無限大とかんがえられる。従って異論的には全知・全能」なのだが、実際には「無限体に限りなく近いが、無限大ではなく」、また、メモリーに残されたデータの大半が「ジャンク情報」なので、能力的には限界のある状態だと思われる。ここでいうジャンク情報とは、何百億か何千億かの人間が、それぞれ勝手に経験した大量の「記憶」「記録」である。それがただ単に蓄えられていて、ネットワークの巨大な「負荷」と化している。

****世界・3/形状とサイズ
>この世界は、ほぼ、太陽系全てに及び、すでに少なくとも木星軌道面までは階層都市化されている。材料は太陽系の惑星ほぼ全て。これは、いわゆる「ダイソン・スフィア(球)」を彷彿させる状況である。1959年に宇宙物理学者のフリーマン・ダイソン博士が提唱したダイソン・スフィア理論は、太陽のような恒星の周囲を球形の殻で覆ってしまえば、従来は宇宙に放出されて消滅していたエネルギーを地球のため有効に活用できるという考え方だ。ただし、後述するように、「BLAME!」世界の根源的な成立要因は「ダークマター」の工学処理が可能になった事に起因する可能性が高いので、多分、世界は球状にはなっていないように思われる。層を成した厚いドーナツ状なのではないだろうか?
****世界・5/環境
この世界は「無菌」状態である。生物的なウィルスはいない。空中に常にいるナノ・マシンが、生物に有害な細菌を、発生と同時に瞬時に消滅させてしまう。理由は当初の「統治局」への人間側の指示として、そうプログラムされたから、と、システムエラーを防ぐため。現在の地球表面より遥かに巨大な体繢の居住空間を造って、その全てが最初から「無菌」なのだ。従って、人間が怪我をしても、再生能カが強化されていれば大丈夫。また、痛みのショックは神経系の機能強化(補正)で即座に消せる。その場で手術してもOK。

****霧亥?・第1項
人間だが、かなり高度にサイボーグ化されている。ほとんど確実に不老不死。すでに1000年以上は生きている可能性が高い。が、その自覚というか「記憶」が、多分、ない。相当な過去、まだ、もしかしたらネットスフィアが完全に機能している時代に、警察官的な仕事をしていたのかもしれない。とにかく、後に「種族」化して「珪素生物」となる「人間が生物的な体を捨てた」犯罪者達や、ネットワークを介在して、複数の「体」を使用する者達から、ひどく恨みを買うほどに対立していたようだ。

****ネット端末遺伝子?・第1仮説
いつの事かは不明だが、ネットスフィア成立前後頃、そして、セーフガード成立前後には、大量の多種多様な、ネット犯罪者がいたと推定される。情報のやり取りと経済活動の大半がネット上で処理されるようになると、犯罪の大半も、またネット上で展開されると思われるからだ。ましてや、ある段階でねっと上に「人格/個性/人間の全情報」がアップロード/ダウンロードできる可能性が生じる事態になったら、勇気のある?犯罪者がそれを実行していまう可能性は高い。その時は止むを得ず、取り締まる側も対抗するかもしれない。そうすると犯罪者と取り締まる側双方が、あらゆる種類の捜索・防御・攻撃活動をネット上で行うので、対犯罪者(捜査官?)側の身の安全を図るためには「登録」が必要になっていくのは必然であろう。そういった時の「登録」が、後にセーフガードにも引き継がれたろうか・・・・・・?次に「ネット端末遺伝子」が、これに加わったのか?つまり、いつしか状況は一般人も「ネット(ネットスフィア)」を使い、「基底現実」だけではなく、ネットに住むという時期を迎えたのだろう。ネットスフィアに「いる」状態になれば、ほぼ時間と関係なく他の人と会える。こんな便利な(まさに転送器)機能を経済活動が見逃しておくとは考えられない。「軍事」の方が先かな?とも思うのだが、考えてみると「敵」のネットをハッキングしっぱなしにしなければならず、非常に困難。もし、双方がネット上で結ばれている、とかいうのなら、すでに「軍事」対立は不可能だと思う。この時代、すでに「政府」はあっても「国境」は意味がない、のではなかな?そんな状況、つまり犯罪者と捜査官というような「特殊」な人以外の「ネット移動/滞在」が活発になる状況においては、いよいよ「登録」が、すなわち安全を図る選別法が必要になるだろう。この時に必然的に「ネット端末遺伝子」の概念出来たのだと思う。

****個性について・第1項
ところで、にんげんをまるごと情報化する場合は、なにをもって情報の境界と定めるのだろうか?一番、簡単な仮説は、生物なのだから、やはり「遺伝子」か?ねっと上の情報は、多分、パケット化されるので、遺伝子を「キー」化するのは、ある程度、合理的に思れる。人間の細胞には、その一片ねまで特定の遺伝子が備わっているので、やり方さえあれば、これをトレース出来るだろう。遺伝子の配列は、厳密に個人個人違うので、これをもって、ネット上の「個性」とする事も出来るだろう。特定の遺伝子をセットしておいて、それで選定出来たものは全部、一塊の「人間」の情報とするのだ。ところで、ネットに繋げられているPCの能力が仮に無限大だとすると、情報は無限時間、正確に維持できる事になる。が、その能力が限定的だと、一種のスワップが起きて、情報の維持時間は限定されてしまう。また、いずれにしてもプランク定数以下の事象では情報の維持は完全には出来ない。また、絶対に発生する(いわゆる)量子化ノイズのために、瞬間時以上の時間経過では、複雑な情報は自然に壊れてしまう。つまり、受容体があって、なおかつ瞬間的になら、ネット上の「体の全移動」ないし「個性の移し替え」の可能性はあるが、どこかに情報として「人間」をまるごと保存しておいて、あとから体に移すのは「不可」なように思える。

****ネットスフィア
実社会と同じか、それ以上に拡大してしまったネット社会。もう、ネットなしでは生活が成り立たない人類は、ネット上に一定の環境を保持しようとしたのだと思う。その時に完璧なOSを持った「世界」として、ネットスフィアが成立したのだろう。ネットスフィアは、もしかしたら当初じゃAIをもっていたかもしれない。が、論理矛盾状態を呈する社会を管理するプログラムに「個性」を与えれば、それも必ず狂ってしまう。だから、ある段階で管理のみが完璧に出来る、AI抜きの機能になる。ネットスフィアは、利用パスとして「端末遺伝子」を採用する。で、セーフガードがネットスフィアの機能とは独立して「取り締まり」を担当する事になる。

****セーフガード・2
まず、人工知能が誕生する。過程はわからないが、とにかく、近い将来、「HAL」は出来る。最初の1台じゃないかもしれないが初期型の名前の一つは「ハル」になるんじゃないかな?ある段階までは、これをOSに利用しようとするだろうが「HAL」の失敗を考えても分かる通り、まず不可能。鉄腕アトムみたいなのも生まれると思うが、あまり意味はないと思う。でも、インターフェイスには最適だと思うし、その利用法は続く。でも、それだけではもったいない。で、一番効果的な使用法が考え出された。対犯罪者用に使用するのだ。セーフガードの「敵」とは、ネットを悪用する犯罪者。ネット上に巣くう悪人。ネット難民。さらには、体を捨ててしまった「珪素人間?」。狂ったAI? これに対し、「機動隊」的に機械的に働くのが「駆除系」セーフーガード、つまり簡単なAIを載せた人工体。それ以外に、人間の不合理な行動に対応させた上級AIを載せた上位セーフガードがある。上位セーフガードは「論理矛盾」による機能停止の危機を避けるため、基本的には一定時間以上の長い期間、人間と続けて接しないようにしたのだろう。ただ、「登録」をしている、一部の「潜入捜宮」とは戦争しないようプログラムされていた。
****中性種
生物としての人間を、遺伝的に優性に特化させた人工種。名付けて「中性種」。あるいは、もしかしたら、最初から移植治療用に研究されたのか?
****霧亥/記憶障害?
もしかしたら、事情の一部は、あまりにも長い生存に脳の記憶プロセスが耐えられなくなったのかもしれない。人間の記憶とは、多分、30~50年ぐらいの生涯を想定しているのではないかとおもわれる。霧亥の場合、途中で何度か、とんでもない状態になったと思われるが、少なくとも「ネットスフィア崩壊前」は、何か記憶を残す手段を取っていたと思われる。問題は、今はそれが使えないか、ほとんど使えない事だろうか・・・・・・・・?

****世界・6/超構造体・2
「BLAME!」世界のネットワークを保持する基幹となっているのが、メガストラクチャーだ。ネットワークを構成するコンピューターの性能が、近似的に処理速度・無限大、記憶容量・無限大と考えたとしても、アプリケーションの処理時間の問題は残る容量が無限に大きく、処理が無限に速くても、実際には「無限大に限りなく近いが無限大ではない」ので、有限のある時間が処理に必要になる。結果として、遥が遠い一点のデータを、遥が遠の別の場所でロードしようとすると、「無限」の時間が掛かってしまう。つまり、移動の問題が最終的に残ってしまう。しかし、その状態で、なおかつコンピューターの処理が「無限」と言える訳句엮笹Й무홍遙?젭?amp;#12540;内のチップはN次元に折り量まれた「仮想」コンピューターでハードウェア的には、多分、存在しない。つまり、実体としては単なる(分子レベルか原子レベルのサイズの)記録媒体の塊で、その内部に「空白」のメモリー空間を持つだけなのだ。そこにソフト的に「仮想」されたコンピューターが組み込まれている。ただし、そのままでは処理時間が掛かりすげて現実的ではない。しかしながら、無限個のチップが「並列処理」することによって、事実上の無限に近い速度を得ている。問題は物理的なチップの重積の限界だが、これは重力の制御でクリアできているのだろう。

****言語基体
現在のインターネットは、OSとしてUNIXを基礎にしているが、ネットスフィアにも、もっと遥かに高度な物ではあるが、なんらかの基本システムはあると思われる。それを媒介として、デバイス系生物(統治局の代理構成体・上位セーフガード・珪素生物・AI)は、それぞれ独自のOSを持ち、あるいは管理して「生きて」いる、と思われる。珪素生物とセーフガードの言語基体が、基本で共通しているのは、双方の「進化」の過程がクロスしているためだろう。それは身体的な物にも及ぶが、OS的な部分では、より顕著なのであろう。仮に考えてみると、最初にセーフガードが「素体」を作り、対抗上、珪素生物がそれを流用して(盜用して?)進化しているのか?ところで、人間の言語基体だが、これについては当然、デバイス的な処理は出来ない。補助脳についてのみのOSになる。たとえば、人間の記憶全部のバックアップなどは出来ない(デバイス系はできるようだ。後述するが、シボも出来ている)。しかし、あくまでも人間の場合は、ある程度、整理された状態の「個人的に閲覧を他者に許した」データを、補助脳を通じてやりとりすると思われる。つまり、人間の場合は、多分、記憶→(言語基体)→データ→外部デバイス、といった段階を取ると思われる。従って、言語基体の合致が、意思疎通に極めて重要な要素になる。

****シボの転生・1
シボは、例の「人工端末遺伝子」の時、一度間違いなく死んでいる。その後、頭取の配慮により復活している。人間の転生のプロセスで、個性のデータは、どう処理されるのだろうか?一つの考え方として「生電社」ないし「塊都」の人間は、もう人間ではない、というケースが考えられる。クローン化のプロセスを前提として、脳全体をデータ化してしまっていて、身体こそ生物体だが、実体は「珪素生物」なら、簡単に転生は可能だと思われる。ここまで、ハードでなくても、ある程度は事前の準備でクリアできるのかもしれない。つまり、危険な実験の場合に限り、最初から「替わり」の身体は(重要人物の分だけ)用意しておき、オンラインで繋ぎっぱなしにしておいて、危険になったら切る、という方法が考えられる。この場合、脳の内部は十分時間をかけてスキャンして、分子レベルまで同質にしておくかもしれない。とはいえ、この場合でも「量子化ノイズ」の弊害だけは避けられないはずなので、どんどんデータは劣化していくのは間違いない。もう一つ、セーフガードと激闘で、もう一度死んだ時のシボの状態だが、まず上記したように、基本的にシボはデータ化しやすい状態の「人」なので、比較的「楽」に「予備電子界」に入れたのだと考えられる。それとも、直前の建設者を操るために、霧亥とシンクロして言語基体を上書きしたためかもしれないが・・・・・・。しかし、ここで完全にデータのみの状態だ。ここでまた問題だが、はたしてネット上のみで存在する知性、というのは可能なのだろうか?ずっと後に出てくるイコがいるが、あれはAIだから状況が異なる。また、とにかく長時間、ただのデータのままだと「ノイズ」で変質してしまう。実際には、変質しているのも本来の姿なのだが、それを含めるためには、ある種の境界が必要で、これが「生体」という物なのだ。だから、ずっと「予備電子界」にいると、あのときの統治局のように、なんだか、身体がバラけた状態になり、ついにはただのノイズになってしまうのかもしれない。

****づるの作っていた物
>言語基体を通す事による。アナログ→デジタル過程でのデータの変質、また、繰り返される変換による「量子化ノイズ」の影響が、人間性を変化させるとすると、それに対する策が考えられる。もしかすると、づるの作っていた「細胞の保存」は、このあたりが原点かな、とも思われる。あれはクローン用のデータ保存だと思うが、その本質は「アナログ」データ保存なのかもしれない。東亜重工編の最後で、シボが肉体を取り戻す時には、多分あのづるの保存物が活用されたのだろう。

****転送
>メンサーブが行った究極の防御手段だが、相当に難しい問題を孕んでいる。まず、受け入れ側がどうなっているのか分からない。もしかしたら、それを考えにいれずに「転送」している可能性すらあるが、いくらなんでもそれは物凄く危険過ぎる。転送する対象が「死」んでいいのだから、それはそれでアリなのだが、実際どこに出現するのか分からないので危険極まりない。もしも、物体の中に物体が転送されれば「核融合」だ。東亜重工編の最後は、まさにこれが起こってしまった訳である。従って、本来は移動先が「ある」と考えられる。だが、もうシステムそのものが狂っていて、霧亥は別な場所に出たのだろう。出た場所は、一種「特異点」のような場所だと考えられる。

****重力炉
>重力子は重力を媒介する構成要素だが、単独としての力が非常に弱い。光より遥かに小さい力なので、例えばレーザーのような物が出来ても、あまり有効ではない(だからといって不可能ではない。重力子を利用し、他の素粒子を崩壊させてエネルギーを取り出す、といった手段も可能性がある)。さて、この重力子という、力は極めて弱いが、しかし、力を及ぶ範囲は無限大という特性を持つモノで、「炉」といったエネルギー源を作るにはどうすればよいか?ここに、ひとつの可能性があるようだ。実は「BLAME!]作中に描かれた「重力炉」には、ニュートラリーノらしいマークが付いている。ニュートラリーノとは、この宇宙の構成要素の約 90%以上を占めると考えられ、なおかつその存在を、容易に認識できない暗黒物質(ダークマター)の構成要素と考えられている物だ。今現在、世界各地の科学研究施設でその検出実験が盛んに行われている素粒子ニュートラリーノは、電気的に中性なため、ほとんどまったく自然に干渉しない。しかし、質量は他を圧して巨大なので、絶対に重力的に影響を受けるはずだと思われる。仮にそうだとすると、重力子を利用できるのではないだろうか?

相互作用が統御出来れば、それを利用して、大宇宙の存在そのものからエネルギーを引き出す可能性が出くる。つまり、重力で「場」を作り、いわば「風車」の「羽根」を形成して、ダークマターの「流れ」で「羽根」を回して力を得るのだ。重くて動かないダークマターの中を、太陽系は超高速で走っている状態、と考えられるので、ホンの少し「風車」を回しても、多分、全く影響はない.
****重力炉の異常についての仮説
>重力炉は「時空的」に安定した場所を必要とする。が、東亜重工の周囲に取り付いて「建設者」による無作為な都市化の進展で、「場」が崩壊してしまい、安定が失われてしまった。場の安定を保つために、重力炉を極限まで稼動して、無理に「場」を維持しているのだが、限界に来ている。すでに「場」を安定を保つ事が不可能になり、「時空」が重複してしまっている。さらに、それらの「重複」がひどくなって、もう連続体を維持するのも困難になっている。もうすぐ空間そのものが崩壊してしまう。この状態を復旧するためには、一度「炉」を停止し、時空を戻して、「再起動」する必要がある。重力炉の本体は重力子で出来た「羽根車」なのだが、これには、いかなる物体も干渉できない。が、ただ一つ、重力子放射線射出装置だけは、一時的に「羽根」に「穴」を開けられる可能性がある。穴は一定時間で塞があるだろうが、その間、実質的に「炉」が停止するので、機能がリセットされる可能性が高い。ただし炉が停止すると、その間にいままで重複していた「世界」がほぐれてしまい、その反動で何か起こるか見当もつかない(実際には、一気にエネルギーを失って、いわば「世界が────空間的・時間的に────凍りついた」状態になってしまった・・・・・・・?)。また、重複が解かれた反動で、炉の中心部分では、空間が一気に裂け、「転送自由」な状態になってしまったようだ。
****重力子放射線射出装置・第1仮説
>重力子はビームにしても、あまり力がない。では、重力子放射線射出装置の強大な力は何から来るのか?重力炉と同じで、「ダークマター」を媒介しているのかもしれない。あれは、一種の場の放射で、形成された場に一気に多量のダークマターの干渉が起き、その巨大な質量の爆発的増加で、物はなんでも破壊される。いわば、場の属性を変える「放射装置」なのか?
****『BLAME』の仮説
>オリジナル「BLAME」(四季賞受賞作)は、珪素生物の元祖と思われる生体への、ジャックインを描いている。実際のところ、今の科学から考えて、電子擬体へのジャックイン―――それに伴う意識の移行は、きっと間違いなく実現するだろう。問題は「意識」ではなく「記憶/個性」の電子化が可能かで、この問題こそが神学的・科学的に議論が集まるところだと思う。「BLAME」では、まさにそれが可能になった瞬間を描いている訳だ。ちなみに他の作品でいうと「攻殻機動隊」では、電子化は自明の事として描かれ、それをするかしないかは「モラル」の問題にされている。「順列都市」でも、自明だが、電子化された「コピー」を自然と同じ速度で動かすには計算速度の占有が必要で、つまり電子化された個性が持てるかどうかは、アニメティーを含めて、金次第として描かれている。「BLAME!」では、ほとんど自由に個性の電子化が可能なように描かれているが、アニメティーは完全に「ネットスフィア」に依存していて、それがない限り、ただ無限の無意味な「生」と化す危険な選択になっている。
****『NOiSE』仮説・1
>ここで、なぜネットスフィア以外が「ヤバイ」場所───カオスになったか?という疑問が起こる。実際、もし擬体にジャックイン出来るようになったとして(『NOiSE』の教団がそれを可能にして)その知識が一般化した時、なにが起きるかと言うと「軍事利用」がまず考えらる。死なない、メンテナンス可能な「戦士擬体」が出来れば、これに勝る兵力は考えられない。絶対、軍事利用するに決まっている。反対勢力も当然だが同じ事をする。で、壮絶な電子戦が起きる。どんな壮況下になるのか考える事も予想も出来ないが、とにかく「ネット世界」が荒れ果てて、カオスと化す───のだろうか?
****シボの転生・2
>東亜重工前の戦闘で、シボは殺された瞬間に、いともあっさり予備電子界に「転生」したわけだが、きっとこれは誰にでも出来る事ではない。もしあんた感じで、みんな電子体で浮かんでいってたら、幽霊についての冗談ではないが、人の意識ですぐに予備電子界は埋まってしまうだろう。これはつまり、データとしての人間の意識を「ロード」する「ソフトウェア/プログラム」が別にあって、それが作動していると考えるべきだろう。つまり、いつの間にかシボには、電子界で個性データをロードできるアプリケーションが付属していた、という事だ。なんで、そうなったかは仮説として二つ考えられる。①霧亥の言語基体をコピーした時、一緒にもらってしまった(ウイルス?)。②建設者とリンク中だったので、その影響。または、上記二つの要素の結合。こういったアブリ付きの個性をもった人間は、いざとなればデータ状態での生存も可能なわけかも・・・・・・・いわば生体(とはもう言わないかもしれないが・・・・・・・・)なのに、統治局・セーフガード的な存在形態といえるかもしれない。
****『NOiSE』仮説・2
>ところで、殺されたクローサーだが、彼の何が「教団」に利用されたのだろう?とにかく、データ化されたのだから実験だったのか?もし、クローサーの個性の幾分かがデータ化されたとして、当然、そこにはアプリはないのだから、IP空間(予備電子界・・・・・・・とはまで呼ばれていない?)にデータが散乱してしまっていて、それこそのいずになってしまっただろう。ところで、あの結のいる世界で、仮にウィリアム・ギブスンの短編「冬のマーケット」(「クロームりゅう襲撃」所載)の女ミュージシャン、リーゼみたいに、個性をデータに載っけてしまう人間がいたとしたら、これはどうなのか?ネットの外側(基底現実側)にハードが必要だが、とりあえずロードは可能だろう。そのような人物(?)なら、「幽霊」になれそうな気がする。
****人工端末遺伝子実験
>生電社のシボが自己流でネット端末遺伝子を作った実験設備は超巨大だったが、なぜだろうか?さきほども記したが、もし適当なアプリも持っていないと、電子界では個性はデータ化して存在できないように思う。適当なアプリそのものは、当然ネットスフィアのOSに合致しているので、それがあれば、すごくプログラムとして小さくできる。チップレベルか、それ以下だと思う。が、もし適当なアプリの種類も、それどころかプログラムをロードする環境としてのハードウェアの種類すらも不明な状況だと、どうなるか?これは、なんだか分からないゲームのセーブデータだけがあって、何のゲームか、いやハードの種類する分からない、といった状況に例得られろと思う。しかも、ゲームはリアルタイムで進行するだけはわかっているのだ。なにしろどんな事をしても、このセーブデータをロードしなければならないとしたらどうするかというと、既存のゲーム機種を全部揃えて、さらにそれらについてのあらゆるゲームソフトも揃え、それらを全部いつでもどれにでも切り替えられる状況を作って、とにかくロードする以外ないわけだ。あの時のシボは、そんな状況の設備を作らなければならなかったので、あおのような巨大な設備になってしまったのだろう。ついでに言うと、ネットスフィアのハードが超構造体に備えられていたので、あの場所に設置したのだと考えられる。
****東亜重工の秘密/動力・推進力
>東亜重工の主動力源は、重力炉。推進力は2種類あり、短距離や細かい動きは、重力セイバー(重力の「羽根」を広げて、ダークマターとの抵抗を利用する、いわば帆船のようなもの)。そして、長距離は重力操作で「世界線」に穴を開けて「ワームホール」を作り出して「ワープ」する「転送」。
****東亜重工の秘密/目的
>遥か過去に忘れ去られた大企業「東亜重工」が、何か未知の目的のために送り出した「移民・探索宇宙船」。だが、目的地に到達する遥以前に(あるいは目的を果たした後で?)中の人間達の間に「軋轢」が起こり、出発点近くの場所に戻ってしまった。この時、人間同士の諍いに手が出せない管理AIは、一緒に混乱状態に陥ってしまった(このことから、この船が、AIをOSのインターフェイスだけではなく、管理ソフトに組み込むと「論理矛盾」危機が起こってしまう事がまだ分かっていない、相当に古い時代に製作された事が分かる)。なお、軋轢の原因そのものが「未完成」のワームホール・エンジン及び「転送」による予期せぬ効果なのかもしれない。ワームホール航法で一気に戻った地点は、なんと「階層都市」の真ん中だった。
****なぜ、あの位置で固定されたのか?「統治局との協定」とは?
>破壊された都市には、あまり人口は多くなかったと思われる(もともと、階層都市は人口密度が低い)。被害の復旧は、自動的に機能する建設者に任せて、東亜重工の艦載AIと統治局は、事後協議に入る。だが「個性」を付与されている前時代の遺物である艦載AIと、すでに機械・機能的な単なるOS化している「完全論理」の統治局の間では、とくに東亜重工内に生き残った人間の処遇についての合意が出来ない。なぜかというと「2001年宇宙の族」の「HAL」と同様に、多分艦載AIには絶対的な優先命令「艦内の人員の生命保護を最優先しろ」が与えられているが、統治局には、もうそういった予盾が起こりそうな「命令」の類はない。ただ、円滑なシステムの運用だけが至上命令になっているからだ。かくして、両者の話し合いは物別れになり、暫定的な形の「協定」が結ばれる。「協定」の内容は①東亜重工は、重力操作をしない。つまり、その場での「世界線」の穿孔をしない。②動かない事の代償、統治局は、東亜重工を治外法権とみなす。つまい、ネットスフィアから切り離す。③東亜重工から、自らの意志で出た人間を、統治局はすすんで保護する。「協定」の締結後、電基漁師の一族は外に出る事を選び、残った人間はAIと共に、内部で暮らし続けていた。
****状況の推移・破綻
>複数の事故が重なり、AIは動きが、さらにとれなくなる。まず航行用の過大な出力の「重力炉」が暴走し始め、中の世界線に以上が発生していく。さらに、統治局とは独立した勢力である「珪素生物」が侵略を開始し、同じく半独立勢力である「セーフガード」が介入を始める。そして、初期時代の統治局と同様に、複数の矛盾した命令による論理混乱から、ある程度はファジー思考が出来る艦載AIも、ひとつずつ異常に陥っていく(艦載AIは、当初は区画毎に13個用意されていた)。
****メンサーブ、中央AI
>メンサーブ自体、最初期みに狂ったAIで、すでに特定個人にしかすぎないはずのセウを「最優先」に考えている。狂い始めた他のAIの中でも、より重症だったので、実質的に、他のAIからの接触を禁じられる(除名される)。残ったAIのうち、いくつか珪素生物達に破壊されてしまう。最後に残ったAIが集合して「中央AI」になった(「エヴァ」の「マギ」や「ハイべりオン」の機械知性のように、複数の協議回路になって発狂を防ごうとしているが完全に機能はしていない)。
****飛散空間でのシボ
>中央AIは、協定を破棄し、移動を考えているが、なにより重力炉異常が続いていては転送が不可能。そこに、何百年来の変化が起こる。霧亥とシボの侵入である。実は中央AIは、すでに一度(あるいは何度か?)重力炉を正常化しようとして「禁断」の世界線変移を起こさせてしまっている。重力炉の異常出力を利用して、世界線を複数絡ませてしまっていたのだ。が、基になる世界線の蓋然性データが、東亜重工の人間による場合では、結局どれ一つ現状打破の「世界線」に通じていないのだった。そのため、いたずらに混乱が増していっただけだった(そもそも、現在の東亜重工の危機を排除しようとして、最初の1回が行われ、それで重力炉異常が発生してしまったのかもしれない?)。そこに、新たなデータが現れた。で、シボの世界線をいじってみる事になった。しかしながら、ともかく重力炉異常は、一瞬間だけ、直る。中央AIは、その一瞬の蓄積で賭に出た・・・・・・が!?
****霧亥?・第2項/あの電力は、どこに消えたのか?
>レベル9に完膚なきまでにやられた霧亥が、LOG.51で復活した方法とは?そして、「並列蓄電槽群」の膨大なエネルギーはどこに消えたのか?この謎には、霧亥の正体(?)に係わる大きな要素が見え隠れしている。まず、可能性として考えるのは、例の「システムの蜜使」の事。ここで先に、基本的にあの復活がかなり異常な状態のを確認したい。あの場所は「非公式超構造体/非公式階層」で、統治局は機能していない。また、霧亥が「造換塔」を破裂してしまったため、セーフガード式の、戦闘体サナカンが何度もやったようなダウンロード系甦りは不可能。すると、霧亥は、どうやってどこから心身の基本データを引っ張ってきて、エネルギーを得て、復活したのだろう?ただし、イコが説明しているように「超超構造体にはネットスフィアのハードウェアが埋設されている」との事だし、最終話前のエピソードの破棄されたデータの「領域」、統治局から切り離されたデータ領域でも、機能は万全でなくても作動はし続けているようなので、要するに、この世界にはBIOSのレベルがある・・・・・・?実際、イコも「システム」という言葉を使っている。「システムの蜜使」とは、予備電子界に漂流する統治局の代理構成体が、いまわのきわに告げた言葉だ。「霧亥は、セーフガード以前のシステムの蜜使」・・・・・・霧亥の正体(?)を告げる唯一の重要な言葉。つまり、霧亥は、その「システム」レベルに何か関係しているのか?つまり、その結果、何らかの手段で、システムそのものにデータ/エネルギーを戻し、かつ得て、復元したのだろうか・・・・・・?もしそうなら、まさに、不死身・・・・・・?統治局が協力を申し入れるも当然といえる。そうだとすると「並列蓄電槽群」での電力引き出しはその埋め合わせなのだろう。エネルギーと物質は相互作用する、基本的には同じものなので、あれほどの電力を霧亥の身体内に溜めるのは物理的に不可能。霧亥の身体を通して、とにかくどこかに消えているのは間違いないのだから。
****重力子放射線射出装置・第2仮説/第一種臨海不測兵器
>イコが呼ぶ「重力子放射線射出装置」のなまえだが、きっと本来のなまえは、こっちなのだろう。「重力子──」は、廃棄階層にある生電社の人間が呼んだ名なので、これは機能を表す名なのだと思われる。つまり「第一種臨界不測兵器」が霧亥の銃の本来の「名」で、重力子放射線射出装置の方は、その銃の機能を表しているのだ。では、「臨界」が「不測」になる「兵器」とは、どういう意味なのだろうか注意しなければいけないのは、これを使用した(持っていた)のは、霧亥、サナカン、そして、サナカンが「澡縦」した大嚢王だけだ、という事である。この理由としては、「BLAME!」の物語の舞台が、[最初に霧亥の彷徨っていた廃棄されかけた下層階層] [生電社が統括する廃棄階層] [統治局の管理を外された東亜重工] [非公式階層] [レベル9にぶっ壊された階層] と、統治局やセーフガードが十分に機能していたいだろう場所ばかれなので、他の「兵器」に出会わなかった、という可能性が考えられる。が、セーフガードは無能な指揮者とは思えず、また、最後の万全状態のサナカン対珪素生物の本拠のシーンでも、サナカンが使用したのは禁圧解除した銃だし、そのサナカンを襲うためにダウンロードさせた上位駆除系が、火力・威力では圧倒はしなかった事を考えても、霧亥の銃こそが、この世界最強の兵器だと思われる。そんなモノを、なぜフラフラしてる霧亥が持っていたのか?やはり、霧亥が物凄く特別の人物だからだろう。やはり「システムの密使」だから・・・・・・? 先程の問題に戻る。「臨界」が「不測」になる「兵器」とは、どういう意味か?この世界全体が、建設者が創造した階層世界なのは確実で、太陽界レベルのサイズがあり、その中全体に1気圧の呼吸可能な大気が充満し、重力が一定している。そんな状況を自然のままで生み出すのは物理的に不可能なので、なんらかの手段でコントロールしている。当然だが、最大の改造は重力コントロールで、きっと超構造体のなかい制御装置があるのだろう。もしも、重力コントロールが破綻すると、その瞬間に階層自体が崩壊する可能性する考えられる。という事で、「臨界不測兵器」ではないのか?霧亥の銃は、重力コントロールの場に「重力子」の「放射線」を「射出」して、場の「臨界」点を崩壊させて「不測」な状況を作り出してしまう究極の「兵器」なのだ。人工的に作り出した重力場を一直線にザッと切り裂いてしまい、局所的に崩壊されるのだろう。こんな物を、あっちこっちでパンパン撃たれては、世界が危ないので持ち手は制限されるに決まっている。サナカンは、そんな物を任せられる特殊な「上位」存在なのだろう。だからこそ、統治局から、後に・・・・・・レベル9の捜索を任されたのだろう・・・・・・・か?
****非公式階層の謎・1/6780キロ、800時間
>非公式階層を隔てていた超構造体の厚さと、通過するための所要時間。ちなめに、地球の半径は6400キロ。800時間は、33日半。この情報で、霧亥とシボは何の感想もなく受け入れている。が、シボといえば「生電社」という限られた還境ねいたとはいえ、一度は「生涯」を懸けたぐらいの超構造体の専門家である。変に思われない訳はない。変ですね、これ。だって、超構造体の素材が、そもそも惑星を解体したモノによっているのだから、惑星の径と同じ厚さの超構造体は造れない(シボは「太陽界」といった概念は知らなかった可能性もあるが、多分、何らかの知識は得ていたと思う)。33日という時間にしても、霧亥もシボもいちおうは有機体なので、これほどの時間は堪えにくいと思うが、その素振りもない。で、一番考えられるのは、実はこんなに「厚さ」はなく、時間も掛かっていなかった、ということ。では、あのアナウンスに、霧亥とシボは無反応だったのか?で、考えられるのは、ほらっ、ファイルのコピーなんかしようとした時、時々、残り時間が異常な数値になる事があるじゃないですか。すぐに半減したりしてあれと同じで、「・・・・・・どうせ」と気にしなかったのではないのか?では、なぜ、あんな異常が起きている?多分、実はここにこそ、そもそもの混乱・異変の鍵がある!統治局は、最初は当然、コントロールした刑で建設者による空間拡大を把握し、推進めていた。しかし、ある時に異常が起こった、システム自体に・・・・・・。システムの「時間」の認識が変になった。なぜか?もしかしたら、統治局、というより、その時の人類/PCの科学認識を超える現象が、起こってしまったのかもしれない。拡張された超構造体の物理特性に異変が発生した。科学的に未知状況が起きた。重力と空間の歪みから、時間に渉するような異常が起こった?システムの時計は本来は統一されているので、時間が狂うと命令が伝達出来ず、干渉も不可能になってしまう。混乱は長い時間の中で起こってたため、統治局が事態を認識して、つまり、混乱を収拾出来ない事がわかった時には、ストップをかける事も不可能になっていた。これこそが、実は、世界の混乱の主原因なのでは・・・・・?
****個性について・第2項/サナカン
>消滅した(死んだ?)時のサナカンには確実に「個性」が備わっている。しかしながら、サナカンに最初からあのような個性があったかは疑問で、また、上位セーフガードとして、あのようなスペックが本来、期待されていたことも思えない。上位セーフガードの持つ「個性」(意識)は、いわゆる人工知性問題でのチューリングテストは軽くクリア出来ると思われるが、逆に言うと「その程度」で、本来的に自律的個性を持たせるための物とは思えない。何のために上位セーフガードに個性が備わっているのか、というと、間違いなくそれは「対珪素生物」戦用だ。だいたい、珪素生物って、元は人間であるにしても合理的行動をしなさ過ぎ!メイヴとイヴィが代表的な個体ではないとしても、とにかく超人的で、あんなに勝手だと、とても機械的なAIだと相手は無理。だから、いわゆる不法アクセスする普通の人間には駆除系で対応していたのが、とても珪素生物ねは手が負えなくて、個性付きの上位セーフガードを用意したのだと思われる。でも、本来のスペックでは、最初に出現した時のサナカンとか、実は、上位セーフガードらしいLOG.4の謎の少年(?)ぐらいの「個性」だと思う。では、なぜ、サナカンは、最期にはあんなになってしまったのか?ところで、明らかにセーフガードでありながら、物凄く「個性的」なキャラクターが、他にも「BLAME!]ねは登場してますね。はい、ドモチェフスキーとイコです!この二人については、「BLAME!]では稀な事ですが、オリジンが一応、描かれてます。LOG.43で、二人が「臨時セーフガード」として「完成」された状況が描かれていますが、造ったのは「階層」の「緊急システム」だと説明されています。その様子は、ドモチェフスキーの回想として描かれているので、二人とも現状の個性を持っているようですが、実際は違ったかもしれませんね。とにかく間違いなく、ドモチェフスキーとイコは、いわゆるAIで、対珪素生物問題が起こったとき、ネットスフィァに繫がらない状況で、とりあえず自動的なセーフガードの保安機構として発動するように設計されて生まれ(?)たのだろう。ネットに繫がらない、とは現在のPCで想像するなら、いわばインターネット接続はLAN接続されていない状況で、そこにブラウザ・ソフトはあっても機能できず、ウイルス・チェッカーの更新も出来ないのに、それでもソフトやデータ経由でウイルス(珪素生物)はやって来る、という感じだろうか?で、延々と二人だけでなんとか戦い続けた?250年以上・・・・・・?イコが身体を失っているのは、実にAI的ではありますね。多分、十分な電力があれば実体になれるのだと思う。まあ、それとも、実体だった時の基本データも矢われて、或いは損なわれていて、もう、データとしてしか存在出来ないのかもしれないが?とにかく実体なしでも個性を保っているのが、どうも生物的ではなく、いかにもAIっぽい。にもかかわらず、あの二人はまるで人間のような「個性」がある。これについては、要するに、あんまり個性つきでいた時間が長いので「人間になっちゃった」のだと思う。すごくよく出来た「個性」プログラムを延々と動かしていたら、人間になっちゃったんだと・・・・・・。すると、サナカンにも「それ」が起こったんじゃないのか?この辺の雰囲気は、作中でも「建設者」が個性付きになってく過程とかで描かれていますしね。元々は、ただの戦闘用「個性」だったのが、多分、あの時、シボと共生した10年が効いてるんじゃないかな?やっとシボから身体を取り戻した後も、しぼに影響された事もあって、通常の上位セーフガードとは違うべるのパーソナリティーを持てしまった。で、組職としてのセーフガードからはお払い箱にされちゃった。一種のオーバースペックで必要ない、と判断されたのでしょう。スイッチが切られるだけだから、眠ってるようなもので、別にサナカン個人としては痛くも痒くもなかったでしょう。ところが、統治局ね呼び出された。狂ったレベル9の探索用として。レベル9には、シボのパーソナリティーが残っているので合理的行動が出来ないし、ただのセーフガードでは相手が悪かったし、だいたいセーフガードのシステムは同属の捜索とか破壊とかは難しかったのかもしれない。で、十分以上にこなれちゃってるサナカンにお鉢が回ってきたのでしょう。サナカン、ドモチェフスキー、イコの最期は、個性が十分ので、ちょっと可哀相ですね。彼ら自身がそんな感慨はなかったかもしれないけど。機能として生み出され機能として滅した訳だから・・・・・・。最後の戦いに臨むサナカンが戦闘体を取ったのは、機能的な理由で当然なのだけれど、あっちが本人的にも自分本来のダウンロード体と思っていたのかもしれない。
****非公式階層の謎・2/セーフガードの服?
>非公式階層編で最も不思議な事の一つは、セーフガードの「服」があった事。ダウンロード体が基本のセーフガードに、服って何? まあ、あれはシステム的に二度とダウンロードが出来ない二人組用として、緊急用にデータで保存してあった物をいざという時のためにダウンロードしておいたんでしょうね。
****霧亥?・第3項/機械知性vs.有機知性
>およそ、SFに予言性があるのは既に、ある程度は認められている(と思う)。いろいろ、いままでに書かれた事が(主に悪い事が)具現化してきた。で、このデータもしつこいぐらい繰り返されてきた物。「2001年・・・・・・」、ベンフォード作品、「ターミネーター」シリーズ、「戦闘妖精雪風」等けん挙げるとキリがないくらい、他にもいろいろある。機械対人類。きっと起こるんだ、これ。そう思った人がいた訳ですよ。で統治局、というか、もっと前、全世界、人類の生存圏が丸ごとネットワーク・スペースに置き換わらんとした時、やはり危惧した訳ですよ。このままだとヤバイのではないかと。でも、今さら後戻りは無理なので、将来、本気でAIが有機知性と事を構える時に、一気に逆転できるように「安全装置」を組み込んだ・・・・・・・?この辺・・・・・・ドモチェフスキーとイコの「生成」エピソードと重なる部分があって、意味深・・・ではあるな。組み込んだのは、「システム」の根幹。ソフトみたいに入れ換えたり、最悪の場合でも、絶対にデリート出来ない部分に。で、もしも、機械が人殺しを始めたら、これが目覚めて止める、ってしといた。ところが、なんだか、もっと滅茶苦茶なことがおこって、機械的知性が人類を滅ぼすどころか、そもそも入力する信号を発する対象が全滅してしまった。そこで、ある時点で「システム」は、何か・・・・・・をした?何をしたかは・・・・・・未だに分からない。ただ、思い起こすと、いろいろ、腑に落ちる事が多い。たとえば、統治局は、霧亥単独とでは、接蝕もできなかった・・・・・・?でも、すると、あの「犬を連れた女性」は・・・・・・?
****霧亥?・第4項/なぜ、シーラカンス?
>レベル9に消滅させられかけた霧亥が復元する時、修復が「スタート」する前の「夢」に見たのが、LOG.2/大地の記憶、に出てきた女性と出会う犬、というのは、相当に象徴的だ。明らかに、このシーンは、ドモチェフスキーとイコの「生成」シーンと関連しているように思う。女性がイコ、犬がシーラカンスと対応している。霧亥は自覚的には明らかに、人間。自身で成長した記憶もあるようだから、ドモチェフスキーやイコのように、いきなり、あの形に「生成」されては決してない。少なくとも「最初」はそうではない。だが、今の霧亥の身体が、その最初に生まれた「そのもの」ではないのも、ほとんど間違いない。そうでないと身体スペックや戦闘力の説明が付かない。で、その最初の「戦闘用改造」か、それ以後に「生まれ変わった」時の記憶が、あの修復スタート前の映像……? 霧亥がなんらかの理由で「生まれた」時に、あの女性が、ちょうどイコのように霧亥のサポートをしたのだろう。犬は、そのパートナーなのだろう。すると、彼らも「システム」の一部なのかも……? この想像は、霧亥が「安全装置」と関連している、との仮説とも合致するし、それ以外の理由で「再誕生」したとしても理解できる。イコと
****レベル9
ダフィネ・ル・リンベガが、かつて仮接続に失敗した時には、どういった事が起こっていたのだろう。同じ状況を体体験したシボの場合を考えると、やはり、上位セーフガードによってダフィネ・ルは殺されかけ、駆除係を追い払う事が出来たのかもしれない。しかしとにかく、力押しでは「目的」を達せず、結局は、ダフィネ・ルもセウの遺伝子を使用しなければならなかった。さて。このダフィネ・ルの「目的」は何だったのだろう?だいたい、珪素生物と統治局の関係は友好的とは勿論言えないが、しかし、実は正面から対立している訳でもない(ただし、セーフガードは正面衝突している。これは全くシステム的な話で、ウイルスとワクチンの関係である)。統治局は、「人間」と「世界」に興味があるというか―――というか、管理責任を負っていて、アクセス権のない珪素生物には興味がない。管理する世界に干渉されれば排除するが、それもセーフガードを通じてだろうと思われる。一方、珪素生物は、統治局による完全管理、ネットスフィアの復興は阻止したいが、自身も、あの世界に棲んでいる以上は、統治局を完全に破壊したいとは思っていないだろう。カオス状態が続けば理想的なのであって、ネットが完全にダウンすると、多分、珪素生物も生存出来ないと思われる。では、あんなに一生懸命、ダフィネ・ルは統治局にアクセスして、何をしたかったのだろう?最後に命懸けでやった事からすると、やはり「レベル9」の奪取が目的だったのだろうか?では、なんでレベル9が欲しかったのだろう?物語の展開によって、シボの意志が反映したためか(?)、レベル9内に統治局とのアクセス権を秘めた「球」が出来上がり、それの捕獲・奪取が別の闘争を生んだが、それはダフィネ・ルの最初の目的では、当然だが、ない。ダフィネ・ルは、純粋な戦闘力としてのレベル9を欲したのだろう。その目的は、結局不明なのかもしれない。対セーフガード用の研究材料としてか、珪素生物内のヒエラルキーの強化かもしれない・・・・・・・。で次の疑問。「レベル9」って、どのくらい強いの?だいたい、あらは、どんな兵器なの?ヒントは三つあります。まず、(霧亥の銃以上の)最後兵器である(ただし、どうやらコントロールは出来ない)事。破壊的な「熱量的」効果が面で広がっている事。メンサーブの転送(正しくは、転送後の出現状態)だ。以上から、まったくの推定だが、あれは別世界と転送面を出現させる兵器と考えられる。仮定としては太陽表面あたりかな?まあ、それだと対抗する方法はないな。
****造換塔/電力の話、ふたたび
非公式階層編では冒頭から電力不足の話をしているドモチェフスキーとイコだが、これは絶対的にエネルギーがない、という訳ではなく、勝手に使えるモノがないという事だろう。エネルギー源である造換塔を珪素生物とハッキング会戦で取り合いしていて、スキル系のイコの能力がダフィネ・ルに負けている訳だ。ところで、「BLAME!」の世界は、完璧なユビキタス・ワールド。インターフェイスはないんで自由自在ではないが、重力から大気まで、およそ生存に必要な要素は完全にネットに依存しているわけで、自然な物は一切ない。で、電力だが、霧亥の銃にもエネルギーは必要な訳だ。ところが、非公式階層でも問題なくパンパン撃っている。なぜ・・・・・・?霧亥の銃が使えなくなる状況って割にハッキリしていて、やはりエネルギー供給を断たれた時だ。それ以外は対抗処置を取られたとき。生電社編で、射線を捩じ曲げられていたが、あれはマジ超能力かもしれない。物理的な手段だと、重力干渉・・・・・・?シボの話では研究はしていたみたいなので、干渉場の発生は出来たのかもしれない。ラストで珪素生物も使っていたが、生電社で出来たのだから当たり前ではある。サナカンも瞬間的なら射線を逸らしてたみたいだった。とにかく、重力子利用だから対抗は可能なのだろう。東亜重工のなかで使用出来なかったのは、単純にソフトが使えなかったから。これで分かるのは、霧亥の銃とはいえ、OS的にはネットスフィァに依存している、という事。まあ、セーフガードの武器として生まれているのだから当然か。だから、イコが一瞬だけ銃をハッキング、コントロールも出来たのだろう。銃そのものは滅多にない特殊な物でも、使用している全部ソフトが見た事もない訳ではないのだろう。大嚢王と戦う際に禁圧解除する時、駆除系からエネルギーを持ってたのは、ネットから銃へのエネルギー供給が、内蔵ソフトでは禁圧解除して使用する量にならないからだったのだろう。それより注目しなければならないのは、あの時、供給するエネルギーを霧亥の身体経由で送っている事。つまり、あの銃は、霧亥経路でエネルギー供給されているのだ。だから時々、他の人が銃を使っているが、あれは銃の内蔵ストックにあるエネルギーで撃てる分だけで、それが切れたら、次は霧亥がもう一度持つまで、撃てなくなるのだろう。東亜重工編の話に戻るが、あの時はシボが「防磁繭」を使って使用可能にした。あれは要する武器使用禁止が、セーフガード禁止と同じ基準なので、単純なので、単純にソフトの頭にフラグを立てているだけだと分かっているので、チェッカーを外ソフト的な場を使ってのだろう。シボは生電社の時も「電磁場を遮蔽」する「塗布防電」を使っているが、これも同じ仕組みの物だろう。シボが「防磁繭」を作っていた理由は、いつか霧亥が来ると思っており、その時に銃を使えるようにというのもあるとは思うが、もっと直接的に、サナカン対策用だったと思う。話を戻すが、要するに造換塔とは、予備電源だったのではないか?多分「BLAME!」の世界の環境を維持している基本的な電力供給は、超構造体などのベーシックな部分、「システム」に内蔵されているのだろう。そうでないと重力制御が狂ったら世界が崩壊してしまう。だから、ソフトの起動に必要な電力は別経由になってるのだろう。可哀相なドモチェフスキーとイコは、自分でソフトウェアを起動する電力がなくなり、或いは珪素生物に邪魔されて、八方塞がりにされてしまったが、霧亥は別に何にも困っていない。霧亥の銃はエネルギー供給順位が、きっと相当に上位にあって、いざとなったら基本的動力する使用できるので、気楽にパンパン撃てるのだ。
****個性について・第3項/モリ
>サナカン、ドモチェフスキー、イコの潔い最期に対し、「BLAME!」に出てくる「人間」は潔くない。この辺も「個性」(意識)或いは遺伝子の継続という原始本能に関係しているのかもしれない。遺伝子から開放された珪素生物の方が、ずっと気楽に生きている感じもする。づるは遺体のサンプルも作るし。メンサーブ・セウ組は「時空隙」に行っちゃうし。ビューティフル・ライフのクローン。それに対し、当たり前かもしれないが、AIは目的に一直線なのだ。ラスト付近で、霧亥のパートナーになった、緊急保存パックで行き続ける「モリ」……とにかくジタバタする。「緊急保存パック」というと、少女体サナカンに宿った時のシボが、まさに緊急時を意識して作成した円筒形の物が思い出されるが、あの中には何のデータが入ってたんでしょうか?一説によると、人一人分の「データ」って、約2テラバイトだとか?どういう計算?分子構造かしら?まあ、それを信じるとしても、そのくらいなら、あの世界では十分、あのサイズで納まるのだろう。シボの場合は、何回も「転生」しているから、基本データは、もっと少ないかもしれない。それに対して、モリの方の緊急保存パックはでかいよね。でも、必ずしも性能が同じとはいえないので、大きさで性能は計れないか?とはいえ、最終的に「複数」の個性が上書きされてたんだから、あっちの方が容量は大きかったのかもしれない。モリがメーカー名か、それとも最初の少女の名だったのかは、永久の謎……?あの性格が、少女の本来のパーソナリティーだったのか、上書きされた他人(男?)のものなのかも、同じく分からない。ただ、サナカン達に比べると、やはり、生命へのこだわりは感じられる……。
****個性について・最終項/ネットスフィアの管理人?
>なぜ、統治局はダウンロードする代理構成体に「個性」らしきものを与えるか?それは単にユーザー・フレンドリーなだけで、実はどうでもよかった?セーフガードが、わざわざ上位セーフガードを生み出した理由は、「対珪素生物」戦用の兵器の運用として必要だったからだろうが、その場合ですら、一旦付与した「個性」は消せないので、却って不便だった事もあった。それなのに・・・・・・。統治局自体には、決して「個性」はない。これは作業的条件で、機能優先にしない限り、かならずいつか破綻し、また、うかつに個性を付与すれば、碓実に「論理矛盾状態」になってしまうからだ。だが、やはり、人間相手にでは、何か欲しかったのだろう、と思う。そして、そんな人間相手だけのためのインターフェイスとしての「個性」が、統治局の「窓口係」としてだけ存在し続けていたのだろう。彼(彼女)には、多分、実体すらない。時々基底現実に代理構成体がダウンロードする時は、そのコピーされた個性が付与される。その元の物が、延々と存在し続けている。それは、長い時間に、個性を積み重ねてしまう。意図せずに・・・・・・。サナカンと話をしたのは、そんな存在なのかもしれない。

>文責/弐瓶勉・渡辺協(「BLAME!」初代担当編集者)

****BLAME!・参考図書リスト
「大いなる天上の河」
「ファアサム・エンジン」
「武装島田倉庫」新潮文庫
「デッド・ガールズ」
「キリンヤガ」
「タンジェント」
「順列都市」
「ハイペリオン」
「エンディミオンの覚醒」
「ニューロマンサー」
「クロームの襲撃」
「スチール・ビーチ」
「ウィザード」
「バービーはなぜ殺される」
「時間都市」

***BLAME!解説
>漫画は独学で描き始め、1年くらい投稿に専念した時期があって、そのときに「アフタヌーン」の『四季賞』の審査員特別賞(谷口ジロー氏推薦)に入選したのが、この『BLAME(当時は!がついていない)』だった。霧亥が強力な銃をもって、巨大な建物の中を彷徨う物語は一緒。連載時のような細かい設定は決まっていないが、基本的な作品の骨格は投稿の段階で、すでに出来上がっていた。受賞作の掲載でデビューした後、アフタヌーンの初代編集担当から連絡があって、もう少し『BLAME!』の世界を掘り下げながら描きはじめたくて、ゆくゆくは連載までもっていこうという話になった。その間、プロとしてやっていくための修業を兼ねて、高橋ツトム先生のもとで5ヶ月ほど専属アシスタントをした。それまで完全に独学だったので、道具から仕事のサイクルまで、漫画家のすべてを身近で学べたのは大きかった。いろんな意味で劇的に成長したように思う。『BLAME!』の中で一番こだわったのは、やっぱり建物だろうか。全体像がわからないような巨大建築物を作品の中心に据えて、誰が見ても初めてという世界観をつくろうした。SF小説においては当たり前の世界観でも、漫画ではそういう例がほとんどないので、だったら自分が描いてやろうじゃないかという気持ちがあった。今回の画集のカバーイラストも、建物の大きさを見せるため人物は極限まで小さくした。ある意味で、『BLAME!』の主人公は建物かも知れない。物語として成立するには人間のキャラが必要だけど、描いていて本当に楽しかったのは建物や化け物だった。それらの存在感が大きいのは、自分の好きなものだけで構成しようとした作品だから当然である。一方でわかりにくいとの指摘も多かったが、ハッキリいって懇切丁寧に説明するのは好きじゃない。情報は最小限のものを断片的にしか出さず、後は勝手に想像してもらうほうがリアルだと信じている。約6年の連載を振り返っても、全然終わった感じがしない。ストーリーも特別な起承転結があるわけじゃないし、もともと大きな世界の片隅で起こった小さなエピソードを切り取って見せただけ。あの世界では日常的に起こっている事件の一つだ。カバーのカラーイラストに関しては、作品の前半はアクリル絵の具を使い、途中からパソコンに取り込んでデジタル処理した。それぞれに短所と長所があるが、画材を変えるのは楽しかった。今後は両方使っていくつもりだ。

**NOiSE
***NOiSE解説
>実は、「アフタヌーン」の四季賞に「BLAME(当初は!が付かない)」が入選する前に投稿したのが「NOiSE」だった。佳作には入ったが結局は誌面に載ることもなく、日の目を見ないまま闇に消えたはずの作品である。その「NOiSE」が突如として復活したのは、「BLAME!」の連載が進み、単行本が5巻くらいに達したときのことだ。「アフタヌーン」のシーズン増刊で何か描かないかという話になって、あの「NOiSE」はどうだろうと打診を受けたのである。「NOiSE」の時代背景は「BLAME!」の数千年前で、二つの作品世界は完全につながっているし、共通の登場人物や化け物も出てくる。わかりやすくいえば「BLAME!」の世界はすべて壊れて狂っているが、そうなるに至った厄災について描いたのが「NOiSE」なのだ。本当は現代から「BLAME!」にいく途中の話として、ネットスフィアの誕生秘話をやりたかったが、連載の中でうまく説明できずに終わってしまった。画のほうに関しては敵がカルト教団なので、西洋の宗教画を参考にして描いた部分が多い。主人公が女ということもあって、「BLAME!」とは違う意味で楽しめる作品だと思う。


**DEAD HEADS
-&q(2002 Comic for the "Season Edition" of AFTERNOON)
**弐瓶勉×Enki Bilal 対談
-アフタヌーン 2001年5月号掲載
#blockquote(){&bold(){弐瓶} このあいだ、フランスのアングレームで開かれたコミックフェスティバルに行ってきました。
&bold(){エンキ・ビラル(以下E・B)} アングレームはどうでしたか?
}
**作品解説

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