ビラつくり@Wiki
ビラの目的はしっかりと
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匿名ユーザー
はじめに
「ビラの目的が違えば書き方も違う」ということです。
宣伝文書としてのビラを、1.リーフレット的性格のもの 2.アジテーション的性格のもの 3.イベント告知的なものに分類し、説明してゆきます。
リーフレット的なもの
「私たちはこういう取り組みをしています」これはその宣伝物の発行者が問題視し、取り組んでいる長期的課題について触れたもので、問題の存在自体知らない人や反対する団体の存在を知らない人への入門的な内容になります。
内容としては「今こんな事が起こっている、これは社会にこのような悪影響を与える」といったごく基礎的な問題点の指摘と、自らの団体組織及びその取り組みの紹介などが書かれます。
これは長期的に使用する事を前提に制作しますので、その場限りの事象(ナントカという議員がこんな問題発言をした)とか行動(誰々へ抗議文を送ろう)とかには触れないほうがいいでしょう。
また、配付場所としてお店に置いてもらったり、常時携帯して名刺代わりに渡すというような使い方ができるように、小さめなサイズで作るほうが良いでしょう。そのためにはある程度文字数も限定されます。
ところが、基本文書としての役割もありますので、誰にでも解りやすいように、かつ誤解を生まないようにていねいに論を組み立てないといけません。簡潔で丁寧な文章を作るためにも、文案はよく吟味する必要があります。
アジテーション的なもの
一言で言うと、新聞の号外に「だから今すぐ何々をしよう!」とメッセージを添えたようなものです。
注目すべき最新の情勢をとらえ、刺激的なキャッチで危機感を伝え、具体的なアクションを提案するために作られます。
内容は、差し迫った危機を警告し、短期的で明確な目標をいち早く提示することが目的となります。情報の鮮度が最優先ですので、文案はそれほど吟味する必要はありません。文書量もそれほど多くせず、もらったその場で歩きながら読める程度が良いでしょう。
理屈よりも感情に訴えることを重視しましょう。
告知的なもの
メッセージ性よりも「どこどこでこんなイベントがある」という情報を伝えることを主目的としたものです。
後にレイアウトに関する部分で触れますが、日時や場所、費用の有無、イベントの特色などを大きな字で書かなければなりませんし、会場の地図なども必要になります。文章を書くスペースは必然的に極めて限られてきます。ですので、この紙面で論を張る必要はありません。読者の興味を引く程度に問題提起し、詳細はウェブサイトでという方法もあります。
宣伝物を配布する場所を考慮する。誰がそのビラを読むのか?
宣伝物を作成するにあたって、それを読む読者を想定して題材と文面を工夫するべきです。
内部向けの文書なのか、外部に向けた文書なのかをはっきりと区別して作成することによって、主張内容をより確実に伝えることができます。
反対集会などの会場で配付する宣伝物は、比較的「内部向け」と言えるでしょう。
集会に集まる人は、その問題についてある程度の知識があり、その運動に積極的に関与していく意志を持つ人と言えますから、基本的な内容よりも、一歩突っ込んだ知識や具体的行動、または当日の集会内容に関連する課題など発展させたものがよいでしょう。ただし、集会用とはいっても、厳密な「内部文書」とは違いますので、部外者が閲覧する可能性は考慮されるべきです。安易な個人情報の掲載や水面下で準備中な計画の暴露は避けねばなりません。
「内部向け」ビラがある程度読者を限定しているのに対して、街頭で配付する「外部向け」のビラは、あらゆる読者を想定せねばなりません。この中には問題の存在に無知であったり、無関心である人々だけでなく、私たちの行動に敵対的な読者も含まれます。
こういった場合、運動家にとって今更言うまでもないような超基本事項からの概説が必要になります。
「今、どのような問題が起きているのか」「なぜそれに反対しているのか」「社会全体にどのような影響があるのか」を、価値観の断絶した興味関心の無い人々への説得を想定して文面を組みます。意外と難しい作業です。「共にたたかおう!」というよりも「見守り、応援してください」といった程度のアピールがよいでしょう。
「内部向け」と「外部向け」の中間に位置するような読者層も存在します。これをここでは「潜在的支援者向け」と呼ぶことにします。
「潜在的支持者」とはどのような人々かを具体例で言うと、漫画表現規制問題であれば、同人誌即売会会場やアニメゲーム専門店、秋葉原の街頭などで出会う人々です。彼らは価値観と用語を共有する人々です。
彼らに向けて配付する宣伝物は、外部向けビラを基本スタンスにして、もう少し具体的な内容を付け加えたものになります。そして「あなたはこの問題の直接的当事者なのだ」ということをアピールするべきです。
宣伝物の文面が完成したら、よほど緊急で無いかぎりは、運動を共にする友人何人かにチェックしてもらうことをお勧めします。自分ではなかなか気がつかない誤字脱字や論理破綻は、他人のチェックを受けることで容易に探しだすことができます。文書推敲は完全を求める必要はありません。時間とのバランスを考えて適当なところで妥協しましょう。