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『荒城にて①』


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俺達は朽ち果てた荒城で焚き火をしていた。
「キリ、また争いだってな。」
俺は隣に居るキリと言う女に話かけた。
「ええ、今度は合衆国のエージェントだってね。本当、平和な暮らしがしたい・・・」
俺とキリは幼馴染の関係だ。こう見えても俺達は教団の中で結構上の方に居る。
そういう意味では満足だ。
だが、数年前、奴が俺達にアレを植え付けてから、
俺達はもとの平和な暮らしに戻りたいと思うようになった。
思い起こせばあの頃は平凡な日常に刺激がほしいと思っていた。
はは、今までこんな刺激だらけの毎日よりは
平和な日常の方が良いって事に気が付かなかった自分が笑えて来る。
しかし、こういう事を考える事が出来るのも幸運と考えねば。
状況が状況なだけに、そう思わざるを得なかった。
「ちょっとケイ!」
「え!?」
「え、じゃないでしょ、何ボーッとしてるのよ。」
「・・・・・・いや、別に何でも・・・」
申し遅れた、俺はケイ、ロス=イルミナドスの幹部の1人だ。
隣に居るのはさっきも言った通りキリ。同じくロス=イルミナドスの女幹部だ。
俺もキリも、この地位に誇りを持ってなど居ない。
たかが教団、教団とは神無しには存在出来ないものだ。
俺達はある人から、『神だの何だの言う前に行動を起こせ』と教えられた。
考えてみれば、それを信じ通すのも信仰の1つと言えるだろう。
そういう意味では俺も奴らも同類なのかもしれない。
だが俺は、寄生体や恐怖のみで人を支配する汚い連中とは違う。
俺はただの・・・しがない村人さ。
「ケイ、明日は何の仕事があったっけ?」
「訓示の後・・・訓練か?」
「その後! 何か大変な事があったような・・・」
「あ、分かった! 作戦の説明だ!!」
「そうそう、それそれ。」
「はぁ・・・・・・また誰か、教団の進歩の為の犠牲になるのか・・・」
「そうね・・・私達もその中の1人にはなりたく無いわよね。」
「ああ・・・・・・。」
こういう話をしているのは俺達だけだ。
他は大抵、明日の晩飯がどうだの、最近は金卵が産まれないだの、そんな話ばかりだ。
俺達はまた誰かが死亡するとなると、そんなのんきな話をしては居られなかった。
これは自我が残る幹部プラーガを注入された俺達だけの苦しみだろう。
と、キリがポシェットに手を突っ込んで何かを探し始めた。
ガサゴソ・・・
「キリ、何を探してる?」
「・・・・・・これ!」
それはいつもキリが吹いていた横笛だった。
「♪ピ~、ヒョロ~、ピロリ~・・・」
朽ち果てた荒城の月夜に、笛の音が響いた・・・・・・。

   妄想小劇場『荒城にて①』完

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