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果物の保存
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食と暮らしの部屋
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食と暮らしの部屋ではサニーの商品試験室にて発信している、衛生に関する事や健康、栄養、また食品の保存など、食品に関する色々な情報を提供しています。また、食べものに関する素朴な疑問などにも科学的な立場からお応えできるようにしております。これらの情報は、商品試験室の消費生活アドバイザー「樋渡由岐」がご案内致します。
食品の保存-果物の上手な保存方法
果物は野菜と同様生き物であり、鮮度管理の難しい食品と言えます。みずみずしく、食べやすい果物ですが、それだけ水分が多く、組織も軟弱なものが大部分で、腐敗しやすいのも特徴です。
果物の中でも、比較的日持ちのよいものと腐敗しやすく日持ちの悪いもの、また低温で貯蔵できるものと低温で障害を受けるもの、成熟促進ホルモンであるエチレンガスの生成や呼吸量の多いものと少ないものなどがあり、果物の種類によって保存方法が違いますので、それぞれの特徴を知っておくことも大事でしょう。
果物の鮮度と低温管理
果物は新鮮なうちはいい香りがし、みずみずしいのですが、時間がたつにつれ香りがなくなり、次第にしなびてきます。さらに時間がたつと、黒ずんできたり、腐敗したりカビが発生したりして、食べられなくなってきます。
カット果物になるとさらに鮮度劣化が顕著。右のグラフのように、丸物に比べ腐敗が著しく早く、ビタミンCの減少も著しいようです。従って、カット果物の場合は、肉や魚などの生鮮食品と同じようにきちんとした低温管理で早めに食べてしまうことが肝心です。
低温障害
大部分の果物は生理作用を抑えるために低温で保存することが望ましいのですが、バナナやパイナップル、マンゴー、アボガド、レモンなどの熱帯性果実は低温に弱く、低温で貯蔵すると障害を受けるものが多いようです。
12~13℃以下で貯蔵することで、果皮や果肉の褐変や異味異臭、腐敗など引き起こしやすくなってきます。 あまり冷えすぎないように注意しなければなりません。
試験室に寄せられたお問い合わせより
Q:
冷凍食品(カットマンゴー)の使いかけを冷蔵庫で保管したら、翌日褐変した。
A:
熱帯性果実のマンゴーは、低温で果肉の褐変などの障害を受けやすいので、10℃以下の冷蔵ではなく、使いかけも冷凍で保存しましょう。
成熟と追熟
未熟な果物は樹の上で熟成が進み、やがて食べ頃の時期を迎え、過熟、老化という課程で熟度が進んでいきます。果物には食べ頃の時期で収穫するものと、未熟な段階で収穫し、成熟を促進する処理を行い、食べ頃にしてから出荷する果物があります。
例えば、バナナは外国の害虫侵入を防止するため青いうちに収穫し、輸入後日本国内でエチレン処理をし、成熟させてから販売されています。
このように、果物は収穫後も成熟が進む性質があり、樹上の成熟と区別して、収穫後の成熟を「追熟」と呼んでいます。
多くの果物は、自分自身で成熟を促進する植物ホルモンである「エチレン」を出して自然追熟します。しかし、かんきつ類やぶどう、パイナップルのようにエチレンの生成量が少ないものと、りんごやキウイフルーツ、カキ、メロンなどの生成量が多く追熟が進みやすいものとがあり、区別して保存することが大切です。
冷蔵庫の野菜室に入れる場合は、エチレンをよく出すものとあまり発生しないものや野菜とは、ポリエチレン袋などでんできっちり分けて保存したいものです。
代表的な果物の上手な保存方法
いちご
いちごは鮮度低下の早い果物。果肉が軟らかく、傷つきやすく、水分の蒸発ととも に果面がしおれやすい。乾燥しないように袋などに入れ、冷蔵庫で保存します。一度洗うと果皮が弱くなるので、水洗いは食べる前にしましょう。
みかん
みかんは鮮度劣化がそれほど早くないので、冷蔵庫で保存する必要はありません。 しかし、果皮が水に濡れたり、湿度の高 い所に置かれると、カビや腐敗を生じやすくなるので、穴を開けたポリエチレン袋やネット袋に入れ、風通が良く、日の当たらない所で保存しましょう。
りんご
りんごも保存中に水分が蒸発しやすいので、密閉して冷蔵庫に入れておくと良いでしょう。冷蔵庫に入らない場合は、袋や新聞紙に包んで、段ボール箱に入れたり、蓋 付きの発砲スチロール箱に入れ、涼しい場所で保管します。
バナナ
バナナは追熟が進みやすい果物なので保存には注意が必要。冷蔵庫では低温障害を起こすので、常温で保存します。その際、袋に入れるとエチレンガスで熟成が早まるので、そのままで保存。またエチレンガスの発生しやすいメロンなど一緒に置くと熟成が早まるので注意しましょう。
カテゴリ: [食べ物?] - &trackback() - 2006年02月29日 12:35:11