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食品衛生法

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食品衛生法
(昭和二十二年十二月二十四日法律第二百三十三号)

最終改正:平成一八年六月七日法律第五三号
(最終改正までの未施行法令)
平成十八年六月七日法律第五十三号 (未施行)





 第一章 総則
 第二章 食品及び添加物
 第三章 器具及び容器包装
 第四章 表示及び広告
 第五章 食品添加物公定書
 第六章 監視指導指針及び計画
 第七章 検査
 第八章 登録検査機関
 第九章 営業
 第十章 雑則
 第十一章 罰則
 附則

   第一章 総則

第一条  この法律は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。

第二条  国、都道府県、地域保健法 (昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項 の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)及び特別区は、教育活動及び広報活動を通じた食品衛生に関する正しい知識の普及、食品衛生に関する情報の収集、整理、分析及び提供、食品衛生に関する研究の推進、食品衛生に関する検査の能力の向上並びに食品衛生の向上にかかわる人材の養成及び資質の向上を図るために必要な措置を講じなければならない。
○2  国、都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、食品衛生に関する施策が総合的かつ迅速に実施されるよう、相互に連携を図らなければならない。
○3  国は、食品衛生に関する情報の収集、整理、分析及び提供並びに研究並びに輸入される食品、添加物、器具及び容器包装についての食品衛生に関する検査の実施を図るための体制を整備し、国際的な連携を確保するために必要な措置を講ずるとともに、都道府県、保健所を設置する市及び特別区(以下「都道府県等」という。)に対し前二項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えるものとする。

第三条  食品等事業者(食品若しくは添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること若しくは器具若しくは容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売することを営む人若しくは法人又は学校、病院その他の施設において継続的に不特定若しくは多数の者に食品を供与する人若しくは法人をいう。以下同じ。)は、その採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、販売し、不特定若しくは多数の者に授与し、又は営業上使用する食品、添加物、器具又は容器包装(以下「販売食品等」という。)について、自らの責任においてそれらの安全性を確保するため、販売食品等の安全性の確保に係る知識及び技術の習得、販売食品等の原材料の安全性の確保、販売食品等の自主検査の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
○2  食品等事業者は、販売食品等に起因する食品衛生上の危害の発生の防止に必要な限度において、当該食品等事業者に対して販売食品等又はその原材料の販売を行つた者の名称その他必要な情報に関する記録を作成し、これを保存するよう努めなければならない。
○3  食品等事業者は、販売食品等に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため、前項に規定する記録の国、都道府県等への提供、食品衛生上の危害の原因となつた販売食品等の廃棄その他の必要な措置を適確かつ迅速に講ずるよう努めなければならない。

第四条  この法律で食品とは、すべての飲食物をいう。ただし、薬事法 (昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品及び医薬部外品は、これを含まない。
○2  この法律で添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によつて使用する物をいう。
○3  この法律で天然香料とは、動植物から得られた物又はその混合物で、食品の着香の目的で使用される添加物をいう。
○4  この法律で器具とは、飲食器、割ぽう具その他食品又は添加物の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受又は摂取の用に供され、かつ、食品又は添加物に直接接触する機械、器具その他の物をいう。ただし、農業及び水産業における食品の採取の用に供される機械、器具その他の物は、これを含まない。
○5  この法律で容器包装とは、食品又は添加物を入れ、又は包んでいる物で、食品又は添加物を授受する場合そのままで引き渡すものをいう。
○6  この法律で食品衛生とは、食品、添加物、器具及び容器包装を対象とする飲食に関する衛生をいう。
○7  この法律で営業とは、業として、食品若しくは添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること又は器具若しくは容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売することをいう。ただし、農業及び水産業における食品の採取業は、これを含まない。
○8  この法律で営業者とは、営業を営む人又は法人をいう。
○9  この法律で登録検査機関とは、第三十三条第一項の規定により厚生労働大臣の登録を受けた法人をいう。

   第二章 食品及び添加物

第五条  販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。以下同じ。)の用に供する食品又は添加物の採取、製造、加工、使用、調理、貯蔵、運搬、陳列及び授受は、清潔で衛生的に行われなければならない。

第六条  次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
一  腐敗し、若しくは変敗したもの又は未熟であるもの。ただし、一般に人の健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認められているものは、この限りでない。
二  有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。
三  病原微生物により汚染され、又はその疑いがあり、人の健康を損なうおそれがあるもの。
四  不潔、異物の混入又は添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの。

第七条  厚生労働大臣は、一般に飲食に供されることがなかつた物であつて人の健康を損なうおそれがない旨の確証がないもの又はこれを含む物が新たに食品として販売され、又は販売されることとなつた場合において、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、それらの物を食品として販売することを禁止することができる。
○2  厚生労働大臣は、一般に食品として飲食に供されている物であつて当該物の通常の方法と著しく異なる方法により飲食に供されているものについて、人の健康を損なうおそれがない旨の確証がなく、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その物を食品として販売することを禁止することができる。
○3  厚生労働大臣は、食品によるものと疑われる人の健康に係る重大な被害が生じた場合において、当該被害の態様からみて当該食品に当該被害を生ずるおそれのある一般に飲食に供されることがなかつた物が含まれていることが疑われる場合において、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その食品を販売することを禁止することができる。
○4  厚生労働大臣は、前三項の規定による販売の禁止をした場合において、厚生労働省令で定めるところにより、当該禁止に関し利害関係を有する者の申請に基づき、又は必要に応じ、当該禁止に係る物又は食品に起因する食品衛生上の危害が発生するおそれがないと認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該禁止の全部又は一部を解除するものとする。
○5  厚生労働大臣は、第一項から第三項までの規定による販売の禁止をしたとき、又は前項の規定による禁止の全部若しくは一部の解除をしたときは、官報で告示するものとする。

第八条  厚生労働大臣は、特定の国若しくは地域において採取され、製造され、加工され、調理され、若しくは貯蔵され、又は特定の者により採取され、製造され、加工され、調理され、若しくは貯蔵される特定の食品又は添加物について、第二十六条第一項から第三項まで又は第二十八条第一項の規定による検査の結果次に掲げる食品又は添加物に該当するものが相当数発見されたこと、生産地における食品衛生上の管理の状況その他の厚生労働省令で定める事由からみて次に掲げる食品又は添加物に該当するものが相当程度含まれるおそれがあると認められる場合において、人の健康を損なうおそれの程度その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して、当該特定の食品又は添加物に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該特定の食品又は添加物を販売し、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、若しくは調理することを禁止することができる。
一  第六条各号に掲げる食品又は添加物
二  第十条に規定する食品
三  第十一条第一項の規定により定められた規格に合わない食品又は添加物
四  第十一条第一項の規定により定められた基準に合わない方法により添加物を使用した食品
五  第十一条第三項に規定する食品
○2  厚生労働大臣は、前項の規定による禁止をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
○3  厚生労働大臣は、第一項の規定による禁止をした場合において、当該禁止に関し利害関係を有する者の申請に基づき、又は必要に応じ、厚生労働省令で定めるところにより、当該禁止に係る特定の食品又は添加物に起因する食品衛生上の危害が発生するおそれがないと認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該禁止の全部又は一部を解除するものとする。
○4  厚生労働大臣は、第一項の規定による禁止をしたとき、又は前項の規定による禁止の全部若しくは一部の解除をしたときは、官報で告示するものとする。

第九条  第一号若しくは第三号に掲げる疾病にかかり、若しくはその疑いがあり、第一号若しくは第三号に掲げる異常があり、又はへい死した獣畜(と畜場法 (昭和二十八年法律第百十四号)第三条第一項 に規定する獣畜及び厚生労働省令で定めるその他の物をいう。以下同じ。)の肉、骨、乳、臓器及び血液又は第二号若しくは第三号に掲げる疾病にかかり、若しくはその疑いがあり、第二号若しくは第三号に掲げる異常があり、又はへい死した家きん(食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律 (平成二年法律第七十号)第二条第一号 に規定する食鳥及び厚生労働省令で定めるその他の物をいう。以下同じ。)の肉、骨及び臓器は、厚生労働省令で定める場合を除き、これを食品として販売し、又は食品として販売の用に供するために、採取し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。ただし、へい死した獣畜又は家きんの肉、骨及び臓器であつて、当該職員が、人の健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認めたものは、この限りでない。
一  と畜場法第十四条第六項 各号に掲げる疾病又は異常
二  食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第十五条第四項 各号に掲げる疾病又は異常
三  前二号に掲げる疾病又は異常以外の疾病又は異常であつて厚生労働省令で定めるもの
○2  獣畜及び家きんの肉及び臓器並びに厚生労働省令で定めるこれらの製品(以下この項において「獣畜の肉等」という。)は、輸出国の政府機関によつて発行され、かつ、前項各号に掲げる疾病にかかり、若しくはその疑いがあり、同項各号に掲げる異常があり、又はへい死した獣畜又は家きんの肉若しくは臓器又はこれらの製品でない旨その他厚生労働省令で定める事項(以下この項において「衛生事項」という。)を記載した証明書又はその写しを添付したものでなければ、これを食品として販売の用に供するために輸入してはならない。ただし、厚生労働省令で定める国から輸入する獣畜の肉等であつて、当該獣畜の肉等に係る衛生事項が当該国の政府機関から電気通信回線を通じて、厚生労働省の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に送信され、当該電子計算機に備えられたファイルに記録されたものについては、この限りでない。

第十条  人の健康を損なうおそれのない場合として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める場合を除いては、添加物(天然香料及び一般に食品として飲食に供されている物であつて添加物として使用されるものを除く。)並びにこれを含む製剤及び食品は、これを販売し、又は販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。

第十一条  厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理若しくは保存の方法につき基準を定め、又は販売の用に供する食品若しくは添加物の成分につき規格を定めることができる。
○2  前項の規定により基準又は規格が定められたときは、その基準に合わない方法により食品若しくは添加物を製造し、加工し、使用し、調理し、若しくは保存し、その基準に合わない方法による食品若しくは添加物を販売し、若しくは輸入し、又はその規格に合わない食品若しくは添加物を製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、若しくは販売してはならない。
○3  農薬(農薬取締法 (昭和二十三年法律第八十二号)第一条の二第一項 に規定する農薬をいう。次条において同じ。)、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律 (昭和二十八年法律第三十五号)第二条第三項 の規定に基づく農林水産省令で定める用途に供することを目的として飼料(同条第二項 に規定する飼料をいう。)に添加、混和、浸潤その他の方法によつて用いられる物及び薬事法第二条第一項 に規定する医薬品であつて動物のために使用されることが目的とされているものの成分である物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を含み、人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質を除く。)が、人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める量を超えて残留する食品は、これを販売の用に供するために製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、又は販売してはならない。ただし、当該物質の当該食品に残留する量の限度について第一項の食品の成分に係る規格が定められている場合については、この限りでない。

第十二条  厚生労働大臣は、前条第一項の食品の成分に係る規格として、食品に残留する農薬、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律第二条第三項 に規定する飼料添加物又は薬事法第二条第一項 に規定する医薬品であつて専ら動物のために使用されることが目的とされているもの(以下この条において「農薬等」という。)の成分である物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を含む。)の量の限度を定めるときその他必要があると認めるときは、農林水産大臣に対し、農薬等の成分に関する資料の提供その他必要な協力を求めることができる。

第十三条  厚生労働大臣は、第十一条第一項の規定により製造又は加工の方法の基準が定められた食品であつて政令で定めるものにつき、総合衛生管理製造過程(製造又は加工の方法及びその衛生管理の方法につき食品衛生上の危害の発生を防止するための措置が総合的に講じられた製造又は加工の過程をいう。以下同じ。)を経てこれを製造し、又は加工しようとする者(外国において製造し、又は加工しようとする者を含む。)から申請があつたときは、製造し、又は加工しようとする食品の種類及び製造又は加工の施設ごとに、その総合衛生管理製造過程を経て製造し、又は加工することについての承認を与えることができる。
○2  厚生労働大臣は、前項の申請に係る総合衛生管理製造過程の製造又は加工の方法及びその衛生管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合しないときは、同項の承認を与えない。
○3  第一項の承認を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、申請書に当該総合衛生管理製造過程を経て製造し、又は加工した食品の試験の成績に関する資料その他の資料を添付して申請しなければならない。
○4  第一項の承認を受けた者(次項において「承認取得者」という。)は、当該承認に係る総合衛生管理製造過程の一部を変更しようとするときは、その変更についての承認を求めることができる。この場合においては、前二項の規定を準用する。
○5  厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、承認取得者が受けた第一項の承認の全部又は一部を取り消すことができる。
一  当該承認に係る総合衛生管理製造過程の製造又は加工の方法及びその衛生管理の方法が、第二項の厚生労働省令で定める基準に適合しなくなつたとき。
二  承認取得者が、当該承認に係る総合衛生管理製造過程の一部を前項の承認を受けずに変更したとき。
三  厚生労働大臣が、必要があると認めて、外国において当該承認に係る総合衛生管理製造過程を経て食品の製造又は加工を行う承認取得者(次号において「外国製造承認取得者」という。)に対し、必要な報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
四  厚生労働大臣が、必要があると認めて、その職員に、外国製造承認取得者の製造又は加工の施設、事務所、倉庫その他の場所において食品、帳簿書類その他の物件についての検査をさせようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、又は忌避されたとき。
○6  第一項の承認に係る総合衛生管理製造過程を経た食品の製造又は加工については、第十一条第一項の基準に適合した方法による食品の製造又は加工とみなして、この法律又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。
○7  第一項の承認又は第四項の変更の承認を受けようとする者は、審査に要する実費の額を考慮して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

第十四条  前条第一項の承認は、三年を下らない政令で定める期間(以下この条において「有効期間」という。)ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
○2  前条第二項及び第三項の規定は、前項の更新について準用する。
○3  第一項の更新の申請があつた場合において、有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の承認は、有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
○4  前項の場合において、承認の更新がされたときは、その承認の有効期間は、従前の承認の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
○5  第一項の承認の更新を受けようとする者は、審査に要する実費の額を考慮して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

   第三章 器具及び容器包装

第十五条  営業上使用する器具及び容器包装は、清潔で衛生的でなければならない。

第十六条  有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着して人の健康を損なうおそれがある器具若しくは容器包装又は食品若しくは添加物に接触してこれらに有害な影響を与えることにより人の健康を損なうおそれがある器具若しくは容器包装は、これを販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、又は営業上使用してはならない。

第十七条  厚生労働大臣は、特定の国若しくは地域において製造され、又は特定の者により製造される特定の器具又は容器包装について、第二十六条第一項から第三項まで又は第二十八条第一項の規定による検査の結果次に掲げる器具又は容器包装に該当するものが相当数発見されたこと、製造地における食品衛生上の管理の状況その他の厚生労働省令で定める事由からみて次に掲げる器具又は容器包装に該当するものが相当程度含まれるおそれがあると認められる場合において、人の健康を損なうおそれの程度その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して、当該特定の器具又は容器包装に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該特定の器具又は容器包装を販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、又は営業上使用することを禁止することができる。
一  前条に規定する器具又は容器包装
二  次条第一項の規定により定められた規格に合わない器具又は容器包装
○2  厚生労働大臣は、前項の規定による禁止をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
○3  第八条第三項及び第四項の規定は、第一項の規定による禁止が行われた場合について準用する。この場合において、同条第三項中「食品又は添加物」とあるのは、「器具又は容器包装」と読み替えるものとする。

第十八条  厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供し、若しくは営業上使用する器具若しくは容器包装若しくはこれらの原材料につき規格を定め、又はこれらの製造方法につき基準を定めることができる。
○2  前項の規定により規格又は基準が定められたときは、その規格に合わない器具若しくは容器包装を販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、若しくは営業上使用し、その規格に合わない原材料を使用し、又はその基準に合わない方法により器具若しくは容器包装を製造してはならない。

   第四章 表示及び広告

第十九条  厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若しくは添加物又は前条第一項の規定により規格若しくは基準が定められた器具若しくは容器包装に関する表示につき、必要な基準を定めることができる。
○2  前項の規定により表示につき基準が定められた食品、添加物、器具又は容器包装は、その基準に合う表示がなければ、これを販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。

第二十条  食品、添加物、器具又は容器包装に関しては、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告をしてはならない。

   第五章 食品添加物公定書

第二十一条  厚生労働大臣は、食品添加物公定書を作成し、第十一条第一項の規定により基準又は規格が定められた添加物及び第十九条第一項の規定により基準が定められた添加物につき当該基準及び規格を収載するものとする。

   第六章 監視指導指針及び計画

第二十二条  厚生労働大臣は、国及び都道府県等が行う食品衛生に関する監視又は指導(以下「監視指導」という。)の実施に関する指針(以下「指針」という。)を定めるものとする。
○2  指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一  監視指導の実施に関する基本的な方向
二  重点的に監視指導を実施すべき項目に関する事項
三  監視指導の実施体制に関する事項
四  その他監視指導の実施に関する重要事項
○3  厚生労働大臣は、指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

第二十三条  厚生労働大臣は、指針に基づき、毎年度、翌年度の食品、添加物、器具及び容器包装の輸入について国が行う監視指導の実施に関する計画(以下「輸入食品監視指導計画」という。)を定めるものとする。
○2  輸入食品監視指導計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一  生産地の事情その他の事情からみて重点的に監視指導を実施すべき項目に関する事項
二  輸入を行う営業者に対する自主的な衛生管理の実施に係る指導に関する事項
三  その他監視指導の実施のために必要な事項
○3  厚生労働大臣は、輸入食品監視指導計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
○4  厚生労働大臣は、輸入食品監視指導計画の実施の状況について、公表するものとする。

第二十四条  都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長(以下「都道府県知事等」という。)は、指針に基づき、毎年度、翌年度の当該都道府県等が行う監視指導の実施に関する計画(以下「都道府県等食品衛生監視指導計画」という。)を定めなければならない。
○2  都道府県等食品衛生監視指導計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一  重点的に監視指導を実施すべき項目に関する事項
二  食品等事業者に対する自主的な衛生管理の実施に係る指導に関する事項
三  当該都道府県等と隣接する都道府県等その他関係行政機関との連携の確保に関する事項
四  その他監視指導の実施のために必要な事項
○3  都道府県等食品衛生監視指導計画は、当該都道府県等の区域における食品等事業者の施設の設置の状況、食品衛生上の危害の発生の状況その他の地域の実情を勘案して定められなければならない。
○4  都道府県知事等は、都道府県等食品衛生監視指導計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に報告しなければならない。
○5  都道府県知事等は、都道府県等食品衛生監視指導計画の実施の状況について、厚生労働省令で定めるところにより、公表しなければならない。

   第七章 検査

第二十五条  第十一条第一項の規定により規格が定められた食品若しくは添加物又は第十八条第一項の規定により規格が定められた器具若しくは容器包装であつて政令で定めるものは、政令で定める区分に従い厚生労働大臣若しくは都道府県知事又は登録検査機関の行う検査を受け、これに合格したものとして厚生労働省令で定める表示が付されたものでなければ、販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
○2  前項の規定による厚生労働大臣又は登録検査機関の行う検査を受けようとする者は、検査に要する実費の額を考慮して、厚生労働大臣の行う検査にあつては厚生労働大臣が定める額の、登録検査機関の行う検査にあつては当該登録検査機関が厚生労働大臣の認可を受けて定める額の手数料を納めなければならない。
○3  前項の手数料は、厚生労働大臣の行う検査を受けようとする者の納付するものについては国庫の、登録検査機関の行う検査を受けようとする者の納付するものについては当該登録検査機関の収入とする。
○4  前三項に定めるもののほか、第一項の検査及び当該検査に合格した場合の措置に関し必要な事項は、政令で定める。
○5  第一項の検査の結果については、行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。

第二十六条  都道府県知事は、次の各号に掲げる食品、添加物、器具又は容器包装を発見した場合において、これらを製造し、又は加工した者の検査の能力等からみて、その者が製造し、又は加工する食品、添加物、器具又は容器包装がその後引き続き当該各号に掲げる食品、添加物、器具又は容器包装に該当するおそれがあり、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、政令で定める要件及び手続に従い、その者に対し、当該食品、添加物、器具又は容器包装について、当該都道府県知事又は登録検査機関の行う検査を受けるべきことを命ずることができる。
一  第六条第二号又は第三号に掲げる食品又は添加物
二  第十一条第一項の規定により定められた規格に合わない食品又は添加物
三  第十一条第一項の規定により定められた基準に合わない方法により添加物を使用した食品
四  第十一条第三項に規定する食品
五  第十六条に規定する器具又は容器包装
六  第十八条第一項の規定により定められた規格に合わない器具又は容器包装
○2  厚生労働大臣は、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、前項各号に掲げる食品、添加物、器具若しくは容器包装又は第十条に規定する食品を製造し、又は加工した者が製造し、又は加工した同種の食品、添加物、器具又は容器包装を輸入する者に対し、当該食品、添加物、器具又は容器包装について、厚生労働大臣又は登録検査機関の行う検査を受けるべきことを命ずることができる。
○3  厚生労働大臣は、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、生産地の事情その他の事情からみて第一項各号に掲げる食品、添加物、器具若しくは容器包装又は第十条に規定する食品に該当するおそれがあると認められる食品、添加物、器具又は容器包装を輸入する者に対し、当該食品、添加物、器具又は容器包装について、厚生労働大臣又は登録検査機関の行う検査を受けるべきことを命ずることができる。
○4  前三項の命令を受けた者は、当該検査を受け、その結果についての通知を受けた後でなければ、当該食品、添加物、器具又は容器包装を販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
○5  前項の通知であつて登録検査機関がするものは、当該検査を受けるべきことを命じた都道府県知事又は厚生労働大臣を経由してするものとする。
○6  第一項から第三項までの規定による厚生労働大臣又は登録検査機関の行う検査を受けようとする者は、検査に要する実費の額を考慮して、厚生労働大臣の行う検査にあつては厚生労働大臣が定める額の、登録検査機関の行う検査にあつては当該登録検査機関が厚生労働大臣の認可を受けて定める額の手数料を納めなければならない。
○7  前条第三項から第五項までの規定は、第一項から第三項までの検査について準用する。

第二十七条  販売の用に供し、又は営業上使用する食品、添加物、器具又は容器包装を輸入しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、その都度厚生労働大臣に届け出なければならない。

第二十八条  厚生労働大臣又は都道府県知事等は、必要があると認めるときは、営業者その他の関係者から必要な報告を求め、当該官吏吏員に営業の場所、事務所、倉庫その他の場所に臨検し、販売の用に供し、若しくは営業上使用する食品、添加物、器具若しくは容器包装、営業の施設、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度において、販売の用に供し、若しくは営業上使用する食品、添加物、器具若しくは容器包装を無償で収去させることができる。
○2  前項の規定により当該官吏吏員に臨検検査又は収去をさせる場合においては、これにその身分を示す証票を携帯させ、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示させなければならない。
○3  第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
○4  厚生労働大臣又は都道府県知事等は、第一項の規定により収去した食品、添加物、器具又は容器包装の試験に関する事務を登録検査機関に委託することができる。

第二十九条  国及び都道府県は、第二十五条第一項又は第二十六条第一項から第三項までの検査(以下「製品検査」という。)及び前条第一項の規定により収去した食品、添加物、器具又は容器包装の試験に関する事務を行わせるために、必要な検査施設を設けなければならない。
○2  保健所を設置する市及び特別区は、前条第一項の規定により収去した食品、添加物、器具又は容器包装の試験に関する事務を行わせるために、必要な検査施設を設けなければならない。
○3  都道府県等の食品衛生検査施設に関し必要な事項は、政令で定める。

第三十条  第二十八条第一項に規定する当該官吏吏員の職権及び食品衛生に関する指導の職務を行わせるために、厚生労働大臣又は都道府県知事等は、官吏又は当該都道府県等の吏員のうちから食品衛生監視員を命ずるものとする。
○2  都道府県知事等は、都道府県等食品衛生監視指導計画の定めるところにより、食品衛生監視員に監視指導を行わせなければならない。
○3  厚生労働大臣は、輸入食品監視指導計画の定めるところにより、食品衛生監視員に食品、添加物、器具及び容器包装の輸入に係る監視指導を行わせるものとする。
○4  前三項に定めるもののほか、食品衛生監視員の資格その他食品衛生監視員に関し必要な事項は、政令で定める。
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