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第二章「開戦」


~月首都・プトレマイオス市・評議会最高議長室~

TV<昨年、独立を宣言した火星軍事国家“A.R.T.E.M.I.S.”のアルバクレーター基地での、地球軍による新型モビルスーツ(以下MS)奪取事件から半年が経ちました。この騒ぎをきっかけに、両国の緊張の糸はついに切れ…ここ、月のアリストテレス市宙域では、まもなく両軍の艦隊が衝突しようとしています…>
TVを見ていた、スーツ姿の男が言う。
ニャン=コタン「愚かな…争いが生むのは墓標だけだ…」
その脇に立っていた、17歳ほどのスキンヘッドの少年が応える。
ワン=コタン「はい、父上。ですが月に住む3億の命…私は…守るために戦います。」
ニャン「よし…おまえは特務部隊“D.I.A.N.A.”の一員として工場で“ガラテア”を受領し、ハミダと合流してアリストテレスへ向かえ!だがあくまで都市の防衛が目的だ。軍事介入は極力避けるのだぞ。」
ワン「わかっております。アリストテレスには母上がいるんです。やらせはしません。」
ニャン「ああ、ランを頼んだぞ、ロミオ=クロムウェル中尉。」
ワン「はっ!(ばっ)」
ロミオは敬礼をすると、金髪のウィグをつけ、議長室を後にする。

~プトレマイオス市工場~

ロミオ「貴方がハミダ中尉ですね?」
新型機体の側で計器のチェックをしている軍服姿の青年に声をかける。
ハミダ「ん、そうだが…。君は?」
青年は仮面をしているため、顔は分からないが、声と話し方からロミオより若干年上だろう。
ロミオ「月議長直属部隊に配属された、ロミオ=クロムウェル中尉です。今回、貴方と共に新型モビルスーツ“ガラテア”で出撃することになりました。」
ハミダ「あぁ、君がそうだったのか。ハミダ=ヴィルティアだ。この新型MS“デスピナ”のパイロットを務めることになっている。よろしく。」
ハミダが手を差し出す。
ロミオ「よろしくお願いします。」
二人は固く握手をする。

~月・アリストテレス宙域・火星軍高速宇宙戦艦“アルシア”艦内~

イナモリ「さぁて、敵さんの艦隊のご到着のようだぜ。」
ミヤシタ「あれが今から火の海に沈むというのですか。哀れですね。」
タツヤ「…何か……出てきた。」
イナモリ「……!!モビルスーツだと!?この短期間に完成させたのか!?」
ミヤシタ「まさか…基本フレームは奪取されたカリュケのものでしょう。他のものも恐らくそのコピーです。ですが、どうやらこの戦争…奴らもヤル気のようですね。いいでしょう、お望み通り、血祭りにしてあげますよ!!」

シゲポ=シード艦長「なんとか開戦までに間に合ったな。新型機動MS部隊…!あちらさん、足は速いが見たところ数と火力は話にならねぇ。よし、まもなく宣戦布告がある。それを合図に総攻撃をしかけるぞ!フラウド隊発進!地球の“ガンダモ”の威力を見せてやれ!イヌイシ隊はモビルクラフト(MC)“カッシーニ”でフラウド隊を援護しろ!俺も出る!エンドー!あとは任せたぞ!」
エンドー副艦長「はっ!」

地球統一連合代表コウ=ジ=フジタ<…(略)…火星に独立は認められない。よって我輩は、火星に対して宣戦を布告するのである。>
フラウド<ついに始まったニャ…。全機散開ニャ!>
ユウスケ達<了解!>
イヌイシ<我々もカッシーニで援護する!>
そう言ってイヌイシの専用機“カッシーニ・エンケ”が、十数機のカッシーニの部隊を引き連れて進む。

イナモリ「ククっ…戦争を向こうから仕掛けさせるなんて楽なもんだな…不確かな情報ほど恐ろしいものはないな!あははははは!この戦争…最高のゲームにするぜ!?」

ハミダ「ち…ついに始めたか…人類は…滅びたな…」

そして人類史上最大最悪になるであろう戦争の幕は切っておとされた。

~戦闘宙域~

ミナ「いたわ!この間の黒いガンダモ…!いくわよ!」
ミナが“ディオネ”を加速させる。
ケイゴ「今日は一人のようだな!この間の俺達とは違うってとこを見せてやるゼ!!喰らいやがれ!!」

ずぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅーんっ!

ケイゴの駆る“ハイペリオン”のビームマシンガンが火を吹く。

ががががががっ!!

ビームが吸い込まれるようにガニメデに命中する。
ケイゴ「よっしゃあ!!…ん?……なっ!?」
だが爆炎の中から無傷のガニメデが現れる。
イナモリ「アハハハ!!甘いなぁ!このヒヨッコがぁ!!」
ミナ「そんな!!あの攻撃で無傷なの!?やはりマフティも制式機にはルナチウムをっっ!?」
ユウスケ「ケイゴ!後ろからも来るぞ!」
タツヤ「撃滅!!(ブゥン!)」

どごぉぉぉん

ハイペリオンと、ユウスケの機体“プロメテウス”はソレを避けたが、逃げ遅れた数機のカッシーニがその巨大なものに押しつぶされる。
ケイゴ「な、なんだ!?巨大な…“ハンマー”!?」
それはタツヤの“カリスト”の多目的大型対艦鉄槌であった。
フラウド「こんニャろぉ!!」
フラウドが“レア”で応戦しようと肩部ビームキャノンの照準をカリストに合わせる。
ミヤシタ「おっと、行かせませんよ。あなたの相手は私です。」
フラウド隊の前にミヤシタの“エウロパ”が立ちはだかる。
フラウド「ちっ、邪魔するニャ!」
言いながらレアは肩部ビームキャノンと、防盾に内臓されたビームマシンガンを三機に乱射するが、ビームキャノンは避けられ、マシンガンはシールドで防がれてしまう。
イナモリ「地球人のクセにでしゃばったマネするからだよ!……んっ!?(ぴくっ)後ろかっ!!」
ガニメデが振り向いた先には“アルビオリクス”の姿があった。
シゲポ「残念だが、俺を忘れてもらっちゃ困るな!」
ミナ「艦長!!」
アルビオリクスは、特殊兵器“ファンネル”(『Far-reaching Unified Network and Nuclear Energy Lightning arms』の略称。脳波により遠隔思考制御が可能な、小型の自走式ビーム砲台。)を装備した、シゲポ専用機体である。ファンネルはその操作の特殊性によって、前大戦からその存在が戦況を左右するとされてきた特殊能力者“ニュータイプ”にしか扱うことができない。
シゲポ「この新型ファンネルさえあれば、貴様ら3機いっぺんに相手することだってできるぞ!」
言うや否や、アルビオリクスから射出された無数のファンネルがエウロパを取り囲む。
ミヤシタ<ちっ、“ニュータイプ”ですか。しかもあの数を一度に操れるとは…厄介ですね。タツヤ!二人で一気に畳み掛けますよ!>
ミヤシタはエウロパをロールさせながらビームを避けると、タツヤとともに反撃に転じる。
タツヤ<……了解!>
イナモリ「じゃあ俺は、ヒヨッコの相手でもしてやるか。アハハ」
ガニメデはハイペリオンへと向かってくる。
ケイゴ「俺の相手はアイツか!?かえりうちにしてやるよ!!」
ユウスケ<フラウドとミナは艦長に付いて!ケイゴ、俺も手伝うぞ!>
後続のユウスケが“プロメテウス”を操り、ケイゴ達に追いつく。
フラウド&ミナ<了解(ニャ)!>
ケイゴ<サンキュ!さすがに、一人じゃキツイ!>
イナモリ「アハハハ!たった二機で俺を倒せると思ってるのか!?ハハハッ!!」
ユウスケ「!!」

~戦闘宙域北側~

ミヤシタ「ふ…所詮カリュケのコピーにファンネルをつけたところで…やはり我々の敵ではありませんっ!ブラックホールセオリー(BHT)を用いたエウロパ・ガンダモのジェネレータは、核エンジン30機分のパワーですからねっ!」
誰に向かってなのか、説明口調で叫びながらも、エウロパは全身の火器からの砲撃を休めることはない。カッシーニを次々と撃墜していく。
フラウド「なんて火力ニャ!?(=w=;)ビームが滝のようニャ!」
タツヤ「…撃滅!!」

ぶぉんっっ!!

ミナ「なんなのっ!?あの戦艦みたいなバカでかいハンマーは…!?っそれに…!」
カリストのハンマーがすさまじい速度で戦場に円弧を描く。

ふぉぉぉぉんんっ!!

ミナ「速いっ!!」
シゲポ「あんなに巨大なものを振り回すことができるとは…あれがタルシス遺跡の技術…カリュケはホントにオモチャだったってのか!?」

~南側~

イナモリ「おまえらは…おれには勝てないんだよ!ハハ!」

ばしゅうぅぅぅん!

ケイゴ「うわぁぁぁぁ!」
ユウスケ「ケイゴ!!」
ユウスケは不意に吹き飛ばされたケイゴを見て叫んだが、次の瞬間、ケイゴの機体の損傷を見て言葉をなくした。ケイゴの駆るハイペリオンの左肩は、丸く刳り貫いたように…“消えていた”。
ユウスケ<ぶ、無事かケイゴ!?>
ケイゴ<くっ!左肩損傷…いや…『消滅』だと!?各部に異常発生!ちくしょう!なんだ!?なにがおこった!?ビーム発光はなかったぞ!?>
イナモリ<クク…ビーム?そんな旧世代の武器とこのガンダモ・ガニメデのブラックホールライフル(BHR)を一緒にしてもらっちゃ困るな!これが貴様らが盗んで浮かれていた量産機と正式機の違いだ!>
ユウスケ<く…ケイゴ!お前はツクヨミに戻れ!コイツはおれがやる!>
イナモリ<ハハ!ヒヨッコをかばってオマエが死ぬか!?いいよ!“消して”やるからさ!>
プロメテウスはその機動力を生かして
イナモリ「ホラホラ、逃げてばっかりじゃ、俺は倒せないぜ!」
ユウスケ「くっ、やつとの間合いの取り方が…!BHT…タルシス遺跡の力がここまで大きいとは!!」
イナモリ「そろそろ終わりにしたいんだけど…。クク!」
そのとき、
ハミダ<そこまでだ。両機とも武装を解除しろ>
デスピナが大型ライフルを二機に向けている。
イナモリ<あ?誰だてめぇは?>
ハミダ<中立軍だ。とりあえず戦闘を中止しろ。>
イナモリ<馬鹿がっ!誰が止めるかよ!喰らいな!>
ガニメデはデスピナに向け、ブラックホールライフルを撃ったが、ハミダは避けなかった。

ばしゅううううん!!

ユウスケ「……え?ダメージが…ない?」
イナモリ<な、なぜだ!?どうして消えない!?>
ハミダ<ブラックホールライフルだろ?防護策がないとでも思ったか?まぁ、既に一発撃ってたみたいだから、出力が落ちてたのもあるようだが。最大出力ならば『無傷』とまではいかなかったかもな。>
イナモリ「っ!!くそぉっ!」
ロミオ<動かないでください。動けば撃ちます。>
ユウスケ「……中立軍…。」

ヒュルルルル……

全員「!!」

…ドカーーン

ハミダ「なっ!ボムだと!?上からか?」
辺りが眩い光に包まれ、ハミダ達の光学センサーが一時的にマヒする。
マッシュ<イナモリ、宙域の中立軍の介入があった。ひとまず戦闘終了だお。ここは一旦退く。早くこの宙域を離脱汁。>
イナモリ<くっ、助かったぞ、マッシュ。>
ロミオ<ちっ、待て!!>
ハミダ<ロミオ!追わなくていい!今の奴…かなりの実力だ…。追えば俺たちもタダでは済まないだろう。それに…あの感じは……。>
ロミオ<まさかヤツも…!?>
ハミダ<あぁ…おそらく俺達と同じニュータイプだろう。それも戦闘タイプのな。>
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