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金髪、短ランという出で立ちの高校三年生、三橋貴志は銃声を聞き付けると、
今まで寝ていた分を取り戻すべく、一気に無学寺から東崎トンネル付近まで走った。
ここからが三橋の頭脳(悪知恵)と身体能力の見せどころだ。

そろそろトンネル前へ到着というところで、三橋は一度足を止め、
銃を構えながら慎重に、トンネル付近へ近づいた。
しかし、そうしてトンネル周辺を窺う三橋の視界には、誰の姿も映らなかった。

「ハァ、ハァ、クソッ、誰もいねーな」

呼吸を整えながらゆっくりとトンネルの出入り口まで近づき、付近を調べてみたが、
先ほど聞きつけた銃撃戦を行っていた奴はもちろん、
銃撃戦の痕跡、例えば死体や血痕などを発見することはできなかった。
先ほど三橋が聞いた銃声は、ここから発せられてのではないのだろうか?
この島に来る前にも、やくざやマフィアなどとトラブルがあった三橋は、
銃声を聞くのも今回が初めてという訳ではなかったが、しかし聞き慣れている訳でもない。
音を聞いただけでは、正確な位置など分かるはずもなかった。

「トンネルの逆側か?」

実際、先ほど三橋が聞きつけた銃声は確かに今、三橋のいるこの場所から発せられたものだったのだが。
もっとよく探せば、弾痕の一つも発見できたのかも知れないが。
そんな事など知る由もない三橋は、場所が違ったのだと判断し、辺りを警戒しながらもトンネルへと入って行った。

(中には、誰もいねーみてーだな)

トンネルの中は電灯もついておらず薄暗かったが、それでも目を凝らせば、
前後からの明かりだけでも、中に人がいるかどうかくらいは分かる。
中に誰もいないことを確認した三橋は、素早くトンネル内を駆け抜けると、
トンネルの逆側の出口で足を止め、中から周囲を警戒した。
しかし、そちら側でも近くに人影は無く、三橋は少し拍子抜けしたような、ホッとしたような表情でトンネルを出る。
そして気を引き締め直すと、改めて銃撃戦の痕跡が無いかどうか、辺りを調べ始めた。

「あん?」

そして、三橋は草むらの中でそれを見つけた。
三橋は最初、それが何なのか、すぐには分からなかったが、
近寄ってみて、それが人だと分かった。
すぐに人だと分からなかったのは、三橋が鏡の中以外で金髪を見慣れていないからだろう。
三橋の住んでいる辺りで、三橋は「金髪の悪魔」と恐れられており、
そんな三橋に間違えられることと、三橋本人から不評を買うことを恐れて、
三橋の地元には金髪に髪を染める者がほとんどいないのである。

「チッ、真似しやがって」

そう言って、三橋は草むらの中で倒れている金髪の男――須王環を見下ろした。
しかし、環の金髪は同じ金髪でも、三橋のいかにも染めましたというゴワゴワとした感じの金髪とは違い、フワッとしていて柔らかそうだ。
それもそのはず、フランス人の母を持つ環の髪は、染めたのではなく地毛なのである。

「…………」

そんなことはさておき、三橋はこの倒れている金髪の男をどうするか考える必要があった。
まず、この男は軟葉高校の生徒ではない。
ならば、仕方なくとはいえ優勝を目指している三橋としては、
この男に死んでもらわなければならない。
見たところ、この男、息はあるし特に外傷もない。
何故意識が無いのかは不明だが、このまま放置していても死にはしないだろう。

三橋は、既に人を一人殺している。
だからと言って、人を殺すことに嫌悪や罪悪感が無くなったわけではないが、
少なくとも迷いは無いと思う。
さて、では殺すか。

しかし、問題はある。
なぜ三橋がこの場へやって来たのか。その理由は、銃声を聞き付けたからだ。
だが、草むらで倒れていたこの男は、銃も持っていなければ撃たれたのでもなさそうだった。
確定ではないが、この近くには他に銃撃戦を行った奴がいると考えるべきだろう。
三橋はそちらの方も気になっていた。

三橋の最終目的は、自分をこんなプログラムに参加させた政府に復讐することであり、
このプログラムで優勝を目指すのは、そのためにまず、この島を確実に脱出する必要があるためだ。
だが、できればこれ以上軟葉高校の仲間に死んで欲しくないという気持ちも確かにある。
そのためには、軟高以外で殺し合いに乗っている者を早いうちに全滅させ、
軟高の仲間達に危険が及ばなくなった上で、他校の連中を三橋が殺していくのが理想だ。

だから、殺し合いに乗っている奴が近くにいる可能性が高い以上、
そちらを優先したいという考えも、三橋の頭の中にはあった。
しかし、だからと言って、今、足元で倒れているこの男を見逃していいことにはならない。
もしここでこの男を見逃し、銃撃戦をしていた奴らを捜しに行ったとして、
後々この男が敵になるとも限らないし、プログラム終了まで身を隠してしまうとも限らない。
殺し合いに乗っていようがいまいが、他校の奴は殺せる時に殺しておくべきなのだ。

「うーむ」

三橋は、この男を殺すこと自体に迷いはないのだが、他にも問題はある。
先ほど銃撃戦を繰り広げていた奴が、まだこの近くにいる可能性が高いとなると、
今、三橋の手に握られているFN M1906小型拳銃。
これを使うわけにはいかない。

銃を撃ってしまうと、その音で銃撃戦をしていた奴に三橋の存在を知らせてしまうことになる。
そうすると、三橋は向こうの存在に気付いているが、向こうは三橋の存在に気付いていないというアドバンテージが無くなってしまうのだ。
それに、三橋が今持っている拳銃は装填弾数もそれほど多くない。
他にも武器が手に入っているのなら話は別だが、ただ倒れているだけの相手に銃弾を使ってしまうのは良い手とは言えない。

倒れている男の横には、男の物であろうデイバッグも転がっているが、
そのデイバッグを漁っている間に、男が目を覚ますとも限らないし、
まずは男を殺してしまうことが先決。デイバッグの中身を確認するのはその後だ。

さて、銃を使わないのであれば、どうやって殺すか?
三橋は、先ほど大阪(三橋は本名を知らないが春日歩)を撃ち殺したのが初めての殺人であり、
他の方法で人を殺すとなると、少し考えてしまう。
素手で殴るのでは、不確実だ。
鉄扇で殴るのでも、そう変わらないだろう。
十徳ナイフのナイフ部分を突き刺すか。
いや、しかし、多分だがこんなチャチなナイフで人を殺すには、
首を掻っ切るくらいの事はしないと駄目だろう。
だが、それでは返り血を浴びてしまう可能性が高い。
相手が抵抗してきたならまだしも、無抵抗の奴を殺す方法として、返り血を浴びてしまうような方法はあまり良くない。

もし今、返り血がベットリというような状態になったとする。
そうなると今後、軟高の仲間と再会することがあった時に面倒な事になるだろうし、
今の時点なら少なからずいるであろう、他校で殺し合いに乗っていない奴に対して、
騙し打ちを仕掛けるというような選択肢が消えてしまうことにもなる。

「あー、そういやー……」

そこで三橋の頭にある記憶が蘇った。
それは割と最近の出来事で、ある小物二人組とトラブった時のことだ。
小物のくせに、そいつらはヒキョーな手段で三橋を追い詰め、
なんと、シャレとはいえ三橋に頭を下げさせたのだ。
結局、その二人は直後に油断し、すぐに三橋の逆襲にあうこととなったのだが、
そのとき、頭に血が上っていた三橋はその内一人の首を絞めて殺しかけたのだった。
理子がいなかったら、そのまま殺人者になっていたかもしれないと、
ほんの少しだけ、冷や汗をかいたりもしたものだ。
そう、三橋はこの島に来るまで人を殺したことは無かったが、殺しかけた事はあったのだ。
今、理子は傍にいないし、あの時の再現をすれば、この倒れている男を殺すことが出来るだろう。
音を立てなることも無く、確実で、返り血なども浴びない方法だ。

「……ヨッシャ……ヤルか」

三橋はそう呟くと、もう一人の金髪――須王環の首に自分の腕を絡め、
徐々に力を込めていった。


【E-7 東崎トンネル付近/一日目 日中】

【三橋貴志@今日から俺は!!】
【状態】右腕付け根に刺し傷(軽傷だが少し痛みはある。ひとまずの手当てをしました) 
    疲労(小) 静かに深く怒り 表面的には精神安定
【装備】FN M1906(5/6)、鉄扇(重さ600g程度)
【所持品】支給品一式、シュノーケル、水中ゴーグル、十徳ナイフ、割り箸一膳
【思考】
基本:
軟葉高校の他の仲間たちはどう考えても人殺しなどできない。
だから、仲間を守るためには、他の学校の人間を殺すことも仕方ない。
全てが終わった後、プログラムの関係者全員に復讐する。
1:この金髪(須王環)を殺す
2:付近にいるであろう、銃撃戦を行った者を殺す
3:あいつら(坂持)に復讐する方法を考える


【須王環@桜蘭高校ホスト部】
【状態】:気絶
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、ランダム支給品0~3
【思考・行動】
基本:島中の生徒は全員お客様扱い
1:・・・・・・・・・・ (苦しい?)
2:政府関係者を買収しプログラムから抜け出したい