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殺し合いが始まったのは早朝
朝というには早すぎる朝、未だ寝静まっている人もいればこれから始まる一日に備える人もいる。
その早朝という時間帯から開始したバトルロイヤル、プログラムも今は朝を超え午前を超え、昼を迎えていた。

昼に到達するまでに至るところで学生達の話が綴られてきたわけだが、沖木島一部のとある地域では学生以外の人物も存在した。
その場所は、そのエリアに存在する唯一の建造物、鎌石小中学校
見た瞬間に古く木造で建築されたと分かる建物だ。
その中、多数に渡る部屋のうち、固まった数部屋に様々な機器が転がっている。
この島にはとても似合わない機械の数々、その機器を背景に一人の男が己の腕にはめた時計に目を落とす。
針は、カチリカチリと動きをやめず12という名の文字へ全ての針が揃い向く。
それを確認すると男はニヤリと唇をゆがめ、手元のスイッチをONにした。


   ◆  ◇  ◆  ◇  ◆


――皆さん、こんにちは
担任の坂持でーす。ちょうど、今、正午になりましたー。
みんな、元気にやってるかあ?

色々喋りたいこともあるが、先にお仕事の方やっちゃうなー。
えー、オホン。それじゃあ禁止エリアについてでーす。
今からエリアと時間を言いまーす。
地図出してチェックしろよー。

まず、今から一時間後、午後一時な
一時にE-9
一時までにはこのエリアから出ること、わかったかー?
次、三時間後、午後三時から
三時までにJ-6
で、最後に五時間後、午後五時な
五時にH-3
以上です。
忘れて首輪ドカーンは先生情けないからなー

次にこれまでに死んだ友達の名前を言うぞー
名簿の上から順に、学校ごとに読むからなー。


矢神学院高校、塚本天満さん、播磨拳児くん。

××××校(マイクに少しノイズが入った)、春日歩さん。

城岩中学、相馬光子さん、三村信史くん。

榊野学園、加藤乙女さん、西園寺世界さん。

軟葉高校、田中良くん。

鈴蘭高校、桐島ヒロミくん。

桜蘭高校、藤岡ハルヒさん。

――合計、10人

……いいペースだぞー。先生うれしいなあ。

あーそれと二つ、訂正がある。
一つはこちらの手違いで、プログラム開始前に言い忘れていたことがあってなあ、スマンスマン
実は先生達、お前達と同じ島にいるんだ。場所はD-6の鎌石小中学校、先生達も頑張ってるんだぞー。
それで、だ。間違っても襲いにきたりするんじゃないぞー。
D-6は禁止エリアと同じ扱いで踏み入れると首輪が爆発するからなあ。
そんなお前達の姿見たくないから、決して近寄っちゃだめだぞー。


そして、もう一つ
先生はさっき、死んだ友達といって死者を紹介したがよく考えると違ったなあ。申し訳ない。
お友達は自分と同じ学校の生徒だけだぞー、油断するなよー、隣にいる他校の生徒は全員敵だぞー
先生からの忠告だ。勝負というものは先に仕掛けた方が断然有利
殺された生徒達もほとんど、先に攻撃を仕掛けられて犠牲になった子達だ。
生き残りたければ、同じ学校の生徒を守りたければ、後悔したくなければ……

――殺すんだッ!!殺して殺して生を掴み取れ!!
その中で生き残った学校こそが、大東亜共和国に相応しい学校だッッ!!!

……と、スマンスマン。先生、柄にもなく熱くなっちゃたなあ
まあ、とにかく隣にいる他校の生徒は君の命を狙っているということを忘れるなよー。
じゃあ、言いたいことも言ったし、ここまでにしようか
先生も頑張るから、お前達も頑張るんだぞー、じゃあ六時間後なー。


   ◆  ◇  ◆  ◇  ◆


島に響くは憎らしいほどに軽い声
しかし、その響きの中身は島に存在する全ての生徒達にとって重く苦しく哀しいもの
だが、それでも足を止めることは許されない……坂持という名の大人が許さない、大東亜共和国という名の国が許さない
そして、なによりも……学生である彼ら彼女らが一番に歩みを止めることを許さない
目指すものは優勝であれ、脱出であれ、復讐であれ
生命が途絶えるまで学生達の戦いが終わることはない

終わらない混沌の中、三十人の一般学生たちに残虐な鐘の音を残し
静かに正午と呼ばれる時間が過ぎ去っていくのだった。