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トイレのドアを挟み、会話をする男女が一組 女、千葉紀梨乃は背をドアに預け、膝を抱え座り込み 男、坊屋春道は未だ、下品に腹を鳴らしつつ便器から離れることができないでいた。 ギュルギュル 「あのぉ……まだ、お腹の方治らないですか?」 鼻を摘み、何度目になるか分からない質問をする。 「……ぉぉぉぉ……俺だって、居たくて居るわけじゃねえよ」 プログラムが始まって、数時間 キリノは焦っていた。 当初の予定では、この灯台へ来て、誰か居ればその人と共に同じ剣道部員達を探すつもりだった。 だが、実際此処へたどり着くと、居たのは腹を壊した変な男が一人 未だに顔すら拝んでいない。ドアを挟んでの会話を数時間交わしただけである。 と言っても、こんな環境での会話。それこそ、軽い自己紹介と誰かと遭遇したか?程度の会話しか交わしていない。 キリノは初対面の人物とも、軽く打ち解ける感性、つまり社交性はある方だったが どうも、話相手である坊屋春道からは、イマイチ信頼感と呼べるものが感じられず 一定の距離を測られているように感じていた。 普通ならば、このプログラムという会場内において、その距離と呼べるものは必然であるが その必然が、キリノの頭には微塵もない。それは彼女の特性と呼べるもの。 「そうですか……むぅーん……どうしたらいいものか……」 腕を組み、どこか口元が猫のように変わり、首を傾げる。 「とりあえず、腹痛は治ってねえけど、腹のもんは全部出したから出るわ」 ようやく、終わったかと安堵しながら、キリノは足を伸ばし立ち上がる。 そして、紙の音、ベルトを閉める音が聞こえ、水を流そうとレバーを引く音が聞こえる。 だが、水の音は流れない。どうも、トイレであっても水は流れないらしい。 「な、な、なんで水が流れねぇ!」 もう、ドアの向こうから、ワナワナという効果音が聞こえて来そうなほど 怒りに震えているのが伝わってくる。 「まあ、まあ、紙があったんだからいいじゃないですかぁ」 「クソッ!」 諦めたのか、どうしようもないと悟ったのか 勢いよくドアを蹴り、外に飛び出てくる。 「あ、改めて、はじめまして」 数時間も話していた相手だが、顔はお互い初めてみる。 距離を感じていたキリノは、再び丁寧に挨拶をする。 「お、おお……いや、僕の方こそはじめまして」 頬に軽く赤みを帯び、春道は挨拶を返す。 そう、春道が距離を取っていたのは勘違い故であった。 プログラムだから、殺し合いの舞台だから距離を置いていたのではなく 彼は、キリノが剣道部部長と聞いたときから、完全に勘違いをしていた。 (どんなゴリラ女かと思ってたけど……マコトの彼女よりも余裕で可愛いじゃねえか) 大きな瞳に、華麗になびかせている金色の髪 更に一目で分かる、その豊胸 女日照りなのに、周りにいるのは常に野郎共だけ 女に全く縁がなく、女がとても好きな坊屋春道くんの瞳は一瞬で輝きました。 「で、千葉さんの目的はなんだっけ?」 ニヤけた口元が隠せない春道 「キリノでいいっすよー、とりあえず、同じ学校のみんなを探したいんすけど、駄目ですか?坊屋さん」 ドアを挟むと距離を感じていたが 顔を合わせただけで、春道との距離が縮まったことを 無意識のうちに肌で捉えたキリノは、某顧問に接するときと同じように振舞う。 そして、そのキリノを前に対面する男は一人喜んでいた (ぼ、坊屋さん……ああ、女の子に名前呼ばれることがこんなに嬉しいとは……) 涙が出そうなほど、歓喜してしまう男子校の性 強いけどモテない春道には堪らない。 だが、もう少し引っかかる 指を口元に置き、キリノの質問は無視して自分の世界に入っていく。 「チッチッチ、坊屋さんでもいいけど、春道くんと呼んでくれても構わないよ」 自分では紳士的な態度のつもりで話しかけているようで 無駄に背筋を伸ばし、キリノを見つめる春道 「いやあ、そんなの悪いっすよー」 「いやいや、是非ともそう呼んでくれたまえ」 「はあ、そうっすか……」 春道の怒涛の攻め?の前に キリノの頭にはクエッションマークが浮いているようであった。  ……  ………  …………  …………… (えっ、今呼ばないと駄目なのかな?) 猫口にクエッションマークの数は増えていく。 「……は、春道くん?」  ジーン (春道くん……いい、いい響きだ……) 棒立ちで立ち尽くし、目を瞑り感動に浸る春道。 口元は相変わらず緩い。 (ハッ……いかんいかん、いい所を見せなければ) 気を取り直し、顔を引き締める。 「よし、じゃあキリノの知り合いを探そうか」 「えっ、でも春道くんの学校の人はいいの?」 「殺しても死なない奴らしかいないから、ほっとけばいいって、それよりも……」 「それよりも?」 一度引き締めた顔が、再び崩れる。 そして、口元の歪みが一層厚くなり 傍目から見ると気持ち悪いほどの笑顔になる。 「後で電話番号教えてくれない?」 よく腹を壊し、エロくて、馬鹿で、頭も悪い 各地で漢を上げているカラスたちを他所に この男だけは、何時もの如くひたすらマイペースであった。 【I-10/琴ヶ崎灯台/1日目-午前】 【千葉紀梨乃 @BAMBOO BLADE】  [状態]: 健康  [装備]: ワルサーPPK  [道具]:デイバッグ、支給品一式、ランダムアイテム残り一つ(本人は確認済み)  [思考]   基本:殺し合いはしない。   1:室江高校のみんなを探す   2:まだ手を鼻から離さない 【坊屋春道@クローズ】  [状態]: 下痢気味  [装備]:  [道具]:デイバッグ、支給品一式、ランダムアイテム  [思考]   基本:キリノと仲を深める   1:電話番号をもらう   2:できれば、その先も……
トイレのドアを挟み、会話をする男女が一組 女、千葉紀梨乃は背をドアに預け、膝を抱え座り込み 男、坊屋春道は未だ、下品に腹を鳴らしつつ便器から離れることができないでいた。 ギュルギュル 「あのぉ……まだ、お腹の方治らないですか?」 鼻を摘み、何度目になるか分からない質問をする。 「……ぉぉぉぉ……俺だって、居たくて居るわけじゃねえよ」 プログラムが始まって、数時間 キリノは焦っていた。 当初の予定では、この灯台へ来て、誰か居ればその人と共に同じ剣道部員達を探すつもりだった。 だが、実際此処へたどり着くと、居たのは腹を壊した変な男が一人 未だに顔すら拝んでいない。ドアを挟んでの会話を数時間交わしただけである。 と言っても、こんな環境での会話。それこそ、軽い自己紹介と誰かと遭遇したか?程度の会話しか交わしていない。 キリノは初対面の人物とも、軽く打ち解ける感性、つまり社交性はある方だったが どうも、話相手である坊屋春道からは、イマイチ信頼感と呼べるものが感じられず 一定の距離を測られているように感じていた。 普通ならば、このプログラムという会場内において、その距離と呼べるものは必然であるが その必然が、キリノの頭には微塵もない。それは彼女の特性と呼べるもの。 「そうですか……むぅーん……どうしたらいいものか……」 腕を組み、どこか口元が猫のように変わり、首を傾げる。 「とりあえず、腹痛は治ってねえけど、腹のもんは全部出したから出るわ」 ようやく、終わったかと安堵しながら、キリノは足を伸ばし立ち上がる。 そして、紙の音、ベルトを閉める音が聞こえ、水を流そうとレバーを引く音が聞こえる。 だが、水の音は流れない。どうも、トイレであっても水は流れないらしい。 「な、な、なんで水が流れねぇ!」 もう、ドアの向こうから、ワナワナという効果音が聞こえて来そうなほど 怒りに震えているのが伝わってくる。 「まあ、まあ、紙があったんだからいいじゃないですかぁ」 「クソッ!」 諦めたのか、どうしようもないと悟ったのか 勢いよくドアを蹴り、外に飛び出てくる。 「あ、改めて、はじめまして」 数時間も話していた相手だが、顔はお互い初めてみる。 距離を感じていたキリノは、再び丁寧に挨拶をする。 「お、おお……いや、僕の方こそはじめまして」 頬に軽く赤みを帯び、春道は挨拶を返す。 そう、春道が距離を取っていたのは勘違い故であった。 プログラムだから、殺し合いの舞台だから距離を置いていたのではなく 彼は、キリノが剣道部部長と聞いたときから、完全に勘違いをしていた。 (どんなゴリラ女かと思ってたけど……マコトの彼女よりも余裕で可愛いじゃねえか) 大きな瞳に、華麗になびかせている金色の髪 更に一目で分かる、その豊胸 女日照りなのに、周りにいるのは常に野郎共だけ 女に全く縁がなく、女がとても好きな坊屋春道くんの瞳は一瞬で輝きました。 「で、千葉さんの目的はなんだっけ?」 ニヤけた口元が隠せない春道 「キリノでいいっすよー、とりあえず、同じ学校のみんなを探したいんすけど、駄目ですか?坊屋さん」 ドアを挟むと距離を感じていたが 顔を合わせただけで、春道との距離が縮まったことを 無意識のうちに肌で捉えたキリノは、某顧問に接するときと同じように振舞う。 そして、そのキリノを前に対面する男は一人喜んでいた (ぼ、坊屋さん……ああ、女の子に名前呼ばれることがこんなに嬉しいとは……) 涙が出そうなほど、歓喜してしまう男子校の性 強いけどモテない春道には堪らない。 だが、もう少し引っかかる 指を口元に置き、キリノの質問は無視して自分の世界に入っていく。 「チッチッチ、坊屋さんでもいいけど、春道くんと呼んでくれても構わないよ」 自分では紳士的な態度のつもりで話しかけているようで 無駄に背筋を伸ばし、キリノを見つめる春道 「いやあ、そんなの悪いっすよー」 「いやいや、是非ともそう呼んでくれたまえ」 「はあ、そうっすか……」 春道の怒涛の攻め?の前に キリノの頭にはクエッションマークが浮いているようであった。  ……  ………  …………  …………… (えっ、今呼ばないと駄目なのかな?) 猫口にクエッションマークの数は増えていく。 「……は、春道くん?」  ジーン (春道くん……いい、いい響きだ……) 棒立ちで立ち尽くし、目を瞑り感動に浸る春道。 口元は相変わらず緩い。 (ハッ……いかんいかん、いい所を見せなければ) 気を取り直し、顔を引き締める。 「よし、じゃあキリノの知り合いを探そうか」 「えっ、でも春道くんの学校の人はいいの?」 「殺しても死なない奴らしかいないから、ほっとけばいいって、それよりも……」 「それよりも?」 一度引き締めた顔が、再び崩れる。 そして、口元の歪みが一層厚くなり 傍目から見ると気持ち悪いほどの笑顔になる。 「後で電話番号教えてくれない?」 よく腹を壊し、エロくて、馬鹿で、頭も悪い 各地で漢を上げているカラスたちを他所に この男だけは、何時もの如くひたすらマイペースであった。 【I-10/琴ヶ崎灯台/1日目-午前】 【千葉紀梨乃 @BAMBOO BLADE】  [状態]: 健康  [装備]: ワルサーPPK  [道具]:デイバッグ、支給品一式、ランダムアイテム残り一つ(本人は確認済み)  [思考]   基本:殺し合いはしない。   1:室江高校のみんなを探す   2:まだ手を鼻から離さない 【坊屋春道@クローズ】  [状態]: 下痢気味  [装備]:  [道具]:デイバッグ、支給品一式、ランダムアイテム  [思考]   基本:キリノと仲を深める   1:電話番号をもらう   2:できれば、その先も…… *投下順で読む Next:[[睡蓮花]]

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