EB@Wiki 葵Ver 二章

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第二章

昨日の激戦も冷めやまぬまま軍法会議では、すでに六歌仙撃墜の命令が下されていた…
しかし裕紀がこの命令を知ったのは、だいぶ後のことになる…



「っ…!!」
声にならない叫びで、巴が叫ぶ。 傷は思いのほか深いようだった…
「巴、大丈夫か?」
裕紀が心配するが、今の巴の耳には全くと言っていいほど届いてはいなかった。

基地に戻ってすぐ巴は緊急治療室に運ばれた。 大事には至らなかったがしばらくは動けそうになさそうだった…
その後、自分の機体の調整をしていた裕紀は、無残に傷ついたナイトガンダムが運び込まれるのを見た。 壊れた機体を見て、裕紀はひどく後悔の念に駆られていた。あの時、何故撃ってしまったのだろうか… 六歌仙を説得できなかった自分に腹が立ち、その日は眠
らずにずっと物思いに更けるのだった…

次の日の朝、状況は突如動いた。
病室で寝ているはずの巴がいなくなってしまったのである。
それと同時に、昨日ある程度まで修理が進められたナイトガンダムがなくなったことも確認されていた。
裕紀は巴が六歌仙を追っていったのだと思い、すぐに巴を探しに行った。
しかし、一日中駆け回ったがとうとう巴は見つからなかった…
状況はどんどん悪いホウコウに進み、帰ってきた裕紀を待っていたは、六歌仙撃墜の命令だった…


戦場に再び降り立った裕紀。 しかし、その周りに人はいない…
裕紀は、軍からの申し入れを引き受け六歌仙撃墜を承諾したのだ。
仲間を連れることを勧められたが裕紀はそれを断った。 同期で、ともに精進してきた
六歌仙を説得したいと思う自分がどこかにいたのかも知れない…、もしくは自分でケリをつけたかったのかも知れない。 いずれにしろ六歌仙との戦いに他人が関わってほしくなかったのだ…
「ひどい、有様だな…」
裕紀は本陣とは少し離れたところで六歌仙の情報収集をしながら、周囲の状況を改めて知る。レジスタンスとの攻防は壮絶を極め、そこら中に機械の断片が散らばり民間用の脱出ポッドも逃げ遅れたのだろうか。 完全に停止し宙に漂っていた…
「コレが、レジスタンスのやり方なんだっ。 なんで、六歌仙はあんなところに…」
後悔の念は、鋭く裕紀の気持ちを揺るがす…



何が起こったのかがわからない。
葵は突如起こったことに全く反応ができなかった…
レジスタンスにとんでもないヤツがいた。 そんなことしか頭に浮かばない。
相手はたった、2人で自分の属する部隊は壊滅状態までダメージを与えられたのである。
軍の新機体であるEx-νを駆り、闘った葵は何とか生き延びたが装甲はぼろぼろ、エネルギーも半分以上が消費されようとしていた…
「早く、誰かに知らせないと…!」
葵は動き出した、自分ではどうにもならないかも知れないが何もしないよりはマシだと思い。レジスタンスの2人を追いかけた…


裕紀の前には、見慣れた二機の機体が現れていた…
「六歌仙… やはりお前たちなのか… 巴も何故・・?」
「状況が変わったんだよ、軍のやり方にはついていけない…」
巴はそう言った。 何があったのかを尋ねることも出来ない。
「俺たちは、俺たちのやり方があるんだっ 邪魔をするならお前も消すっ!!」
六歌仙はライフルを裕紀に突きつけた…

「くそっ!」
裕紀はスナイパーライフルを構え六歌仙に標準をあわせる。すばやく交わされ六歌仙が一気に距離をつめてくる。前回の戦いのときとは別人だ…攻撃に迷いがない。
どちらかといえば裕紀はまだ躊躇していて機体の力を充分に生かせないでいた。
気が動転した裕紀は後ろから迫る巴の存在に気づかなかった。
「しまったっ!!」
やられる…脳裏にそう浮かんだが目を開けるとそこにはEx-νが攻撃を防いでいた。
何故、六歌仙と同じ機体が? 裕紀は少し戸惑ったが開戦の最中、新機体が複数作られたことを思い出した。
「加勢しますっ!!」
葵はそう言うと、六歌仙に挑んでいく。

「お前、さっきの部隊の兵士か。 まだ生きていたのか…」
六歌仙は少し驚いたように言う。自分では完全に殺ったつもりでいたのに。
やはり、どこかで人を殺めることに抵抗があるのかも知れない。
「今度は負けない、本気で行くっ」
葵は武器を構え、フィンファンネルを展開した。
六歌仙は簡単に攻撃を避け。 反撃の一撃を葵に放ってくる。
「そんな、攻撃でっ!!」
装甲がぼろぼろに傷ついた葵は簡単にダメージを受けてしまう。
「くっ、やはり強いな… 当てることすら出来ないのか…」

巴の攻撃を避けつつ、六歌仙に近づき好機をうかがう裕紀。
「おいお前っ 何を勝手に…」
裕紀は1人無謀に突っ込んで行った葵に罵声を飛ばすが、葵がそれを制す。
「俺が、行くんで援護を頼む!!」
「な、何! ま、待てっ!!」
止める裕紀のことなど全く構わず、葵は六歌仙に向かっていく。
六歌仙は葵に照準を合わし一気に決めにかかった。
「馬鹿がっ 格好つけすぎなんだよっ!!」
六歌仙の攻撃が葵の機体に降り注ぐ。
「くっ 今だやれー!!」
葵の言葉を聞く前に体が反応した、裕紀がこの好機にスナイパーライフルを六歌仙に向ける。弾丸一戦。 放たれた一撃がEx-νに突き刺さった…

「くっ…何だとッ」
突如打ち込まれた一撃に動揺を隠し切れない六歌仙はその場から一歩後退してしまう。
「ちッ、決めきれなかった…。  お、おい、お前大丈夫か… 」
葵の機体はボロボロに傷つきもはや戦闘は不可能と判断した裕紀は葵に戦線離脱を促した。
葵は裕紀の判断に従い傷ついた機体でゆっくりながらその場を跡にした…。


「…追わなくてもよかったのか。」
裕紀は後ろで、こちらの様子をうかがう巴に問いかけた。
「あんな奴は関係ない、今はお前だ。」
簡単に答えるが、台詞に迷いがあると裕紀は確かに感じ取った。
「お前達は、俺が止めるッ 来い!!」

巴は完全に修繕の施されていないナイトガンダムで挑んでくる。
裕紀に照準を定め、プラズマ・リーダーを一気に放った。
裕紀はひらりと交わし、背に一気に回りこみ改心の一撃を叩き込んだ。ナイトガンダムの装甲はすぐ崩れ落ち、いとも簡単に落とされてしまう。やはり、未完の修理だったナイトガンダムでは一度の戦いでさえ持ちこたえることが出来なかった…

「巴ッ!!」
我に返った六歌仙は状況を確認しなおす。巴が無事なことを確認し、裕紀に再度挑んでくる。
「次は本気でお前を殺す。 手加減はないと思え。」
一瞬の刹那、六歌仙は一気に近づき武器を翳してくる。 裕紀はかろうじでそれを交わすが、すぐに次が来る。 六歌仙は裕紀に反撃を許さず攻撃を続ける。
裕紀はもう駄目かと諦めかけた…が、しかし六歌仙の機体が急に動きを止めたのである。
「…どういうことだっ 何故機体が…」
六歌仙の機体は葵との部隊の戦い、そして葵、裕紀の援護射撃によってエネルギー、耐久度ともに尽きていた、それだけでなく連戦のせいで機体に無理がきていたのだ。
「六歌仙ッ!」
巴が六歌仙に近づき無事かを確認する。
「お前とはもう戦いたくはないんだ… 俺たちを探すのはもう止めろ…,」
そう、言い残すと巴は六歌仙を連れその場を去った。六歌仙は終始無言のままだった…

2人が遠くまで行くことを見て、裕紀は命令に背き二人を逃がしてしまったことに罪悪感を覚えつつも、どこか2人を撃たずにすんだことを安心する自分を責めながらその場を跡にした…