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&html(<table border="1" bgcolor="#D7F2F2" width="1200"><tr><td><font size="2"><center>) [[前へ戻る。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/51.html]] [[次へ進む。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/134.html]] [[遊義皇トップへ>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/12.html]] [[小説置き場に戻る>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/5.html]] &html(<Table Border Bordercolor="#1e332c" Cellspacing="10" cellpadding="5"><Td BgColor="#b2a5cc">天才ギタリスト、神 次郎(ジン・ジロウ)さん、行方不明。<BR>国際的なヒット曲を作り出していた「クラッシュ・クラーリネッド」のギタリスト兼ボーカル、神 次郎(15)さんが今月3日から行方不明となっている。<BR>彼はアメリカ人とドイツ人のダブルの父親と日本人と中国人のダブルの母親を持つクオーターで、<BR>失踪前に『聴覚は味覚を埋めない、親父の国に味覚を埋める何かを探しに行く』とグループの仲間に言い残し、消息を絶った。<BR>この一週間前に卵アレルギーを発症し、味覚も低下。<BR>実家のラーメンを食べる事が命に関わる様になったおり、それが失踪の原因とされている。<BR>以上、鉄筋社発行、5年前の日東新聞2面記事より抜粋。</Td></Table>) ---- 神次郎(残りデッキ:23枚) ・LP:6000 ・手札:4 ・モンスター:ライトロード・ウォリアー ガロス、ライトロード・マジシャン ライラ、おジャマトークン、おジャマトークン、おジャマトークン ・魔法・罠:伏せカード、伏せカード ウォンビック(残りデッキ:無数) ・LP:9850 ・手札:2 ・モンスター:なし ・魔法・罠:伏せカード、伏せカード ----    「俺のターンだったな(手札3)、〔レベル制限B地区〕を発動するが、チェーンはどうする?」    「貴様のカードの後でなんか発動できるか! ない!」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>レベル制限B地区</Td><Td>永続魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">フィールド上に表側表示で存在するレベル4以上のモンスターは全て守備表示になる。</Td></Table>) チェーン放棄宣言と同時に、守備表示に変更されるガロスとライラ。 ライトロード・ウォリアー ガロス:攻撃表示→守備表示 ライトロード・マジシャン ライラ:攻撃表示→守備表示    「終了だ。(手札2・伏せ1・発動中1)」    「ドロォッ!(手札5)……っち、カードをセット、終了だ!(手札4・伏せ2)」 終了宣言と同時に、2体のライトロードが神次郎のデッキを削る。 インフェルニティ・ガーディアン:デッキ→墓地へ 悲劇の引き金:デッキ→墓地へ E・HERO エアーマン:デッキ→墓地へ 増援:デッキ→墓地へ スケープ・ゴート:デッキ→墓地へ 神次郎:残りデッキ17枚 &html(<font size="10"color="#8b4513">第10話</font><font size="10"color="#696969"> 不動戦士VS追走戦士</font>) 墓地に落ちたカードを見て、ウォンビックは神次郎の顔をマジマジと見た。    「私の美貌に酔うならサレンダーしてからにしろ。 時間の無駄だ。」    「俺のターン、ドロー(手札3)。     ……そうだな、俺は伏せカードの〔おろかな埋葬〕を発動し、デッキから〔メタモルポット〕を墓地に送る。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>おろかな埋葬</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分のデッキからモンスター1体を選択して墓地へ送る。その後デッキをシャッフルする。</Td></Table>) メタモルポット:デッキ→墓地へ。    「自らのカードで自らのデッキを破壊するとはな! ウォンビック・ブラックマイン!」 おろかな埋葬で1枚墓地に送っただけで大騒ぎする神次郎。 その様子を気にもせず、ウォンビックは開口する。    「神、これは推測だが……お前は本来、防御的なデッキだろう?」    「だからどうした。」 先ほど上がったテンションはいつ下がったのか、神次郎はつまらなそうにウォンビックを見た。    「お前のデッキは攻撃の色も大きいが、何よりカウンター狙いが見える。     自身からは動かず、相手がプレイングによって手札を消費したところで叩く。     その戦術はまるで、瀕死の重傷を負いながらも蝿を食べようとするハエトリグサのように静かだ。」 ウォンビックが瀕死の重傷を負ったハエトリグサなんてみたことがあるんかどうかは定かではないが。 確かに、神次郎の墓地に捨てたカードの〔悲劇に引き金〕は相手の行動に合わせて敵に打撃を与える罠で、〔伝説の柔術家〕は攻撃時に誘発する除去モンスター。    「そして、俺はデッキの全てを防御に費やし、生半可な攻撃には一度たりとも突破された事がない。」 その言葉に、神次郎は鼻で笑った。    「ということは、キサマは生半可ではない攻撃には突破された事があるのか、フハハハハ!」    「そうだ。 俺は無敗ではない。     レアハンターとしてグールズに入った日から、今日まで四回負けている。     俺を破ったデュエリストは例外なく、便所の水のような破壊力と俺を凌ぐ技術を持っていた。」 ウォンビックは敗北を悔やんでも、恥じることはないタイプのデュエリストらしい。 まるで『その敗北は自分の誇りである』と言わんばかりに曇りのない喋り方だ。    「これは推測というより直感に近いが、純粋なデュエリストとしての技量では俺とお前はほぼ対等。     だが、敵の攻撃にカウンターを入れるお前と、攻撃を一切しない俺……どちらが有利か、説明するまでもないな?」 確かに、神次郎は自らのデッキを削ることで強力なパワーを発揮するライトロードを使うが、 対するウォンビックは相手のパワーには関係なく、ひたすら防御し続けて相手のドローによるデッキ切れを狙う。 攻撃的・防御的はさておき、神次郎が不利なのは状況的に判断しても間違いない。    「……だからどうしたというのだ?」    「……?」    「デッキの性質上、私が不利かもしれん、それは認めてやらんでもない。     だがな、デッキの相性が悪いだの、攻撃能力がないだのと、そんなことは負ける理由にはならん。     私は強い、お前より強い、だから負けない。     これが真理だ、ウォンビック・ブラックマイン。」 根拠のない自信と高笑いにトガは呆れたが、ウォンビックは満足そうに笑っている。    「……尊敬に値する回答だ、神次郎。     ゲーム続行、俺は2枚のカードをセットして終了する(手札1・伏せ3・発動中1)。     お前のターンだ、神次郎。」    「私のターン、ドロー。(手札6)     よしッ! 流石は私! いいドローだ!     手札から〔ツイスター〕を発動し、〔レベル制限B地区〕を破壊する!」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>ツイスター</Td><Td>速攻魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">500ライフポイントを払って発動する。フィールド上に表側表示で存在する魔法または罠カード1枚を破壊する。</Td></Table>) 神次郎:LP6000→LP5500 レベル制限B地区:破壊、墓地へ。 竜巻によって、さっきまでライトロードたちを縛っていた魔力を一瞬にしてかき消した。 動きを取り戻すライラとガロス。    「2体のライトロードを攻撃表示に変更する。」 ――あーあ、やべーんじゃねーかァー? ウォンビックー。 ――殴られるぜ~、お前。 ――ま、オイラたちには関係ねーけどなぁっ! 余裕綽々でウォンビックを見ているおジャマトリオ。    「そして私のバトルフェイズ、〔ライトロード・マジシャン ライラ〕と〔ライトロード・ウォリアー ガロス〕で直接攻撃する。」 束縛されていた鬱憤を晴らすように、各々武器を振り上げて襲い掛かる2体のライトロード。 瑣末な事だが、この武装した2体よりも素手のウォンビックの方がモンスターらしいのはウォンビックの身長のせいなのだろうか。    「伏せカード発動、〔洗脳解除〕。」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>洗脳解除</Td><Td>永続罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">このカードがフィールド上に存在する限り、自分と相手のフィールド上に存在する全てのモンスターのコントロールは、持ち主に戻る。 </Td></Table>) 発動の宣言に、さっきから騒いでいたおジャマたちが一層取り乱した。 〔おジャマトリオ〕はウォンビックのカードなので、おジャマ・トークンたちの本来のコントローラーはウォンビックである。 ――う、うきゃーぁおおっっ!? ――待てよ! オイラたちは神のダンナと一生を共にするって決めたんだよ! ――そういうのは神のダンナが負ける寸前に使って……う、うおおおおおお! 神次郎の場を離れ、ライトロードの前に壁として差し出された3体のトークン。 相手の場が変更されたので、神次郎には攻撃中断の権利もある。    「私のモンスターとしてならば私のプラスアドバンテージだが、     キサマの物となった以上、私にとってはマイナスアドバンテージ! 潰せ〔ガロス〕! 〔ライラ〕!」 〔ライトロード・ウォリアー ガロス〕(攻撃力1850)VS(守備力1000)〔おジャマトークン〕 →おジャマトークン、破壊・消滅。  〔ライトロード・マジシャン ライラ〕(攻撃力1700)VS(守備力1000)〔おジャマトークン〕 →おジャマトークン、破壊・消滅。 ライラが緑、ガロスが黄色のトークンをそれぞれ武器で殴り倒す。 唯一残ったブラックも、3分の2で死亡という恐怖から、一張羅のパンツを濡らしてしまった。 ――グリーン! イエロー! ブラッー……あ、俺は生きてるか、良かった。 ウォンビック:LP9850→LP9550→LP9250(おジャマ・トリオの効果) トークンの声なんて無視して、神次郎は手を動かしている。    「私のモンスターを奪ったのは万死に値する!     アドバンテージを取り返せ! 〔ライトロード・マジシャン ライラ〕を守備表示に変更し、〔洗脳解除〕を破壊する!」 ライトロード・マジシャン ライラ:攻撃表示→守備表示 洗脳解除:破壊、墓地へ。    「元々の持ち主が俺である以上、〔洗脳解除〕が破壊されても〔おジャマ・トークン〕は俺の場に残る。」    「わかっている! ターン・エンドだ!(手札5・伏せ1)」 終了時にやはり削れるデッキ。 白い忍者:デッキ→墓地へ 越境同盟:デッキ→墓地へ 神の宣告:デッキ→墓地へ ライトロード・パラディン ジェイン:デッキ→墓地へ 神の宣告:デッキ→墓地へ 神次郎:残りデッキ11枚    「俺のターン、ドロー。(手札3)     手札から〔デス・ラクーダ〕を召喚する。」 現れたのは、やる気のないバカヅラをしたゾンビラクダ。 遅効性のドロー能力を持つが、遅効性なので今は全く関係ない。 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>デス・ラクーダ</Td><Td>地属性</Td><Td>アンデット族</Td><Td>レベル3</Td><Td>ATK500</Td><Td>DEF600</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。<BR>このカードが反転召喚に成功した時、自分のデッキからカードを1枚ドローする。</Td></Table>)    「〔デス・ラクーダ〕で、〔ライラ〕を攻撃する。」 攻撃表示ならば負けようのない数値だが、ライラの守備力はたった200、ラクダに足蹴されただけで破壊される。 〔デス・ラクーダ〕(攻撃力500)VS(守備力200)〔ライトロード・マジシャン ライラ →ライトロード・マジシャン ライラ、破壊・消滅。  ライトロード・マジシャン ライラ:フィールド→墓地へ。    「っちぃ……!」    「〔デス・ラクーダ〕を自身の効果で裏守備に変更し、カードを2枚セット、終了する。(手札0・伏せ2)」 デス・ラクーダ:攻撃表示→裏側守備表示    「私のモンスターを戦闘で破壊しアドバンテージを浚うとは、バチが当たるぞ! というか当てるぞ!     ドローっ!(手札6) ここは〔E・HERO アナザー・ネオス〕を召喚する!」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>E・HERO アナザー・ネオス</Td><Td>光属性</Td><Td>戦士族</Td><Td>レベル4</Td><Td>ATK1900</Td><Td>DEF1300</Td></Tr><Td ColSpan="6">デュアル:このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。<BR>フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、<BR>このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。<BR>●このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、カード名を「E・HERO ネオス」として扱う。</Td></Table>) 召喚されたモンスターは、身長こそ低いが特撮番組に出てくるヒーローのようにキグルミのような姿をしている。 カード名を変更する効果はあるが、“現時点では”ネオスにサポートカードなんてないのに、製作スタッフが『宇宙人が作れと言った』と主張して作った奇妙なカードだ。 余談だが、“現在”はバトルシティの終了直後であり、KCがデュエルアカデミアというデュエリスト養成学校を創設しようとしてるという噂はあるが、実在していない。    「2枚の伏せカード……しかし私は恐れない! 〔ガロス〕で〔デス・ラクーダ〕を攻撃!」 〔ライトロード・ウォリアー ガロス〕(攻撃力1850)VS(守備力600)〔おジャマトークン〕 →おジャマトークン、破壊・消滅。  ウォンビックは動かず、ただモンスターが破壊される。    「〔アナザー・ネオス〕の攻撃、〔おジャマトークン〕を引き千切れ!」 ――ちょ、おまくぁうぇrtgyふじこlp アナザーネオスの見掛けには似合わないほどの超スピードの打突を広い顔面に受け、黒いおジャマトークンは消失した。 ウォンビック:LP9250→LP8950(おジャマトリオの効果)    「壁撃破! 次のターンでダメージだ! ターンエ」    「待った、そこで俺の伏せカードが発動される。     発動するカードは、2枚の〔破滅へのクイック・ドロー〕だ。」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>破滅へのクイック・ドロー</Td><Td>永続罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">お互いのプレイヤーはドローフェイズ開始時に手札が0枚だった場合、通常のドローに加えてもう1枚ドローする事ができる。<BR>このカードのコントローラーは自分のターンのエンドフェイズ毎に700ライフポイントを払う。<BR>この時にライフポイントが700未満だった場合、ライフポイントは0になる。<BR>自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードがフィールド上から離れた時、自分は3000ポイントダメージを受ける。</Td></Table>)    「っち、賢しいカードを……。」 破壊された時に3000、維持だけでも700と中々にライフ消耗の激しいカードだが、 毎ターン1枚ドローの恩恵は小さくなく、使いこなせば数多のドローカードの中でも屈指の能力を持つ。 ライフを捨ててカードを得る、それは神次郎の専売特許であったはずだが、それをやられて中々に気分が悪そうだ。    「お前の〔サイクロン〕と〔大嵐〕はライトロードの効果で墓地に落ちた。     ……他にも〔ツイスター〕・〔ハーピィの竹箒〕・〔ライラ〕を使っているからな、除去手段は限られるが…。     ……正念党の伝家の宝刀、〔サイクロン・ブレイク〕があれば除去できるが、やるか?」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>サイクロン・ブレイク</Td><Td>速攻魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">フィールド上のカード1枚を破壊する。(オリカ)</Td></Table>) この世にただ1枚、レア度だけでは〔青眼の白龍〕をも凌駕する最大のレアカードだが、偽造カードの使用が承認されているデュエルでは関係なく3枚投入できる。 尖兵などは持っていなくても当たり前としても、神次郎クラスならばデッキに3枚詰みしていてもおかしくない、というか入ってない方がおかしい。    「あんなカードは実力の無い下っ端のオモチャにすぎん。     私のような真の中の真のデュエリストは、安易なレアカードやパワーカードに頼るような男ではない。」 入っていない、という発言にウォンビックは納得した。 神次郎のデッキに入っている〔ツイスター〕や〔サイクロン〕は、〔サイクロン・ブレイク〕の下位カード。 入っているとしたら、偽造〔サイクロン・ブレイク〕を3枚投入してそれでも足りずに入れているということになる。 しかし、3枚も入っているカードがライトロードのデッキデスで1枚も出ない、というのも妙な話だった。    「堂々と! 敢然と! ターン終了!(手札5・伏せ2)」 ガロスは単体ではデッキ破壊しないので、神次郎のデッキが減る事は無い。 神次郎:残りデッキ10枚    「俺のターン、2枚の〔破滅へのクイック・ドロー〕の効果で3枚ドローする(手札3)。     手札から〔デス・モーグラ〕を召喚する。」 召喚宣言と共に、地中から一体のモンスターが這い出した。 あまりデフォルメされず、中々リアルなモグラだ。 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>デス・モーグラ</Td><Td>闇属性</Td><Td>獣族</Td><Td>レベル3</Td><Td>ATK900</Td><Td>DEF300</Td></Tr><Td ColSpan="6">チューナー:このカードは特殊召喚できない。<BR>自分フィールド上のモンスター1体を手札に戻すことで、相手フィールド上に存在するモンスター1体の表示形式を変更する。<BR>この効果は1ターンに1度しか使用できず、相手ターンにも使用する事ができる。</Td></Table>)    「ライフコストを払い、カードを2枚セット、ターン終了だ。(手札0・伏せ2・発動中2)」    「ドロー(手札6)……ハッハァー! 流石は私! 神を次に従える男だ! これだ!」 手札に引いたカードを、即座にフィールドに差し込む神次郎。    「お前に最高のディスアドバンテージ、手札・フィールド合計0枚を味合わせてやろう!     私の墓地にいるライトロードは、〔パラディン〕〔ビースト〕〔ハンター〕〔マジシャン〕。     神の裁きを超える、私の裁きを受けるがいい! 〔裁きの龍〕を召喚ッ!」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>裁きの龍</Td><Td>光属性</Td><Td>ドラゴン族</Td><Td>レベル8</Td><Td>ATK3000</Td><Td>DEF2600</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードは通常召喚できない。<BR>自分の墓地に「ライトロード」と名のついたモンスターカードが4種類以上存在する場合のみ特殊召喚する事ができる。<BR>1000ライフポイントを払う事で、このカードを除くフィールド上のカードを全て破壊する。<BR>このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する場合、自分のエンドフェイズ毎に、デッキの上からカードを4枚墓地に送る。</Td></Table>) 銀光を放つ特大のドラゴンに、ウォンビックも眉を跳ね上げる。    「私のカードも巻き込むが、私が破壊されるカードはモンスター2体と魔・罠2枚の計4枚。     対し、お前の〔デス・モーグラ〕は手札に戻せるが、私は破壊された時に手札破壊をする〔呪われた棺〕を伏せている!」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>呪われた棺</Td><Td>通常罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた時、相手は次の効果から1つを選択して行う。<BR>●自分の手札を1枚ランダムに捨てる。<BR>●自分のフィールド上モンスター1体を選択して破壊する。 </Td></Table>)    「よって、お前の破壊されるカードは、伏せカード2枚に〔クイック・ドロー〕2枚に手札破壊される〔デス・モーグラ!〕     合計5枚で、ちょうど4:5交換の交換で私の大得! ライフを1000ポイント払い、ジャッジメント・フラッシャーッ!」 神次郎:LP5500→LP4500    「ああ、その計算は正しい……だがあえてこう言おう、サンキュー、と。」    「……何?」    「フィールドの〔デス・モーグラ〕を手札に戻し、〔裁きの龍〕を指定する。     そして、戻ってきた〔デス・モーグラ〕を捨てて、〔レインボー・ライフ〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>デス・モーグラ</Td><Td>闇属性</Td><Td>獣族</Td><Td>レベル3</Td><Td>ATK900</Td><Td>DEF300</Td></Tr><Td ColSpan="6">チューナー:このカードは特殊召喚できない。<BR>自分フィールド上のモンスター1体を手札に戻すことで、相手フィールド上に存在するモンスター1体の表示形式を変更する。<BR>この効果は1ターンに1度しか使用できず、相手ターンにも使用する事ができる。</Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>レインボー・ライフ</Td><Td>通常罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">手札を1枚捨てる。<BR>このターンのエンドフェイズ時まで自分が受けるダメージは無効になり、その数値分ライフポイントを回復する。 </Td></Table>) 通常は手札に戻るのはチェーンが処理されてからなので、〔レインボー・ライフ〕は発動できない。 だがしかし、この〔デス・モーグラ〕は、チェーンに乗る『効果』ではなく、即座に処理される『コスト』によって手札に戻ることができる。 そのため、チェーン1に〔裁きの龍〕の全破壊、チェーン2に〔デス・モグーラ〕の表示変更効果が乗った時点で、既に〔デス・モーグラ〕は手札に居る。 故にチェーン3に手札に戻った〔デス・モーグラ〕をコストに〔レインボー・ライフ〕を発動する事が出来るのだ。    「お前がこの土壇場で〔裁きの龍〕を引いたように、俺も前のターンでコンボカードを揃えていた。     最後の伏せカード、〔女神の加護〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>女神の加護</Td><Td>永続罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分は3000ライフポイント回復する。<BR>自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードがフィールド上から離れた時、自分は3000ポイントダメージを受ける。</Td></Table>) 全てのチェーン確認が終わり、逆順処理が開始される。    「まず、〔女神の加護〕の効果で俺のライフが3000回復。     そして〔レインボー・ライフ〕でダメージが回復に変わり、〔デス・モグーラ〕の効果で〔裁きの龍〕が守備表示になる。」 ウォンビック:LP8950→LP11950 裁きの龍:攻撃表示→守備表示    「そこに、私の裁きの龍の効果が炸裂する……ッ!」 天空から振り下ろされた衝撃によって、フィールドのカードが全て閃熱に帰する。 E・HERO アナザー・ネオス:フィールド→墓地。 ライトロード・ウォリアー ガロス:フィールド→墓地。 呪われた棺(伏せ):フィールド→墓地。 抹殺の使徒(伏せ):フィールド→墓地。 破滅へのクイック・ドロー:フィールド→墓地。 破滅へのクイック・ドロー:フィールド→墓地。 女神の加護:フィールド→墓地。    「2枚の〔破滅へのクイック・ドロー〕に〔女神の加護〕が破壊され、本来なら計9000のダメージを受ける。     だが、〔レインボー・ライフ〕の効果によって、ダメージは回復に変わる。」 ウォンビック:LP11950→LP14950→LP17950→LP20950    「ここまで完璧にコンボが決まると、風邪引きのピエロのよう口がニヤケてしまうな。」 別に風邪引きじゃなくてもピエロはニヤケてると思うが。 ウォンビックのよくわからない比喩を聞き流し、神次郎は手札を眺める。    「ふん、ライフポイントなんぞいくら回復しようと手札も場も無いのでは話にならんッ!     私は、手札から〔X-セイバー エアベルン〕を召喚する。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>X-セイバー エアベルン</Td><Td>地属性</Td><Td>獣族</Td><Td>レベル3</Td><Td>ATK1600</Td><Td>DEF200</Td></Tr><Td ColSpan="6">チューナー:このカードが直接攻撃によって相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手の手札をランダムに1枚捨てる。</Td></Table>) と、そこで今攻撃しても〔レインボー・ベール〕で回復されるだけなのだ、と気が付いた。 神次郎は露骨に嫌そうな顔をして、バトルフェイズ移行の操作をしようとした手を押え付ける。    「ターンを終了し、〔裁きの龍〕でカードを墓地に送る。(手札手札4・伏せ0)」 神の宣告:デッキ→墓地へ。 インターセプト:デッキ→墓地へ。 ナチュル・ガーディアン:デッキ→墓地へ。 ウェポン・サモナー:デッキ→墓地へ。 神次郎:残りデッキ5枚    「ドロー(手札1)……魔法・罠ゾーンにカードをセット、終了する(手札0・伏せ1)。」 引いたカードが攻撃迎撃系のカードなのか、それとも〔エアベルン〕の手札破壊効果を恐れて伏せただけか? 無感動にあっさりと終ったウォンビックのターンを神次郎はどうとるか。    「ドロー。(手札5) まず私は5体のモンスターをデッキに戻し、〔貪欲な壺〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>貪欲な壺</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分の墓地からモンスターカードを5枚選択し、デッキに加えてシャッフルする。<br>その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。 </Td></Table>) ライトロード・ウォリアー ガロス:墓地→デッキ E・HERO エアーマン:墓地→デッキ E・HERO アナザー・ネオス:墓地→デッキ ならず者傭兵部隊:墓地→デッキ 白い忍者:墓地→デッキ 神次郎:手札4→手札6 手札を補強しつつ、削れたデッキを回復させる。 今の神次郎にとっては最良のカードだった。    「良いカードだ、手札から〔越境同盟〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>越境同名</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">ライフを半分払って発動する。<BR>自分のフィールド上または墓地から決められたモンスターをゲームから除外し、<BR>越境トークン(光属性・悪魔族・星8・攻/守3000)1体を特殊召喚する。<BR>このトークンは、この効果によって除外したモンスターによって異なるモンスター効果を持つ。<BR>(このカードは公式大会では使用できません。) </Td></Table>)    「越境…融合?」 いきなり登場したマイナーカードに、眉をひそめるウォンビック。    「このカードゲームには、“墓守”、“暗黒界”、“ヴォルカニック”、“雲魔物”といった多くの国境が存在する!     だが、このカードはその垣根を超え、新たなるモンスタートークンを創造する!     四つの国家の血を引くこの私ならではのカードといえる!」    「ブラックマイン様……。     あのカードは確か、クラッシュ・クラーリネットのライブチケットの限定カードですよ。     抽選の景品だった限定版チケットの付属だったせいで、生産枚数は確か……100枚丁度。」 神次郎のデッキには偽造カードはないと言っていた。 すなわちあのカードは神次郎の自前、超レアカードというわけか。    「確か……お前の墓地には…。」 その時、ウォンビックは神次郎の墓地に送っていたカードを思い出していた。 インフェルニティや忍者、HEROなど数多くのモンスターを神次郎はデッキデスしていた。 おかしいとは思っていたが、まさかこんなプロモーションカードを持ち出すとは思っていなかった。    「〔ナチュル・ガーディアン〕、     〔インフェルニティ・ガーディアン〕、     〔ライトロード・パラディン ジェイン〕を除外。     来たれ、ナチュルとインフェルニティ、ライトロードの合わせたトークンが誕生する。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>越境トークン</Td><Td>光属性</Td><Td>戦士族</Td><Td>レベル8</Td><Td>ATK3000</Td><Td>DEF2500</Td></Tr><Td ColSpan="6">「ナチュルと名の付くモンスター」+「インフェルニティと名の付くモンスター」+「ライトロードと名の付くモンスター」<BR>自分の手札が0枚の場合、自分のデッキの上からカードを3枚墓地に送ることで、<BR>相手の発動した魔法・罠カードの発動と効果を無効にし破壊する。<BR>(トークン)</Td></Table>) 現れたモンスターは、背中に万国の国旗がプリントされたマントを羽織っている。 背の翼は片や悪魔、片や鷹。 頭の角は方やカタツムリ、方や恐竜。 尻に生えたトカゲの緒には、炎やら雷撃やら風を纏い、ゴチャゴチャと銃やら杖やら剣を持っている。 ……ゴテゴテしすぎてダサいのだが、その戦力たるや外見の比ではない。    「攻撃力…3000!?」    「まだだっ! 〔死者蘇生〕で墓地に存在する〔ライトロード・ビースト ウォルフ〕を召喚!」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>死者蘇生</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分または相手に墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する。<BR>選択したモンスターを自分のフィールド上に特殊召喚する。 </Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>ライトロード・ビースト ウォルフ</Td><Td>光属性</Td><Td>獣戦士族</Td><Td>レベル4</Td><Td>ATK2100</Td><Td>DEF300</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードは通常召喚できない。<BR>このカードがデッキから墓地に送られた時、このカードを自分フィールド上に特殊召喚する。</Td></Table>)    「さらに〔増援〕を発動し、デッキから〔アマゾネスの鎖使い〕を手札に加え、召喚する!」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>増援</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">デッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加え、デッキをシャッフルする。 </Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>アマゾネスの鎖使い</Td><Td>地属性</Td><Td>戦士族</Td><Td>レベル4</Td><Td>ATK1500</Td><Td>DEF1300</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードが戦闘で破壊され墓地に送られた時、1500ライフを払う事で相手の手札からモンスターカードを1枚選択する。<BR>選択したカードを自分の手札に加え、そのデュエル中使用する事ができる。<BR>(墓地に送られる場合は元々の持ち主の墓地へ送られる)</Td></Table>) 多くの手札を消費し、フィールドに展開したモンスターたち。 壮観ですらある。    「私のバトルフェイズ、ライフアドバンテージなんぞ取っても嬉しくないと思っていたが……。     キサマを5回殴れると考えると、最高に気分がいい!」 ここまで、神次郎の攻撃はことごとく防御され、直接攻撃は一発も通っていない。 憤懣を爆発させるべき攻撃は、最初から5体である。    「〔鎖使い〕の攻撃! スネーク・チェーンッ!     〔ウォルフ〕の攻撃! クロー・ラッシュアッパー!     〔裁きの龍〕の攻撃! ジャッジメントディストラクション!     〔ウルベルン〕の攻撃! 万斬爪ッ!     〔越境戦士〕の攻撃! 越境超必殺的大撃破壊裂帛帝王真魔王斬ッ!」 分銅付きの鎖が縛り、そこに2体の獣人の爪と、ドラゴン、戦士の攻撃が炸裂する。 ウォンビック:LP20950→LP19450→LP17350→LP14350→LP12750→LP9750    「っぐ、うう…。」 ソリッドビジョンといえど電気エネルギーである。 1万以上のライフを削るほどに連続してぶつけられれば、痛みも感じる。    「殴り足りないが、バトルフェイズはこれで終ってやろう。     …さっきのキサマのターン、そして今の攻撃でも起動しなかったということは、そのカードはコンボ前提のカード。」 ウォンビックは無言を貫くが、神次郎はそれを肯定と解釈した。    「ならば、キサマの頼みの綱は次のドローだろうが、そうはさせん。     手札から〔天使三姉妹のいたずら〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>天使三姉妹のいたずら</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">1000ポイントのライフを払い、コイントスを3回行う。<BR>表が出た回数だけ自分の、裏が出た回数だけ相手のドローフェイズをスキップする。 </Td></Table>) 神次郎:LP4500→LP3500 手狭な神次郎のフィールドに、3人組の天使が降り立った。 同じ3人組でもおジャマトリオとは雲泥の差、可愛らしい女の子天使3人がそれぞれコインを手に持っている。 うんしょ、と掛声に続き、ポーンと投げた。 1枚目:表 2枚目:表 3枚目:裏 唯一裏を出した末っ子の天使は、心細そうにウォンビックに歩み寄り、その巨躯を木でも登るようによじ登り、デュエルディスクにクレヨンでラクガキをした。 他の2人の天使も2人掛りで念入りに神次郎のディスクにラクガキした。    「このガキどもォォォッッ!     私が1枚使って発動したのに、私のドローを2回スキップだとぉっ!?     なんということだ! この私が! 1:3交換なんぞをするとは!」 そもそも、〔天使三姉妹のいたずら〕は確率を考えると、どう考えても発動すると損をするカードなのだが。 そのことに全く気付いていない神次郎だが、これでとにかくウォンビックは次のドロー、神次郎は2回分のドローが封じられた。    「っちいい、天使が神さえも従える私に従わないとはァ…っ! ターン終了だ。(手札2・伏せ0)」 終了時に、やはり〔裁きの龍〕が神次郎のデッキを削る。 ライトロード・マジシャン ライラ:デッキ→墓地へ。 ヒーロー・ブラスト:デッキ→墓地へ。 ライトロード・ウォリアー ガロス:デッキ→墓地へ。 E・HERO エアーマン:デッキ→墓地へ。 神次郎:残りデッキ3枚    「俺のターンだが、さっきのいたずらで、ドローフェイズはスキップされる。(手札0)」 ここに来て、ウォンビック自身はポカーフェイスを保っているが、ギャラリーに徹していた部下の少女、トガの顔が青ざめている。 これで、ウォンビックに残されたカードは伏せカードがたった1枚。 しかもさきほどのターンから察するに攻撃を妨害するカードではないのは明白。 神次郎のデッキは次のターンで〔裁きの龍〕の効果で枯渇すると言っても、その前にはバトルフェイズが存在するのだ。    「さあ、どうする? ここまでのデュエルで……貴様が私ほどでなくても強者であるのは分かっている。     何か悪足掻きがあるなら存分にしろ。」    「…神、相性の悪いデッキとはいえ、それを嘆かず全力で戦う姿……。     わんこそば大食いコンテストで言えば、ほんの一杯程差……ドローが1枚違っていれば…。」 なんでアメリカ人のお前が知ってるんだ、わんこそば。    「ふん、私の最高記録は87杯だ。」    「そっちでは俺の圧勝だな、290杯は越えた。」 本気で悔しがり、ほぞを噛む神次郎。 トガはわんこそばを知らず、2人は店ごとに一杯の多さは違う、ということを知らない。 わんこそばが互いの技量を図る中、ここで時間と相成りました。 ページの容量不足に嘆く中、[[後編>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/134.html]]へ急げ! [[前へ戻る。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/51.html]] [[次へ進む。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/134.html]] [[遊義皇トップへ>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/12.html]] [[小説置き場に戻る>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/5.html]] &html(<table border="1" bgcolor="#D7F2F2" width="1200"><tr><td><font size="2"><center>) &counter()
&html(<table border="1" bgcolor="#D7F2F2" width="1200"><tr><td><font size="2"><center>) [[前へ戻る。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/51.html]] [[次へ進む。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/134.html]] [[遊義皇トップへ>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/12.html]] [[小説置き場に戻る>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/5.html]] &html(<Table Border Bordercolor="#1e332c" Cellspacing="10" cellpadding="5"><Td BgColor="#b2a5cc">天才ギタリスト、神 次郎(ジン・ジロウ)さん、行方不明。<BR>国際的なヒット曲を作り出していた「クラッシュ・クラーリネッド」のギタリスト兼ボーカル、神 次郎(15)さんが今月3日から行方不明となっている。<BR>彼はアメリカ人とドイツ人のダブルの父親と日本人と中国人のダブルの母親を持つクオーターで、<BR>失踪前に『聴覚は味覚を埋めない、親父の国に味覚を埋める何かを探しに行く』とグループの仲間に言い残し、消息を絶った。<BR>この一週間前に卵アレルギーを発症し、味覚も低下。<BR>実家のラーメンを食べる事が命に関わる様になったおり、それが失踪の原因とされている。<BR>以上、鉄筋社発行、5年前の日東新聞2面記事より抜粋。</Td></Table>) ---- 神次郎(残りデッキ:23枚) ・LP:6000 ・手札:4 ・モンスター:ライトロード・ウォリアー ガロス、ライトロード・マジシャン ライラ、おジャマトークン、おジャマトークン、おジャマトークン ・魔法・罠:伏せカード、伏せカード ウォンビック(残りデッキ:無数) ・LP:9850 ・手札:2 ・モンスター:なし ・魔法・罠:伏せカード、伏せカード ----    「俺のターンだったな(手札3)、〔レベル制限B地区〕を発動するが、チェーンはどうする?」    「貴様のカードの後でなんか発動できるか! ない!」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>レベル制限B地区</Td><Td>永続魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">フィールド上に表側表示で存在するレベル4以上のモンスターは全て守備表示になる。</Td></Table>) チェーン放棄宣言と同時に、守備表示に変更されるガロスとライラ。 ライトロード・ウォリアー ガロス:攻撃表示→守備表示 ライトロード・マジシャン ライラ:攻撃表示→守備表示    「終了だ。(手札2・伏せ1・発動中1)」    「ドロォッ!(手札5)……っち、カードをセット、終了だ!(手札4・伏せ2)」 終了宣言と同時に、2体のライトロードが神次郎のデッキを削る。 インフェルニティ・ガーディアン:デッキ→墓地へ 悲劇の引き金:デッキ→墓地へ E・HERO エアーマン:デッキ→墓地へ 増援:デッキ→墓地へ スケープ・ゴート:デッキ→墓地へ 神次郎:残りデッキ17枚 &html(<font size="10"color="#8b4513">第10話</font><font size="10"color="#696969"> 不動戦士VS追走戦士</font>) 墓地に落ちたカードを見て、ウォンビックは神次郎の顔をマジマジと見た。    「私の美貌に酔うならサレンダーしてからにしろ。 時間の無駄だ。」    「俺のターン、ドロー(手札3)。     ……そうだな、俺は伏せカードの〔おろかな埋葬〕を発動し、デッキから〔メタモルポット〕を墓地に送る。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>おろかな埋葬</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分のデッキからモンスター1体を選択して墓地へ送る。その後デッキをシャッフルする。</Td></Table>) メタモルポット:デッキ→墓地へ。    「自らのカードで自らのデッキを破壊するとはな! ウォンビック・ブラックマイン!」 おろかな埋葬で1枚墓地に送っただけで大騒ぎする神次郎。 その様子を気にもせず、ウォンビックは開口する。    「神、これは推測だが……お前は本来、防御的なデッキだろう?」    「だからどうした。」 先ほど上がったテンションはいつ下がったのか、神次郎はつまらなそうにウォンビックを見た。    「お前のデッキは攻撃の色も大きいが、何よりカウンター狙いが見える。     自身からは動かず、相手がプレイングによって手札を消費したところで叩く。     その戦術はまるで、瀕死の重傷を負いながらも蝿を食べようとするハエトリグサのように静かだ。」 ウォンビックが瀕死の重傷を負ったハエトリグサなんてみたことがあるんかどうかは定かではないが。 確かに、神次郎の墓地に捨てたカードの〔悲劇に引き金〕は相手の行動に合わせて敵に打撃を与える罠で、〔伝説の柔術家〕は攻撃時に誘発する除去モンスター。    「そして、俺はデッキの全てを防御に費やし、生半可な攻撃には一度たりとも突破された事がない。」 その言葉に、神次郎は鼻で笑った。    「ということは、キサマは生半可ではない攻撃には突破された事があるのか、フハハハハ!」    「そうだ。 俺は無敗ではない。     レアハンターとしてグールズに入った日から、今日まで四回負けている。     俺を破ったデュエリストは例外なく、便所の水のような破壊力と俺を凌ぐ技術を持っていた。」 ウォンビックは敗北を悔やんでも、恥じることはないタイプのデュエリストらしい。 まるで『その敗北は自分の誇りである』と言わんばかりに曇りのない喋り方だ。    「これは推測というより直感に近いが、純粋なデュエリストとしての技量では俺とお前はほぼ対等。     だが、敵の攻撃にカウンターを入れるお前と、攻撃を一切しない俺……どちらが有利か、説明するまでもないな?」 確かに、神次郎は自らのデッキを削ることで強力なパワーを発揮するライトロードを使うが、 対するウォンビックは相手のパワーには関係なく、ひたすら防御し続けて相手のドローによるデッキ切れを狙う。 攻撃的・防御的はさておき、神次郎が不利なのは状況的に判断しても間違いない。    「……だからどうしたというのだ?」    「……?」    「デッキの性質上、私が不利かもしれん、それは認めてやらんでもない。     だがな、デッキの相性が悪いだの、攻撃能力がないだのと、そんなことは負ける理由にはならん。     私は強い、お前より強い、だから負けない。     これが真理だ、ウォンビック・ブラックマイン。」 根拠のない自信と高笑いにトガは呆れたが、ウォンビックは満足そうに笑っている。    「……尊敬に値する回答だ、神次郎。     ゲーム続行、俺は2枚のカードをセットして終了する(手札1・伏せ3・発動中1)。     お前のターンだ、神次郎。」    「私のターン、ドロー。(手札6)     よしッ! 流石は私! いいドローだ!     手札から〔ツイスター〕を発動し、〔レベル制限B地区〕を破壊する!」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>ツイスター</Td><Td>速攻魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">500ライフポイントを払って発動する。フィールド上に表側表示で存在する魔法または罠カード1枚を破壊する。</Td></Table>) 神次郎:LP6000→LP5500 レベル制限B地区:破壊、墓地へ。 竜巻によって、さっきまでライトロードたちを縛っていた魔力を一瞬にしてかき消した。 動きを取り戻すライラとガロス。    「2体のライトロードを攻撃表示に変更する。」 ――あーあ、やべーんじゃねーかァー? ウォンビックー。 ――殴られるぜ~、お前。 ――ま、オイラたちには関係ねーけどなぁっ! 余裕綽々でウォンビックを見ているおジャマトリオ。    「そして私のバトルフェイズ、〔ライトロード・マジシャン ライラ〕と〔ライトロード・ウォリアー ガロス〕で直接攻撃する。」 束縛されていた鬱憤を晴らすように、各々武器を振り上げて襲い掛かる2体のライトロード。 瑣末な事だが、この武装した2体よりも素手のウォンビックの方がモンスターらしいのはウォンビックの身長のせいなのだろうか。    「伏せカード発動、〔洗脳解除〕。」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>洗脳解除</Td><Td>永続罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">このカードがフィールド上に存在する限り、自分と相手のフィールド上に存在する全てのモンスターのコントロールは、持ち主に戻る。 </Td></Table>) 発動の宣言に、さっきから騒いでいたおジャマたちが一層取り乱した。 〔おジャマトリオ〕はウォンビックのカードなので、おジャマ・トークンたちの本来のコントローラーはウォンビックである。 ――う、うきゃーぁおおっっ!? ――待てよ! オイラたちは神のダンナと一生を共にするって決めたんだよ! ――そういうのは神のダンナが負ける寸前に使って……う、うおおおおおお! 神次郎の場を離れ、ライトロードの前に壁として差し出された3体のトークン。 相手の場が変更されたので、神次郎には攻撃中断の権利もある。    「私のモンスターとしてならば私のプラスアドバンテージだが、     キサマの物となった以上、私にとってはマイナスアドバンテージ! 潰せ〔ガロス〕! 〔ライラ〕!」 〔ライトロード・ウォリアー ガロス〕(攻撃力1850)VS(守備力1000)〔おジャマトークン〕 →おジャマトークン、破壊・消滅。  〔ライトロード・マジシャン ライラ〕(攻撃力1700)VS(守備力1000)〔おジャマトークン〕 →おジャマトークン、破壊・消滅。 ライラが緑、ガロスが黄色のトークンをそれぞれ武器で殴り倒す。 唯一残ったブラックも、3分の2で死亡という恐怖から、一張羅のパンツを濡らしてしまった。 ――グリーン! イエロー! ブラッー……あ、俺は生きてるか、良かった。 ウォンビック:LP9850→LP9550→LP9250(おジャマ・トリオの効果) トークンの声なんて無視して、神次郎は手を動かしている。    「私のモンスターを奪ったのは万死に値する!     アドバンテージを取り返せ! 〔ライトロード・マジシャン ライラ〕を守備表示に変更し、〔洗脳解除〕を破壊する!」 ライトロード・マジシャン ライラ:攻撃表示→守備表示 洗脳解除:破壊、墓地へ。    「元々の持ち主が俺である以上、〔洗脳解除〕が破壊されても〔おジャマ・トークン〕は俺の場に残る。」    「わかっている! ターン・エンドだ!(手札5・伏せ1)」 終了時にやはり削れるデッキ。 白い忍者:デッキ→墓地へ 越境同盟:デッキ→墓地へ 神の宣告:デッキ→墓地へ ライトロード・パラディン ジェイン:デッキ→墓地へ 神の宣告:デッキ→墓地へ 神次郎:残りデッキ11枚    「俺のターン、ドロー。(手札3)     手札から〔デス・ラクーダ〕を召喚する。」 現れたのは、やる気のないバカヅラをしたゾンビラクダ。 遅効性のドロー能力を持つが、遅効性なので今は全く関係ない。 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>デス・ラクーダ</Td><Td>地属性</Td><Td>アンデット族</Td><Td>レベル3</Td><Td>ATK500</Td><Td>DEF600</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。<BR>このカードが反転召喚に成功した時、自分のデッキからカードを1枚ドローする。</Td></Table>)    「〔デス・ラクーダ〕で、〔ライラ〕を攻撃する。」 攻撃表示ならば負けようのない数値だが、ライラの守備力はたった200、ラクダに足蹴されただけで破壊される。 〔デス・ラクーダ〕(攻撃力500)VS(守備力200)〔ライトロード・マジシャン ライラ →ライトロード・マジシャン ライラ、破壊・消滅。  ライトロード・マジシャン ライラ:フィールド→墓地へ。    「っちぃ……!」    「〔デス・ラクーダ〕を自身の効果で裏守備に変更し、カードを2枚セット、終了する。(手札0・伏せ2)」 デス・ラクーダ:攻撃表示→裏側守備表示    「私のモンスターを戦闘で破壊しアドバンテージを浚うとは、バチが当たるぞ! というか当てるぞ!     ドローっ!(手札6) ここは〔E・HERO アナザー・ネオス〕を召喚する!」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>E・HERO アナザー・ネオス</Td><Td>光属性</Td><Td>戦士族</Td><Td>レベル4</Td><Td>ATK1900</Td><Td>DEF1300</Td></Tr><Td ColSpan="6">デュアル:このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。<BR>フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、<BR>このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。<BR>●このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、カード名を「E・HERO ネオス」として扱う。</Td></Table>) 召喚されたモンスターは、身長こそ低いが特撮番組に出てくるヒーローのようにキグルミのような姿をしている。 カード名を変更する効果はあるが、“現時点では”ネオスにサポートカードなんてないのに、製作スタッフが『宇宙人が作れと言った』と主張して作った奇妙なカードだ。 余談だが、“現在”はバトルシティの終了直後であり、KCがデュエルアカデミアというデュエリスト養成学校を創設しようとしてるという噂はあるが、実在していない。    「2枚の伏せカード……しかし私は恐れない! 〔ガロス〕で〔デス・ラクーダ〕を攻撃!」 〔ライトロード・ウォリアー ガロス〕(攻撃力1850)VS(守備力600)〔おジャマトークン〕 →おジャマトークン、破壊・消滅。  ウォンビックは動かず、ただモンスターが破壊される。    「〔アナザー・ネオス〕の攻撃、〔おジャマトークン〕を引き千切れ!」 ――ちょ、おまくぁうぇrtgyふじこlp アナザーネオスの見掛けには似合わないほどの超スピードの打突を広い顔面に受け、黒いおジャマトークンは消失した。 ウォンビック:LP9250→LP8950(おジャマトリオの効果)    「壁撃破! 次のターンでダメージだ! ターンエ」    「待った、そこで俺の伏せカードが発動される。     発動するカードは、2枚の〔破滅へのクイック・ドロー〕だ。」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>破滅へのクイック・ドロー</Td><Td>永続罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">お互いのプレイヤーはドローフェイズ開始時に手札が0枚だった場合、通常のドローに加えてもう1枚ドローする事ができる。<BR>このカードのコントローラーは自分のターンのエンドフェイズ毎に700ライフポイントを払う。<BR>この時にライフポイントが700未満だった場合、ライフポイントは0になる。<BR>自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードがフィールド上から離れた時、自分は3000ポイントダメージを受ける。</Td></Table>)    「っち、賢しいカードを……。」 破壊された時に3000、維持だけでも700と中々にライフ消耗の激しいカードだが、 毎ターン1枚ドローの恩恵は小さくなく、使いこなせば数多のドローカードの中でも屈指の能力を持つ。 ライフを捨ててカードを得る、それは神次郎の専売特許であったはずだが、それをやられて中々に気分が悪そうだ。    「お前の〔サイクロン〕と〔大嵐〕はライトロードの効果で墓地に落ちた。     ……他にも〔ツイスター〕・〔ハーピィの竹箒〕・〔ライラ〕を使っているからな、除去手段は限られるが…。     ……正念党の伝家の宝刀、〔サイクロン・ブレイク〕があれば除去できるが、やるか?」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>サイクロン・ブレイク</Td><Td>速攻魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">フィールド上のカード1枚を破壊する。(オリカ)</Td></Table>) この世にただ1枚、レア度だけでは〔青眼の白龍〕をも凌駕する最大のレアカードだが、偽造カードの使用が承認されているデュエルでは関係なく3枚投入できる。 尖兵などは持っていなくても当たり前としても、神次郎クラスならばデッキに3枚詰みしていてもおかしくない、というか入ってない方がおかしい。    「あんなカードは実力の無い下っ端のオモチャにすぎん。     私のような真の中の真のデュエリストは、安易なレアカードやパワーカードに頼るような男ではない。」 入っていない、という発言にウォンビックは納得した。 神次郎のデッキに入っている〔ツイスター〕や〔サイクロン〕は、〔サイクロン・ブレイク〕の下位カード。 入っているとしたら、偽造〔サイクロン・ブレイク〕を3枚投入してそれでも足りずに入れているということになる。 しかし、3枚も入っているカードがライトロードのデッキデスで1枚も出ない、というのも妙な話だった。    「堂々と! 敢然と! ターン終了!(手札5・伏せ2)」 ガロスは単体ではデッキ破壊しないので、神次郎のデッキが減る事は無い。 神次郎:残りデッキ10枚    「俺のターン、2枚の〔破滅へのクイック・ドロー〕の効果で3枚ドローする(手札3)。     手札から〔デス・モーグラ〕を召喚する。」 召喚宣言と共に、地中から一体のモンスターが這い出した。 あまりデフォルメされず、中々リアルなモグラだ。 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>デス・モーグラ</Td><Td>闇属性</Td><Td>獣族</Td><Td>レベル3</Td><Td>ATK900</Td><Td>DEF300</Td></Tr><Td ColSpan="6">チューナー:このカードは特殊召喚できない。<BR>自分フィールド上のモンスター1体を手札に戻すことで、相手フィールド上に存在するモンスター1体の表示形式を変更する。<BR>この効果は1ターンに1度しか使用できず、相手ターンにも使用する事ができる。</Td></Table>)    「ライフコストを払い、カードを2枚セット、ターン終了だ。(手札0・伏せ2・発動中2)」    「ドロー(手札6)……ハッハァー! 流石は私! 神を次に従える男だ! これだ!」 手札に引いたカードを、即座にフィールドに差し込む神次郎。    「お前に最高のディスアドバンテージ、手札・フィールド合計0枚を味合わせてやろう!     私の墓地にいるライトロードは、〔パラディン〕〔ビースト〕〔ハンター〕〔マジシャン〕。     神の裁きを超える、私の裁きを受けるがいい! 〔裁きの龍〕を召喚ッ!」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>裁きの龍</Td><Td>光属性</Td><Td>ドラゴン族</Td><Td>レベル8</Td><Td>ATK3000</Td><Td>DEF2600</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードは通常召喚できない。<BR>自分の墓地に「ライトロード」と名のついたモンスターカードが4種類以上存在する場合のみ特殊召喚する事ができる。<BR>1000ライフポイントを払う事で、このカードを除くフィールド上のカードを全て破壊する。<BR>このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する場合、自分のエンドフェイズ毎に、デッキの上からカードを4枚墓地に送る。</Td></Table>) 銀光を放つ特大のドラゴンに、ウォンビックも眉を跳ね上げる。    「私のカードも巻き込むが、私が破壊されるカードはモンスター2体と魔・罠2枚の計4枚。     対し、お前の〔デス・モーグラ〕は手札に戻せるが、私は破壊された時に手札破壊をする〔呪われた棺〕を伏せている!」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>呪われた棺</Td><Td>通常罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた時、相手は次の効果から1つを選択して行う。<BR>●自分の手札を1枚ランダムに捨てる。<BR>●自分のフィールド上モンスター1体を選択して破壊する。 </Td></Table>)    「よって、お前の破壊されるカードは、伏せカード2枚に〔クイック・ドロー〕2枚に手札破壊される〔デス・モーグラ!〕     合計5枚で、ちょうど4:5交換の交換で私の大得! ライフを1000ポイント払い、ジャッジメント・フラッシャーッ!」 神次郎:LP5500→LP4500    「ああ、その計算は正しい……だがあえてこう言おう、サンキュー、と。」    「……何?」    「フィールドの〔デス・モーグラ〕を手札に戻し、〔裁きの龍〕を指定する。     そして、戻ってきた〔デス・モーグラ〕を捨てて、〔レインボー・ライフ〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>デス・モーグラ</Td><Td>闇属性</Td><Td>獣族</Td><Td>レベル3</Td><Td>ATK900</Td><Td>DEF300</Td></Tr><Td ColSpan="6">チューナー:このカードは特殊召喚できない。<BR>自分フィールド上のモンスター1体を手札に戻すことで、相手フィールド上に存在するモンスター1体の表示形式を変更する。<BR>この効果は1ターンに1度しか使用できず、相手ターンにも使用する事ができる。</Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>レインボー・ライフ</Td><Td>通常罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">手札を1枚捨てる。<BR>このターンのエンドフェイズ時まで自分が受けるダメージは無効になり、その数値分ライフポイントを回復する。 </Td></Table>) 通常は手札に戻るのはチェーンが処理されてからなので、〔レインボー・ライフ〕は発動できない。 だがしかし、この〔デス・モーグラ〕は、チェーンに乗る『効果』ではなく、即座に処理される『コスト』によって手札に戻ることができる。 そのため、チェーン1に〔裁きの龍〕の全破壊、チェーン2に〔デス・モグーラ〕の表示変更効果が乗った時点で、既に〔デス・モーグラ〕は手札に居る。 故にチェーン3に手札に戻った〔デス・モーグラ〕をコストに〔レインボー・ライフ〕を発動する事が出来るのだ。    「お前がこの土壇場で〔裁きの龍〕を引いたように、俺も前のターンでコンボカードを揃えていた。     最後の伏せカード、〔女神の加護〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>女神の加護</Td><Td>永続罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分は3000ライフポイント回復する。<BR>自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードがフィールド上から離れた時、自分は3000ポイントダメージを受ける。</Td></Table>) 全てのチェーン確認が終わり、逆順処理が開始される。    「まず、〔女神の加護〕の効果で俺のライフが3000回復。     そして〔レインボー・ライフ〕でダメージが回復に変わり、〔デス・モグーラ〕の効果で〔裁きの龍〕が守備表示になる。」 ウォンビック:LP8950→LP11950 裁きの龍:攻撃表示→守備表示    「そこに、私の裁きの龍の効果が炸裂する……ッ!」 天空から振り下ろされた衝撃によって、フィールドのカードが全て閃熱に帰する。 E・HERO アナザー・ネオス:フィールド→墓地。 ライトロード・ウォリアー ガロス:フィールド→墓地。 呪われた棺(伏せ):フィールド→墓地。 抹殺の使徒(伏せ):フィールド→墓地。 破滅へのクイック・ドロー:フィールド→墓地。 破滅へのクイック・ドロー:フィールド→墓地。 女神の加護:フィールド→墓地。    「2枚の〔破滅へのクイック・ドロー〕に〔女神の加護〕が破壊され、本来なら計9000のダメージを受ける。     だが、〔レインボー・ライフ〕の効果によって、ダメージは回復に変わる。」 ウォンビック:LP11950→LP14950→LP17950→LP20950    「ここまで完璧にコンボが決まると、風邪引きのピエロのよう口がニヤケてしまうな。」 別に風邪引きじゃなくてもピエロはニヤケてると思うが。 ウォンビックのよくわからない比喩を聞き流し、神次郎は手札を眺める。    「ふん、ライフポイントなんぞいくら回復しようと手札も場も無いのでは話にならんッ!     私は、手札から〔X-セイバー エアベルン〕を召喚する。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>X-セイバー エアベルン</Td><Td>地属性</Td><Td>獣族</Td><Td>レベル3</Td><Td>ATK1600</Td><Td>DEF200</Td></Tr><Td ColSpan="6">チューナー:このカードが直接攻撃によって相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手の手札をランダムに1枚捨てる。</Td></Table>) と、そこで今攻撃しても〔レインボー・ベール〕で回復されるだけなのだ、と気が付いた。 神次郎は露骨に嫌そうな顔をして、バトルフェイズ移行の操作をしようとした手を押え付ける。    「ターンを終了し、〔裁きの龍〕でカードを墓地に送る。(手札手札4・伏せ0)」 神の宣告:デッキ→墓地へ。 インターセプト:デッキ→墓地へ。 ナチュル・ガーディアン:デッキ→墓地へ。 ウェポン・サモナー:デッキ→墓地へ。 神次郎:残りデッキ5枚    「ドロー(手札1)……魔法・罠ゾーンにカードをセット、終了する(手札0・伏せ1)。」 引いたカードが攻撃迎撃系のカードなのか、それとも〔エアベルン〕の手札破壊効果を恐れて伏せただけか? 無感動にあっさりと終ったウォンビックのターンを神次郎はどうとるか。    「ドロー。(手札5) まず私は5体のモンスターをデッキに戻し、〔貪欲な壺〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>貪欲な壺</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分の墓地からモンスターカードを5枚選択し、デッキに加えてシャッフルする。<br>その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。 </Td></Table>) ライトロード・ウォリアー ガロス:墓地→デッキ E・HERO エアーマン:墓地→デッキ E・HERO アナザー・ネオス:墓地→デッキ ならず者傭兵部隊:墓地→デッキ 白い忍者:墓地→デッキ 神次郎:手札4→手札6 手札を補強しつつ、削れたデッキを回復させる。 今の神次郎にとっては最良のカードだった。    「良いカードだ、手札から〔越境同盟〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>越境同盟</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">ライフを半分払って発動する。<BR>自分のフィールド上または墓地から決められたモンスターをゲームから除外し、<BR>越境トークン(光属性・悪魔族・星8・攻/守3000)1体を特殊召喚する。<BR>このトークンは、この効果によって除外したモンスターによって異なるモンスター効果を持つ。<BR>(このカードは公式大会では使用できません。) </Td></Table>)    「越境…同盟?」 いきなり登場したマイナーカードに、眉をひそめるウォンビック。    「このカードゲームには、“墓守”、“暗黒界”、“ヴォルカニック”、“雲魔物”といった多くの国境が存在する!     だが、このカードはその垣根を超え、新たなるモンスタートークンを創造する!     四つの国家の血を引くこの私ならではのカードといえる!」    「ブラックマイン様……。     あのカードは確か、クラッシュ・クラーリネットのライブチケットの限定カードですよ。     抽選の景品だった限定版チケットの付属だったせいで、生産枚数は確か……100枚丁度。」 神次郎のデッキには偽造カードはないと言っていた。 すなわちあのカードは神次郎の自前、超レアカードというわけか。    「確か……お前の墓地には…。」 その時、ウォンビックは神次郎の墓地に送っていたカードを思い出していた。 インフェルニティや忍者、HEROなど数多くのモンスターを神次郎はデッキデスしていた。 おかしいとは思っていたが、まさかこんなプロモーションカードを持ち出すとは思っていなかった。    「〔ナチュル・ガーディアン〕、     〔インフェルニティ・ガーディアン〕、     〔ライトロード・パラディン ジェイン〕を除外。     来たれ、ナチュルとインフェルニティ、ライトロードの合わせたトークンが誕生する。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>越境トークン</Td><Td>光属性</Td><Td>戦士族</Td><Td>レベル8</Td><Td>ATK3000</Td><Td>DEF2500</Td></Tr><Td ColSpan="6">「ナチュルと名の付くモンスター」+「インフェルニティと名の付くモンスター」+「ライトロードと名の付くモンスター」<BR>自分の手札が0枚の場合、自分のデッキの上からカードを3枚墓地に送ることで、<BR>相手の発動した魔法・罠カードの発動と効果を無効にし破壊する。<BR>(トークン)</Td></Table>) 現れたモンスターは、背中に万国の国旗がプリントされたマントを羽織っている。 背の翼は片や悪魔、片や鷹。 頭の角は方やカタツムリ、方や恐竜。 尻に生えたトカゲの緒には、炎やら雷撃やら風を纏い、ゴチャゴチャと銃やら杖やら剣を持っている。 ……ゴテゴテしすぎてダサいのだが、その戦力たるや外見の比ではない。    「攻撃力…3000!?」    「まだだっ! 〔死者蘇生〕で墓地に存在する〔ライトロード・ビースト ウォルフ〕を召喚!」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>死者蘇生</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分または相手に墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する。<BR>選択したモンスターを自分のフィールド上に特殊召喚する。 </Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>ライトロード・ビースト ウォルフ</Td><Td>光属性</Td><Td>獣戦士族</Td><Td>レベル4</Td><Td>ATK2100</Td><Td>DEF300</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードは通常召喚できない。<BR>このカードがデッキから墓地に送られた時、このカードを自分フィールド上に特殊召喚する。</Td></Table>)    「さらに〔増援〕を発動し、デッキから〔アマゾネスの鎖使い〕を手札に加え、召喚する!」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>増援</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">デッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加え、デッキをシャッフルする。 </Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>アマゾネスの鎖使い</Td><Td>地属性</Td><Td>戦士族</Td><Td>レベル4</Td><Td>ATK1500</Td><Td>DEF1300</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードが戦闘で破壊され墓地に送られた時、1500ライフを払う事で相手の手札からモンスターカードを1枚選択する。<BR>選択したカードを自分の手札に加え、そのデュエル中使用する事ができる。<BR>(墓地に送られる場合は元々の持ち主の墓地へ送られる)</Td></Table>) 多くの手札を消費し、フィールドに展開したモンスターたち。 壮観ですらある。    「私のバトルフェイズ、ライフアドバンテージなんぞ取っても嬉しくないと思っていたが……。     キサマを5回殴れると考えると、最高に気分がいい!」 ここまで、神次郎の攻撃はことごとく防御され、直接攻撃は一発も通っていない。 憤懣を爆発させるべき攻撃は、最初から5体である。    「〔鎖使い〕の攻撃! スネーク・チェーンッ!     〔ウォルフ〕の攻撃! クロー・ラッシュアッパー!     〔裁きの龍〕の攻撃! ジャッジメントディストラクション!     〔ウルベルン〕の攻撃! 万斬爪ッ!     〔越境戦士〕の攻撃! 越境超必殺的大撃破壊裂帛帝王真魔王斬ッ!」 分銅付きの鎖が縛り、そこに2体の獣人の爪と、ドラゴン、戦士の攻撃が炸裂する。 ウォンビック:LP20950→LP19450→LP17350→LP14350→LP12750→LP9750    「っぐ、うう…。」 ソリッドビジョンといえど電気エネルギーである。 1万以上のライフを削るほどに連続してぶつけられれば、痛みも感じる。    「殴り足りないが、バトルフェイズはこれで終ってやろう。     …さっきのキサマのターン、そして今の攻撃でも起動しなかったということは、そのカードはコンボ前提のカード。」 ウォンビックは無言を貫くが、神次郎はそれを肯定と解釈した。    「ならば、キサマの頼みの綱は次のドローだろうが、そうはさせん。     手札から〔天使三姉妹のいたずら〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>天使三姉妹のいたずら</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">1000ポイントのライフを払い、コイントスを3回行う。<BR>表が出た回数だけ自分の、裏が出た回数だけ相手のドローフェイズをスキップする。 </Td></Table>) 神次郎:LP4500→LP3500 手狭な神次郎のフィールドに、3人組の天使が降り立った。 同じ3人組でもおジャマトリオとは雲泥の差、可愛らしい女の子天使3人がそれぞれコインを手に持っている。 うんしょ、と掛声に続き、ポーンと投げた。 1枚目:表 2枚目:表 3枚目:裏 唯一裏を出した末っ子の天使は、心細そうにウォンビックに歩み寄り、その巨躯を木でも登るようによじ登り、デュエルディスクにクレヨンでラクガキをした。 他の2人の天使も2人掛りで念入りに神次郎のディスクにラクガキした。    「このガキどもォォォッッ!     私が1枚使って発動したのに、私のドローを2回スキップだとぉっ!?     なんということだ! この私が! 1:3交換なんぞをするとは!」 そもそも、〔天使三姉妹のいたずら〕は確率を考えると、どう考えても発動すると損をするカードなのだが。 そのことに全く気付いていない神次郎だが、これでとにかくウォンビックは次のドロー、神次郎は2回分のドローが封じられた。    「っちいい、天使が神さえも従える私に従わないとはァ…っ! ターン終了だ。(手札2・伏せ0)」 終了時に、やはり〔裁きの龍〕が神次郎のデッキを削る。 ライトロード・マジシャン ライラ:デッキ→墓地へ。 ヒーロー・ブラスト:デッキ→墓地へ。 ライトロード・ウォリアー ガロス:デッキ→墓地へ。 E・HERO エアーマン:デッキ→墓地へ。 神次郎:残りデッキ3枚    「俺のターンだが、さっきのいたずらで、ドローフェイズはスキップされる。(手札0)」 ここに来て、ウォンビック自身はポカーフェイスを保っているが、ギャラリーに徹していた部下の少女、トガの顔が青ざめている。 これで、ウォンビックに残されたカードは伏せカードがたった1枚。 しかもさきほどのターンから察するに攻撃を妨害するカードではないのは明白。 神次郎のデッキは次のターンで〔裁きの龍〕の効果で枯渇すると言っても、その前にはバトルフェイズが存在するのだ。    「さあ、どうする? ここまでのデュエルで……貴様が私ほどでなくても強者であるのは分かっている。     何か悪足掻きがあるなら存分にしろ。」    「…神、相性の悪いデッキとはいえ、それを嘆かず全力で戦う姿……。     わんこそば大食いコンテストで言えば、ほんの一杯程差……ドローが1枚違っていれば…。」 なんでアメリカ人のお前が知ってるんだ、わんこそば。    「ふん、私の最高記録は87杯だ。」    「そっちでは俺の圧勝だな、290杯は越えた。」 本気で悔しがり、ほぞを噛む神次郎。 トガはわんこそばを知らず、2人は店ごとに一杯の多さは違う、ということを知らない。 わんこそばが互いの技量を図る中、ここで時間と相成りました。 ページの容量不足に嘆く中、[[後編>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/134.html]]へ急げ! 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