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ザグオゥッゥオン! 俺は大きく横に跳んだ矢先、俺が立っていた場所に剛速球投手の直球の様な何かが地面に刺さった。    「…なんだ!?」 そこには顔に黄金色のピアスを付けまくった男女の区分すら付かない人間と思しき者、 今の音からすると付けていたパラシュートが無意味な程に重量は人間離れしているようだが。    「私ですらも畏怖を消し去れないスカイダイビングを軽々するとは…流石は幹部、見事だ。」 顔面の金色のピアスから察するに、この異常重量ピアスが顔面金色ボットだろう。    「空港まで行く時間の節約ですよ、今もシャモン様がこちらに向かってきていますよ。」 再度振り仰ぐと、太陽と重なって見え難いが、確かに何かが落ちてきている。    「降りてくるまで待ちましょうか、とりあえず。」           (間と視点変換・作者にシフトォチェンジッ)    「ゴメンねー、オレ、エビエスみたいに早く降りられないからさー。」 シャモンが降りてくる数秒前からウォンビックは疑問を感じていた、降りてくるシルエットが小さすぎる。 確かにグールズには未成年の者も多いがそれでも年齢が1ケタの奴は居ない、そして近場でシャモンの声を聞いて完全に子供で有る事を認めざるを得なかった。    「あなたがウォンビック・ブラックマインさんだよね、すぐにデュエルの準備するからさ、ちょっと待ってね。」    「シャモン様、デュエルの前に先ずは賭ける物の確認を、     正念党が勝てばダーヅは解散、ダーヅが勝てば……ところでジン、あなたのデュエルでは何を賭けたんですか?」 ……、 エビエスは降りてくるのを待ちきれずに眠ったアホウを1回蹴り飛ばして起こし、再度質問を投げ掛けた。    「ふ、私のデュエルは部下達の格闘の延長試合、賭ける物も副隊長が勝手に決めた筈だ。」    「俺が賭けた物ダーヅ解散、ホウキカラス部下の烏合の衆が賭けた物は所持しているデッキ・スーツ諸々全てだ。」 上司が部下の決めた条件を知らずにデュエルって一体?    「勝てる自信が有ったのだろうが、組織の機密のスーツや〔無限の力〕入りデッキを賭けるとは…。」 複製カードは複製カードからでも作れるので、基本的にはザコハンターにもレアカードは標準装備させている、 だが例外で世界に1枚しか存在しないレア魔法、〔サイクロン・ブレイク〕・〔無限の力〕は常勝・裏切らないといった限られたハンターしか所持できない。 その為、何をするか予想できないクロック、アホウのジンの二名は幹部衆でありながら二枚とも持たされていない。    「それじゃあ賭ける内容はオレ達が勝ったらさっきのアンティの無効とそっちの解散、     ウォンビックくんが勝ったら正念党が解散してオリジナルの〔サイクロン・ブレイク〕の入ったデッキを渡す、これで良いかな?」    「レアハンターたる物、挑まれた勝負は受けよう、謹んで、な。」 笑ってる奴は無視して各々デュエルの準備をするが、何時の間にかシャモンは奇妙な円盤を腕に装着している。    「これはオレの自慢のデュエルディスク『星』! オレの一番大事な人が作ってくれたディスクなんだ~♪」 そのディスクはデッキホルダーを中心に、五角形を描く形でカードのソリッドビジョンが配置されている。 ウォンビックの巨大デュエルディスク『BATTLE・AX(斧)』もかなりの異型だがその比には為らないほどの奇形、デザイン勝負なら一等賞。    「猩々鬼は凄いんだよ~、投げるタイプのソリッドビジョンシステムをオレが投げられないから、     投げなくても持てる様に軽量化と改造をたった一晩でしてくれたんだよ♪ それでね、そのあと猩々鬼は…。」    「シャモン様、話さなくて良い情報は教える必要は有りません。」 そんな新婚夫婦のノロケ話みたいな内容を『情報』として扱える人間が居るならそれはそれで見てみたい。    「それではルールはダーヅの『ドッグ&マン』を採用する…ルールは…。」    「知っています、格闘技とデュエルを行い二本の戦いに勝利した者が勝者、イーブンだった場合はノーゲーム、ですよね?」 ルールを確認してお互いにデュエルディスクを装着し、叫ぶ!    『デュエル!』(新エキスパートルール、初期手札5、LP8000)    「俺の先攻(手札6)!俺はモンスターとスペルカードを1枚ずつ伏せ、     手札から魔法カード〔おジャマシスターズ〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>おジャマシスターズ</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">相手フィールド上に「おジャマガールトークン」(攻撃力300・守備力2000・地属性・獣族・星3)を2体を特殊召喚する。<BR>このトークンは生贄にできず、破壊された時、トークンのコントローラーは1体につき500ポイントダメージを受ける。<BR>(このカードの発動後、このターンをエンドフェイズまでスキップする。)(オリカ)</Td></Table>) シャモンの場に急遽降り立った青と赤のおジャマ人的美少女2人・・・・・2人はどこぞのアイドルよろしくシャモンの場で歌い、踊り始めた。 この光景を見たプレイヤーはあまりの苛立ちに早く除去しようとし、プレイングミスを犯しやすくなるというオマケ付き。    「私達~おジャマの心のおーんなぁ~の~こ~♪」    「赤と青ぉの~、プリンセス~♪」    『2人で~あなたの世界にお~ジャマ~♪』    「…あなたはこういうカードを使うんですか…」    「ええい! 類似効果の〔地盤沈下〕よりも発動後の除去難易度が高いから! それだけだ! 終了!(手札3・伏せ1)」 エビの白い視線に慌てて弁解するウォンビック。    「中々素晴らしい音域だな、これは。」    「こんなに可愛いモンスターをありがとね、ウォンビック♪  じゃあカードを引くよ(手札6)。」 この瞬間、初めて巨人+顔面金色ボット、魔王+ホウキカラスと言う異色の派閥が出来上がった。    「貴様がドローした瞬間に〔おジャマトリオ〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>おジャマトリオ</Td><Td>通常罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">相手フィールド上に「おジャマトークン」(攻撃力0・守備力1000・地属性・獣族・星2)を3体守備表示で特殊召喚する。<BR>このトークンは生贄にできず、破壊された時、トークンのコントローラーは1体につき300ポイントダメージを受ける。 </Td></Table>) 黄・黒・緑が出現と同時に青・赤はアニソンからメタリカ調の、 おそらくロックミュージックと召喚ロックを掛けた歌に変更された。 そして何時の間にか黄・黒・緑は各自カスタネット・リコーダー・ハーモニカを弾き始めている …いや、ロックってそういう楽器で成立するの?    「…中々心地よい……楽器をどこに持っていたかが気に為るがな。」    「たーのしぃ♪ このぐらい可愛いロックなら大歓迎♪ 3枚セットしてターン終了ね。(手札3・伏せ3)」 …心に常に余裕を持つ事は重要な事だ、エビエスはそう思うことにしていた。    「んー、じゃあオレはカードを引き(手札4)…1枚伏せて終りょ…。』    「さっきのドローフェイズ発動のお返し! 伏せカードに対して2枚の〔サイクロン・ブレイク〕!。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>サイクロン・ブレイク</Td><Td>速攻魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">フィールド上のカード1枚を破壊する。(オリカ)</Td></Table>) 一陣の風…いや、二陣の風がそれぞれウォンビックの場のセットカードを打ち砕いていく。 伏せカード(威嚇する咆哮・魂を削り死霊)→墓地へ。    「ああああ! やっぱりプレイングミスぅうう!」    「なるほど、これが最強のレアカードの威力か……だが初心者プレイングだな、      今の〔サイブレ〕はトークンを破壊してロックを崩し、召喚スペースを確保するのが通常だ。(ウォンビック手札3・伏せ0)」 引きに天性の才能、カリスマと呼ばれる者の必携スキルだが・・・それでもプレイングが付いていかなければ意味が無い、 そのプレイングによって残り1枚の〔サイクロン・ブレイク〕に賭けるという、完全にウォンビックの『時間稼ぎ』に嵌った形になっている。    「猩々鬼の貸してくれたマンガに『特別強くなるんだったらどこかで普通を捨てなくちゃならない』って書いてあったよ、ドローね(手札4)。」 漫画!?    「ラーメンで言うならしょうゆ味、デッキで言うならスタンダード、普通でも強くは為れる、     どんな斬新さでもシャモンや私の様に戦闘で相手を殴り倒すデッキにはアタッカーが必要だ…召喚できないのでは。」 そう言えば醤油は日本発祥で、ラーメンは中国発祥、だったら最初のラーメンは醤油ではなかったのでは。    「ジローの言ってる事は分かるけどモンスターならウォンビックがくれたこの子達が居るでしょ?     手札から〔百獣大行進〕を発動し…〔ガール〕に〔団結の力〕を装備!」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>百獣大行進</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分フィールド上に表側表示で存在する獣族モンスターの攻撃力はターン終了時まで自分フィールド上に存在する獣族モンスターの数×200ポイントアップする。 </Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>団結の力</Td><Td>装備魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">装備モンスターの攻撃力と守備力は自分のコントロールする表側表示モンスター1体につき、800ポイントアップする。 </Td></Table>) おジャマ×3 攻撃力0・守備力1000→攻撃力1000・守備力2000 おジャマガール(赤) 攻撃力300・守備力2000→攻撃力1300・守備力3000 おジャマガール(青) 攻撃力300・守備力2000→攻撃力1300・守備力3000→攻撃力5300・守備力7000    「おジャマモンスターで攻撃力合計8000オーバー!?」    「先天的なドロー能力はプレイングを超える…か、恐れ入る。」    「行っくよぉー! おジャマ達の一斉攻撃! おジャマイルドスーパースポンジオイルバスター!」 圧倒的なパワーで殴り抜けるおジャマ(青)…だが、その攻撃に悲鳴を上げるより早く、ウォンビックは手札に手を伸ばしていた。 ウォンビックLP8000→2700    「ぐぅ…俺のライフがダメージを受けた瞬間ッ! 手札から〔ノロボー〕の効果を発動する!」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>ノロボー</Td><Td>闇属性</Td><Td>悪魔族</Td><Td>レベル2</Td><Td>ATK100</Td><Td>DEF100</Td></Tr><Td ColSpan="6">コントローラーがライフにダメージを受けた時、手札からこのカードを捨てる事ができる。<BR>捨てたターンのエンドフェイズまでコントローラーはダメージを受けない。(オリカ)</Td></Table>) 残る4色のおジャマ達の攻撃を受け止めるべく、フィールドに降り立つが…。    「通さない! その発動に対して最後の伏せカード〔天罰〕!」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>天罰</Td><Td>カウンター罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">手札を1枚捨てる。効果モンスターの発動と効果を無効にし、そのモンスターを破壊する。 </Td></Table>) 民の反抗を許さぬ神のように、ウォンビックの防御を打ち砕いて本来のシャモンの作戦通りに攻撃は完了した。 ウォンビックLP2700→1000→1000→0    「ぐふ…。」    『これが結束の力だ!』 やりきった顔で消えていくソリッド・ビジョンとそれに手を振るシャモン…あ、おジャマも振り返してる、凄いなソリッドビジョン。 …つーか、赤だけ攻撃してないのに結束か、1人だけサボってても結束で良いのか    「ダーヅのルールでは原則的に1人が殴り合いとデュエルを行なう…     ですが、こちらのシャモン様は見ての通りの子供、代わりに私が戦います、それで良いですよね?」    「ダメだ、そっちの子供が戦え。」 明らかに目付きの違うウォンビック・ブラックマイン(18歳)、 10年前に初恋の相手の父親が競技中の事故で義父を殺してから11月10日が嫌いになった男。    「何が問題だ? 私が部下達の代わりにデュエルした際には代行が可能だっただろう。」    「あれは連中が意識を失い、続行不可能だったからだが今回は俺もそちらも無傷だ。」 そういうルールなら何でデュエルを先にしない?    「セコイですねぇ、弱そうな方を狙うとは…。」    「なんと呼ばれようと構わん、確実な勝利の為にそちらの子供と戦いたい、俺は負けられないんでな。」    「負けられないのは分かりますが、孤児院の院長さんが子供を殴っちゃ拙いんじゃないですか?」 まともに引き攣らせるウォンビック。    「…ピアス、お前は何者だ、部下達にもしていない話をなぜ…?」    「誰も知らないからこそ情報の価値が有る……常識ですよ?」 気に入らない物同士の討論にニヤニヤ笑うホウキカラスとそれに対照的なシャモン。    「良いよ!分かった!オレがやる!     オレが戦えばウォンビックくんは納得、そんで勝てばエビエスも納得でしょ!?」 そんな勝つのが当たり前、のように言われて納得したのではお守り幹部の名が廃る ……廃っても困らないようなきがする、お守り幹部。    「私は反対です! 第七幹部の権限でそんな事は……。」    「残念、オレも第一幹部の権限を使ってでも戦うよ。」 そのまま2人はジンへと視線を移す、意見が割れた時はその場で幹部権限を持つ者の多数決だ。    「私の第五幹部権限はシャモン戦闘に一票だな、     シャモンは痛みを知らんアホウでは無いと私は知っているし、小さなシャモンがどう戦うかに知的好奇心が有る。」    「お前がアホウじゃぁああああ!」    「ありがとね、ジロー!」 聞いた手前でシャモンは即座に自分のディスク『星』を外して、ファイティングポーズを取った。    「決まりだな…ダーヅでのファイティングルールは自分の所持している物・周りに有る人間以外の物ならば武器も使用可能、     急所・禁じ手・時間制限は無し、勝敗はギブアップの宣言か意識を失った場合のみ、生死は問わない!」 なんだこの極悪ルール、敗者は死ねってルールか、それは。    「開始はこのルールの説明が終わった時点から開始ィッダァ!?」 最初の一瞬でウォンビックの視界からシャモンの姿は消え、次の瞬間には小さな靴底が目に入り、口に入り、 ごりゅあ、ふあぁっと、っどぎ! カキ氷製造機のレバーを何周か回したような音がして、ウォンビックの意識は完全に暗転した。 間 ウォンビックは異常な息苦しで目を覚ました、鼻は痛みだけ出で呼吸できず、ノドにも何かが支えている。    「ぐへっ、ぐふほぁ!」 起き上がり、ノドの異物感の根源を思いっきり吐き出すが、それは異物ではなくさっきまでウォンビックの歯茎に生えていた歯。 遊戯王で歯が飛ぶのは日常茶飯事だが、それでも奥歯8本だけ綺麗に残して他は全滅、ってのは珍しいかも知れない。    「お、起きたか。」 手に持ったウノのカードを地面に伏せて、ウォンビックへ向かっていく幹部3人。    「さて、対戦の結果は覚えてますよね。」 まだ頭がグラ付いているのか、かなりぎこちない動作で頭を下げる巨人。    「アンティの…この組織は見逃して…くれ!     俺には…孤児院にはまだ金が必要なんだ…頼む…。」 突然の土下座にたじろぐシャモンに、同情の欠片も無く前に出るジン。    「知らないようだから教えてやる、頭を下げると言う行為は私の様に誇り溢れた人間がするからこそ意味が出る、     貴様の様な暴力団にも為れない半端者の土下座なんぞ芥(あくた)程の価値も無いわァッ!」    「……だったらさー、君はオレの組織に来て幹部やらない? 2番幹部か6番幹部で。     今は予算を会計してくれてた猩々鬼も居ないから会計係の幹部も欲しかったし…ウォンビックくんって会計できる?」    「……。」    「適当で良いよ~、もし余った資金の一部をどっかの孤児院の募金に当てたりしても気付かないからさ。」 それを聞いて吹き出すジンに、肩を振るわせるエビエス。    「私は反対です!横領容認の会計や裏切る可能性の高い者を幹部にするなどと!」    「良いじゃん! お金なら7桁か8桁くらい余ってるんだからさ!     それにウォンビックくんは自分の誇り捨ててまで孤児院に執着する人だよ?     そういう人は『必要以上の物を求めないから裏切らない』、って猩々鬼の貸してくれた漫画に描いてあった!     ……人を殴らないでもデュエルは出来るよ……ウォンビックくん。」 キリスト教徒のウォンビックにはその時のシャモンが完全に救世主に見えていた、自分にとっても、子供たちにとっても。    「…その申し出、喜んで受けよう、よろしく。」    「か、幹部会に入るには他の幹部2名が反対した場合は無効です! 私は反対します! 他に反対の方!?」    「当たり前だけどオレは幹部入り賛成ね。」    「私も今のところは賛成だ、面白そうだ。」 一週間後、残る幹部、ホーティック・クロックの両名も『使える者は使いましょう』・『あぁー、合わなかったら除名すりゃあ良いだろ。』 …と、反対に2票目が入る事は無かった。 [[前へ戻る。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/121.html]] [[次へ進む。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/53.html]] [[遊義皇トップへ>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/12.html]] [[小説置き場に戻る>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/5.html]]
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ザグオゥッゥオン! 俺は大きく横に跳んだ矢先、俺が立っていた場所に剛速球投手の直球の様な何かが地面に刺さった。    「…なんだ!?」 そこには顔に黄金色のピアスを付けまくった男女の区分すら付かない人間と思しき者、 今の音からすると付けていたパラシュートが無意味な程に重量は人間離れしているようだが。    「私ですらも畏怖を消し去れないスカイダイビングを軽々するとは…流石は幹部、見事だ。」 顔面の金色のピアスから察するに、この異常重量ピアスが顔面金色ボットだろう。    「空港まで行く時間の節約ですよ、今もシャモン様がこちらに向かってきていますよ。」 再度振り仰ぐと、太陽と重なって見え難いが、確かに何かが落ちてきている。    「降りてくるまで待ちましょうか、とりあえず。」           (間と視点変換・作者にシフトォチェンジッ)    「ゴメンねー、オレ、エビエスみたいに早く降りられないからさー。」 シャモンが降りてくる数秒前からウォンビックは疑問を感じていた、降りてくるシルエットが小さすぎる。 確かにグールズには未成年の者も多いがそれでも年齢が1ケタの奴は居ない、そして近場でシャモンの声を聞いて完全に子供で有る事を認めざるを得なかった。    「あなたがウォンビック・ブラックマインさんだよね、すぐにデュエルの準備するからさ、ちょっと待ってね。」    「シャモン様、デュエルの前に先ずは賭ける物の確認を、     正念党が勝てばダーヅは解散、ダーヅが勝てば……ところでジン、あなたのデュエルでは何を賭けたんですか?」 ……、 エビエスは降りてくるのを待ちきれずに眠ったアホウを1回蹴り飛ばして起こし、再度質問を投げ掛けた。    「ふ、私のデュエルは部下達の格闘の延長試合、賭ける物も副隊長が勝手に決めた筈だ。」    「俺が賭けた物ダーヅ解散、ホウキカラス部下の烏合の衆が賭けた物は所持しているデッキ・スーツ諸々全てだ。」 上司が部下の決めた条件を知らずにデュエルって一体?    「勝てる自信が有ったのだろうが、組織の機密のスーツや〔無限の力〕入りデッキを賭けるとは…。」 複製カードは複製カードからでも作れるので、基本的にはザコハンターにもレアカードは標準装備させている、 だが例外で世界に1枚しか存在しないレア魔法、〔サイクロン・ブレイク〕・〔無限の力〕は常勝・裏切らないといった限られたハンターしか所持できない。 その為、何をするか予想できないクロック、アホウのジンの二名は幹部衆でありながら二枚とも持たされていない。    「それじゃあ賭ける内容はオレ達が勝ったらさっきのアンティの無効とそっちの解散、     ウォンビックくんが勝ったら正念党が解散してオリジナルの〔サイクロン・ブレイク〕の入ったデッキを渡す、これで良いかな?」    「レアハンターたる物、挑まれた勝負は受けよう、謹んで、な。」 笑ってる奴は無視して各々デュエルの準備をするが、何時の間にかシャモンは奇妙な円盤を腕に装着している。    「これはオレの自慢のデュエルディスク『星』! オレの一番大事な人が作ってくれたディスクなんだ~♪」 そのディスクはデッキホルダーを中心に、五角形を描く形でカードのソリッドビジョンが配置されている。 ウォンビックの巨大デュエルディスク『BATTLE・AX(斧)』もかなりの異型だがその比には為らないほどの奇形、デザイン勝負なら一等賞。    「猩々鬼は凄いんだよ~、投げるタイプのソリッドビジョンシステムをオレが投げられないから、     投げなくても持てる様に軽量化と改造をたった一晩でしてくれたんだよ♪ それでね、そのあと猩々鬼は…。」    「シャモン様、話さなくて良い情報は教える必要は有りません。」 そんな新婚夫婦のノロケ話みたいな内容を『情報』として扱える人間が居るならそれはそれで見てみたい。    「それではルールはダーヅの『ドッグ&マン』を採用する…ルールは…。」    「知っています、格闘技とデュエルを行い二本の戦いに勝利した者が勝者、イーブンだった場合はノーゲーム、ですよね?」 ルールを確認してお互いにデュエルディスクを装着し、叫ぶ!    『デュエル!』(新エキスパートルール、初期手札5、LP8000)    「俺の先攻(手札6)!俺はモンスターとスペルカードを1枚ずつ伏せ、     手札から魔法カード〔おジャマシスターズ〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>おジャマシスターズ</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">相手フィールド上に「おジャマガールトークン」(攻撃力300・守備力2000・地属性・獣族・星3)を2体を特殊召喚する。<BR>このトークンは生贄にできず、破壊された時、トークンのコントローラーは1体につき500ポイントダメージを受ける。<BR>(このカードの発動後、このターンをエンドフェイズまでスキップする。)(オリカ)</Td></Table>) シャモンの場に急遽降り立った青と赤のおジャマ人的美少女2人・・・・・2人はどこぞのアイドルよろしくシャモンの場で歌い、踊り始めた。 この光景を見たプレイヤーはあまりの苛立ちに早く除去しようとし、プレイングミスを犯しやすくなるというオマケ付き。    「私達~おジャマの心のおーんなぁ~の~こ~♪」    「赤と青ぉの~、プリンセス~♪」    『2人で~あなたの世界にお~ジャマ~♪』    「…あなたはこういうカードを使うんですか…」    「ええい! 類似効果の〔地盤沈下〕よりも発動後の除去難易度が高いから! それだけだ! 終了!(手札3・伏せ1)」 エビの白い視線に慌てて弁解するウォンビック。    「中々素晴らしい音域だな、これは。」    「こんなに可愛いモンスターをありがとね、ウォンビック♪  じゃあカードを引くよ(手札6)。」 この瞬間、初めて巨人+顔面金色ボット、魔王+ホウキカラスと言う異色の派閥が出来上がった。    「貴様がドローした瞬間に〔おジャマトリオ〕を発動する。」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>おジャマトリオ</Td><Td>通常罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">相手フィールド上に「おジャマトークン」(攻撃力0・守備力1000・地属性・獣族・星2)を3体守備表示で特殊召喚する。<BR>このトークンは生贄にできず、破壊された時、トークンのコントローラーは1体につき300ポイントダメージを受ける。 </Td></Table>) 黄・黒・緑が出現と同時に青・赤はアニソンからメタリカ調の、 おそらくロックミュージックと召喚ロックを掛けた歌に変更された。 そして何時の間にか黄・黒・緑は各自カスタネット・リコーダー・ハーモニカを弾き始めている …いや、ロックってそういう楽器で成立するの?    「…中々心地よい……楽器をどこに持っていたかが気に為るがな。」    「たーのしぃ♪ このぐらい可愛いロックなら大歓迎♪ 3枚セットしてターン終了ね。(手札3・伏せ3)」 …心に常に余裕を持つ事は重要な事だ、エビエスはそう思うことにしていた。    「んー、じゃあオレはカードを引き(手札4)…1枚伏せて終りょ…。』    「さっきのドローフェイズ発動のお返し! 伏せカードに対して2枚の〔サイクロン・ブレイク〕!。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>サイクロン・ブレイク</Td><Td>速攻魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">フィールド上のカード1枚を破壊する。(オリカ)</Td></Table>) 一陣の風…いや、二陣の風がそれぞれウォンビックの場のセットカードを打ち砕いていく。 伏せカード(威嚇する咆哮・魂を削り死霊)→墓地へ。    「ああああ! やっぱりプレイングミスぅうう!」    「なるほど、これが最強のレアカードの威力か……だが初心者プレイングだな、      今の〔サイブレ〕はトークンを破壊してロックを崩し、召喚スペースを確保するのが通常だ。(ウォンビック手札3・伏せ0)」 引きに天性の才能、カリスマと呼ばれる者の必携スキルだが・・・それでもプレイングが付いていかなければ意味が無い、 そのプレイングによって残り1枚の〔サイクロン・ブレイク〕に賭けるという、完全にウォンビックの『時間稼ぎ』に嵌った形になっている。    「猩々鬼の貸してくれたマンガに『特別強くなるんだったらどこかで普通を捨てなくちゃならない』って書いてあったよ、ドローね(手札4)。」 漫画!?    「ラーメンで言うならしょうゆ味、デッキで言うならスタンダード、普通でも強くは為れる、     どんな斬新さでもシャモンや私の様に戦闘で相手を殴り倒すデッキにはアタッカーが必要だ…召喚できないのでは。」 そう言えば醤油は日本発祥で、ラーメンは中国発祥、だったら最初のラーメンは醤油ではなかったのでは。    「ジローの言ってる事は分かるけどモンスターならウォンビックがくれたこの子達が居るでしょ?     手札から〔百獣大行進〕を発動し…〔ガール〕に〔団結の力〕を装備!」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>百獣大行進</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分フィールド上に表側表示で存在する獣族モンスターの攻撃力はターン終了時まで自分フィールド上に存在する獣族モンスターの数×200ポイントアップする。 </Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>団結の力</Td><Td>装備魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">装備モンスターの攻撃力と守備力は自分のコントロールする表側表示モンスター1体につき、800ポイントアップする。 </Td></Table>) おジャマ×3 攻撃力0・守備力1000→攻撃力1000・守備力2000 おジャマガール(赤) 攻撃力300・守備力2000→攻撃力1300・守備力3000 おジャマガール(青) 攻撃力300・守備力2000→攻撃力1300・守備力3000→攻撃力5300・守備力7000    「おジャマモンスターで攻撃力合計8000オーバー!?」    「先天的なドロー能力はプレイングを超える…か、恐れ入る。」    「行っくよぉー! おジャマ達の一斉攻撃! おジャマイルドスーパースポンジオイルバスター!」 圧倒的なパワーで殴り抜けるおジャマ(青)…だが、その攻撃に悲鳴を上げるより早く、ウォンビックは手札に手を伸ばしていた。 ウォンビックLP8000→2700    「ぐぅ…俺のライフがダメージを受けた瞬間ッ! 手札から〔ノロボー〕の効果を発動する!」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>ノロボー</Td><Td>闇属性</Td><Td>悪魔族</Td><Td>レベル2</Td><Td>ATK100</Td><Td>DEF100</Td></Tr><Td ColSpan="6">コントローラーがライフにダメージを受けた時、手札からこのカードを捨てる事ができる。<BR>捨てたターンのエンドフェイズまでコントローラーはダメージを受けない。(オリカ)</Td></Table>) 残る4色のおジャマ達の攻撃を受け止めるべく、フィールドに降り立つが…。    「通さない! その発動に対して最後の伏せカード〔天罰〕!」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>天罰</Td><Td>カウンター罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">手札を1枚捨てる。効果モンスターの発動と効果を無効にし、そのモンスターを破壊する。 </Td></Table>) 民の反抗を許さぬ神のように、ウォンビックの防御を打ち砕いて本来のシャモンの作戦通りに攻撃は完了した。 ウォンビックLP2700→1000→1000→0    「ぐふ…。」    『これが結束の力だ!』 やりきった顔で消えていくソリッド・ビジョンとそれに手を振るシャモン…あ、おジャマも振り返してる、凄いなソリッドビジョン。 …つーか、赤だけ攻撃してないのに結束か、1人だけサボってても結束で良いのか    「ダーヅのルールでは原則的に1人が殴り合いとデュエルを行なう…     ですが、こちらのシャモン様は見ての通りの子供、代わりに私が戦います、それで良いですよね?」    「ダメだ、そっちの子供が戦え。」 明らかに目付きの違うウォンビック・ブラックマイン(18歳)、 10年前に初恋の相手の父親が競技中の事故で義父を殺してから11月10日が嫌いになった男。    「何が問題だ? 私が部下達の代わりにデュエルした際には代行が可能だっただろう。」    「あれは連中が意識を失い、続行不可能だったからだが今回は俺もそちらも無傷だ。」 そういうルールなら何でデュエルを先にしない?    「セコイですねぇ、弱そうな方を狙うとは…。」    「なんと呼ばれようと構わん、確実な勝利の為にそちらの子供と戦いたい、俺は負けられないんでな。」    「負けられないのは分かりますが、孤児院の院長さんが子供を殴っちゃ拙いんじゃないですか?」 まともに引き攣らせるウォンビック。    「…ピアス、お前は何者だ、部下達にもしていない話をなぜ…?」    「誰も知らないからこそ情報の価値が有る……常識ですよ?」 気に入らない物同士の討論にニヤニヤ笑うホウキカラスとそれに対照的なシャモン。    「良いよ!分かった!オレがやる!     オレが戦えばウォンビックくんは納得、そんで勝てばエビエスも納得でしょ!?」 そんな勝つのが当たり前、のように言われて納得したのではお守り幹部の名が廃る ……廃っても困らないようなきがする、お守り幹部。    「私は反対です! 第七幹部の権限でそんな事は……。」    「残念、オレも第一幹部の権限を使ってでも戦うよ。」 そのまま2人はジンへと視線を移す、意見が割れた時はその場で幹部権限を持つ者の多数決だ。    「私の第五幹部権限はシャモン戦闘に一票だな、     シャモンは痛みを知らんアホウでは無いと私は知っているし、小さなシャモンがどう戦うかに知的好奇心が有る。」    「お前がアホウじゃぁああああ!」    「ありがとね、ジロー!」 聞いた手前でシャモンは即座に自分のディスク『星』を外して、ファイティングポーズを取った。    「決まりだな…ダーヅでのファイティングルールは自分の所持している物・周りに有る人間以外の物ならば武器も使用可能、     急所・禁じ手・時間制限は無し、勝敗はギブアップの宣言か意識を失った場合のみ、生死は問わない!」 なんだこの極悪ルール、敗者は死ねってルールか、それは。    「開始はこのルールの説明が終わった時点から開始ィッダァ!?」 最初の一瞬でウォンビックの視界からシャモンの姿は消え、次の瞬間には小さな靴底が目に入り、口に入り、 ごりゅあ、ふあぁっと、っどぎ! カキ氷製造機のレバーを何周か回したような音がして、ウォンビックの意識は完全に暗転した。 間 ウォンビックは異常な息苦しで目を覚ました、鼻は痛みだけ出で呼吸できず、ノドにも何かが支えている。    「ぐへっ、ぐふほぁ!」 起き上がり、ノドの異物感の根源を思いっきり吐き出すが、それは異物ではなくさっきまでウォンビックの歯茎に生えていた歯。 遊戯王で歯が飛ぶのは日常茶飯事だが、それでも奥歯8本だけ綺麗に残して他は全滅、ってのは珍しいかも知れない。    「お、起きたか。」 手に持ったウノのカードを地面に伏せて、ウォンビックへ向かっていく幹部3人。    「さて、対戦の結果は覚えてますよね。」 まだ頭がグラ付いているのか、かなりぎこちない動作で頭を下げる巨人。    「アンティの…この組織は見逃して…くれ!     俺には…孤児院にはまだ金が必要なんだ…頼む…。」 突然の土下座にたじろぐシャモンに、同情の欠片も無く前に出るジン。    「知らないようだから教えてやる、頭を下げると言う行為は私の様に誇り溢れた人間がするからこそ意味が出る、     貴様の様な暴力団にも為れない半端者の土下座なんぞ芥(あくた)程の価値も無いわァッ!」    「……だったらさー、君はオレの組織に来て幹部やらない? 2番幹部か6番幹部で。     今は予算を会計してくれてた猩々鬼も居ないから会計係の幹部も欲しかったし…ウォンビックくんって会計できる?」    「……。」    「適当で良いよ~、もし余った資金の一部をどっかの孤児院の募金に当てたりしても気付かないからさ。」 それを聞いて吹き出すジンに、肩を振るわせるエビエス。    「私は反対です!横領容認の会計や裏切る可能性の高い者を幹部にするなどと!」    「良いじゃん! お金なら7桁か8桁くらい余ってるんだからさ!     それにウォンビックくんは自分の誇り捨ててまで孤児院に執着する人だよ?     そういう人は『必要以上の物を求めないから裏切らない』、って猩々鬼の貸してくれた漫画に描いてあった!     ……人を殴らないでもデュエルは出来るよ……ウォンビックくん。」 キリスト教徒のウォンビックにはその時のシャモンが完全に救世主に見えていた、自分にとっても、子供たちにとっても。    「…その申し出、喜んで受けよう、よろしく。」    「か、幹部会に入るには他の幹部2名が反対した場合は無効です! 私は反対します! 他に反対の方!?」    「当たり前だけどオレは幹部入り賛成ね。」    「私も今のところは賛成だ、面白そうだ。」 一週間後、残る幹部、ホーティック・クロックの両名も『使える者は使いましょう』・『あぁー、合わなかったら除名すりゃあ良いだろ。』 …と、反対に2票目が入る事は無かった。 [[前へ戻る。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/121.html]] [[次へ進む。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/131.html]] [[遊義皇トップへ>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/12.html]] [[小説置き場に戻る>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/5.html]]

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