84pの小説

ここが変だよルパン三世

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84gzatu

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ルパン三世、という国民的アニメがあります。
内容はアルセーヌ・ルパンの3代目があの手この手で盗みを働く、という物。
その中で、84gが好きなキャラが石川五ェ門次元大介です。
現実にはありえないほどの剣術や銃撃を行うプロフェッショナルであり、ルパンの仲間です。
ルパン三世は現実にはありえない荒唐無稽さを売りにしている娯楽作であり、84gは幼少期から楽しく見ています。

ですが、名作ゆえにルパン三世が与える影響は大きく、リアルテイストなのにルパン三世の作中描写を真似するという物が多く見られます。
もちろん、創作物である以上、全てが現実的であることなど不可能に等しく、する必要も有りません。
ですが、そこまでは現実性に熱中して見ていたのに、いきなり『ああ、嘘っぽいな』と残念に思うことも少なくありません。
今回は、そのことに少しツッコミを入れてみたいと思います。
創作活動をしている方は参考にしていただければ光栄です。


第一弾 剣VS銃

五ェ門が作中で何度か見せている『放たれた弾丸を刀で叩き落す(ないし切る)』というシーン。
幼心に84gは『そりゃあ無理だろ』と思ったりもしたんですが、後の特撮やアクション映画、アニメでは割とメジャーなシーンに。

銃弾は切断してもその場には落ちません。
弾丸は火薬で加速・射出されてるわけですから、切断して2つに分かれたとしてもどこかへ飛んでいきます。
(※:ただし切ったことで直進する形状でなくなるので、回避できる可能性は存在。)

応用編で『刀身の側面を盾代わりにする』という物もありますが、これも非現実的。
弾丸は静止した地点で最大の破壊力・衝撃力を発揮する武器であり、それを止めようとすると刀身及び腕に相当の衝撃があるはずです。
鍛え抜いた野球選手が、バッティングの姿勢(=最も跳ね返しやすい姿勢)で時速百数十キロのボールをバットで打ち返して身体を痛めるというのはよくある話ですしね。
それを初速は300キロを超える物も珍しくない拳銃の弾丸を複数同時に刀で受け止める……刀が折れるか、腕がおかしくなると思うんですが。

そもそも、弾丸の斜線軸に刀を置く、というだけで超人的なものがあります。
正面から来ると分かっているボールをプロの野球選手が打ち、打率4割が出ればかなりのもの。
それをボールより早く小さく、投球フォームも無く、連射できる弾丸を全て叩き落す……神掛かった運動神経が必要です。
……っていうか、どこに弾丸が来るかわかるなら逃げるか避けるかするだろ

ちなみによくある描写で銃口の向きと指でタイミングを計るという物があります。
しかしながら、銃という武器は種類によって射程も威力も速度も異なり、優秀な射手ですらどこに当たるかは完全にはわかりません。



第二弾 銃の弾丸?

次元大介といえば、リボルバータイプの拳銃である。
弾が切れたら戦場で弾丸を詰めなおし、何事もなかったようにさらに撃ちまくります。
しかしながら、普通なら考えて拳銃が一丁というのはありえません。
当たり前ですが、弾切れの銃に弾丸を装填するより、新しい拳銃を出した方が早いです。
銃を一挺だけ持つ、というのは護身の意味ではそれで問題ありませんが、他人を殺すつもりならば最低二挺は欲しいところ。

また、荒廃した未来の地球で弾丸を発掘して使ってい、次元大介の影響を受けていると思われるるキャラクターがどっかの小説で居たんですよ。
……紙箱に入ってて埋まってた弾丸がなんで使えるんでしょうか、雨を初めとする自然現象で使い物にならないと思うんですが。
しかも銃は口径や種類も違うはずなので、発掘した弾丸が対応できる拳銃も持たなければならないので、一挺というのは…ねぇ。


第三弾 最強武器 日本刀?

最近では日本人だけでなく、海外にもファンが多いサムライソードこと日本刀。
かくいう84gも男の子ですから日本刀の美的利点は幼少期から感覚的に理解しているつもりです。
袈裟懸けにズバっと敵を一刀両断、刀に吸い寄せられるように切られていく悪人達! これで燃えない男が居るかァっ!


しかしながら、日本刀で大立ち回りは不可能であるといわざるを得ません。
人間を切る場合、衣服・肉・骨を同時に断たなければ絶命には至りませんが、刃物で複数のものを同時に切るというのは中々に困難です。
例えば、パンと厚切りのボンレスハムにピクルスをそれぞれを1つずつなら子供でも包丁で簡単に切れます。
しかし、サンドイッチにして切ろうとすると途端に難易度があがり、慣れてないとハムを潰してしまったり、パンがボロボロになります。
人体はサンドイッチより防御力が高く、切ろうとする場合は加速が必要となります。
加速要素は大雑把に3種類、1:刀の長さ 2:使い手の筋力 3:刀の質量
筋力=稼動エネルギーが多ければそれだけ早く、刀が長ければ先端は柄よりも早く、質量があれば早く落ちる…と。
細かく言うともうちょっとあるわけですが、まあ置いといて。

よって、刀で切る場合は先端からせいぜい数十センチまでが切れる射程であって、遠すぎても近すぎても切ると言う行為は成立しない。
よっぽどの馬鹿力があれば別ですが、多分刀が先に折れます。
では、日本刀で殺害は不可能か? いえいえ、そうではありません。
切断に拘らなければ、刀には刺殺撲殺があります。
サンドイッチを切るよりも、刃を立てて刺すだけなら慣れてなくとも刺したり、殴ったりはできると思います。
(サンドイッチに包丁を刺したり、包丁で殴りつけたり、かなり意味不明な行動ですが。)
刀で殴るというのはアニメや映画では登場機会は少なく、峰打ちと呼ばれて手加減の技のようですが、刀(=金属の棒)で殴れば人間は殺せます。
ただし、突き刺すという攻撃手段は非常に有効性が高いのですが、刺した後に抜けないという現象が発生します。
要因は様々ですが、例えば骨や筋肉に刃が引っ掛かったり、腹を刺された瞬間に前かがみになって刃物を持ったまま絶命したり…。
切るにしても刺すにしても、日本刀は複数の人間を殺せる武器ではありません。
一人を殺したらそこでもう役立たずになると考えた方がいいでしょう…っていうか、実践は絶対にしないでくださいね?

つまり、日本刀は、突き刺す・殴る・切る、と多くの攻撃パターンがあり、対一の護身具、と考えるのが適当です。

日本刀で辻斬り、というのも非現実的です。
体力的に勝っているならともかく、同等の体力の持ち主同士で片方が素手で片方が刀を持っていると仮定した場合、
開始時の双方の距離にもよりますが、ほぼ間違いなく刀という重りを持ってない分、素手のほうが早く長く走っていられます。

よって、刀が合法的な国であっても、辻斬り・強盗をするならもっと手軽で走れるナイフなどの方が優れていると言う事です。
ちなみにナイフで人を殺す場合、切って即死させることとは不可能に近いです。
ナイフの大きさにもよりますが、服・肉・骨を纏めて切断するには質量も長さも足りないからです。
狙うとしたら衣服の無い首を切る、または刺し殺すという攻撃手段になるでしょう。
そのため、もしナイフに狙われた場合、厚手の格好をしていれば切られて致命傷になる危険性はほぼありません。
ただし、死ななくても切られれば痛いし、刺されるリスクは高いので戦わず逃げる、またはナイフより射程の長いイスやカサなどを探しましょう。
……いつの間にか、防犯の話になってる不思議。


ちなみに剣道という競技が成立するのは、以下の要因です。
1:互いの武装がある程度平等である。
2:逃走と言う選択肢が無い。
3:他の攻撃手段は認められていない。
4:障害物が無く、思いっきり刀を振り回せる。

仮に命懸けで戦う場合、大抵は上記のどれかが満たされなくなり、競技にはなりえません。





















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