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識柚4 彼岸花


彼岸花や、と師匠の声が跳ねた。

「こないなとこに咲いとるんや」
「俺も知らなかった…」

都会のど真ん中、申し訳程度の緑地の中で茎からまっすぐに生えた紅い花に識は目を細めた。
その姿は誰かに似ている。
天に牙剥き、気丈に佇む。
葉と花が出会うことはなく、どちらかが土に没してから改めて日の目を見られる。

「師匠は彼岸花バックにしても似合う」
「なにいうてるんや」

赤いからかなと誤魔化した。