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ケアミ1 【「みえているはずだよ」】


「邪ー魔ー」

 ケイナにもらったノートパソコンを膝に載せて、アーミーはさらにケイナ自身に膝に載せられている。

「おろしてよ」
「やだね。アーミーはパソコンやりだしたら構ってくれないし」
「ケイナさんも仕事できないじゃん」
「今日はお休み。ずっと構ってなくてアーミーすねてたろ」
「拗ねてないっ」

 ヘルメットの外れた、さらさらした髪と薄いうなじに顔を埋めたケイナは俺は何でも知ってるんだよ、というような余裕面を浮かべる。それがますます、アーミーの気に障る。

「誰もっそんなことしてないしっ」
「またまたそんな~ほっとかれた猫みたいな顔してただろ、俺の後ろで」

 万年部屋ん中にいるくせに、筋力のあるケイナはアーミーが腕を突っ張ったところで全然動じない。

「ケイナっ…さんっ」
「アーミーにはわかんないかなぁ、俺のこの溢れんばかりの愛情が」
「わかって…たまるかっ!」
「せめてオーラだけでも見えない?」
「みえるかー!」

 素直じゃない猫を手懐けるには、目に見える愛を。
最終更新:2006年07月26日 05:17