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ゼファー仮名3

 ※わたつみが勝手に考えたゼファ妄想です。名前も公式が出るまでの仮名だと思ってください。
 補足・ピンク髪さんは男です。ピンク髪×青い人でよろしく。ゼファー本編より前の話っぽく。
 針と守り人。金髪赤男くんと金髪少女さんについて。


不可侵の針と針。そして時計台。台座にある針は一つだけであり、短針が欠けている。それはいつの時代からか伝えられてきた戒律により、短針を持って「生まれた」者は永遠に彷徨う宿めを負うことになる。
守り人は世界の命数を縮めると言われる「時計台」と、その針を近づけまいとする者たちの総称である。悪しき意思に惑わされぬよう、またその針を監視しながらも守り抜くよう訓練された者たち。とある適正のもとに集められ、幼い頃から教育し気の遠くなるような修業と星を掴むような確率で、針を持つ者の守護者となりうる。
短針は常に移動し、長針から遠ざかるべき存在だ。だが長針の守護者であるナフトは、短針とその守護者がどこにいるか把握する必要がある。近づきすぎればこちらから警告し、攻撃も厭わない。
そのため守護者同士では一定のコミュニケーションが保たれている。どこにいようとも守り人のネットワークにより、ナフトの手元に赤い封蝋の為された手紙が届く。といっても、指定された場所にナフトが赴き預けられた物品を受け取る、そのついでといった寸法だ。

「…相変わらず汚い字だ」

じっとしているのが嫌いで、筆無精な短針の守護者の筆跡を暗号ごしに読み取りながら、ナフトは小さく苦笑する。

「あっ、ナフトがお手紙読んでる!」

カナンにつれられ散歩から戻ってきたセラが見慣れた封蝋を見つけ飛びついてきた。
セラには読めない文面の手紙をナフトが目で追うたび、グラススコープごしの目がやわらかくなるのを彼女は知っている。

「ユエマーヤからセラに土産があると書いてある」
「本当!?」

決して会うことはない針の片割れユエマーヤをセラは姉のように懐いている。触れあうことはおろか、こうした文面や届けられる小物以外では彼女を知ることはないというのに、セラは思慕を曇らせない。

「なんだろっ何が届くのかなぁ?ねぇカナンはなにが届くと思う!?」

一足遅れて戻ってきたカナンにまで飛びつき緑髪を跳ね上げるくらいセラは興奮していた。

「何が届くんだろうね?ねぇナフト」
「さぁな」

その土産が何であるかなど、仔細を漏らさず手紙には書かれているがナフトは会えて口を噤んだ。ユエマーヤという少女もまた、自分が放浪の身でありながらも籠の鳥のように一所しか知らないセラを大切に思い、気遣っているのがどこかふてくされたように綴る手紙から読み取れる。

「ユエマーヤと揃いのものらしいとは書いてある」

ナフトはそう結んで、セラのはしゃぎようはいっそうに高まったのだった。


「なんだか寂しいなぁ」
「セラが短針の…ユエマーヤに懐くことか? 針は惹かれあうものだから、しょうがないことだろう」
「違うよ」

カナンはそれ、と赤い封蝋の手紙を指す。

「気付いてないだろうけど、手紙を読んでる時のナフトは少し僕らに見せる顔とは少し違うんだよ。それが、ね…」

目が違う、とカナンは言う。

「まるで、二人っきりでいる時みたいな顔してる。ねぇ、手紙って他にはなんて書いてあるの?」
「たわいもないことだ…」

前髪に隠れたグラススコープをカナンの手がかき分ける。性の匂いを感じさせないカナンは春の女神のようだと言われればそうだとも思えるし、夏の少年神だと喩えられればそうとも思える。わずかに男の顔をしたカナンには妬心がないとは、いえないだろう。

「旅のこと、ユエマーヤのこと、あとは…修業していた頃が懐かしいとか…そういう泣き言だ」
「罪深いことを言うね」
「昔からあいつは、ウィルはそういう男だった」
「過去を持たない僕には羨ましいばかりだよ」

今しか記憶を持たないカナンが顔を引き寄せ息を殺していく様をナフトは抗わず見つめていた。



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ユエマーヤ…金髪さん。短針を持つ。ユエ。放浪の身。
ウィル…赤男さん。ユエの守護者。ナフトと同期、そして?