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こたとゆかいな北条家1


北条氏康の子は長子氏政を筆頭に十人いる。この時代、子沢山は珍しくないが、このうちの八人までが同母の兄弟なのはなかなか珍しい。そんなわけで小田原城内を歩いていれば、氏政の弟や甥と一日に一回は出くわす。
初めの頃こそ「風魔の忍びとはいかに」と遠巻きにされていたが最近は会う度に気安い声を小太郎にかけてくれる。

「見れば儂の倅と変わらぬわ」と氏政のすぐ下の弟(年長組)は言い、末の弟ら(年少組)は「忍び忍び」と当初から親しい。年少組にとっては小太郎は弟扱いだ。ただし年少といっても皆程々に良い年だ。
「忍び、団子は食うか」
「忍び、干菓子をやろう」

小太郎はその度に遠慮するがいつのまにか彼らが去る頃には手に持たされている。まるで北条の人間だけがもつ忍術かと見まがうほどだ。

「よいよい、貰われてやるのじゃ」

とうの氏政も小太郎を茶室に呼んでやったり宴に控えさせたりするので(小太郎にとっては警護の任にあたっているつもりなのだが)、氏政もまた北条忍法を体得しているのかもしれないと小太郎は真剣に考えた。



とはいえ、食べ過ぎては忍の名折れ。それなりに鍛錬をするのが風魔小太郎。



だがしかし。

「訓練か忍びー!儂も混ぜろー!」
「兄者は一昨日も忍びと組手をしたではないか!今日は俺がっ」
「忍びー忍術をみせてみろー」
「……!!!」

訓練中に弟または甥たちがわらわらやってくるのは勘弁してもらいたかった。
これにはさすがに見かねた氏政があやつら図にのるからのう、と言った末、『風魔小太郎にやたらと構って任務の邪魔をしないこと』という言い渡しをしてやっと、小太郎は平穏を取り戻したという。

「…小太郎、嫌だと思ったら拒んでよいぞ」

そうしみじみと氏政は小太郎に言ったらしい。


※修正しました。十人のうち二人ほどは同母の兄弟ではありませんでした;八人同母兄弟は史実にそってます。養子に出されたり色々ですが、バサラなんで!近いとこに住んでたり城内に住んでたりするのを捏造。まぎらわしくして申し訳ありません。
※※さらに調べてみると息子は十人いますが、娘も勿論いましてこちらは七人いたようです。うち氏政の同母の妹は二人。こ、子沢山です氏康様…