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ゼファミリー7 小さな愛情大きな横暴



安普請のボロ屋にはすきま風と雨漏りが常にお友達。わずかな雨でもあっちの廊下、こっちの畳、バケツやタライが家庭内でこれほど活用されることもないだろう。

「大丈夫だろ、前の台風にもウチは耐えたんだし」
「でも屋根瓦が半分くらい飛んでっちゃってたよね」
「あれは補強をやり損ねたキラーが悪ィ」
「!? ! !!」

やや高所恐怖症のケがあるキラーに屋根仕事ができるわけもない。のに家長と書いて俺様と読むリヒトはお構いなしに屋根仕事を手伝わせたのだ。むろんまともな補強ができようもなく瓦はかなりの数が飛んでいった。ちなみにこの時の台風被害は町内ではリヒトたちの家だけだったりした。

「屋根くらいでびびるんじゃねえよ。チョロ毛のアパートは平気で行ってるだろうが」
「…っ!!!!」

平気じゃない。オロロージョの住むアパートではキラーは目をつぶって最上階まで階段を駆け上がりピンポンダッシュのごとくチャイムを連打して入れてもらっているのだ。「ようキラー、あがれよ」とオロロージョが迎えてくれるまで目は絶対開けられなかった。

「キラー、大工の源さんとこに住み込みで弟子入りしないか?食費もおまえ一人分減って助かるんだが。おまえが大工になれば修繕費も身内価格になるだろうし」
「~~っ!!」

今度こそ涙目になった至極の悪人面でキラーはパンッと両手をたたいてから逃げ出した。

「お粗末様ってこらキラーご飯粒残ってる!」

全力で泣いている(が傍目には呪い殺しそうな恐ろしい顔の)キラーは居間を後にした。

「ったく、ああやって出ていってもいくとこはわかってんだからな。…自分で自分の首しめてるようなもんだろうに」
「リヒトの優しさって半分はバイオレンスでできてるよね」

ルルススはごちそうさまをしながらしみじみ言った。