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識柚20 わんにゃん


「くしゅっ」

すすりあげた鼻にジン、と寒さが入り込む。

「やっぱり新しい毛布探そう…」

少しカビくさい毛布は薄くてしょうがない。
…気になるのは自分だけかもしれないけど。
識の腹に埋もれるように潜り込んでいるユーズはたまにひくひくヒゲを震わせるだけで、寒くなさそうだ。
そりゃ人の腹に潜り込んでりゃ暖かいでしょうとも。
子犬の時はふくふくまんまるな体を包むように寝ていたけれど、今やすっかり逆転してしまった。…大きく育った自分がちょっと憎い。
ずび、と鼻をすすると体が動き、ぬくもりを逃がさないようにユーズの手が識の腹にずりずりとついてくる。

「雪が降る前に新しいの、一緒に探してくださいよ。もう…」

投げ出していた手足をできるだけ丸まってみて、やっぱりどうやっても子犬の頃のようにはいかないのを惜しみながらユーズを包んでみた。少しずつ移る熱にうっとりしながら識は目を閉じた。