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ジェノギガ5 歌をあなたに
『…seie non tiex loue nu e oge…』
脈動するようなリバースバベルの稼働音はギガデリックの呼吸と同じくらい慣れたもの。
だが今日はそこに別の音が混じる。
『…naft je ed mam quie viox a oz jaju ime atha luuu…』
狭間の男が、ジェノサイドが歌っている。とつとつと独特な節回しだが単純な音階だ。
「いったい今日は何の音響だ」
『コレといった意味はないよ。古代語だから』
というか耳だけ覚えて歌詞は忘れちゃった、と白銀の髪を遊ばせジェノサイドは虚空に漂う。
「ふん」
『あ、寝るならもう歌わないよ』
「寝厭きた。しばらくは起きとく」
『素直じゃないなあ。まあいいよ、ギガデリックのために覚えているかぎり歌ってあげよう』
「頼んでねえ」
『まあまあ。…cion i rka im tue nafaiz se ginowo rvo…seie non tiex loue nu e oge…』
この世のどこにも存在しえぬ旋律と言語を、低くたゆたう闇よりなお深い声で歌いあげる。
『…ああそう、思い出した。大意はね、命のほむら尽きるまで剣に捧げる…そんな感じ』
「は、おまえらしくもない」
『そりゃそうだね。歌っていたのは…』
遠い記憶、分かたれる前の青年が教えられたもの。遙か遙か昔に。
『…seie non tiex loue nu e oge…』