学園ちかなりちか1
「チカちゃんチカちゃん」
ちょうそかべもとちか、という名前が呼びにくいのでクラスメイトからは「チカちゃん」「チカ」よばわりだ。元親はあんまり気にしていない。気にするのはなぜかその隣の席の毛利元就だ。ちなみに彼は「ナリ君」と女子のあいだでは呼ばれるが面と向かって言う剛の者はさすがにいなかった。
「チカちゃん頭暑そうだからまとめてあげるー」
「ん?おーう頼むわあ」
セットしにそうな、いかにもチャレンジしがいのある元親の頭に美容師を目指す彼女の目はキラリンと光った。
五分後。
「…貴様、なんだその頭は」
「女子がやってくれた」
後ろに流して小さなピンでとめられた頭にいち早く元就が反応した。ピンクと紫のコントラストが白い髪に生える。
「チカちゃんかわいいー」
「おーよ」
たかだか五分席をはずしただけで様変わりしてしまった元親に何を思った元就は。
「うっわ!なにしやがんだテメエ!」
形の良い指でぐっしゃぐしゃに乱してやった。
最終更新:2006年09月03日 03:21