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たけとみ2


「で結局どっちがどっちなんだよ」
「何が」

馴染みの小姓同士が集まれば自然と自軍の噂話になるのは必然で。
今一番の噂の種は我らが主とその軍師についてだ。…いわゆる、夜のほうの。

「半兵衛様と秀吉様!あの二人デキてるんだろ?」

あのあまったるい空気は恋人でもなけりゃ作れないだろう。特に半兵衛の秀吉を慕う言動は友愛を軽く越えていると専らの噂だ。

「もったいないっていうかさ、あれだけ美形なら女も選り取りみどりだろうに」

ほかの部屋つきの小姓らに比べて話を聞かされる少年は半兵衛の部下の小姓だったので真実をちょっとばかり余計に知っていた。故に沈黙。

「なんでまた好き好んで大男の女役なんだろう?」
「でも半兵衛様なら何でもできそうだね」
「うはー想像すると卑猥だな」

そうか一般的に考えればそうだろうな。
半兵衛はあの通り線の細いしなやかな美青年で、秀吉は岩をも砕く巨漢である。
その二人が絡む構図といえばやはり…

「いや、まあ秀吉様は天下取りしか興味がおありでないし」
「天下とったら秀吉様でも選り取りみどり?半兵衛様はそれまで代わりかあ?何だかなあ」

フォローもむなしく小姓たちは秀吉はどんな体位が好きだとかいうシモの話に突入していく。


逆、なんだけどなあ。


生気の薄い半兵衛が凄絶に妖艶な笑みを浮かべて秀吉の寝所に忍んでゆき、その後からは地の底を這うようなそれでいてぞくっするような低い呻きが漏れるようになるとは誰も知らないことなのだ。

知らない方が幸せなのかもしれない。