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ユズナイ4 焼き鳥


「っかー!うまーい!」
「……おっさんくさい」

 食事に連れてってくれるからちょっと期待したのに、連れて行かれたのは炭火焼きの煙籠もる焼鳥屋だった。
 ちょっとだけいつもより気合いを入れたナイアの格好は知る人ぞ知る隠れ家的な狭い店内では思い切り浮いている。
 服に匂い、ついちゃうかも…下ろしたてなのに。
 ユーズは大して気にしないだろうが(そしてそれはいいところの一つだけれど)、ナイアにとっては大問題だった。せめて行き先くらい教えてくれれば、それに似合った格好くらいできたのに。

「美味くない?」
「……おいしいわよ」

目の前で焼かれる串はそりゃあユーズが通うだけあって余分な油も少ないし、とてもおいしかった。味つけもシンプルだから、肉の旨みをしっかり味わうこともできる。
足らないのは恋人の気遣い。

「……今度連れてきてくれる時は、ちゃんと行き先行ってよね」
「なんでー?楽しみが減るやろ」
「なんでも!」

目の前で繰り広げられる痴話喧嘩には一切構わず、大将は黙々と注文の串をひっくり返していった。
こりゃユーズが悪いな、と密かに思いながら。



ユーズってそういう細かい気遣い、下手そう。